真実! 清潔! 刷新!
 自然共生!

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街頭演説集「自然共生」第2号

第2号目次

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第48回 婚活支援事業
第49回 環境美化の総合的推進策
第50回 地域協働による災害時避難所開設
第51回 子宮頸癌ワクチンの疑惑
第52回 学校給食と牛乳
第53回 エアポートバス
第54回 市営プール建て替え
第55回 新庁舎駐車場満車対策
第56回 防災行政無線と自治会放送接続
第57回 地方卸売市場の活性化
第58回 政務活動費不正受給
第59回 開かれた議会
第60回 豊島小学校跡地活用策
第61回 議会改革
第62回 監査制度の在り方
第63回 新庁舎建設に伴う公共施設の集約化
第64回 中通線と駐輪対策
第65回 一般質問の持ち時間
第66回 グリーンピアせとうちの今後
第67回 家庭ごみ収集業務の課題
第68回 保育士退職者不補充と保育料公平化
第69回 完全米飯給食の実施
第70回 青山クラブの再活用策
第71回 大和ミュージアムの指定管理
第72回 保育所入所基準の公開
第73回 そごう跡地とグリーンピアせとうちの方向性
第74回 生活保護費の問題点
第75回 学校ピアノ調律の実態
第76回 就学指導委員会と特別支援教育
第77回 政務活動費の使途改革
第78回 呉市イメージキャラクター戦略
第79回 呉駅前地区再整備の意義
第80回 主権者教育の在り方
第81回 戦艦大和大型試験機の展示計画
第82回 阿賀マリノポリスの方向性
第83回 介護予防・日常生活支援総合事業
第84回 広島電鉄への経営支援補助金
第85回 グリーンピアせとうちの指定管理破綻
第86回 子どもまちづくり事業への疑問
第87回 ゆめづくり地域交付金と地域振興事業補助金
第88回 乳幼児医療費助成の拡大
第89回 くれ協働事業と市民ゆめ創造事業の統合
第90回 グリーンピア指定管理取り消し
第91回 呉市特殊契約の統一ルール化
第92回 呉市議会報創刊
第93回 新庁舎の飲料自販機
第94回 食の食べ歩きにぎわいエリア構想
第95回 グリーンピアせとうちの売却方針
資料2

Facebook 2016.7.12

婚活支援事業は官から民への改革路線に逆行!

 本日は48回目の街頭演説。参院選期間中は公選法上、政治活動が規制されているため、2週間空いた格好で、さしずめ復活演説となりました。
 さてテーマは、丁度昨日、呉市が募集を開始したばかりの、婚活支援事業についてです。これは、元来民間の専売特許だったものを、去る3月に、呉市として初めて行いました。その伏線として、国が地方創生予算を平成26年度末にばらまき、それを活用する形で呉市も同年度末に補正予算を130万円程度組み、27年度に全額繰り越して執行したものです。つまり、その予算全額が国からの地方創生先行型交付金で賄われました。
 とは言え、慣れない呉市が直接実施するのはさすがに荷が重く、民間事業者に委託したのでした。具体的には、婚活事業実績のある民間3者を指名し、企画提案を行ってもらい、最優秀の企画を選定して委託契約を締結致しました。
 ここで押さえておかねばならないのは、事業に公金が投じられることで、参加者の負担金は、民間の婚活事業と比べて極端に安価になります。つまり、民業圧迫になるのは、当初から目に見えていました。
 そして最も気になるのは、参加人数です。結果は、男性27名、女性30名でした。そしてその中に、男女それぞれ市外在住者が8名ずつおられたのです。最初から呉市民のみを対象限定すれば、参加人数が少なく盛り上がらないことに加え、出会いの機会がそれだけ狭まるため、呉市民の条件を最初から外しました。
 ということは、市外在住者同士がカップルになるケース、呉市の女性が市外在住者に嫁ぐケースも考えられます。そうなりますと、何のために呉市で行ったのか分からなくなります。若者の出会いをサポートし、将来的には少子高齢化に少しでも歯止めをかけ、呉市の人口増に繋げて行きたいとの意図があったはずです。
 但し、結婚は人生の大きな岐路、しかも本人同士の自由意志で行うものであって、住まいや職業など、行政が関与するところではありません。ということは、最初から行政が手を出す事業ではないのです。
 例えば以前、倉橋町のまちづくり協議会が婚活イベントを主催したことがあります。この場合、男性は島に在住する者を条件にし、女性は市内外を問わないことにしました。これはよくある構図で、田舎故に嫁の来てがない若者に対して、田舎暮らしを含めて結婚願望の強い女性を嫁に迎え入れようとする作戦です。これなら分かり易く、島の人口増に貢献し、活性化しようとする思惑が透けて見えます。
 テレビ番組でも、この種の企画が大当たりで高視聴率を上げています。この場合、旅費は全額女性負担ということが、成功の鍵を握っているのです。加えて男性の家族は仕出しを注文して手厚くもてなします。即ち、真に結婚を求めるあまり、男女共に痛みを伴っても構わない真剣な姿勢であって、だからこそカップル成立率が高いと言えるでしょう。呉市が行う事業は安価な会費となれば、真剣に臨む男女は逆に集まり難くなると言えましょう。
 そして呉市がこの種の企画、即ち男性は呉市民限定、女性は誰でも構わないという条件設定を行わないのは、理由があります。それは女性が男性の家に嫁ぐという、日本古来の風習を強調することになって、男女共同参画の趣旨から外れ、それを批判されることを恐れてのことだと推察しています。
 
 一方、今年度は委託事業ではなく、民間事業を募り、優秀企画を5件ほど選定し、1企画当たり30万円を助成しようという、補助事業です。予算額は150万円で、この度は国からの補助は皆無で、全額一般財源、即ち市民の血税ということになります。
 これは昨年度の手法よりまだましではありますが、そうは言っても選ばれなかった事業者やグループ、応募しなかった団体との不公平感は払拭できず、民業圧迫の構図に大きな違いはありません。
 やはり、参加男女の資格に市内外を問わないことにしています。今度は市民の税金を直接投じる訳ですから、それで誕生したカップルが市外へ住むというのは、理屈が益々合わなくなります。
 しかも、昨年度の委託事業は年度末に実施したばかりですから、新年度予算編成の段階では、昨年度の効果を見極めて判断するという考えは毛頭なかったことになります。新規事業というのは、投資効果を見極めた上で、次年度に展開するのが基本です。まだ1カップルも誕生していない段階で、第2段階をスタートするのはとても危険です。
 しかも、万一それで誕生したカップルに、近い将来問題が生じた場合、その責任問題を行政が抱え込むというリスクまで背負っている訳です。今年度は民間への助成ですから、このリスクがかなり減じることになったのは、まだ幸いでしょう。
 いずれに致しましても、官から民への構造改革が今日まで進みましたが、これでは民から官へと逆行する矛盾を孕んでいることに気付くべきです。婚活に対し、行政が血税を投じてまでも手を出すのは大いに疑問を感じざるを得ません。私はこれまで通り、民間のご努力に任せておくのが自然だと考えています。 

Facebook 2016.7.20

市民生活に直結!環境美化の総合的推進策を提唱!

 昨日は49回目の街頭演説。定期演説をスタートしてから、ついに丸一年が経過しました。正に「継続は力なり」です。
さて、この日のテーマは環境美化の推進についてです。
 よく住民から、空き地の雑草繁茂や樹木が越境して困っている話を窺います。空き地は私有財産ですので、行政として手が出し難く、規制する法律もないため、これまで野放し状態が続いていました。
 これとよく似たのが空き家対策です。これも私有財産ですから、崩落の危険性があっても、行政がこれまで手を出せませんでした。
 そこで呉市は初の議員政策条例としての「空き家適正管理条例」を平成26年1月から施行しました。これは、先ず所有者に適正管理の努力義務を課し、市民の通報を受けて行政が調査し、空き家が危険だと認定した場合、指導・助言を行えるようにしたものです。それに従わない場合は勧告、それでも従わない場合は命令を行い、それにも従わない場合は、所有者の氏名を公表したり、所有敷地に警告看板を行政が設置できるというものです。
 ところが、その後同年11月に、空家対策推進特別措置法が制定されました。これにより、明確な法的根拠が与えられたことになります。この法律と既存の呉市条例との違いは、「危険空家等」を行政が認定することに加え、命令に従わない場合、罰金刑を課したことです。特措法制定を受け、呉市は「空家適切管理条例」に名称を改め、併せて法律に明記されていない緊急措置条項を加えることで条例改正を行いました。
私は、これと同じ施策を空き地にも適用すべく、条例化を去る6月定例議会で提唱致しました。即ち、空き地所有者に対して、それを適切に管理する努力義務を課した上で、最終段階の命令に従わない場合は罰金刑を課すというものです。
 次に、空き家でも空き地でもなく、人が住んでいて、著しく近隣の環境を不衛生にしているごみ屋敷問題があります。これは空家特措法や空家適切管理条例でも対応ができません。勿論空き地条例を制定しても、同様です。これまで本市でも、この問題で近隣住民を悩ませて来た地区もあります。ごみに引火し火事まで起きた所もあるのです。
 一般論ですが、住宅敷地内に散乱したごみを「有価物」であると主張されると、廃棄物清掃法では全く対応ができません。そこで、空家特措法や空家条例と同様の内容で、ごみ屋敷条例を制定するのです。空き家条例、空き地条例の他に、ごみ屋敷条例を制定した自治体も増えています。
 
 ところで、廃棄物清掃法を補う自治体条例には、ポイ捨て防止条例や環境美化条例があります。呉市も平成7年度からポイ捨て防止条例を施行しました。これは重点区域を指定し、そこには重点的に行政が施策を講じます。加えて、同区域に限っては罰金刑が課せられます。そして内容は、重点区域に限らず全市域におけるたばこのポイ捨て禁止、落書き禁止、飲料等の自動販売機設置事業者に対し、容器回収ボックスを販売機付近に設置する義務を課したものです。
 しかし、この呉市条例は一度も改正を行ってなく、定番の3項目の内容に止まっています。そこで私は、歩きたばこ、即ち歩行等喫煙の禁止、飼い犬等の糞放置防止、更には鳩を初めとする鳥類や野良猫等への餌やり禁止も盛り込むべきと、先の6月定例会一般質問で訴えました。
 歩行者等の喫煙禁止は、全国的にみても、健康増進法制定後徐々に増えつつあります。ましてや飼い犬等の糞放置防止条項は、当初からポイ捨て防止条例に盛り込んでいる自治体もあるのです。現在でも中央公園等には糞の放置防止に係る啓発看板を設置していますが、これではそれ移行の指導・助言、勧告、命令、罰則がないため、抑止効果に全く繋がりません。
 そして、極めつけは鳥類や野良猫等への餌やり禁止条例の制定です。広島市では平和公園において、鳩等への餌やりを禁止する看板を設置しているようですが、条例根拠はありません。れんがどおりでも、最近呉中通商店街振興組合が、糞の放置防止と併せた餌やり禁止啓発ポスターを掲示し、商店街放送でも啓発しておられまが、条例根拠がないため、行政が踏み込んで指導することができません。
 ところが近年では、荒川区がこの種の条例を制定しました。但し、地域住民が管理する地域猫への餌やりは例外としています。和歌山県や神戸市がそれに続きました。
 呉市では特に飲食店を要する商店街での野良猫への餌やり故に、その悪臭等でご商売に悪影響を及ぼしています。近隣トラブルにも発展しかねません。実際、昨年は福岡県で訴訟があり、餌をやり続けた被告に対し、原告たる近隣住民への55万円の損害賠償命令が地裁ではありますが、判決が下されました。
ここで、野良猫への餌やりは動物愛護とは別物だということです。野良猫が可哀想だからと餌をやり続け、近隣住民への迷惑はそっちのけという無責任な対応が問題なのです。動物愛護者であれは、終生飼養の責務が動物愛護管理法で位置付けられているのですから、あくまで自身で飼い、いたずらな繁殖を防ぐ努力をせねばなりません。
 札幌市では動物愛護管理条例を制定し、餌やり禁止規定を盛り込んでいますが、私としては、餌やりは飼い主がいない野良猫に対してですので、環境条例で対応する方がよいのではないかと考えています。逆に飼い犬等の散歩における糞の放置防止措置を飼い主責務として位置付け、これこそ札幌市の様に動物愛護管理条例に盛り込むべきと考えます。
 そこで整理致しますと、ポイ捨て防止条例を環境美化推進条例に格上げ改正し、それに歩行喫煙禁止と餌やり禁止規定を盛り込むのです。加えて空き地対策やごみ屋敷対策をも盛り込み、環境美化総合推進条例を制定するのです。
 私の一般質問によるこれら提案に対し、当局は、「他都市の状況を踏まえつつ、調査・研究を進めていく」という、極めて後ろ向きな答弁に終始しました。市長がそこまでに思い至っていないということです。しかし、これは市民生活に密着した、以前から要望が出ていた案件でもあります。市民に寄り添ったソフト施策の展開を、私は今後も訴えて参る所存です。 

Facebook 2016.7.26

災害時における地域協働での避難所開設を提唱!

昨日は、記念すべき50回目の街頭演説。テーマは災害時における避難所開設です。
 一昨年8月における広島市安佐北区、安佐南区での集中豪雨は、急斜面地の多い呉市に置き換えますと、決して他人事ではありません。
 実際、去る6月22日から数日間断続的に豪雨災害があり、呉市では土砂災害が多発しました。呉市は同月20日から降雨続きで地盤が緩んでおり、22日夜から23日朝にかけて1時間に40mmの降雨が予想されたことから、22日午後5時、呉市全域に避難準備情報を発令しました。
その際全28地区毎に、まちづくりセンターを中心に避難所を開設することとし、防災行政無線を通じて、市民に広報したのです。但し、広範囲の地区においては、複数開設しました。具体的には、昭和地区で2箇所、音戸地区で3箇所、倉橋、蒲刈、安浦、豊浜地区は2箇所です。広は地区自治連が3箇所あることから、合計3箇所開設となりました。
 ところが、最も人口が密集する中央地区は、地区自治連が9区あるにも関わらず、僅か1箇所、つばき会館のみの開設に止まったのです。
 これには、地区住民から不満の声が方々から上がりました。例えば川原石地区住民は、遠くてもつばき開館へ避難するようにとの指示なのです。
 呉市の考え方とすれば、災害の予想規模を鑑みて、1次的にこの程度の収容で賄え切れると判断したようです。その上で、地区住民から要請があれば、その都度拠点避難所を開設するというスタンスに終始しました。拠点避難所とは、まちづくりセンターの他に学校施設も入ります。
 ならば、最初から学校を開設すべきではなかったのか?との疑問が残ります。そうしなかった理由は、学校の翌日以降の体育等授業にぶつかる可能性があることと、多くの拠点避難所を開設すれば、当該地域在住の市職員に鍵を開けてもらい、それだけ時間外手当を支給しなければならないからです。
 多くの避難所を開設したとして、殆ど住民が避難して来なかったら、人件費が無駄になるとの懸念があったでしょう。しかし、災害時は例え警報発令がから打ちとなったとしても、それを是とするとの教訓が、近年の災害経験から得られた結論です。警報だけでなく、避難所開設も同様のはずです。
 しかも中央地区では、地元から開設要請があった、港町小学校や明立小学校は後出しで開設したのです。それなら、最初から開設していたら、もっと早く住民を安全地帯に誘導できたことになります。
 また、地区によっては、敢えて学校への避難所開設を要請しなかった所もありました。当該地区住民は、近くの学校が開設されたなら、そこへ避難したけれども、つばき会館では遠くで避難を諦めた方もいたと推察されます。
 ましてや中央地区は、今年度からようやく県が土砂災害防止法に基づく立入調査を開始する地域で、警戒区域、特別警戒区域の線引きがまだ出来ていません。よってハザードマップも住民に配付されていないのです。
 そこで私は、拠点避難所のある自主防災組織の防災リーダーにあらかじめ鍵を渡して、公務員が到着するまで、暫定措置として役割を担って頂く制度構築を提案致します。
 実は、防災リーダー研修は個人の防災知識の伝授のみで、一旦市長が委嘱したら、実戦の場とは無縁です。現在201名が委嘱されています。
 方や自主防災組織は届け出制となっており、防災リーダー研修は不要です。因みに自主防災組織は市内356箇所あり、防災訓練助成が年間2万円まで、防災備蓄助成が組織化初年度は5万円まで、既存組織では2/3の4万円を限度に受給が可能です。
 つまり、いざというときは、地域の事情に詳しい自主防災組織の出番となるのです。そこで、そのリーダーに対して、当該地区に存する拠点避難所の鍵を予め渡しておくのです。勿論そのためのリーダー研修は受けてもらう必要があります。
 一方、老人集会所や自治会館等は地域避難所指定されており、市職員の担当者は不在です。これも合わせてリーダーを委嘱しておくべきでしょう。
https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/13812.pdf
 実は、これまで公務員任せにして来たのは、災害の種類によって、避難所開設が不適になる場合があり、責任問題から、それを安易に市民には任せられない事情がありました。例えば地震災害の時に、住民が自主的に学校体育館に避難誘導したとして、その後の津波に呑み込まれたら人災となってしまいかねません。だからこその研修なのです。
 勿論避難所リーダーが避難所を開設する際は、当然呉市危機管理課の了承を取り付けることが条件です。また、そのようなリーダーを特別職公務員として位置付けることも、地方自治法上可能です。
 この様に、斜面地が多く、特に土砂災害に弱い呉市において、地域協働的視点からの避難所開設リーダーの養成は、地域ニーズに応じて早期の避難所開設が可能となる大きなメリットがあるのです。これこそ「共助」の鏡となり得ましょう。
 私は、来る9月定例会一般質問で、この問題を採り上げる予定としております。

Facebook 2016.8.1

子宮頸癌ワクチン定期接種化の愚策は、
製薬会社と医学界による癒着構造の産物!!

 本日は51回目の街頭演説。テーマは子宮頸癌ワクチンの疑惑についてです。
 去る7月27日、子宮頸癌ワクチンを接種後に激しいしびれや痛み等の副反応があった、15才から22才の63名の女性が、国と同ワクチン製薬会社2社を相手取り、国内初の提訴に踏み切りました。
 このワクチンは、平成21年10月に国が承認し、翌22年11月から公費助成をスタート。予防接種法の一部改正を経て25年4月から定期接種化し、副反応被害が報じられたことで、僅か2ヶ月後の6月に国が勧奨中止を各自治体に通知した、いわくつきの予防接種です。
 因みに定期接種化されますと、自己負担なしで接種を受けることができます。そのため、国内で300万人以上が接種を受けました。ところがその内、千人に一人である約3千人から副反応事例報告が上がったのです。
http://matome.naver.jp/odai/2137316518773172401(副反応の症状)
 私は、予防接種法改正前に政府による公費助成がスタートした際、呉市議会予算委委員会で、接種後に死亡事例があることを指摘し、呉市としての公費助成予算に警鐘を鳴らしました。その時の呉市の答弁は、「定期接種を前提にした助成であるから、当然のこと」
としました。当時の制度は国と地方自治体が費用を折半するというものでした。この平成22年度補正予算を、残念ながら呉市議会は可決してしまったのです。
 そして、定期接種化した平成25年度以降、呉市の助成費用予算に対し、私は毎回反対を表明してきました。それもあって、今年度予算は私を含めた2名のみが反対でした。
 
 一方、予防接種法一部改正に係る最後の参院厚生労働委員会が平成25年3月に招集されました。その際、同法改正に唯一反対の立場から、委員外に関わらず、勇気ある質疑をしたのは、当時生活の党所属だったはたともこ参院議員です。彼女は薬剤師の肩書きを持っているので、非常に説得力があります。
 彼女によると、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種での予防の可能性は、僅か0.004%にしか過ぎないというのです。しかも、例えHPVに感染しても、99.1%以上は子宮頸癌にはならない、つまり自然排出されるのです。それ以外で初期段階の軽度異形成になったとしても、90%は自然治癒します。残りの10%を異形成が高度化する前に適切な治療を施せば、大部分は治癒するというのです。
https://www.youtube.com/watch?v=yUZEm5JRvjM&list=UU8MmXV0bTc0lGVrkNvJhNRQ&index=1(はたともこの質疑動画)
 厚労省官僚ははた議員の主張を概ね認めましたが、それに対する委員からの質疑は全く行われることなく、粛々と法案を可決し、直後の本会議で改正法の成立をみた訳です。
http://kenkoubyouki.com/?p=2085(はたともこの主張)
 ところで、この改正法は民主党政権下で成立しましたが、当時野党だった、自民党の三原じゅん子参院議員や当時公明党副代表だった松あきら参院議員が熱心に働きかけました。子宮頸癌ワクチン推進議員連盟も組織され、与野党問わず、定期接種化に向け、ひた走りに走った感は否めません。
 実は、松あきら議員の夫・西川智雄氏(元衆院議員)は、子宮頸癌ワクチンの一つサーバリックスを開発したイギリスのグラクソ・スミスクライン(GSK)社の顧問弁護士だったのです。しかも、松あきら議員は夫から18年間で1億4千万円もの政治献金を受けていたことが後に判明したのです。
 また、7年前に新型インフルエンザが猛威を振るった際、政府は大量の新型ワクチンを輸入しました。ところが流行が収まったことで、大量のワクチンが備蓄されたまま不要となったのです。そこでワクチンの製造元のノバルティスファーマ社には違約金92億円を政府は支払いました。
 ところが、もう一つの製造元であるGSK社は違約金を敢えて免除としたのです。その後、同社が開発したサーバリックスが十分な検証がなされないまま早期承認、定期接種化する前からの公費助成予算化、そして定期接種化に突き進んだことをみますと、決して偶然と言えるでしょうか?この疑惑については、自民党の山谷えり子参院議員が国会で追及しています。
 そして極めつけは、平成25年6月に子宮頸癌ワクチンの勧奨を中止した後、厚労省は、副反応検討部会と安全対策調査委員会の合同会議を開きました。そして出した結論は、「激しい痛みやしびれは、ワクチンであるサーバリックスやガーダシルを注射したことに起因するとは証明できない。接種を受ける女性の精神的不安によるものと考えられる。」というものでした。つまり、接種による因果関係を否定し、副反応とは言えない、と結論付けた訳です。
 しかし、その後判明したのは、合同会議の委員15名中11名がGSK社と、ガーダシルの開発会社であるアメリカのMSD社のどちらか、或いは双方から多額の献金を受領していたことでした。彼らは、会議としての結論を出した以降に修正申告を強いられており、このような製薬(せいやく)会社に弱みを握られた医学者では、議論が制約(せいやく)されるのは、火を見るより明かです。
 これらの裏献金や癒着構造、そして疑惑については、医療ジャーナリスト・鳥集(とりだまり)徹氏が、その著書「新薬の罠」で初めて暴露致しました。
 国の誤った政策を国会議員が指摘せず、その責務を果たさないのであれば、地方議会議員が首長の提出案件にはっきりノーを突き付け、世論を覚醒させる必要があります。私は今後も、その急先鋒を請け負って参る覚悟です。 

Facebook 2016.8.19

「学校給食に牛乳は付きもの」常識に政治の影が!

 去る8月8日(月)は、52回目の街頭演説。国会議員より私が先に演説を始めたにも関わらず、同時に2種類の声が飛び交うという前代未聞の事態に陥りました。
 さて、この日のテーマは学校給食における牛乳提供問題です。
 去る6月14日、呉市立学校給食と同じメーカー・広島協同乳業㈱の牛乳から庄原市で異物混入が発見されました。このことを受けて、呉市では一時同牛乳の供給を停止し、数日後、一時的に山陽乳業㈱の牛乳に変更しました。端を発したのは、6月9日に庄原市立学校給食に提供されていた日本酪農協同㈱の牛乳から異物混入が発見され、応援協定により代替提供した広島協同乳業㈱の牛乳からも同様の異物が発見されたのでした。
 そもそも呉市の場合、旧市内における小学校自校調理場には、呉市学校給食協会が一括して牛乳購入しており、合併町の共同調理場や親子調理場においても、同じメーカーから牛乳を購入しています。しかも中学校デリバリー給食においても、同じメーカーの牛乳を購入していることが判明致しました。特にデリバリー給食の発注者は民間会社にも関わらずにです。更に、呉市と江田島市は同じメーカーの牛乳となっています。
 これは広島県が県内を14区域に分け、県域毎に県内登録6社によって入札しているためです。発注者が入札を行わずに、県が入札を行っている、極めて異例な状況です。しかも、この6社が各々2~3区域を毎年落札しており、丁度均等に配給されており、極めて不可解です。
 因みに、毎年度入札を実施していながら、呉・江田島区域では、ここ数年山陽乳業㈱が落札しており、今年度広島協同乳業㈱が落札した経緯があります。
 実は、県が入札を行うというのは、国の指示なのです。昭和39年に当時の文部事務次官と農林水産事務次官が共同で学校給食用牛乳供給対策要綱として通知を出しており、その中に「都道府県知事が学校給食用牛乳の供給価格と供給事業者を決定する」と明記されているのです。
 この通知は、「酪農振興法に基づく」とありますが、同法には、都道府県が価格と事業者を決定することは明記されていませんので、法的根拠は全くありません。先日私が、農水省畜産振興課にこの問題を追求したところ、それを認めました。要は、酪農業や乳業界に便宜を図る政治的なシステムが構築されていることになります。
 
 一方、小児医療、血液学、栄養学の権威であるアメリカのフランク・オスキー博士は、自著『なぜ「牛乳」は体に悪いのか』の中で、牛乳の健康被害について指摘しておられます。
 牛乳に含まれる三大栄養素の一つ糖質(炭水化物)である乳糖は、ブドウ糖とガラクトースという二つの単糖類で構成されていますが、離乳期に入った以降の人間の小腸にある分解酵素であるラクターゼが活性化していないため、吸収されずに、大腸内細菌と結合したり、水分を引き寄せたりするため、下痢、胃けいれん、腹部放漫、げっぷ、放屁症状などの消化器症状に悩まされ易いというのです。つまり、人間の殆どはラクターゼが欠損しており、乳糖不耐なので、牛乳を摂取するべきではありません。哺乳動物で離乳期を過ぎて乳を飲む動物は、ペットを除き存在しないのです。
次に牛乳やスキムミルクは、母乳と違って抗体が余り含まれておらず、感染予防効果が見込まれないため、乳児を育てるのに適していないと言います。乳児を育てるのは、何と言っても母乳が最適なのは、自然の摂理でありましょう。
また、牛乳はカルシウムを抱負に含んでおり、強い骨と健康な歯を形成するために適していると言われていますが、牛乳にはリンが多く含まれており、腸管内でカルシウムと結合し、カルシウムの吸収を阻害していることが解って来ました。牛乳は1㍑につき1,200mg含まれているのに対して、母乳は300mgですが、カルシウムの吸収度は母乳が優っているということです。
加えて、牛乳に含まれる他の三大栄養素の一つであるたんぱく質はアレルギー体質を作り易い傾向があります。そう言えば私は小学校時代、毎日じんましんに悩まされていました。ところが、中学入学以降は発疹しなくなったのです。当時は大人の体質に近づくことでアレルギー反応が起こらなくなったと思っておりました。今思えば、中学校に入ったら給食がなかったので、牛乳を飲まなくなったことが原因であったと推察されます。
 更に牛乳に含まれるもう一つの三大栄養素である脂質は、心筋梗塞、脳卒中、癌のリスクを高めることも、近年の研究で解って来ました。
 結論として、牛乳は子牛の飲み物であり、本来人間が摂取するべきものではないということでした。
 事実アメリカの公正取引委員会である連邦取引委員会は、「牛乳はみんなに必要です」等の乳業界による広告宣伝に対し、「欺瞞に満ちた、誤解を招く不正な広告」と非難したのです。
 
 ところが、我が国の公正取引委員会は、独立機関であるにも関わらず、このような裁断を下しておりません。
 これは、酪農振興法が、学校給食において牛乳提供を是とすることを、条文に謳っているからに他なりません。正にここが元凶であったのです。即ち業界と政界が一致して、牛乳は身体によいとして、学校給食に対し提供を推奨している訳です。
 しかも、牛乳の問題点を指摘することはマスメディアは一切行いません。それはメディアのスポンサーに酪農業界や乳業界が就いているからです。NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」においても、「あなたの暮らし」という雑誌に当初広告を載せたため、スポンサーの言うことを聞かざるを得なくなったということですが、そういうことなのです。
 政治家は、業界からの集票や政治献金が逃げてしまうため、沈黙を守り続けていると言われても仕方ないでしょう。
 つまり私達は、「牛乳は必要な栄養食品」と思い込まされて来たということになります。世の中の殆どが一部の営利に貢献する情報で溢れており、私達は洗脳されていると言っても過言ではありません。
 私は、以前呉市議会一般質問で、学校給食における牛乳提供の問題点を指摘したことがありますが、市長や執行部は聞く耳を持ちませんでした。地方行政は国政のイエスマンでしかないからです。
 ところで新潟県三条市は、ご飯と牛乳は合わないとの理由で、2年前から学校給食用牛乳を廃止致しました。私はこれらの先進事例を今後も研究し、市政に訴えて参る所存です。 

Facebook 2016.8.24

エアポートバス復活の影に政治的配慮が!?

 去る8月18日(木)は53回目の街頭演説。お盆休みと重なったため、月曜日を木曜日にずらしての挙行となりました。
 さて、テーマは呉広島空港線、いわゆるエアポートバスについてです。
この路線は20年近く前まで呉市交通局と中国JRバスの共同運行でしたが、採算が合わないとの理由で、JRバスが撤退し、呉市交通局独自で運行して来ました。1便当たりの平均乗車人数は僅か8名で、毎年度2千万円から3千万円の赤字を出し続けて来たのです。
 市営バスを民営化するに当たって、呉市はアキレス腱となっている本路線と大広白岳線、吉浦天応高地部線の3路線を廃止し、経営を身軽にした上で、広島電鉄に移譲した経緯があります。民営化1年前の平成23年3月末のことでした。
 当時、呉広島空港線を廃止するに当たり、市当局は議会に対し、運行1km当たりの平均乗客数が僅か5.6人、100円の収入を得るために必要な運行経費248円であり、各々ワースト評価基準の5人、200円に照らし合わせて、廃止やむなしと説明したのでした。併せて、本路線を廃止しても、広島バスセンターやJR白市駅までの空港リムジンバスが代替手段として存在している旨を強調したのです。
 ところが、本路線を廃止して僅か1年2ヶ月後の25年6月定例会で、市長はあっさり方針転換を表明したのです。つまり呉広島空港線の復活です。表向き理由としては、平成24年4月に東呉道路の阿賀~黒瀬間の開通により時間短縮がなされ、バス利用の需要が増えるというものでした。
ここで疑問が生じます。先ず、東呉道路の部分開通は、路線廃止時には折り込み済みだった訳ですので、理由にならないのではないかということです。しかも社会実験を行うということですが、それなら平成27年3月に東呉道路が全線開通するのを待ってから実施して判断すべきでしょう。
 更には、平成25年7月からの運行は、24年12月にプロポーザルを行って民間に委託する様な格好となりましたが、あくまでも社会実験ではなく、当初から正規の路線申請をしてもらう条件にすり替わってしまっていたのです。そしてそれには広電1者のみが応え、通年ベースで1,089万円を呉市が補助する提案だったのです。勿論プロポーザルを実施するに当たってはそれに応えてくれるよう、広電に根回ししたことは容易に想像されますので、出来レースだったと言われても過言ではありません。
 しかもこれは、1便当たりの平均乗車人数を10人として積算しています。つまり、それに満たない場合の穴埋めは呉市に求めると同義と解釈されます。これなら最初から路線譲渡を受けるよりも、税金での確実な補填が担保されるため、広電としては安心です。呉市は市営バスを民間移譲するために、アキレス腱を切った訳ですが、別建てで支援することになった訳です。
 更に、プロポーザルを実施する際に、予算の裏付けとなる債務負担行為の設定は行いませんでした。これでは新庁舎建設の場合と逆行しています。先にプロポーザルで広電を選定すれば、平成25年度予算にその補助金を計上しても、議会は否決しないだろうと甘く見られたことになります。
 一方、初年度は7月からの運行ですから、予算は726万円です。この内、初年度に限り1/3を県に補助してもらうことになりました。これは空港リムジンバスを導入する為の社会実験を行うための制度です。県に対しては社会実験、広電に対しては、正規の運行と見事に二枚舌を使い分けました。
 しかも社会実験補助の受け皿として、呉市、広島県、広島電鉄、呉商工会議所、観光関連団体、ホテル等で構成する実行委員会を起ち上げた訳です。実行委員会と言っても名ばかりで、呉市以外の構成団体は負担金の支出は皆無であって、空港線のポスター製作や広報活動に係る経費は、全て呉市が負担するところとなりました。実行委員会に広島県が入っているのは、呉市の二枚舌を分かった上での共犯と言われても仕方ありません。
実は、東京都にある企業が飛行機を利用し出張で呉市を訪れる際に、利便性を図るよう、市長に財界が圧力をかけた形跡が伺えます。
 というのは、自治連や市民団体からの要望は全く上がっていなかったのです。よくよく考えてみれば、市民が上京する場合、新幹線を利用する方がずっと安価に済ませることができるのです。呉市民の飛行機国内便利用の内87%が上京便ですが、飛行機利用率が 38%に止まっているのに対し、新幹線利用率は49%なのです。
 しかも、家族で飛行機を利用する場合は、自家用車で空港へ行き、駐車した方がずっと安価となります。何せバス運賃は一人片道1,340円、往復2,300円かかるからにほかなりません。加えて、既に東呉道路が全通した今となっては、自宅からバス停に出る時間やバスの待ち時間も差し引きますと、かなり時間短縮が実現できるのです。
 ということは、一部富裕層や財界のために、市民の血税を投入していると言われても仕方ないでしょう。つまり、受益者負担原則からはかけ離れていることを意味します。 
 結局は、政策がぶれているのです。本路線を廃止した時の市長の英断には感服しましたが、程なく真逆の施策を打ち出したことには、がっかりさせられました。財界主導ではなく、あくまで市民本位の政治を行って欲しいと切望しています。
ところで、エアポートバス復活初年度の1便当たりの平均乗車人数は8.1人に止まりました。しかし呉市の広報活動、広電の主要ホテル付近をバス停に設定する方策が功を奏し、昨年度のそれは9.6人、今年度は7月までで9.7人と、目標の10人に近づきつつあります。
 いずれに致しましても、今後の経営状況を見守って参りたいと思います。

Facebook 2016.8.24

呉市営プール建て替えと呉市温水プール移転はセットで!

一昨日は54回目の街頭演説。テーマは猛暑日が続くことに関連して、呉市営プール建て替えと呉市温水プールの存廃問題についてです。
 先ず、呉市中心部であるニ河にある呉市営プールは昭和20年代に建設され、老朽化が著しく、新庁舎建設の次に建て替えが位置付けられました。50mの屋外競泳プールと
25m練習用プールが併設され、飛び込み台に加え子どもプールも備えています。但し、専用駐車場がないのが最大の難点でした。
 そこで呉市は、平成27年度に基本設計と詳細設計を終え、本年秋から着工し、来年度中に建て替えを完了する予定としています。
 その整備内容は、市民の要望が高かった通年型の屋内温水プールとしますが、25m8レーンとなります。従いまして、中学生水泳記録会はできないこととなりますし、公認大会は25mまでしか誘致できません。これは市民ニーズを踏まえてのもので、建設コスト抑制へも寄与します。
 現在屋外練習用25mプールが併設されていますが、これを高齢者向けの健康づくり
20mプール3レーンを屋内に併設することで、練習用を兼ねることとなります。この二つのプールには、水深を調整できる可動床を設け、利用度を拡充致します。
 また、プール面積を大幅に狭めたことによる最大のメリットとして、150台分の駐車場、150台分の駐輪場を設けることが挙げられます。これにより、隣接のスポーツ会館、多目的広場、ニ河球場、屋内運動場、バレーボール場、テニスコート、弓道場への利用者への便宜が図られます。
 尚屋体は2階建てで、観覧席を有し、私が要望していた障害者用更衣室も設けられますし、多目的ルームもあり、貸し室となります。
そして、飛び込み用プールは廃止し、子どもプールは建設します。一部要望があった乳幼児用噴水プールを新たに追加設置することとなりました。これは現在唯一ポートピアパーク内にありますが、永続しない可能性があるため、新設するのは一理あります。
 更に、盆踊り大会の復活も視野に、フットサル等スポーツもできる多目的広場を造り、屋外観覧席も設けます。
但し、可動床導入で1億円、子どもプールへの遊具や乳幼児用噴水プールの追加設置に1億4千万円、杭の基礎工事増加に7千万円が必要なこともあって、総事業費は30億円に膨らみます。しかし、有利な起債である合併特例債を活用しますので、最終的な呉市の負担は10億円程度で済みそうです。
一方、広にある呉市温水プールも耐震基準を満たしていません。しかも新広駅周辺が広市民センターの利用やバス乗り入れで混雑して危険な状況にあるため、呉市はJRと交渉をする傍ら、平成26年度に新広駅周辺整備に係る調査費を予算計上致しました。その結果、そのエリヤ内にある呉市温水プールは解体・移転との結論を出したのです。
 当然それを受けて、基本・実施設計費を予算計上する段取りとなりますが、不思議なことに呉市は27年度と今年度の28年度も予算化を見送ったのです。
 議会からも温水プールの移転先は、今秋建て替えのニ河にある市営プールではないか、との質問が相次ぎましたが、呉市は口を堅く閉ざしたまま、未定であるとの答弁に終始しました。
 新広駅周辺整備とニ河の呉市営プール建て替えは同時期にスタートしており、当然温水プール問題は、これらをセットで解決するという方針だったはずです。それを方針転換したかの様に、当局の様相が一変した感は否めません。それもそのはず、現温水プール利用者を初めとする一部広地区住民から反対の声が出ているのです。
 ということは、新しい温水プールの供用開始を待ち、既成事実化した上で解体するか、若しくは現温水プールの解体をせずに耐震改修する変更案も検討している可能性を否定できません。もし前者なら、議会を軽視し、市民を愚弄する姑息な手段です。また後者であれば、調査費で解体・移転の結論は一体何だったのかとなりましょうし、そもそも新広駅周辺の混雑は解消できないこととなり、政策が完全にぶれてしまうことになりましょう。勿論市民にこびへつらうとの批判は、真っ向から受け止めなければなりません。
 また、呉市が周辺町と合併することで、倉橋町と川尻町の立派な温水プールが呉市の施設となりました。特に川尻町のかわせみプールは広地区住民にとっては近い距離ですし、隣接している呉市川尻保育所跡地を活用して今年度プール専用駐車場まで整備するのです。ましてやニ河にできる温水プールができると同じ時期に、休山第2トンネルが供用開始となり、広地区から渋滞なしに、中央部へ出ることができます。
 耐震改修しても、耐年数たる建物寿命はそんなに延びる訳ではありませんし、呉市内にこれ以上温水プールが存在する必要性は投資効果からみても、極めて少ないものと考えます。
 ということで、呉市は当初の方針通り、ぶれることなく市民に対し堂々と、ニ河の市営プールの温水化、これ即ち広の呉市温水プールの解体・移転であることを、明確に打ち出すべきなのです。 

Facebook 2016.9.3

呉市新庁舎駐車場満車対策を提唱!

 去る8月29日は55回目の街頭演説。テーマは呉市新庁舎駐車場の満車対策です。
 奇しくも丁度この日は定例会の告示日で、同時に議員は駐車場を使えなくなりました。これは最近市役所駐車場が満車になることが増えたことで、市民の来場への阻害要因を減じるためです。告示日から定例会期間中は平成30年末頃まで、議員は市役所駐車場を使えません。代替措置として文化ホールの地下駐車場が充てがわれました。
 実は旧庁舎時代の市民会館前にあった駐車場は、120台分のスペースがありましたが、公用車も駐車したり、市役所に用のない市民が目的外駐車したりして、すぐ満車状態に陥っていました。そこで、途中から自動改札機を設置し、1時間無料に設定したため、目的外使用が激減致しました。勿論市役所に用がある人は、磁気処理をした上で無料となる訳です。
中央公民館解体工事に入ってからは、中央公園の一部を暫定駐車場に造成したのが、現在の駐車場で、これは149台分のスペースがあり、新庁舎建設後は公用車は公用車棟に入庫するため、余裕があるはずでした。
 ところが、絆ホールがオープンして以来、平日にそこでイベントが行われたり、雨天が重なると、駐車場が満車となり、自動改札機前も渋滞が生じていました。つばき会館やすこやかセンターくれにあった部署が、新庁舎に移転したことで、訪れる市民がそれだけ増えたことも大きな要因です。結局これでは市民サービスは減退してしまいます。
 一方、この7月から旧庁舎の解体工事がスタートしました。これを解体後にその平面を盛り土した上で、そこを新たな駐車場として造成することになり、その時は180台分を確保致します。
 そして旧庁舎の地下室を活用して雨水貯留施設を整備することになりました。これは、旧庁舎北側市道の大雨洪水における排水の受け皿と致します。最深4mで5,300㎥で、洪水が引けた後、中央公園の体育館寄りにある中央ポンプ場から内神川に排水する仕組みです。
 因みに予定価格は、解体工事が2億9千万円、雨水貯留施設整備が5億5千万円で合計8億4千万円となっていました。それを広成建設・増岡組共同企業体が7億7千万円で落札しました。但し、新庁舎建設と同様、有利な記載である合併特例債を活用できることとなりました。
この合併工事は平成30年4月30日を工期としており、その後新駐車場を別途発注して造成することとなります。
 
 実は、自動改札機を導入した際、当局の駐車場案は30分無料だったのです。私はこれに賛意を表しましたが、議員の大半の意見でこれを1時間に替えた経緯があります。これが、自動改札機にしても、目的外駐車が絶えない原因なのです。
 例えば、近くのれんがどおりに買い物に訪れた市民が、1時間なら無料ですから、市役所駐車場を利用することもあり得ます。そのことで中央地区商店街にある駐車場の経営を呉市駐車場が圧迫してしまう結果となる訳です。
 広島市役所では、無料時間はなく、最初から料金がカウントされます。勿論市役所に用のある方は無料処理ができます。目的外使用を排除するには、この方法がベストではありますが、そうすることで、絆ホール利用者の負担が増すことになります。
 そこで私は、当初案通り30分無料にすることを当局に提案致しました。そうすれば、議員も文化ホールから歩いて登庁する必要もなくなり、来場市民も快適な駐車サービスが受けられ、駐車場における民業圧迫も回避されるという、一石三鳥になる訳です。
 幸いにも自動改札機は設定を変えるだけで、改修工事は必要ないということです。ということは、今からでもすぐ変更ができます。当局の英断を待ちたいと思います。 

Facebook 2016.9.7

防災行政無線と自治会放送の接続で、難聴地域の解消を!

 昨日は56回目の街頭演説。テーマは、防災行政無線の難聴対策です。
 呉市は、合併特例債という有利な起債を活用して、旧市内全域にデジタル防災行政無線を布設しました。これは災害時にいち早く市民に対し、的確な情報を提供する上で、有用な手段の一つです。
 ただ、屋外拡声子局の数に限度があり、山陰やビルの影とか、一部住宅にスピーカーの音声が聴き取り難い地域があります。
このことで、去る6月22日の大雨洪水警報を受け呉市は、各地区における開設避難所を防災行政無線を通じて放送しましたが、大雨だったこともあり、室内に閉じこもっていては、なおさら聞こえ難く、消防局が巡回広報車を走らせましたが、この効果は一部に止まりました。
 これら難聴地域を解消するため、これまでは投資効果の観点から、スピーカーの向きを調整するなど、小手先の手段を繰り返して来ました。ただ、本年度は屋外拡声子局を初めて4箇所増設する予算を組んでいます。
 そこで私は明日の一般質問で、既存の自治会放送設備と防災行政無線の接続を提案致します。
 これは自治会放送設備に防災行政無線の戸別受信機と接続機器を設置し、市の親局操作卓を整備すれば可能となり、1件につき20万円程度で済むようです。つまり、災害時に市が発信した情報を自治会放送設備でキャッチし、自動的に放送されます。
 自治会は難聴地域を網羅する形でスピーカーを設置しており、防災行政無線の難聴地域をカバーできる訳です。勿論自治会の中心部では、防災行政無線と重複して放送されたり、隣接自治会の放送も聞こえてきますので、それを導入しない地区もあるでしょう。自治会エリヤ内で、防災行政無線の届き難い地域に絞って自動放送できるよう設定すれば、防災行政無線の補完体制が確立できると考えています。
 一方合併町は、防災行政無線を合併前から既に各々布設していて、この内川尻町を除き、全てアナログ回線でした。
 そこで呉市は、国の動向に合わせ、平成25年度から27年度まで、3ヶ年かけて、合併7町の防災行政無線のデジタル化を完了したところです。
 ところが、去る6月22日の大雨洪水警報を受けて、避難準備情報の発令をした際、呉市全域に避難所指定を広報するのに1時間もかかってしまったのです。市民の安全を守るために一時も惜しまれる時にです。
 と申しますのも、アナログ回線であった際は、それぞれの周波数が合併町に充てがわれていたため、各町毎に親局があり、同時に異なる情報を放送することができました。つまり、各町の事情に合わせ、時報に活用するなど、自由度が高かった訳です。
 しかしデジタル化後は、総務省による地上デジタル放送、携帯電話等の周波数割り当てに伴い、防災行政無線は各自治体に1周波数となったことで、親局が呉市庁舎に統合されました。そのことにより、同時に異なった放送を合併町毎に行うことができなくなったのです。
 つまり、先般の避難準備情報の発令は呉市全域が対象でした。そして支所管内を中心とした地区毎に避難所指定をしたことで、順番に放送をしなければならなくなったのです。このため豊町では放送が1時間ほどずれ込みました。
 デジタル化すれば、音声がきれいになり、旧市内と統合することで効率的な維持管理ができるというメリットがあります。しかし、呉市全域に指定避難所を広報する場合に、大きなデメリットがあることが、この度判明した形です。
 ということは、市内全域に亘る災害を経験した自治体は課題を共有しているはずです。広島市のケースも新聞で採り上げられたところです。
 そこで私は、広域合併した自治体において、旧市内と周辺市町村と周波数の割り当てを2周波にすることを国に要望してはどうか、と呉市に要請して参る所存です。 

Facebook 2016.9.19

呉市地方卸売市場の一般開放やウェブサイト化を図れ!

 去る9月12日は57回目の街頭演説。現在、東京都中央卸売市場の移転問題が脚光を浴びていますが、奇しくもテーマは、呉市地方卸売市場の活性化策についてです。これは、先般の呉市議会一般質問でも採り上げました。
 呉市の卸売市場は、昭和57年に現在の地に中央卸売市場として移転開設しました。平成16年に国が打ち出した「第8次卸売市場整備基本方針」における取扱数量基準を満たさなかったことから、平成20年度に地方卸売市場に転換し、24年度から指定管理者制度を導入し、現在に至っています。
 近年の大規模店舗進出による小売店の廃業やコンビニエンスストアの展開により、市場流通取扱産品が全国的に低落傾向にある中、呉市も現在、年間57億円と取扱高が落ち込んでいます。
 ただ、公設民営化である指定管理者制度を導入した際、市場使用料を2割減額したことで、市場内業者である卸売、仲卸、関連事業者の負担を軽減し、経営を間接的に支援しました。併せて呉市も職員を撤退することで、人件費において、年間約3,600万円を節減しました。それにより、一般会計からの繰入れも、約1千万円削減することに成功したのです。
 因みに、中央卸売市場から地方卸売市場に転換を図った市場では、釧路市が唯一取扱高を向上させています。これは市場使用料37%減額により、開設・供給区域と商物一致原則の規制緩和という、地方卸売市場の最大の強みを活かした結果です。
 一方、呉市地方卸売市場には、現在店舗棟と関連事業者棟に各々2区画空き店舗があります。また、青果棟2階にある会議室2室は、一切使用されていません。これは市場流通の減退化のあおりで、開設当初青果卸2業者が1業者に、青果仲卸業者12者が6者に減ったことと密接に関係があります。
 そこで、これらのテナント入居を促し、使用料収入を上昇させ、市場取扱高を増やすためには、思い切った対策が必要となります。
 その第一は、市場一般開放の積極的導入です。市場は小売業者である売買参加者や買出人が出入りし、産品を購入することが原則ですが、定期的に一般消費者も直接仲卸や乾物等関連事業者から購入を可能にするのです。その際、売買参加者等にも参入を促すことで、消費者の関心を呼び寄せるのです。加えて、年5回市場開放を実施している豊田市公設地方卸売市場の様に、マグロ解体や活魚すくい等、体験型PR活動も実施します。
 そうなりますと、仲卸業者には売り子要員の増員が必要となりますが、豊田市では卸売業者の従業員がボランティアで手伝うという妙策が採用されており、大いに参考にしたいところです。
 関連事業者である食堂や喫茶店は、一般市民でも利用はできますが、それが意外と知られてなく、一般消費者は普段入場できないとの思い込みがありますので、これらを払拭するためにも、定期市場開放は有効です。一般消費者も利用できることが定着することが、空きテナント誘致に好影響を及ぼします。
 また過去の呉市直営時代、市職員が事務をしていたのが、管理事務所棟2階です。ここは現在、指定管理者である一般社団法人・呉市地方卸売市場協会の事務所となっています。
 今後、指定管理者が青果棟の会議室に移転することで、管理事務所棟の有効活用策も考えられるでしょう。
 実は、空き店舗や空き室が十分活用できていない背景には、指定管理者に一切の使用料が入らず、呉市歳入となっていることに起因しています。つまりインセンティブがないので、指定管理者として、空き店舗有効活用策にメリットが少ない訳です。指定管理者に使用料が入る利用料金制を採らないのは、市場内業者の一部が廃業した際、指定管理者収入が減るリスクがあるからと、呉市は答弁しました。
 しかし、ここは考えようで、空き店舗使用料のみを利用料金制に転換する等、今後研究の余地はあろうかと思います。ただ、今年に入ってから惣菜業者と食堂の2店舗が撤退したことから、十分な精査は必要です。
 第二は市場のPRです。豊田公設地方卸売市場はホームページやフェイスブックで積極的に広報しています。地方の特産物の入荷記事を写真入りで紹介もしておられます。しかし、呉市地方卸売市場には独自のホームページがありません。
 指定管理期間の5年間は今年度で切れますので、去る9月1日から再公募をしていますが、その仕様にはホームページ開設項目がないのは残念です。
呉市は今後広報手段にはホームページ開設も含め、前向きに検討して行くとしていますが、呉市と指定管理者が二人三脚での運営になるのではないかと推察しています。そうではなくて、ホームページ運営費も指定管理料に含めて公募するべきではなかったかと思います。あくまで、市場の自主性を重んじるのです。
 このITCを活用した広報手段は、特産物のPRに止まらず、市場一般開放や、呉市が導入しようとしている市場体験型活動を消費者に周知することに効果を発揮します。消費者や市民に開かれた市場が定着し、彼らも利用することで、空き店舗も埋まって来るという相乗効果が期待できるのです。
 
 ところで、この度は伊勢崎市の様な施設の民間移譲による民設民営化は見送りました。これは呉市において、過去アスベスト対策工事は実施しましたが、耐震診断を行っていなかったためです。呉市は今後これを実施し、店舗棟等の集約も検討するということです。
 この様にはなからマイナス的発想ではなく、規模縮小は最後の手段として、行政においては、市場活性化に最大限の支援策を望むものです。 

Facebook 2016.6.24

政務活動費不正受給オンパレードは、
議員の資質が問われている!

 昨日は58回目の街頭演説。この日は、全国を震撼せしめている地方議員の政務活動費を題材に採り上げました。
富山市議会では、政務活動費の不正受給が次々と発覚し、ついに「議長おまえもか!」となったのが、去る9月20日の、同氏による不正を認めた上での謝罪記者会見でした。翌21日には富山市議会本会議で6人の議員の辞職願が可決され、これで自民系7名、民進系2名の合計9名が同一案件で一挙に辞職したことになります。しかも富山県議会は、同様案件で1名が既に辞職、1名が辞職願を提出しています。
因みに富山市議会において、自民系会派は1,300万円余り、民進系会派は1,180万を不正請求したことが判っています。
 政務活動費は公金であると共に、市民の血税が財源であり、政治資金を私的流用した舛添前都知事の比ではありません。一昨年カラ出張容疑で逮捕され、去る7月有罪判決が確定した野々村竜太郎当時兵庫県議会議員と同様、詐欺罪や虚偽有印公文書作成・同行使罪の可能性が極めて高い訳です。
加えて議員の第2の報酬と言われ、その使途が見え難いということもあって、これまで闇の中でしたが、野々村事件で一躍脚光を浴び、この度の事件へと発展したのです。
 さて、富山市議会での事のきっかけは、去る6月定例会で富山市議会議員自らの報酬を月額60万円から10万円も増額する条例案が可決され、多くの市民の怒りに触れたことでした。
 富山市議会の一部議員や会派の主な手口は、領収証に金額を一桁多く付け加えたり、白紙領収証に書き込んだりすることで水増し請求し、それを個人の遊興費や選挙運動に使って私的流用したことです。この悪質な手法が長年に引き継がれて来たのです。これは全国的にも氷山の一角と推察され、今後も各地に広がり、続出することが容易に予想されます。
 そもそも政務活動費は議会によって、報酬同様その額は異なります。各議会のホームページを開いても、その額について明確に記載している所は少ないのです。因みに我が呉市議会は、「議員一人当たり月額5万円」と明確に記載しています。併せて会派毎の使途を昨年度から公開しています。この度問題となった富山市議会は15万円、富山県議会は30万円です。広島市議会と広島県議会は35万円となっています。野々村竜太郎氏が所属していた兵庫県議会は50万円、全国一高額となっている東京都議会は60万円です。
 では、月額30万円以上を何に使うというのでしょう。例えば広島市議会では、議員個人事務所の家賃や光熱費、通信費、事務所費、秘書人件費において、その1/2が請求できます。つまり議員活動は、政務調査活動を含んでいると位置付けているからでしょう。 それに対し、呉市議会では事務所関連経費は一切認められません。議員個人事務所は私的活動と捉えるからです。裁判の過去の判例でも、議員は議会及び政務調査活動という公的活動、議員の個人政治活動、後援会や家族行動等の私的活動の3種類に区分できるとしています。それを受けて呉市議会では、携帯電話通信料と自家用車のガソリン代は、裁判判例を踏襲して、その1/3を政務活動費として請求できることとしています。
 また呉市議会では、議員発行機関紙に係る経費は一切認めていません。これも議員活動は個人の宣伝であるから、後援会機関紙と同じ位置付けとしているためです。ところが広島県議会や広島市議会を初めとして、多くの議会は議員発行機関紙の製作費や郵送費、ポスティング費用の全額を政務活動費からの支出を認めています。
 更に、呉市議会は海外視察旅費の政務活動費からの支出を原則認めていませんが、他の地方議会によっては認めている所があり任期期間中に何度か海外訪問することがあるようです。広島県議会は任期中に1回の海外視察を認めており、新聞で報道されました。
 この様に見てみますと、政務活動費で多額の支出の要因となるものは、事務所関連経費、機関紙関連経費、視察旅費の3つであることが分かります。この中で、呉市議会は国内への行政視察しか認めていませんから、月額5万円で事足りる訳です。月額10万円以上の支出を認めると、どうしても使途基準が緩んでしまい、その結果、不正請求の温床になり易いのです。
つまり、同じ地方議会なのに使途基準がまちまちであり、大きな矛盾が内在している現状があるです。その根拠法は地方自治法なのですから、少なくとも総務省が統一した使途基準を作る責務があると言えましょう。これを同省が怠って来たのには理由があると睨んでいます。地方議会の使途基準を明確化すれば、それはそっくり国家議員への同様の公的活動費支出に影響が出て来ます。それを官僚が恐れていると言われても仕方ないでしょう。
 一方、富山市議会問題を受けて、全国で一斉にマスコミや個人が、政務活動費の情報公開を請求を行うようになりました。
 ところが、どの新聞社が何を公開請求したかを、議会事務局が議会に報告している慣例が明らかになったのです。諏訪市、茅野市、明石市、和歌山市、金沢市等です。議員にその情報を漏らすことは、各市の個人情報保護条例に抵触する恐れがあるのではないか、或いは、そうすることで請求行動そのものが萎縮してしまいかねないというのです。
 指摘された各議会事務局は、「法的に問題ないと思うが、今後はそれをしないようにする」と弁明しています。
 ただこの問題はよくよく考察する必要がありそうです。
 例えば、呉市では公文書への情報公開請求があれば、その所管課に請求書が回ります。所管課では課長が決済して、一部の個人情報を黒塗りにして請求者に公文書を公開することになります。課長決裁と言えどもそれはあくまで専決処分であって、市長が最終責任を負うことになります。
 ところが、議会事務局へ請求が来た場合はどうでしょう。やはり課長決裁となりますが、最終責任は議会事務局長でもなく、市長でもなく、議長となるのです。議長が議会を代表し、議員の合意をもって判断することになっていますので、議会事務局への請求があった場合、各議員は知らなかったということになりますと、これも問題があるのではないかと思うのです。
 請求者情報を議員に教えたということですが、市長部局であれば、市職員が課長に請求者を教えないかというと、それでは組織は成り立ちません。その立場上知り得た請求者の個人情報を他の課に教えると、さすがに情報漏洩となりましょうが、そうではないのです。これを議会に置き換えますと、議会がそれを知り得た場合、市民に漏らすこともあり得ます。何故なら、議員は市民の代表でもあるからです。ですから、情報提供は議長に止めておくべきだったかも知れません。
 また、請求者がマスコミの様な公共性のある機関だと仮定した場合、その新聞社名等を議員に教えることが情報漏洩になるかという問題もあります。呉市個人情報保護条例によりと、漏らしてはならないのは個人情報となっており、それはあくまでも機関ではなく個人と位置付けているからです。ましてやマスコミは公的性格が強い団体です。
 呉市議会事務局は、これまで政務活動費の公開請求があった場合は、どの新聞社からかを議員に伝達して来ました。この度初めて個人からの請求がありましたが、その事実は伝達しても、さすがに個人名等は明かしておりません。これは恐らく全国多くの議会で同様の扱いだったと推察され、現在報道されている論調が正しいのか、今後よくよく精査する必要がありそうです。 

Facebook 2016.9.29

議会広報の充実は議員の資質向上に大きく貢献!

9月27日は59回目の街頭演説。テーマは開かれた議会についてです。
 去る9月16日の呉市議会本会議で、議会運営活動費187万円の補正予算が全会一致で可決されました。これは、これまで未中継だった常任委員会と決算委員会を初めとする特別委員会も録画中継する内容です。しかもこれまで中継していた、議員全員で構成する本会議と予算特別委員会、議会協議会を含め、パソコンのみならずスマートフォンやタブレット端末からでも、動画視聴が来たる10月から可能となります。
 本会議や予算委員会の録画公開は、平成23年度から本格実施となっており、当時もどこまで公開するかが議論になりましたが、一部議員で構成する委員会は見送られた経緯があります。その理由は、それをされるとあまり発言しない議員にとって不都合というのが本音であると容易に推察されます。確かに前期4年間で本会議の発言がゼロだった議員も、既に引退されはしましたが2名おられました。
 また常任委員会や特別委員会では、委員外議員の発言も表決権を有しないまでも認められていますので、委員会で質疑が殆どない場合、委員外議員が質疑されると大変目立つし、委員の面目が潰れるということもあるでしょう。ただ、委員間でしっかりした質疑が十分に行われれば、委員外議員の出る幕はなくなるとも言えます。何故なら委員外議員の発言は委員質疑が終了した後でなければ委員長が認めない慣例となっているからです。
 いずれにせよこの度の予算化で、議会の質疑内容が多くの市民の目に触れることができるようになるため、議員は積極的に質疑せざるを得なくなるでしょう。そのためには、事前学習が不可欠となり、これは議員の質を高めるにおいて追い風となるに違いありません。これは、市政に対する議員のチェック機能が増すことを意味し、市民にとって大変よいことです。
 議会傍聴においても、新庁舎になった去る3月定例会から予算特別委員会にも拡大され、
併せてシビックモールにモニターテレビを設置致しました。つまり生で傍聴しなくても、市役所本庁に来場された市民は、委員会を含め、そこで気軽に視聴することができます。
 一方、この度の9月定例会初日には議会規則改正案を全会一致で可決し、議会広報紙発行を前提とした、広報委員会が設置されました。各会派から代表を1名ずつ派遣して合計7名で構成致します。既に第1回会議が開かれ、各会派に課題を持ち帰って、意見をまとめ、それを受け、本日定例会最終日に第2回会議が開かれます。
 これまで議会の一般質問は、市政だよりに掲載されて来ました。これではページの制約があって十分な情報を提供できないことで、ついに議会報を発行することが決まったのです。来年度から発行するために、新年度予算にもその経費を盛り込む予定です。中核市では殆どの議会が独自の広報紙を発行していることが判明し、呉市議会も遅れを取れないと判断したのです。
 実は、これまで何度も議会運営委員会でこのことが議論されて来ました。市政だよりに載せていること、詳細は議会ホームページを充実化することで十分代用できる、議会報を読む市民は少ないと推察され投資効果に疑問がある、というのがその理由でした。
 また市政だよりにおいては、紙面が少ないことを表向き理由に、同じ一般質問でも、会派を代表しての代表質問は掲載しても、会派を持たない議員による個人質問はこれまで掲載されなかったのです。私を初めとする会派を持たない議員、即ち諸派は個人質問の掲載を求め続けて来ましたが、多数決で実現しませんでした。諸派は3ヶ月に一度の定例会毎に一般質問をする議員が殆どですが、会派の代表質問は、特定議員において定例会毎にしないから不公平だ、というのがその理由でした。ただ会派所属議員も、代表質問とは別に個人質問は認められているのですから、そのことは理由にならないのです。本音は、これも諸派議員のみ多く市政だよりに登場するのが困るということでしょう。
 従って諸派である私の場合、3月定例会時の予算総体質問のみ、即ち年一度しか掲載されません。定例会毎に必ず一般質問をしているに関わらずです。
 しかも、市政だよりを見て明らかな様に、質問議員の氏名が記載されていません。このような広報紙は全国稀です。有権者から見れば、どの議員がどういう発言したかということが知りたい訳で、それが不明であること自体が開かれた議会とは到底言えません。このことの議論の過程の中で、折衷案として会派名を記載することがようやく過去決まった経緯があるのです。
 そこでこの度の議会報発行に当たり、個人質問も当然のこと、議員の氏名、顔写真まで掲載することを望んでいます。NHK朝ドラの「とと姉ちゃん」で、花山編集長が「写真を多く載せなければ読者は読んでくれない」と言ったのと同様です。
ただ、この議論は広報委員会でスタートしたばかり。総論賛成でも各論反対意見が噴出することは容易に推察されます。来年度からの議会報発行に当たって、まだまだ山あり谷ありとなりそうです。 

Facebook 2016.10.5

新規漁業者支援に豊島小学校跡地活用は愚策!

 一昨日は60回目の街頭演説。テーマは新規漁業者支援についてです。

 呉市は近隣8町と合併し、第1次産業の振興も特に重要なテーマとなりました。その中でも、豊浜町は漁業で生計を立てている家が多く、たちうおの特産は有名です。
 ところが、その漁業の島も後継者不足に悩んでいます。そこで呉市が新規漁業者支援事業を近年スタートさせ、今年度は720万円を予算化しました。これは島外からの若者が先住の漁業就業の親方に弟子入りして実地で漁業を学び、それに対しての研修費や、着業にかかる経費を助成するものです。すでに何人か実績があります。
 問題は、研修時の宿泊施設や、着業して島に在住を決めてからの定住場所です。当該地区には不動産業者はなく、貸家物件は殆どありません。そこで呉市当局が目をつけたのが、平成25年度末を以て廃止された豊島小学校跡地の活用です。この校舎は平成4年度から供用開始され、比較的新しいため、2階の教室をアパートに、1階の講堂部分を交流広場に改修するという趣旨です。
 そこで、国の地方創生先行型交付金を全額活用して、平成26年度末に300万円の調査費を組み、そっくり27年度に繰り越しました。去る9月定例会で27年度の決算を審査する特別委員会で私は、この調査費の執行について質疑。それによると、復建調査設計㈱に予算を超過する322万円で委託し、基本設計を行ったというのです。
なるほど、調査費といっても、漁業者の住居と島民の交流広場というコンセプトは当初からできていたのですから、後はその仕様に基づいて基本設計ということになります。即ち基本構想でも基本計画でもない訳です。
 であるなら、今年度は当然実施設計、来年度は施工となるのが物事の順序というものでしょう。ところが今年度予算720万円の内、豊島小学校跡地活用策に係る予算は、再度200万円が組まれたのです。基本設計ができ上がっている段階で、調査費計上とは一体どういうことなのでしょうか?当局の答弁によると、このアパートの管理を地元住民団体にお願いしようとしたところ、難色を示されたことで、暗礁に乗り上げているらしいのです。だから、再度その運営方法を探るための基本調査らしいのです。
 当初から管理運営を地元に任せるのは無理があることは、分かっていたはずです。しかも、呉市は昨年度末に公共施設等総合管理計画を決定し、新たな箱物はできるだけ建設せず、既存の建物を再活用しつつ集約すると謳っています。併せてその下位計画である第3次公共施設再配置計画では、平成27年度から29年度までに、コミュニティ施設や集会施設の集約化を計るとしており、これら計画に逆行する愚策であると言っても過言ではありません。
 おまけに豊浜町には、人口が少ない中でまちづくりセンターが2箇所もあり、交流スペースに事欠きません。更には離れ小島の斎島を除き、同町にはコミュニティ施設が7箇所もあるのです。これらの稼働率は、急激な人口減少に伴って極めて低くなっており、この施設の維持管理費支出に呉市は頭を悩ましているのでした。加えて、本事業を所掌する港湾漁港課が所有する施設として、大浜緑地公園管理棟がありますが、これも地元住民に管理を業務委託しているものの、その集会スペースはあまり使われていません。
 私は、この様な状況下での新たな箱物整備は投資効果からみて不適切な支出であると訴えて来ました。そもそも学校跡地は原則売却する方針が平成19年度に立てられており、売却の選択肢を検討せずに、いきなりの水産関連施設への適用は過去の施策との整合性が疑われます。つまり方針が一環していないのです。
 一方、呉市は住宅政策の一環として、島嶼部の空き家実態調査費1,500万円を、同じ平成26年度末補正で予算化しました。これは若者が島外に流出することで、空き家が増えている実情を調査し、住民の意向を踏まえて物件化可能な住居を特定し、空き家バンクに登録する事業です。つまり現状は空き家物件が皆無であっても、それを物件化することは十分可能な訳です。
 実際、豊浜町は今年度予算において、地域おこし協力隊員の受け皿候補に挙がっているのです。これは呉市において27年度からスタートした、総務省きもいりの全額国費事業で、都会から田舎に転居して地域おこしを担当する意欲あるIターン者を公募して活用するものです。昨年度は豊町と下蒲刈町に移住し、3年間呉市嘱託職員として活動中です。これを今年度は蒲刈町と豊浜町に受け入れようとするものです。
 豊浜町には空き家物件がゼロと言いながら、地域おこし協力隊員を受け入れる段になると、実は空き家が見つかっているのです。つまり必要性に迫られたら、空き家を改装して借家に転換することは家主にとって改装リスクが少ないため、物件化が容易であるということなのです。
 これを新規漁業修行者に移し替えますと、そっくり同様のことが言えます。あらかじめ親方の下で修行した若者が、島に定住するために物件を探すことになりますと、ニーズが的確に把握できるため、物件改装も行うし、家主にとって家賃収入による投資経費回収の目処が立つ訳なのです。
 
 ということで、昨年度繰り越し執行した322万円は全くの捨て銭になったと言われても仕方ありません。更にそれへの上塗りの如く、今年度200万円の調査費を再計上しました。私一人が本予算に反対しましたが、具体的に何に使おうとしているのか、全く見えて来ません。市長は速やかに決断して、潔くこの失政を認め、今年度予算に計上するのを断念すべきでした。
 私は、本事業に係る予算執行の動向を今後も見極めて参る所存です。 

Facebook 2016.10.17

政務活動費公開請求情報における議会への漏洩は誤報!

去る10月11日は61回目の街頭演説。テーマは、議会改革についてです。
 先ず、10月5日に、毎日新聞等が主催する第11回マニフェスト大賞において、我が呉市議会が優秀成果賞5団体の一つに選定されました。これは、新庁舎4階に装い新たに設置した議会図書室に、今年度から司書を雇用した上で、カンファレンス機能を付与したことが認められた格好です。即ち、議員が一般質問等を行う際に、そのテーマに沿った資料や経緯を調査してもらうことで、議会質問の向上に寄与するという趣旨です。実際先の9月定例会では、複数の議員は一般質問において、このカンファレンスを活用したところです。
 議会図書室は、地方自治法でその設置が義務付けられていますが、インターネットの普及もあって、旧庁舎では殆ど活用されていませんでした。そればかりか、その一部を改装して会派控え室に転用されたこともあり、その存在価値が疑問視されていたのです。
 次に、議会費の中で最も注目を集めている政務活動費。その中の使途の一つに、視察における出張旅費が挙げられます。ややもすれば、物見遊山に終わっているのではないか、との市民の疑念に答えるため、呉市議会では今年度から、その視察報告書を、昨年度に遡って全て議会ホームページで公開することにしました。
 これまでは、視察議員名や視察都市、視察目的のみが一覧表で公開されていただけだったので、大きな進歩です。つまりその中身を読むことで、どの議員がどの様な調査をし、現場でどの様な質疑をしたのか、呉市に採用できる内容なのかが一目瞭然となったのです。 しかも、成果も記述するように書式も統一されたため、議員において大きなプレッシャーがかかることになります。これは公金を正しく使うことを余儀なくされるという訳です。
 一方、その政務活動費の不正受給に端を発して、その情報公開請求者の情報が議員に漏れていることが表面化しました。
 これは、富山市議会における政務活動費不正受給の際、議会事務局がその公開請求を当該議員に教えたというのです。確かに特定議員への公開請求の際、その議員にのみ情報を伝達するのは問題です。請求者に無言の圧力をかけることになるというのです。
 これがマスコミにおいて、全国の地方議会への調査対象となり、多くの議会で同様のケースが見られたことが、最近一斉に報じられました。
 呉市議会もその例に漏れることなく、去る10月1日付けで毎日新聞が報じました。その内容は、呉市議会でも政務活動費等に係る情報公開請求があった場合、その事実を議会各会派幹事長に報告し、それが報道機関であった場合は、その名称も伝達していたということです。これでは呉市議会が情報漏洩という違法行為をしていたかの錯覚に、読者は陥ってしまいます。ただこれは重大な誤認であることをここで申し述べまておきます。
 情報公開請求に対し、公開の可否の決裁権は、議会においては議長です。但し、議長は議会という合議体の長ですから、独断はできませんので、その内容を議会の縮図である、各会派幹事長で構成する代表者会議に諮って、決めておりました。
 ところが、呉市情報公開条例では、公文書の公開原則を謳っているため、いちいち代表者会議を開く意味がないことになって、近年からは、議長が専決した上で、各会派幹事長に事後報告で済ませるという申し合わせになっておりました。だから、それに基づいて議会事務局が、各会派幹事長に伝達していたのです。ですから全く問題ありません。
 これが他の部局への情報公開請求者情報を議員に伝達したのなら、これは呉市個人情報保護条例に抵触致します。マスコミは、これと完全に混同していることになり、国民に誤解を与えるような報道は、厳に謹んでもらいたいものです。他市の議会事務局長がそのことに対して謝ったこともあって、燎原の火の如く広がったということなのです。
 更に、報道機関は呉市個人情報保護条例によると、法人や団体は勿論のこと、個人情報に位置付づけられておりません。ですから、その機関名を議会に伝えることも全く問題ありません。ましてや、報道機関は公共的性格が強い訳ですから、何をか言わんやです。
 ただ先日一般市民から、呉市議会に対して政務活動費の情報公開請求がありましたが、これは市民が特定できる情報は一切、議員に報告されていません。何故ならこれこそが個人情報に該当するからにほかならないからです。
 また、呉市は今年度7月から、政務活動費に係る収支報告書や領収証を議会事務局で閲覧できるように致しました。複写も1枚10円を支払えば可能です。この様に呉市では、敢えて情報公開請求しなくても、視察報告書も含めて簡単に閲覧や複写ができるのですから、情報公開請求の重みは一層軽減されたと言えましょう。
 尚、市民への誤解を与えかねないことも踏まえ、今後は半年毎に、議会会派に対し情報公開請求と閲覧実績を事後報告することに致しました。
 いずれに致しましても、私議員個人と致しましは、堂々と胸を張って政務活動費を活用し、市民の皆様のお役に立ちたいと考えています。 

Facebook 2016.10.18

消えた交通局乗車券は監査の甘さも一つの要因だった!

昨日は62回目の街頭演説。テーマは監査制度の在り方についてです。
 私は、平成22年度に呉市監査委員を体験したことから、外部監査導入を訴えて参りました。
 と申しますのも、呉市の監査委員は現在3名おり、その代表は歴代の呉市部長級OBが就任し、天下りの一ポストになっています。後の2名は、民間公認会計士等と議会からの推薦です。更に、具体的に現場に赴いて帳簿類を調査する補佐人は、現役の呉市職員が人事されます。これらの体制を一般的に内部監査と呼び、いわゆる身内の監査ですから、第三者の視点と言い難い部分があり、どうしても甘くなりがちです。
 そこで私は丁度4年前に、当時呉市と同じ特例市だった大阪府八尾市を視察し、外部監査を導入している先進事例を勉強致しました。同市は国の補助金の枠内で監査業務を民間に委託しておりました。つまり、内部監査と外部監査の併用策です。
 内部監査故に、野放し状態になっていた実例が、旧交通局の消えた乗車券問題です。これは、平成24年度末を以て呉市交通局が民間移譲に伴い廃止されることになったため、23年度に交通局に力点をおいて監査を実施した際、発覚したものです。即ち平成24年3月末現在、回数券やバスカードにおける帳簿記載が22万6千枚となっているにも関わらず、金庫に保管されていたそれは15万6千枚しかなく、その差約7万枚、金額にして1億8,200万円にも上ったのです。
 過去に何度も交通局に対し監査を実施して来たはずなのに、何故このような大きな差になったのか?それは金庫管理職員が上司に年2度報告するというマニュアルを無視して、していなかったのです。監査補佐人も、過去金庫の中まで確認して来なかったのでした。それは補佐人と呉市交通局トップの人事格差が無言の壁になっていたのではないでしょうか?
 しかも、交通局は乗車券を棚卸し資産として、貸借対照表に計上して来なかったのです。乗車券は売れれば収入になりますので、いわば金券です。民間会社なら当然資産計上するでしょう。もししていれば、もっと早く誤差に気付いたはずです。監査補佐人も見破ることができたに違いありません。
 このことは私が当時の産業建設委員会で初めて指摘し、当局が認めたのでした。つまり議会から質問が出なければ、不利な情報を当局は説明せずに済んだことになります。この様な曖昧不明瞭な体質こそが問題で、根っこの部分と言えましょう。
 結局、交通局当局は警察にも相談し、近隣の金券ショップを当たってもらいました。その結果、犯罪性は認知できなかったということです。では乗車券は一体どこに消えたのか?そこで当時交通局が帳簿類等を徹底的に精査した結果、誤記載が積み重なったものであることが分かって来ました。その誤記載分を差し引いた結果、元帳の在庫枚数は15万5千枚にまで縮小し、実際の保管枚数との乖離が1万9千枚、金額にして4,200万円にまで縮小したのでした。
 ではこの4,200万円はどこに消えたのか?帳簿類の保管年数が5年しかなかったため、それ以前の誤記載を確認できなかった、その部分ではないかと推察されます。ということは、お金が消えたのではなく、人為的な記載ミスが継続したのであって、交通局に損害が発生したことにはなりません。市民はこの辺り、大金が消滅イコール盗まれたのではないか?と疑念を持たれたようですが、それには当たらないというのが真相のようです。
 いずれにしても、このようなずさんな経理の責任は、当時の交通局管理者にありましたし、同時に、それを見抜けなかったのは身内である内部監査故であるというのが、私の個人的見解です。
 
 一方呉市は、本年度から中核市に昇格致しました。これは内部監査のほかに、包括外部監査を実施することが法律で義務付けられています。従ってそれに必要な予算は今年度1,200万円を組み、既に公認会計士と年度契約を締結しています。因みにその財源は、年度末に国から交付される特別交付税で充当されます。
 実は外部監査と言っても、行政経理の全てを監査するのではなく、毎年度特定のテーマを設定し、それに沿う形で、内部監査を補うために実施されます。因みに今年度のテーマは、補助金・交付金です。議会費では交付金として、現在注目を集めている政務活動費が該当致します。
 そう言えば、過去広島市を含む他の自治体で、政務活動費の不正請求が発覚し、監査人が還付を意見したところがありました。これら不適切な支出と指摘を受けた議会は、全て包括外部監査を実施していた中核市以上の都市でした。
 呉市も今年度から中核市の仲間入りを果たした訳ですから、時宜を適した政務活動費の監査を是非とも行って頂きたいものです。その上で問題なしと、判定されるのを切に願っています。 

Facebook 2016.10.26

新庁舎建設に伴い、公共施設集約化を徹底せよ!

一昨日は63回目の街頭演説。テーマは、新庁舎建設に伴う公共施設の集約化についてです。
 新庁舎が豪華過ぎるとの市民の声をよく耳にするところです。勿論これには、市民会館と合築したことで、くれ絆ホールを要していることに加え、行政部署の集約が背景にあることを、先ず以て押さえておく必要があります。
 具体的には、つばき会館に入っていた産業部、教育委員会、監査事務局は新庁舎に合流しました。また、すこやかセンターくれに入っていた福祉保健部の内、保健所を除く部署の殆どが新庁舎に合流。加えて福祉会館に入居していた人権センターも新庁舎に入居したのです。更に、新庁舎内にくれ協働センターを新設し、ビューポートくれから国際交流広場をそこに移転しています。
 ということは、旧庁舎に比べて職員も増えているのは勿論のこと、行政サービスを受けるために訪れる市民も、特に福祉部門を初めとして増加しているのです。
 では、行政部署が抜けたつばき会館の活用はどうなっているのでしょうか?それは来る12月12日から上下水道局の建設部門が入居することとなっており、既に改修工事が進んでいます。6階にあった職員厚生会は福祉会館4階に今年度から既に移転しており、つばき会館の6階全体は、生涯学習センターを拡充することになりました。生涯学習センターは、現在4階と5階、7階のアリーナ部分でしたが、6階が加わることで連続性が確保されます。
 現在の新庁舎建設地には市民会館が建っていましたが、くれ絆ホールにすることで、講座室や貸し室がなくなった分、及び福祉会館の5階ホールを含めた貸し室が廃止された部分をこのつばき開館6階で補うことができます。
 上下水道局が抜けた以降は、耐震基準を満たしていないその建物を解体し、消防局・西消防署が移転することが決まっており、来年度実施設計、30~32年度に新築することとなります。現消防局も防災の拠点ながら、耐震基準を満たしていないためです。
 となりますと、消防局は解体して跡地を売却することになるでしょう。
 そして、福祉部門が抜けたすこやかセンターくれですが、5階には機能訓練室が3階から移転し、保健所が既にこの10月から移転し業務を開始しています。4階には呉市歯科医師会と呉口腔保健センターが、福祉会館前から移転致しました。そしてルンビニ幼稚園跡地を借りていた不登校児童が対象のつばき学級中央教室も移転しています。3階は、「産前・産後サポートセンター『えがお』」と健康増進課、子育て相談グループがやはり10月から業務を開始しました。
 福祉会館はと言いますと、すこやかセンターくれ別館に入居していた呉市社会福祉協議会が移転して、今年度から1階と2階で業務を開始しています。そのため2階にあった呉安芸地域障害者就業・生活支援センターは3階に移転し、残った空間をふれあい会館に入居していた収益事業をしない公共的団体が、この10月に移転したところです。4階には、つばき会館6階にあった職員厚生会が、既存の職員労働組合と共に入り、5階は旧庁舎から唯一選挙管理委員会が移転し、今年度から業務を開始しています。
 因みに社会福祉協議会が入っていたすこやかセンターくれ別館は、先般民間売却契約が成立したところです。また、公共的団体が退出移転したふれあい会館は、耐震基準を満たしていないため今年度解体費が予算計上されており、売却予定となっています。
 ということは、新庁舎建設に伴って、公共施設が集約され、すこやかセンターくれ別館は既に売却し、ふれあい会館は近く解体し、土地を売却予定、消防局は近い将来解体し、売却する見込みであって、これらは呉市の大きな歳入になることを知って欲しいのです。 加えて、一部テナント貸しすることで使用料収入が入って来たり、つばき学級においては、民間に支払っていた家賃が節約できることになる訳です。
 但し、これで全てうまくいった訳ではありません。まだまだ中心部において、集約すべき所があるというのが私の見解です。
 その第一は、レクレビルにテナント入居している呉市すこやか子育て支援センターです。これは家賃と共益費を合わせて年間1,650万円支払っています。同様に呉市観光情報プラザもレクレビル内にテナント入居しています。
そして、ふれあい会館に入居していた、呉市全額出捐の一般社団法人・呉市勤労者福祉サービスセンターの移転先はまだ決まっていません。
 それに対して、交通局が入っていた呉駅西共同ビルや、そごう呉店の事務所が入っていた呉駅西中央ビルも、まだ空きスペースがあるのです。加えて国際交流広場が抜けたビューポートくれの2階の一部も未活用のままです。
 更には、すこやかセンターくれの1階多目的ホールは、福祉部門が移転することで稼働率が大幅に低下しておりますし、福祉会館の1・2階に転居した社会福祉協議会は、これまでより1.7倍の床面積に増えており、活用方法に疑問が残ります。
呉市は、公共施設再配置計画を推進しているのですから、新庁舎建設に合わせて、もっと集約方法を詰めるべきではなかったか、というのが私の意見です。この様に未活用部分が多かったり、民間施設を活用していたり、空きテナントの活用ができていなかったり、課題が山積しおり、これらを一層合理化する手段を市民に説明できないと、新庁舎建設も市民のご納得を完全に頂くのは難しいと考えています。 

Facebook 2016.11.6

中央商店街活性化は、中通線改良と駐輪対策の一体化が鍵

 一昨日は64回目の街頭演説。11月に入ったためクールビズを解き、久々にネクタイを着用しての実施となりました。
 さて、テーマは先般再開した中通線の道路改良についてです。昨年度は北側区間が既に整備済みで、残りの南側区間を今年度一杯かけて施工致します。
 これは、中通4丁目の旧銀座デパートから中通2丁目までのれんがどおりを含む全長610mの道路で、35年ぶりに路面を全面改良することとなります。この道路は特殊街路「中通線」と呼び、昭和53年1月に歩行者専用道路として都市計画決定し、その3年後から供用開始されました。即ち、24時間中自転車を含む車両の通行を認めず、正に歩行者天国として位置付けた訳です。地元商店街としては、これを「買い物公園」と愛称化した上で、呉市と協定を締結致しました。即ち、路面を煉瓦敷きにし、植栽や噴水、ベンチを設置致しました。但し、それらの一部を地元商店街の負担とし、併せてベンチの修理や植栽・噴水の維持管理を同商店街が請け負うこととなったのです。
 ところが、全面車両通行禁止では、各店舗への商品搬入の不便さがあり、供用開始して僅か2年後には朝5時から11時までの6時間に限定して、南側から北側へ向かう一方通行路として規制を一部解除したのです。それでも一日の内3/4は歩行者天国を維持したため、都市計画の歩行者専用道路は変更する必要はありませんでした。
ここで、都市計画とは完全に矛盾する道路規制がされていたことに気付かれたでしょうか?つまり、アーケードの架かっていない中通2丁目は、終日自転車も車両も両面通行となっていたのです。また、アーケードの架かっているれんがどおり、即ち中通3・4丁目は、昭和63年7月から、自転車の通行を認めていたのです。これでは道路交通法による交通規制が、都市計画法に基づく都市計画である歩行者専用道路と完全に矛盾した状況が続いて来たことになります。
 呉市は長い間、完全にこの矛盾を見落としていたことになり、行政の怠慢と言っても過言ではありません。このことを私が指摘し、この2年間で道路改良をすることに合わせ、都市計画において、実態に即した変更を要請したのでした。その結果、私も委員を務めていた呉市都市計画審議会で議題に上げ、昨年2月に都市計画の変更を行ったのです。即ち、アーケードのない中通2丁目において、都市計画道路から200m区間を切り離し、計画を解除し、中通線から外しました。そしてアーケードの架かったれんがどおりは、特殊街路「中通線」として残した上で、自転車歩行者専用道路として新たに位置付けたのです。
 その上で、道路も煉瓦に似せたインターロッキングで全面改装し、一部時間帯はこれまで通り車両通行を認めることで、路盤も以前よりは手厚く致しました。これまで路面の痛みが激しく、しょっちゅう部分補修を市が強いられていたのは、歩行者天国を想定した路盤の厚みに当初設計していたからにほかなりません。
 ところで、地元商店街のご意向を受けて、れんがどおりは植栽、噴水、ベンチを撤去致しました。植栽や噴水は地元に維持管理費の負担がかかるため当然としても、ベンチは酔っ払いがたむろしてごみを散らかし、環境に悪影響をもたらすこと、土曜夜市等のイベントを挙行する際邪魔になるというのがその理由です。
 それに対してアーケードのない中通2丁目は、植樹とベンチを、道路管理者の負担で残すことに致しました。その代わりベンチはこれまでと異なり、簡易なものに致します。加えて、歩車道分離帯も段差を設けて、歩行者の安全確保に配慮致します。
 一方、この度の道路改良のもう一つの目的は、自転車の駐輪対策がありました。呉駅前の様に自転車放置規制区域に指定すれば、自転車での来客に影響が出るため、それは敢えて行わず、従って有料駐輪場の整備は見送った上で、無料駐輪帯を、れんがどおりにおいて路面に設置しました。
 実は、これまで駐輪する自転車が雑多になっていた理由として、買い物客の自転車以外にも店の従業員の自転車も多々あったのです。そこで、それら自転車は堺川沿いにある駐輪場に置くよう市が地元商店街に依頼しました。但し、それでは雨天時に自転車が濡れてしまうことから、呉市は昨年度と今年度の2ヶ年かけて、同駐輪帯に全て屋根を設置することにしたのです。併せてバイクでの来客者もれんがどおりの駐輪場には駐車禁止とし、堺川駐輪場に置くよう促しました。れんがどおりは朝の11時以降は車両通行禁止ですから、当然ではあります。しかし現実は、バイクがれんがどおりに置き放題になっています。
 結局、れんがどおりの美観をそこねず、歩行者の通行安全を確保するには、新たに設置した駐輪場の整備要員が必要となります。今年度は呉市がそれを担当する嘱託雇用を予算化して、長期間放置された自転車をれんがどおり北側入り口近くの三角公園で保管し、警察と連携して所有者に取りに来てもらっています。
 但し、この予算は昨年度までは計上されていなかったもので、今年度だけ暫定的に予算化されたとみるのが自然でしょう。恐らく来年度は予算化が見送られるものと推察しております。
 そこで、地元商店街に駐輪場の維持管理をお願いすることとなりますが、維持管理協定がまだ締結に至っていないため、先行きが不透明となっています。理想を言えば、商店街が収益を目的としないまちづくり組織を自ら起ち上げ、収益を出資者への配当ではなく、駐輪対策の様なまちづくり事業に還元することです。
 例えば、れんがどおり等で行っている、路面を活用した特産市を誘致する際、これまで店舗単位で支払っていた警察への道路使用料を、今後は特産市主催組織一括で支払うことで、その手数料差額を駐輪対策に還元するという案です。地元商店街としても、これらの可能性を検討しておられると思いますし、呉市も昨年度と今年度の2ヶ年に限って、まちづくり組織起ち上げ準備の位置付けで、中央地区商店街活性化事業として200万円ずつ予算を組んだ訳です。
 この様に商店街におけるハード整備は、あくまでソフト事業が伴ってこそ、活性化に寄与致します。今後の地元商店街の更なる自主的な動きに期待しているところです。 

Facebook 2016.11.14

一般質問の持ち時間縮減はチェック機能の弱体化を生む!

 去る11月7日は65回目の街頭演説。テーマは議会一般質問の持ち時間についてです。 先ず一般質問とは、議員に付与された、市政全般につき当局に対し質問する権利のことで、議会の定例会毎に行使できます。年4回の定例会の内、呉市では3月定例会のみ予算総体質問に位置付けておりますので、それ以外の年3回の定例会の場合を一般質問と呼んでいます。
 更に呉市議会では、会派制を採用しており、同じ一般質問でも、会派を代表する場合を代表質問、会派ではなく議員個人の立場で行う場合を個人質問と位置付けています。
 会派とは、似た様な考えを持つ議員がグループを作ることで、呉市議会では3人以上を「会派」と定義しています。因みに私は平成24年3月定例会から最大会派を離脱し、自然共生党を起ち上げ独立しましたので、代表質問はできなくなり、その代わり、定例会の度に毎回個人質問としての一般質問を行っているところです。
さて、一般質問の持ち時間ですが、代表質問、個人質問に関わりなく、役人の答弁時間を含め60分でした。以前は一括質問、即ち20分の質問、10分の再質問、10分の再々質問で、答弁を含まず40分だったのを、一問一答方式に代え、傍聴者にも、質問する議員、そして答弁する役人にも解り易くしたことで、答弁を含めて60分となったものです。
 ところが、私が会派を離脱してから一部会派の提案で、個人質問の時間を60分から20分に短縮しようとの動きが出ました。これは、呉市議会は会派制を採っているのだから、会派でない議員との差別化を図ろうとする考えがベースとなっています。しかし僅か1/3に減らすのですから、これでは余りにも横暴です。
 そこで他の会派は、せめて40分にしたらどうかとの意見が出たのですが、提案会派はその主張を一歩も譲ることはありませんでした。議会運営委員会で何回か議論しましたが、平行線を辿るばかりで、妥協案として、その中庸を採って30分にするという案が水面下で折衝されていたのです。
 その時、この動きを嗅ぎつけた地元新聞がこの動向を記事にしました。その際、議会運営委員長がインタビューに応じ、「議員の質問時間を縮減することで一番助かるのは市の執行部である。それを手助けすることになる訳だから、議会の権能において自ら首を絞めることになりかねない。」と正論を述べられ、それが記事として掲載されました。丁度最後の議会運営委員会でこの問題に結論を出す一日前のことです。これが大きな影響力を発揮し、翌日の議会運営委員会で、20分の当初案でもなく、30分の折衷案でもない40分に決定したのです。これが平成24年12月定例会から採用されることとなり、現在に至っています。
 その最初の定例会個人質問の直前、議長は、「本日から持ち時間が縮減されたので、質問される議員は、挨拶言葉とか枕言葉とかを省略するよう工夫を行って下さい」と発言したのです。「それなら持ち時間を縮減しなければよかったのに」と思わざるを得ませんでした。
 確かに40分では、十分な質問を行うことはできません。私などは、用意した質問が時間内に収まり切らない場合がちょくちょくあります。これでは議員の使命である、執行部へのチェックがおざなりになりかねません。最近の一般質問傍聴者のアンケートを見ましても、「40分では時間が少ない」との感想が、市民から飛び出しているのです。
 ところで、非会派の議員は、議長を例外とし、私を含め現在7名いますが、その殆どが定例会毎に一般質問をして、市の姿勢を糺しています。これに対して会派所属議員は、代表で質問するため、2年か1年に一度しか一般質問されません。これでは非会派議員が目立つということが、この議論の背景にあります。但し会派所属議員であっても、やろうと思えば、毎回個人質問がルール上できますので、このことは全く理由になっていません。  
 一方、個人質問の場合は、市長は一切答弁に立たれません。例えばよく共産党議員が「この質問に対しては市長の答弁を求めます」と要請するのですが、一切市長は答弁に応じず、他の部長クラスが代わって答弁するのみです。因みに共産党は2名しかおらず、会派を組めないため、私と同様個人質問しかできない訳です。すると、傍聴者アンケートでは、「何故市長が答弁しないのか?」「これでは市長を選んだ意味がない」などの声が出る始末です。
 確かに質問への答弁を誰がするのかは執行部が決めることで、議員が決めることではありません。また市長が答弁しても部長が答弁しても、個人が答弁しているのではなく、あくまで執行機関として答弁しているのだから、中身は一切変わらないというのが、市長の考えです。それはそれで正しいのですが、この質問には当然市長が答弁するだろうと、誰が考えてもそう思えるような場合でも、部長が答弁される場面が頻繁に出現しているのは事実です。他の議会では先ずこの様なことはありません。
 実は、これには背景があるのです。と申しますのも、同じ一般質問でも代表質問の場合は、必ず1回は市長が答弁に立っているのです。つまり、会派と非会派との差別化を図ろうとする動きが水面下であるのです。市長は過去にオフレコで、「議会からの申し入れで個人質問には答弁に立たないよう釘をさされている」と漏らされたことがあります。この申し入れは文書化していませんので、勿論表の話ではありません。「個人質問はレベルが低いから、市長が答弁するには及ばない」との考えが根底にあるように感じざるを得ません。
 但し呉市長の場合、答弁が丁寧で結構時間を割かれるため、持ち時間が40分では、質問する方も時間が浪費されるので困るという事情もあります。結果論ですが40分の持ち時間では、市長が答弁に立たないことが逆に助かっているという側面もありますね。
 また、呉市議会では答弁する側の反問権を認めていません。これは議会が決めたことです。反問権というのは、議員が質問した内容に疑問を持った役人が、議員に対して逆質問することです。2年程前、上越市長が初めて反問権を行使して、歴史的事件としてマスコミに採り上げられました。
 実際、市長と議員の思想・信条や政策論に隔たりがある場合に反問権が行使されることが多いため、議論が平行線になることは歴然としています。しかし、傍聴する市民は興味をそそることでしょう。この方が議会が活性化することは請け合いです。但し、その前提には持ち時間の確保が必要でしょう。例えば持ち時間には役人の答弁時間を含まないとすれば、反問権は大いに行使してもらってもよいと考えます。私は基本的には、議論が深まるので反問権には大賛成です。
 呉市議会も、過去議会運営委員会でこのことが議題に上ったことがありましたが、いずれも時期尚早として採用を見送っています。これは、反問権を行使されたら議員が逆答弁を迫られるので、よくよく勉強していないと執行部に太刀打ちできないとの思いが、多くの議員の脳裏をかすめているようです。
 私は議員が勉強することは、そもそも議員力を向上させ、ひいては市民にとってプラスに作用するので、非常によきことだと思っています。開かれた議会、そして議長が標榜されている強い議会を目指すのであれば、個人質問への持ち時間も代表質問と同様に確保した上で、反問権を認めるべきというのが、私の考えです。 

Facebook 2016.11.16

グリーンピアせとうちを民間売却し、観光拠点の継続を!

 昨日は66回目の街頭演説。テーマは、グリーンピアせとうちの今後についてです。
 大型保養施設「グリーンピア」は、国策として昭和55年から全国に13基地が建設されました。これは、国民が納付した厚生年金と国民年金保険料を原資として、当時の大蔵省資金運用部から財政投融資を受け、当時の年金福祉事業団が、国民の健康増進と資金運用による将来の安定した年金財政を確保する目的で進めたものです。
 ところが各地で経営難が目立って来たため、時の小泉政権が、平成17年度末までに全て精算する計画を決定したのです。
 そのあおりでグリーンピア安浦は、安浦町が呉市に編入合併する機会を捉え、年金福祉事業団を引き継いだ年金資金運用基金から平成17年6月、呉市が購入するはめになりました。その価格は、簿価を大きく割った4億250万円で、内土地代2億2,400万円を広島県が全額補助してくれたことで、呉市の持ち出しは1億7,850万円に止まりました。
呉市は、当時北海道や東北で国民宿舎等の再建に成功していた㈱アルファー・ビラを応募6者の中から選定し、子会社㈱ゆうとぴあセトウチと、平成17年10月から22年9月までの5ヶ年の指定管理契約を締結致しました。
その時の内容は、固定費として指定管理者負担金を年3,200万円、それに加え流動費として、黒字の10%を呉市に納入するというものでした。因みにこの流動費は私が提案したものです。
 契約期間が過ぎた平成22年10月からは㈱ゆうとぴあセトウチ1者しか応募がなかったことにより、同社と平成27年度末までの5年半契約を締結致しました。その間平成22年度から3年連続の赤字を計上。そこで人件費、委託費、広告費等を削減することで、何とか26年度は僅かの黒字を確保したのです。
 しかし、支出を削減するということは、サービスの減退に直結し、負のスパイラルに陥り集客減に拍車をかけました。このままでは経営の継続が困難ということで、第3期指定管理は平成28年度から29年度までの暫定とし、㈱ゆうとぴあセトウチと、指定管理の随意契約を締結したのです。その際、経営に大きな足枷となっていた3,200万円の指定管理者負担金を免除することにしたのです。
 このままでは、この2年間の収支状況を踏まえて、市内の他の観光施設である野呂高原ロッジ、桂浜温泉館、県民の浜の指定管理同様、足らず分を呉市が指定管理料として支払う形になるのは目に見えています。しかも大規模改修の必要性も今後出て来ますので、呉市としては大きな財政負担を強いられます。
 そこで、この度グリーンピア三木について調査致しました。ここは、平成17年12月に、年金資金運用基金から兵庫県が購入。その後㈱エムアンドエムサービスと10年間の賃貸契約を締結致しました。ここも経営難に陥り、同社が撤退を表明。そこで兵庫県が売却のための公募を行った結果、地元三木市でゴルフ場を経営している㈱延田エンタープライズに対し平成27年12月、9億1,800万円で売却したのです。
同社は子会社である㈱NESTA RESORT KOBEを設立し、メインの宿泊施設を大規模改修した上で、今年7月、装い新たに「ネスタリゾート神戸」として再出発致しました。その際、日帰り客の宿泊施設内温泉の利用を禁じ、宿泊費も大幅アップしました。商圏を大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、徳島まで広げ、旅行会社と手を組み、目玉商品を提供することにしたのです。
 先ず夏場の集客増を目指し、プールに2トンの水瓶を擁した遊具を設置したことで、大幅な利用者増を実現しました。駐車場も、これまでの千台から1,500台分を増設しました。冬場は、11月10日からイルミネーションをスタート。昼間も集客するために、既存のサイクリングコースにあった500mのトンネル内に全て電飾したのです。
 この日より、大阪駅から直通シャトルバスを走らせました。またオープン時からは三ノ宮駅から1日3往復ではやり直通シャトルバスを走らせています。勿論エムアンドエム時代にはなかったことです。シーズン以外はさすがにバス車内に空席が目立つため、その赤字補填を㈱NESTA RESORT KOBE が委託先のバス会社に支払います。
 しかも現在、大型集客のバーベキュー広場とコテージ、合わせて立体駐車場を含めた追加の駐車場を建設中で、これらで通年ベースでの集客を目指しているのです。広大な園内には、ミニシャトルバスを無料で走らせ、周遊も可能にしました。また、グループや他社が経営する三木市内のゴルフ場利用客をターゲットに、リゾート神戸に宿泊してゴルフを楽しめるように、朝食時間を30分早め6時半からとしました。
 近い将来は、敷地内に新たに10数室の高級ホテルや日帰り客用温浴施設の建設、大規模花壇の造園も計画しています。その後広大な敷地を活用し、特別養護老人ホームかサービス付き高齢者向け住宅を敷地内に建設する構想もあります。
 将来はパートも含め、500人の雇用を創出することとし、地元三木市からできるだけ採用して、若者のUターンを促し、若者の大都市への流出の歯止めとしたい考えです。そうなれば全国から集客し、三木市活性化の起爆剤にしたいとのことでした。
 この度の現地視察で判ったことは、呉市の様な指定管理者、これまでの兵庫県の様な賃貸契約では、請け負った会社は設備投資ができないため、抜本的な経営改革ができないということでした。ネスタリゾート神戸の様に、土地、建物、構築物を自社所有にしてこそ、会社の理念に沿った奇抜なアイデアの下に、大胆な手段に打って出ることが初めて可能になるのです。
 安浦町は観光施設が殆どないため、グリーンピアせとうちの有効活用と活性化は極めて重要と考えています。今後私は、呉市が本施設の民間売却方針を早急に固めるよう提唱して参る所存です。 

Facebook 2016.11.23

家庭ごみ収集業務における闇の既得権益にメスを!

 一昨日は、67回目の街頭演説。テーマは家庭ごみ収集業務の課題についてです。
 呉市は、長年家庭ごみ収集業務を市職員で行って来ました。即ち直営方式を採用していた訳です。
 ところが、平成11年度より退職者不補充施策を実行に移し、定年退職で穴が空いた部分を平成25年度より順次民間委託に移行しております。即ち、同年度から27年度までの3年間は、可燃ごみ全体収集量の15%を民間委託し、今年度から3年間は新たに15%を民間委託することにしたのです。
 では、何故民営化かというと、給与の官民格差が大きいからです。実は地方公務員は、行政職俸給表に基づき、年功序列的に給与が高額となる仕組みですが、その俸給表には一般職と現業職の2種類があり、後者の行政職俸給表2(行2という)の方が労働単価が安く設計されているのです。以前呉市交通局の運転士や車両整備士は現業職でありながら、一般職と同様の行政職俸給表1(行1という)を採用して来ました。これを民営化の具体案が示されたことで危機感を感じた労働組合が、民営化直前に行2に減給することをようやく呑んだ経緯があります。
ところが、現在の収集業務職員を初めとする現業職員は行1を使ったままなのです。
 次に、定年退職後の再任用を、収集業務職員は5年間の更新を認めています。これに対して旧交通局職員は、定年後は即嘱託採用でした。
 嘱託と再任用はどちらも月間勤務日数や時間は同程度ですが、前者は非正規職員ですので、通勤手当を初めとする手当と賞与が出ないのに対し、後者は正規職員となりますので、手当と賞与が出る訳です。つまり人件費は格段に差がある訳です。
 交通局は企業会計で、赤字続きで火の車だったことで、定年後は有無を言わせず嘱託採用。ところが収集業務は一般会計なので、黒字や赤字の概念そのものがありません。これは労使間の妥協の産物であり、労働者にとっては、長年で勝ち取った既得権益でもあったのです。
 私が再任用の意義を問うと当局は、「特殊技能を有しているので再任用採用している」との答弁が帰って来ます。収集業務は第1種運転免許さえあれば従事できるし、補助席乗務員はそれさえ必要ありません。それに対して交通局運転士は、人の命を預かる訳ですから、第2種運転免許が必要不可欠です。どちらが特殊技能でしょうか?より特殊な技能を有している運転士や車両整備士が再任用がなくて、嘱託採用のなのです。この矛盾に対して当局は未だかつて明快な答弁はできておりません。
 しかも、高齢者雇用安定法によって、定年と厚生年金の支給時までの収入の空白期を埋めるために、呉市も民間に習い、平成27年度から年金支給が開始されるまでの1年間、初めて一般職に対して再任用を認めました。但しそれでも、年金支給が開始される2年目からは嘱託です。それに対して、現教職員はかなり以前から5年間の再任用枠があるのです。これは、家庭ごみ収集業務の民間委託化を遅らせていると言っても過言ではありません。
 更に、すこやかサポート事業と言って、要介護3以上の高齢者家族において、職員が直接訪問して家庭ごみを収集する制度を構築しました。実際は坂道がきついとか個別の事由で要介護1や2の人も対象になっているのが実態で、なし崩し的になっています。市民において利用料がゼロですから、この様なことになる訳です。これも民間委託化を遅らせている要因の一つです。私はこれを介護保険の訪問介護に含めるよう提案しています。
 
 一方、ごみの収集コースは、朝出発して午後1時から3時の間には事務所に帰って来れるよう設定されています。その後の勤務時間は入浴に充てている訳で、空いた口が塞がりません。実際、虹村の収集業務の拠点庁舎には、風呂が設置されているのです。これが民間委託すれば、きっちり5時近くまで時間一杯収集しますし、風呂は帰宅してプライベートな時間で入るというのは世間の常識でしょう。
 加えて、汚い物に手を染めるとの理由から、清掃手当が、給与とは別途一日1,550円支払われていました。国はこの様な手当は不適切として、廃止する様促す通達を出しています。私は他都市同様、これを廃止するよう訴えて来ました。
 その結果、平成26年度は激変緩和措置として千円に、27年度からは650円となりました。この650円の根拠は、当時の特例市で、手当を支給している自治体の平均が645円だったことによります。私は、支給ゼロの自治体が平均値を求める計算の際除外されているのは詭弁である、と追求しました。引き出した答弁は、特例市40市の全体平均は339円だったのです。このことは議会に一切説明しなかった訳で、私の議案質疑で明らかになりました。
 この様な特殊勤務手当は、民間事業者には当然ありませんので、実質的な収集勤務時間と併せ、ここでも格差が顕著な訳です。
 民間委託を加速化することで、呉市の歳出抑制に繋がると同時に、民間事業の活性化にも貢献する、これが民でできることは民に任せる、いわゆる間から民への構造改革なのです。
 呉市は私の主張を受けて、去る平成24年6月に「呉市アウトソーシング推進計画」を策定し、これを進めて来ました。しかし私は、特に家庭ごみ収集業務において、既得権益の厚い壁に阻まれ、抵抗勢力によって進捗を遅らされているとみています。今後もこの問題に、より一層取り組んで参る所存です。 

Facebook 2016.11.30

保育士の退職者不補充継続と、保育料の公平化を!

一昨日は68回目の街頭演説。この日からコート着用となりました。思えば今月最初にクールビズを解いたばかりでしたので、僅か1ヶ月でノーネクタイからコートに変身と、めまぐるしい気候の変動です。
 さて、この日のテーマは公立保育所・幼稚園の再配置計画についてです。
呉市はこれまで呉市保育所の統合・民営化基本計画に基づき、郷原保育所を筆頭に、吉浦、坪内、天応、川原石、原、延崎と順次民間移譲して来ました。併せて音戸町や倉橋町を初めとする合併町では、統合新設を進めて来ました。そこで本年度から平成32年度までの5ヶ年で、新たに呉市公立保育所・幼稚園再配置計画を策定したのです。
その概要の第一は、現在14施設ある公立保育所の内、今後5年間で中新開、波多見、安浦中央の3保育所を民間譲渡致します。
 第二として、公立の使命を担う拠点保育所として、西部地区に1箇所、即ち中央乳児保育所と山の手保育所を位置付け、東部地区に1箇所、三阪地保育所を位置付けます。但し、中央乳児と山の手の統合時期は、この5年間に明記されていません。この2箇所はいずれも市営住宅の一角にあり、住宅全体が耐震基準を満たしていないため、別の場所に統合新築する可能性も残されています。
 ここでいう公立の使命とは、良質な保育の研究開発、私立保育所との連携の中枢的役割、障害児保育を初めとした特別保育の実施強化の3点を挙げています。
 そしてこれまでは、民営化に伴う官民格差是正により、1施設で年間1,500万~2千万円の削減効果を計画に明記して、民営化の利点を強調していました。それが今年度からの新計画では、その文言が完全に削除されました。民営化を積極的に推進しない意図が透けて見えます。
 何故なら所管の民生委員会での質疑で、公立保育所の保育士は、平成9年度からの退職者不補充施策により自然退職が続き、5年後の平成32年度には53名に減ることが判明。その結果3保育所をそれまでに民営化しても、95名の必要人数に対して42名が不足するとの答弁を引き出したからです。つまり、公務員保育士が5年後は不足するから、来年度から少しずつ、それを穴埋めするため、29才までの若い保育士を採用するというのです。これは、計画には一言も記述されていません。
 ところで退職者不補充は、一般職である保育士のほかに、学校・保育所給食調理員、過去の交通局職員、家庭ごみ収集業務職員と現業職において継続して来ました。それを踏まえて、平成24年度に呉市アウトソーシング推進計画を策定した経緯があります。つまり、来年度からの保育士採用復活は、この流れと完全に逆行することになります。
 私は、保育士が5年後に不足するのは、3施設しか民営化しないからだと主張しました。3施設は比較的定員が多いので、民間が受け入れ易いとの説明はありましたが、それ以外にも定員が60名規模の公立保育所は複数あるのです。併せて、現在の公務員保育士は最低年齢が40代であるので、低年齢化を図ることも視野に入れているとの答弁です。これに対しては、民営化すれば、若い保育士を法人が採用しますので、全く問題ないと考えています。
 実は、保育所経営者のお話を直接お聴きする機会が最近ありました。その際、民間の保育所において、呉市全体で毎年50人程の保育士が不足している実情を訴えられたのです。公務員保育士の方が給与が高いので、呉市が来年度採用すれば、益々民間には保育士が不足することになり、民業圧迫になる問題点を浮かび上がったのです。
 確かに保育士は、労働基準法によって昼食休憩時間が設定されてはいますが、乳幼児を責任を持って預かる訳ですから、通常のサラリーマンや公務員と違って、休みがあってないような実態があります。給与体系が今後向上しないと、子育て共働き世帯は増加するのは目に見えていますので、益々不足することになります。
 一方、この度の計画には初めて公立幼稚園が対象に上りました。これは国が認定こども園の普及を推進しており、保育と教育を同時に行う方針だからです。
 呉市における公立幼稚園は、ゆたか幼稚園と豊島幼稚園の2箇所のみでした。この度の計画により、早速今年度当初から豊島幼稚園を休園し、同町における児童はゆたか幼稚園で預かることにしたのです。
 ところで、ゆたか幼稚園に隣接してゆたか保育所があります。これは国が示す最低基準である20名の児童数を満たさないため、児童福祉法の特例を使って、広島県が僻地保育所として代わりに補助する制度がありますが、それにも該当しておりません。それは自園調理室が設置されていないからです。にも関わらず、隣接するゆたか幼稚園には調理室があるというから驚きです。しかも、保育所で2才までを過ごしたら、殆どが3才から隣接の幼稚園に上がるのです。そこで預かり保育を受ければ、保育所保育料より安価に済ませることができます。
 更に保育所の保育料は、世帯収入に関係なく、月額一律9,500円しかかからないのです。保育料は収入に応じて細かく分かれるの仕組みなっていますが、そうなっていないのです。
 実は、合併前に僻地保育所は安浦町の女子畑保育所とゆたか保育所の2箇所ありました。ゆたか保育所の保育料は収入に応じて差を設けており、それでも月額4万円を限度にしていたのです。それに対して女子畑保育所は、収入に関係なく一律月額9,500円でした。そこで合併する際、呉市の制度に合わせることが困難だったことで、より保育料の安価な安浦町の制度に合わせたのです。
 その後平成23年度末をもって女子畑保育所が廃止され、ゆたか保育所だけが、他の保育所と異なり、異常に安価な保育料が現在まで続いているのです。
 要するにゆたか保育所は、国や県双方の認可外保育施設であって、国や県の補助対象から外れていました。勿論その穴埋めは市税です。ところが、昨年度から施行された子ども・子育て支援制度により、20名未満であっても、地域型保育所の小規模保育所として、認可が可能となりました。認可されれば、国の補助対象となります。
 そこで私は、ゆたか幼稚園を廃止してゆたか保育所に統合すればよいと考えています。そうすれば幼稚園部分の調理室を活用することで、国の小規模保育所としての基準を満たすことができます。実際二つの施設は、同じ屋根の下で繋がっているのですから、統合は容易な訳です。
 保育に欠けない保護者に対しては、僻地での特例で、保育所でも3才から受け入れが可能なのです。勿論その際、他の保育施設と同様の保育料体系にするのです。当然地元保護者の反発が予想されますので、激変緩和措置として、例えば3年間で段階的に公平な保育料に近づけるのです。
行政は公平でなければなりません。にも関わらず、合併による制度の違いから、この様な不公平が今日まで続いて来た訳で、呉市は大いに反省すべきでしょう。 

Facebook 2016.12.5

児童生徒の健康づくりのため、完全米飯給食の実施を!

 本日は69回目の街頭演説。テーマは、完全米飯給食の実施についてです。
 私の小学校時代は、全国どこでも学校給食はオールパンでした。これは米の消費を抑制し、減反により米の価格下落を防止すると同時に、海外から小麦を輸入する外交政策の二つの側面からの国策だったと推察しています。
 それが、昭和51年に文科省が学校給食に米飯を推奨する通達を出し、政策転換されました。我が国は四季折々の作物に恵まれた農耕民族だったことから、米飯が主食となった米作文化を築いて来たと言えましょう。これが地産地消の源流です。実際パンを中心とした洋食より、米飯を中心とした和食の方が脂肪酸が少ないため、カルシウム等の吸収がよいとされています。平成25年には、和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、世界で和食が見直されているのです。
 ところで私は3年前に、呉市議会一般質問で、学校給食に玄米ブレンドの導入を訴えましたが、「味やコスト高の問題により、市教委として導入は考えていないものの、米飯の提供回数は増やして行きたい」との答弁を引き出しました。ところが、当時旧市内の共同実施校において、週2.5回だった訳ですが、現在も全く変わっていないことがこの度判明致しました。
 しかも、自校調理である安浦町の小中学校と親子方式である川尻町の小中学校、及び蒲刈共同調理場では週3回、音戸町共同調理場では週4.5回と、市内全体で不公平になっているのです。加えて、昨年2学期から導入した、旧市内中学校におけるデリバリー給食では、原則米飯となっています。
 旧市内小学校における学校給食共同実施校では、現在提供市内業者が1社しかなく、そこに炊飯を委託しています。週2.5回という意味は、域内小学校をA、Bの2献立にして、ローテーションを組んでいるため、実際は業者の炊飯器は週5日間稼働しており、キャパが一杯になっていることが、米飯を増加できなかった要因の一つです。
 実は、平成22年度における文科省調査によると、完全米飯給食を実施している小中学校は全国で1,994校、率にして6.5%です。これは徐々に増えつつあると推測しています。本市も遅れを取ってはなりません。
 私は、呉市教委さえその気になりさえすれば、週5日の完全米飯給食を実施するため、業者に炊飯施設を倍加させることは容易であると主張しています。以前完全パン食から米飯を増やした時も、パン屋が炊飯器を設備投資して、それを請け負った経緯を知っているからに他なりません。また、市外業者と残り半分の提供契約を締結することだってできるのです。食器を洗浄する給食調理員の手間増大もありはしますが、要はリーダーシップです。
 何故なら、この度視察した新潟県三条市では、平成15年度から準完全米飯給食、20年度から完全米飯給食を実施していますが、大人の健康診断による食改善指導がそのきっかけとなったというのです。
 即ち、米飯が不足する食生活が健康悪化の要因であると分析した同市は、食生活の改善を学校給食の現場に求めたのです。その後保健部署の食育推進室の管理栄養職員を、教育委員会学校給食担当部署と兼務をさせることで、食育推進の視点を直接給食現場に反映させることに成功致しました。
 しかも同市では、呉市の様に県学校給食会から米を購入していたのを農協にシフトし、地元三条市産コシヒカリは勿論のこと、週1度は七分つき米、5割は減農薬米、内2割は有機栽培米の提供契約を締結したのです。加えて、増加コスト分について、給食費の値上げを見送り、一般会計で補填することにしたのです。
 私は、この積極的な完全米飯に伴う和食を中心とした献立は、児童生徒の健康づくりに大きく寄与し、将来の医療費や介護給付の抑制に繋がって行くものと確信しています。地産地消である和食、完全米飯給食の提供は、例えコストが増加したとしても、或いは給食費を値上げしたとしても、子ども達の健全育成、ひいては学力向上にも大きく貢献し、箱物に関する設備投資以上に優先する施策だと考えます。
 従いまして、今後も本市に対し、完全米飯給食実施を粘り強く要請して参る所存です。 

Facebook 2016.12.18

自衛隊集会所の観光資源化は費用対効果の十分な検証を!

 去る12月12日は、70回目の街頭演説。テーマはこの度呉市が発表した、海上自衛隊集会所「青山クラブ」の活用策についてです。
 この施設は海軍時代の下士官兵集会所、即ち厚生施設として明治に建築され、昭和4年に建て替えられたもので、宿泊機能は既に停止し、現在自衛隊募集事務所と、自衛隊関係団体が入っています。丁度今ヒット中のアニメ映画「この世界の片隅に」において、主要な施設として登場します。これを昨年9月に国が売却方針を表明したことで、呉市が観光施設として活用するため、購入しようとするものです。
 問題は購入しても、耐震性能やコンクリート強度が基準値を大幅に下回り、改修は困難なため、解体して駐車場にするということです。この角が丸くなった建築物こそ、観光に活かせるのであって、私としては、解体をせずに活用できる方策を探って参りたいと考えます。
 そこで呉市は、同一敷地内にある別館「桜松(おうしょう)館」を改築して、ここに土産物販売店や喫茶店を誘致する意向を示しました。この施設も昭和4年に建て替えられたものですが、構造上、改修が可能であるとしました。
 ここは当時舞踏会や交流目的で建築されたらしいですが、現在は、海上自衛隊呉音楽隊の練習会場として使用されています。美術館通りにある玄関は、実は裏口のため閉鎖されていて、表玄関は青山クラブの内庭側にあるため、知らない市民が殆どです。実際「桜松館」でインターネット検索しても、一発では出て来ません。それだけ知名度がないということは、青山クラブを解体して駐車場にした場合、観光資源としての活用にはかなり無理があるのではと思えてなりません。
 同じ美術館通りに入り口がある、国の重要文化財である入船山記念館でさえ、大和ミュージアムと鉄のくじら館がオープンしてから入場者が激減しているからです。
 呉市としては、市外からの観光客が大和ミュージアム、鉄のくじら館を観覧した後、市内に宿泊してもらうため、両館のある宝町から入船山記念館のある幸町まで周遊するルートを開発したいと考えています。即ち昨年度末に「宝町~幸町エリヤ整備構想」策定のためのコンサル委託料500万円を、国の地方創生加速化交付金を活用して予算化したからです。
 それを受け、桜松館や入船山記念館、呉市美術館への周遊コースとして、堺川右岸にある親水遊歩道を活用し、JR線路手前で右折しつつ堺川を鉄橋を架け替えて渡って青山クラブ前に出る新ルートを開設する意向を示しました。
 但し、大和ミュージアムを訪れる観光客は観光バスかマイカーが殆どで、JR呉駅で下車、或いは四国からフェリーで呉中央桟橋で下船される徒歩の観光客はごく僅かです。この鉄道引き込み線のあった私有地を地権者から購入して、遊歩道を新設したとしても、利用者は僅かだと容易に推察されます。実際、現在の堺川親水遊歩道を歩かれる方はごく少数であることから、その投資効果に疑問符が付きます。
 私は、青山クラブを購入することは、日本遺産の認定によるヒストリーコース新設や、「この世界の片隅に」のヒットを受けて時宜を得たもので賛成ではありますが、旧鉄道引き込み線跡地を取得して遊歩道を建設するのには反対です。寧ろ、JRの線路を渡ってビューポートくれ前の歩道を歩けば、中央地区商店街へのルートも開けることになります。以前ビューポートを建設する際に、呉駅から中央地区商店街への導火線の役割を果たすと位置付けていたくらいですから、大和ミュージアムからの導火線も追加して相乗効果を狙うべきでしょう。しかも、この歩道は街路灯をわざわざ大正時代風の情緒溢れるガス灯にしており、寧ろこの既存ルートを活かすべきと考えます。
 そして出来得るならば、青山クラブを現存させ、その中庭に屋根を設置して、戦艦大和大型試験機を展示できないか、検討すべきと考えます。これは戦後広島大学工学部が所有・保管していたものを、呉市が平成23年度に3,400万円を補正予算化し、搬入したもので、現在アレイからすこじま駐車場に保管され、活用策が未だ決まってなく、いわば宝の持ち腐れになっているからです。観覧用に価値ある目玉史料を展示することで、初めて多くの観光客が訪れるようになります。
 一方、何故呉市が唐突に本構想を起ち上げ、早急に事を進めようとしているのかと申しますと、構想実現に伴う財源を、20億円の合併特例債を活用しようとしているからです。これは、合併後15年間を経た平成31年度までに事業を終えることが条件です。合併特例債とは、新庁舎建設にも活用した有利な財源で、事業費の95パーセントを起債でき、その内70%の元利償還分を国が今後10年間で交付税措置してくれる仕組みだからです。 
 勿論、その範囲内で事業を完結することに異論はありません。但し、青山クラブ解体、鉄道引き込み線跡地購入と遊歩道新設については、その費用対効果を十分検証し、議会に明らかにすべきでありましょう。構想策定結果がまだ示されていない現段階において、新年度予算編成に当たって、設計費を焦って計上しているのは明らかです。この構想に関し、議会としても十分議論する必要があると思っています。 

Facebook 2016.12.23

大和ミュージアムの管理運営を教訓に、
指定管理者制度の改革を!

 去る12月19日は、71回目の街頭演説。テーマは、呉海事歴史科学館こと「大和ミュージアム」の管理運営についてです。
 大和ミュージアムは平成17年度に開館し、初年度は、予想を遙かに上回る年間110万人の集客を数え、以後12年近く、順調に来館数を維持して来ました。正に観光立市呉市の目玉と言っても過言ではありません。その間平成20年度に直営から民間委託、即ち指定管理者制度を導入し、23年度までの4年間、24年度から今年度までの5年間と、同じ大和ミュージアム運営グループが管理を担って来ました。
 来年度からの5ヶ年は、初めて大和ミュージアムと国の重要文化財である入船山記念館とをセットで指定管理者を公募し、1者しか応募がない中、既存管理者である大和ミュージアム・入船山記念館運営グループと5ヶ年契約することが、先日議決されました。
 大和ミュージアム運営グループは、指定管理者モニタリングで連続でダブルAランクの高評価を得ており、特に平成27年度は、70万人の来館予想に対し、100万人を超えることで、計画より1億5,400万円の増益となり、その内半額の7,700万円を指定管理者納付金として、呉市に納めています。これは同グループと呉市海事歴史科学館学芸課の努力の賜と言えましょう。
では、もう半分の7,700万円はどこに行ったのかと申しますと、これはグループを構成する4者、即ち凸版印刷、トータルメディア開発研究所、日本旅行、ビルックス各本社に案分して上納されることが判りました。当局の説明では、この内、予定外の維持管理費として使われたということでしたが、この地元還元率は示すことができませんでした。何故ならば、この支出金額は決算には現れないからです。
 問題は、その他の支出1億5,100万円の中身です。額が大きいので、その他の支出としての一括提示では納得がいきません。その他の支出の内、本社上納金7,700万円が入っており、それを控除した7,400万円の内数として、大和ミュージアム駐車場借上料が4,600万円含まれているということが委員会質疑の中で、判って来ました。では、残りの2,800万円は何かというと、この点が最も委員会が紛糾し、一時中断しました。それは、本社にまつわる必要経費である一般管理費だということを、委員会再開後にようやく当局が明らかにしたのです。
 更にその内訳は、本社採用非常勤職員労務費、出張交通費、諸経費、間接経費ということですが、その内数を当局は最後まで委員会に提示しませんでした。しかも非常勤職員は現場採用が本筋であって、企画に絡む人件費は本社の正社員が担当するでしょうから、本社採用の非常勤職員の人件費を一般管理費に計上することは理解できません。加えて、諸経費と間接経費の中身やその違いについても、当局は全く説明できなかったのです。つまり、解っていなかったことになります。
 一般的に間接経費とは、一セクションに止まらない必要経費のことで、諸経費に対してみなし算出を行うものですが、そのみなし率も不透明なままです。
 加えて、来年度からの収支計画を見ますと、大和ミュージアムと入船山記念館を合算した予算しか示されず、その内訳が不明瞭となっています。ただその大半が大和ミュージアム関係と考え、その他の支出の単年度平均額を精査してみました。すると、当然指定管理料を高く設定するため、入場者見込み数を年平均80万6千人に設定しており、指定管理者納付金は計上されていません。但し、企業リスクを軽減するため、この点は理解できます。
 ただ、その他の支出は1億700万円となっていますから、これから固定費である駐車場借上料4,600万円を控除した6,100万が一般管理費となる計算です。ということは、平成27年度決算額と比べ、3,300万円が上乗せされているではありませんか。何故そんなに増額になるのか、その内訳はどうなっているのか、私は議案付託された委員会の委員ではなかったため、この大切な点を突っ込むことができませんでした。
 ただでさえ、不明瞭な本社にまつわる一般管理費が、新計画では倍増以上になっていることは大問題です。この度の応募者は1者のみだったため、提案者の言い値になった感は否めません。
 
 一方、複数の企業が共同で応募する場合、各企業が出資した特別目的会社を設立する場合があります。グリーンピアせとうちや、呉市斎場がそれに該当致します。この場合、収益が上がった場合の法人市民税は、呉市の歳入となります。ところが、運営グループ、即ちジョイントベンチャーという手法では、収益が各構成団体の本社に分配上納され、それが呉市外だと、法人市民税は呉市には僅かしか入って来ません。しかもその上納金は、本社の全体収益に吸収され、均等割は本社所在地の自治体へ、法人税割は従業員数に応じた案分となります。理論的には、本社で収益率の悪い足を引っ張る部門がありますと、呉市で上げた上納収益は相殺されてしまうのです。
 そこで、各社のグループにおける大和ミュージアムの職員数に関して質疑がありました。それによると、代表者である凸版印刷5名、トータルメディア1名、日本旅行3名、ビルックス1名で、後は非正規雇用を含め、全体で24名ということでした。ということは、少なくとも東京に本社がある3社は従業員規模が大きいので、法人住民税の法人税割の殆どと均等割全額が東京に納税されることになるのです。実際、指定管理者納付金が発生した年度が多く、これまでの実績を勘案すれば、今後の5年間で2億円程度が本社に上納される可能性があります。つまり、企業リスクを抑制するために、計画段階で利用料収入を低く設定すれば、指定管理料をアップさせ、且つ計画を超えた収益が、東京にある本社に上納されることになる仕組みなのです。即ち、地元貢献という部分が希薄な訳です。
 ところが、それらを評価採点する指定管理者指定における基準はありませんし、この度の募集要項を見ましても、それらを採点する項目はありませんでした。つまり、職員の地元採用や物品調達を地元企業にするとか、地元貢献に係る評価項目が欠落しているのです。
 建設業における総合評価方式や、通常の委託等に係るプロポーザルでは、地元貢献の評価項目がありますが、指定管理ではこの部分がなかったことが判りました。私は、今後指定管理全体において、この部分を評価基準に加えることを要望致しました。
 いずれに致しましても、既存運営の評価が高い指定管理者の場合、契約期間終了間際の再公募において、競争相手が出現し難い現状があります。この度の教訓で、指定管理者指定において、様々な課題や問題点が浮かび上がって来ました。私は、これを機に指定管理の在り方を再検討する時が来ていると訴え、当局に改革を要請致しました。 

Facebook 2016.12.31

保育所入所基準の公表と入所決定の透明化を!

 去る12月28日は、今年最後、且つ仕事納めの日。凍てつく寒さの中で、72回目の街頭演説となりました。テーマは保育所入所基準についてです。
 呉市では、保育所や認定こども園におけるの新年度新規入所の申し込み期間を、1次募集が11月初旬から中旬、2次募集が年明け1月中旬から下旬と2回設定しており、これらを一括して、翌年2月22日に保護者宛に呉市から入所決定通知がなされます。
 その間、子どもを預けようとする保護者にとっては、新年度からの勤務先が決まっていても、希望の保育所に入れない、働くことも断念することになりかねない、との不安の声も聞かれます。
 奇しくも本年度は、当時民主党政調会長だった山尾志桜里衆院議員が、「保育園落ちた。日本死ね」との国民による生々しいブログを紹介したことで、保育所入所問題や待機児童問題がこれまで以上にクローズアップされました。
 ただ「保育園落ちた」というのは、あくまで大都会での話であって、呉市においては、待機児童は皆無となっています。ところが、昨年度までは入所申請時には、第3希望の保育所まで任意記入となっていましたが、その範囲内では、特に中央、昭和、広地区において定員を超過することが多く、第3希望まででは入所が決まらないケースがかなり出て参りました。そこで今年度からは、第6希望まで記入するようになったのです。
 現在、呉市が申請者の事情により優先順位を決めて、各保育所と調整を行っている段階ですが、もし第4希望以降の入所しか難しいとなった場合、保護者がパートで、近くに実家があったりする場合、逆に断るケースも出て来ます。これは保護者の事情と意志で入所を拒否したことで、待機児童扱いにはカウントされず、その結果、待機児童ゼロを継続して来たのが実際のところです。
 また、保護者が自家用車を所有していない場合、子どもを自転車で通園させ、その後自宅に自転車を置きに戻り、それから公共交通機関を利用して仕事場に赴く場合もあります。そうすると正社員や早朝出勤では非常に困難とならざるを得ません。私立保育所の場合、比較的安価な負担で送迎バスを利用できる施設は多いですが、公立では保護者が責任を持って送迎することを条件にしているからです。
 そこで私は、優先順位を付ける際、介護保険施設への入所と同様、評価項目と採点枠を予め公表し、もし希望保育所への入所にならなかった場合、項目毎の評価点数を、医療機関へのカルテ請求が可能になったのと同様に、情報請求できるようにしたらどうかと考えています。その際の評価項目に、保護者の勤務形態、家庭や親族の支援体制、自宅や勤務地からの距離等既存項目の他に、自家用車両送迎の可否や、兄弟の通園状況等を新たに加えるのです。兄弟がいれば、当然同じ保育施設に通園しないと、保護者にとっては大きな負担となるのは言うまでもありません。
 ところで児童福祉法では、定員枠内であれば、施設側は原則児童の入所を拒否できません。更に年度途中の入所であれば、施設基準を逸脱しない範囲で、定員を超えても無制限で受け入れることが可能です。因みにこれを保育所定員弾力化といいます。
 にも関わらず、現実はなかなか難しい事情があります。その要因は、何と言っても保育士配置基準です。具体的には、保育士1名に対し保育が可能な児童数は、0才児3人、1~2才児6人、3才児20人、4~5才児30人と定められています。ですから新年度当初、各保育士の担当児童数で割り切れる児童が入所して来ないと、人件費支払いが不効率になる訳です。
 これに輪をかけて、保育士不足が経営者にとって重圧となっているのです。 
また、現在放映中のNHK朝ドラ「べっぴんさん」では、戦後間もない頃の保育所が、ヒロインの友達の発達障害を持つ息子の入所を拒否した場面がありました。これも児童を責任を持って受け入れる現場にとっては深刻な問題です。これら、私立保育所の事情をカバーする意味で、公立の使命としての拠点保育所を、今年度からの「呉市公立保育所・幼稚園再配置計画」で位置付けたのです。
ということは、呉市が各園と調整を行って、申請者の優先順位により入所決定を行っているものの、不透明な部分が極めて多い訳です。これを透明化させるのが、呉市としての責務であると考えます。
 また、昨年度から施行した子ども・子育て支援法によって、呉市は、市内において30分間移動可能な生活圏を7つの提供区域に区分しました。即ち、昭和、天応・吉浦、中央(宮原・警固屋を含む)、広(阿賀・仁方・郷原を含む)、川尻・安浦、安芸灘、音戸・倉橋の7区域です。
 この中で需要が過熱しているのが、昭和、中央、広の3区域です。ここでは、昨年度地域型保育事業の小規模保育所を3箇所新たに誘致しました。これで、保護者の希望にできるだけ応えようと努力していることを知って下さい。 
 一方保育所入所は、仕事故に保育に欠ける保護者の未就学児が対象ですが、専業主婦における子育ての悩みも聞こえて参ります。幼稚園はあっても、3才以上が入園対象ですので、その年齢までが特に保護者にとって子育てに神経を使うところです。
 呉市では、保護者に万一のことがあった場合に備えることも視野に、1才児から中学3年生までの一時ボランティア預かりであるファミリー・サポート事業を、年明け1月4日から、宿泊が可能な24時間対応とすることに致しました。これまでは夜10時までしか預けることはできず、昼間料金の1時間600円に対して、夜間料金は700円でした。これを昼間料金で宿泊サービスを提供することとし、2人目以降の利用料は半額としています。呉市に居住し、早朝・夜間就労がある看護師や自衛隊員には朗報となります。
 更に、私が委員を務める民生委員会では、現在子育て支援策を研究していますが、今後は休日保育のニーズを調査した上で、その導入可否を検討することにしています。 

Facebook 2017.1.6

そごうとグリーンピアの問題解決が新年呉市の方向性!

 一昨日は、仕事始めの日。それに合わせて新年初の街頭演説、いわゆる「立ち初め」となりました。テーマは、呉市における新年の鍵を握る、そごう呉店跡地活用策とグリーンピアせとうち問題です。
先ずはそごう問題。そごう呉店が撤退したのが、平成25年1月末ですから、もうすぐ丸4年が経過致します。この建物は平成2年に建築されており、77%が㈱そごう・西武、19%を呉市、残り4%を7者の権利者が所有しています。
 撤退後は、呉市としては権利床を賃貸する意向でしたが、相手先が決まらなかったこともあって、昨年6月定例会で、呉市の権利床を売却することを前提とした、9者の権利者で構成する呉駅前西再開発ビル管理組合による土地との一括売却、即ち民間主導の再々開発も選択肢に加える方針転換を致しました。その敷地は8割が呉市所有、残り2割を㈱そごう・西武を含めた2者の所有となっています。
 また、これまで呉市は、大型商業施設再生促進事業を制度化し、市内商業地域において、未活用建物を改装する際に、限度額を2億円とする1/2補助を謳って来ました。再々開発を選択肢に含めることで、建物の建て替えにおいても対象となる、新たな助成制度を構築することを先の12月定例会で初めて表明したところです。
 現在数社から引き合いがあるとの答弁を踏まえ、これを私なりに読み解きますと、建物と敷地を一括購入に係る強い意志を示している民間事業者がおり、建て替え助成を条件にしているということになります。ということは、この2月の議会への行政報告で新制度を打ち出し、それに伴う補助金を新年度予算案に計上することは明白です。つまり、今年こそはそごう跡地問題が前進すると予言しておきましょう。
 一方私は、先の12月定例会の一般質問で、グリーンピアせとうちにおける建物や構築物、敷地の提案公募型一括売却を提唱致しました。
 その直後の産業建設委員会での行政報告で、同施設の指定管理者である㈱ゆうとぴあセトウチから2千万円の損害賠償訴訟が起こされたことが判明致しました。訴状を裁判所から呉市が受け取ったのは11月18日とのことですから、私の一般質問時には当局は既に知っていたことになります。
 訴訟内容は、呉市が駆体設備の改修を怠ったことにより、昨年8月18日に冷温水発生装置の故障で冷房が効かなくなり、同社が多額の損害を被ったというものです。この説明に対し私は、委員外にも関わらず質疑を致しました。即ち、「グリーンピアせとうちの指定管理候補が決まる段階の平成16年度の広域行政特別委員会での議事録によると、指定管理者が毎年呉市に納付する指定管理者負担金3,200万円を呉市が積み立て、それを大規模修繕に充てるとの答弁がなされているが、それを実行したのか?」-答弁は「積み立ては行っていない。」ということでした。つまり、負担金は一般財源として消化したことになります。それを受け私は、「では、大規模修繕は計画的に行って来なかったと理解してよいか?」とたたみかけますと、「訴訟に直結する内容なので、答弁は差し控える。」とのことだった訳です。
 呉市とその指定管理者が裁判で争うというのは、地方自治法が改正されこの制度が平成15年度からスタートして、恐らく全国初のことと思われます。となりますと、私が提唱した民間公募売却を一刻も早く実施しなければ、営業の空白期間が大幅に生じる可能性が極めて高くなります。
 グリーンピアせとうちは、先に民間売却した兵庫県のグリーンピア三木と比べ、温泉は出ずトゴール石を使った準温泉であり、不利な部分は確かにあります。 しかしながら、自前の海水浴場と浮き桟橋も所有している訳ですから、使いようによっては、海水浴場に関連してクルージングを誘致することも可能なのです。つまり、他のグリーンピア基地と比較しても、決してひけを取らない特長溢れる施設を有しているのは確かです。指定管理者では自己所有でないため、これらを活かすための設備投資はできません。宝の持ち腐れになってしまっているのが、実情なのです。
 そうこうする内、北海道のグリーンピア大沼が、既存指定管理者に売却することを決定したとのニュースが飛び込んで来ました。ここはスキー場を売りにしている特長があります。売約後は、行政であり既存所有者の森町が暫定期間助成金を支出するということです。
 そこで、呉市がグリーンピアせとうちを民間売却を行うに当たって、万一手が上がらない状況であった場合、そごうに適用している、大型商業施設再生促進事業の改装助成を転用し、また新制度である建て替え助成を構築した際にも、適用が可能なように設計することも検討すべきです。
 こうすることにより、新しい方向性と道筋を確実に付けておくべきで、そごう呉店再々開発と併せて、この2大アキレス腱における一気の解決が、呉市の新しい酉年における改革の重要な鍵を握っていると確信しています。 

Facebook 2017.1.11

生活保護費二重払い防止制度の導入を!

 昨日は、新年2回目の街頭演説。通算74回を数えます。この日は、2度目となる国会議員との遭遇。先方が若干早く演説をスタートされたことで、こちらはそれを終えた後のスタートとなりました。出番まで時間がありましたので、その間は初めて手振りを実行しました。
 さて、テーマは国政にも大いに関わる生活保護についてです。
 
 生活保護は、憲法25条の生存権の保障が根拠となっており、国民として最低限の生活が保障されます。よく最後のセーフティネットと言われる所以です。
 平成24年に、売れっ子お笑いコンビ「次長課長」の一人・河本準一の実母が生活保護を受給していたことが判明。国会でも採り上げられる大問題となったのは、記憶に新しいかと存じます。このことにより、生活保護申請がされますと、その直系血族や兄弟姉妹に対し扶養の意思確認の際、扶養が困難な理由を厳格に精査することになったようです。
 この最後のセーフティネットと言えば聞こえはいいですが、老後生活の安定を目的に昭和36年に国民皆年金制度がスタート致しました。ところが少子高齢化や平均寿命の延伸から、財源が不足がちとなり、そのため保険料の増額や支給額の減額がなされて来た経緯があります。その結果、国民年金支給額と生活扶助費支給額が逆転したのです。
 具体的には呉市の場合、一人暮らしの高齢者の1ヶ月の生活扶助費は約7万2千円です。これに対し、自営業で40年間満額国民年金保険料を納付した高齢者の1ヶ月の年金額は約6万5千円となり、生活扶助より約7千円も少ないのです。しかも介護保険料は年金から天引きされ、医療費においては、国民健康保険か後期高齢者医療保険に加入した上で1割負担しなければなりません。それに対して生活保護受給者は医療費が無料です。加えて持ち家のない生活保護受給者は、家賃分が3万5千円を限度として毎月住宅扶助費が別途支給されるのです。
 これでは、あくせく働いてまじめに年金保険料を納付した国民が馬鹿をみるような格好となり、そもそも年金保険料を納めること自体が、損をする結果となっているのです。これは制度の破綻を意味しています。
 しかも、昔と違って国民の生活水準が格段に向上したことで、以前は不可だった、室内へのクーラー設置や携帯電話所有も生活保護者には認められているのです。さすがに自家用車の所有は許されませんが、これとて、公共交通機関がない所に住んで、通院に自家用車が必要な場合に限って例外的に許されています。悪質な例としては、親族名義で車両を購入し、生活保護を受けながら乗り回している実態もあるようです。
或いは私の体験上、過去偽装離婚して生活保護費を受給していたケースを知っており、当該受給者の知人の市民が直訴して来たことがあります。母子家庭となっているようですが、実際は元夫が毎晩泊まりに帰って来て、同棲していたのです。これらは詐欺行為になりますが、呉市はこれを敢えて刑事告訴せずに今日まで来ました。やはり行政として強い態度で臨むべきと思います。
 また、医師の診断書を盾に働ける身体ではないと行政に訴えつつ、その実陰でアルバイトをして小遣い稼ぎをしていたという事例も枚挙にいとまがありません。月額1万円以内の稼ぎならそれも行政への申告さえすれば許されますが、かなり稼いでいるにも関わらず、その申告を行政にしていなかったのです。その場合は、勤務先企業から給料支払い証明書が税務署に提出されたことで、呉市の生活保護担当部署に知れることとなり、過去に払い過ぎた保護費の還付請求を行っているのが実情です。これも詐欺の一種ではありますが、このことにも行政は甘い態度を貫いて来ました。
 ところが、雇用主そのものが給与支払い証明書の提出を敢えて怠り脱税しているケースも多々あり、この場合は不法所得の捕捉はできませんから、所得隠しは氷山の一角に違いありません。
一方、生活保護費が振り込まれるとすぐにパチンコ三昧に出掛けたり、飲み屋に入り浸ったりするケースが絶えません。毎月5日が保護費支給の振込日ですが、貸しアパート住まいですと、概ね25日が翌月の家賃納入日となっているため、その時点でお金をほぼ使い切っており、家賃を支払えない状況に陥る事例が多々生じました。
 そこでそのように金銭感覚が希薄な場合には、本人の同意を得て、呉市から住宅扶助費なる家賃分を直接家主、若しくは不動産業者へ振り込む手法が、現在では多くなって来ています。またそうしなければ、家主も部屋を貸さない訳です。
 ところで生活保護費の財源は、3/4が国、1/4が市町村です。つまり血税です。ですからそれを、一部の受給者がパチンコなどに浪費するのは何事かと、市民から批判の声もあり、兵庫県小野市では条例を定め、そのような実態を第三者機関に市民が直接訴える制度を創設しました。訴えられた機関は調査に入るのですが、これではその対象市民が暗に生活保護受給者であると認めるようになってしまいます。これはプライバシー侵害に繋がり易いですし、ましてや市民が監視役になるため、市民同士が疑心暗鬼になる可能性が高く、やはりこの制度はやり過ぎではないかと考えています。基本的人権や自由が保障されている現憲法化では、パチンコや飲酒規制は、憲法に違反する可能性があるためです。
 ただ生活保護は、一旦受給すればこの呪縛から抜け出すのは容易ではありません。受給者は行政に甘えて、それを継続しようとする意志が生まれ易いのは、人間の悲しき性といいますか、否定できないのです。辛口評論家である金美玲女史が、以前呉市に講演に来られた際、「我が国の最も愚策は生活保護である」と喝破したことがあります。
これは、憲法を改正しないと根本的解決にはなり得ないでしょう。現憲法では権利と義務が各々独立した存在となっており、義務と権利の相関関係を謳ってはいません。加えて納税、労働、教育を受けさせると、3つの義務を国民に課してはいても、公的な年金や健康保険料の支払い義務は、残念ながら憲法では謳われていない訳です。つまり年金保険料を若い間、敢えて掛けてなく、将来老後において老齢年金の受給資格がなくても、生活保護費の受給資格はあるということなのです。
では、とりあえず呉市としてどういう動きをすればいいのか、これから持論を述べてみたいと思います。
 第一は、生活保護の級地制度の見直しを国に要請するのです。生活保護の各扶助費における支給基準は、地域経済における物価の動向を勘案して、国が定めています。東京や大阪の様な大都会は1級地ですから、扶助額が最も高い訳です。広島市のような政令市は1級地の2です。呉市も同様です。ただ、呉市より人口の多い都市でも2級地ですから、これは逆転しています。
 しかも、呉市へ編入合併した町は、呉市となったことで級地が上がり、そのため生活保護受給額が増えたのです。合併しても地域経済に大きな違いがないのですから、級地をそのままにするべきでしょう。何故なら豊町や蒲刈町など、過疎指定していた町は、合併して呉市になったとしても、過疎指定は継続しているからです。これら国策の矛盾は明らかです。
 これを呉市議会本会議で訴えましたが、市長は動こうとはしませんでした。級地(きゅうち)が上がれば、血税がそれだけ多く投じられることを肝に銘じておくべきでしょう。正に窮地(きゅうち)に陥ってしまう訳です。
 第二は、この度の産経ニュースで報じられた様に、生活保護受給者が刑事事件で逮捕され、留置されたり、罪状が確定して拘置された場合にも、その本人の口座に扶助費を振り込み続けている実態が全国にあるということです。留置場や刑務所では、その本人の自由が拘束され、少なくとも食住には不自由しません。にも関わらず、生活保護を支給し続けたら、税金の二重投資となるのは明白です。
 そこで、大阪府警が全国で唯一、府内の大阪市や東大阪市と協定を結び、生活保護受給者の留置・拘置者を支給自治体に情報提供することにしました。その連絡を受けた提携自治体は、直ちに扶助費の振り込みを停止するという訳です。
 実際大阪府警では、制度を試行した平成26年7月から本格施行に移行した28年10月まで、1,644人の生活保護費受給者を逮捕しました。その内大阪市だけで1,169人にも上りました。これにより、浮いた生活保護費は、大阪府全体で約7千万円、大坂市だけで約6,400万円となりました。現在は、堺市を初めとして府内全域に協定自治体を拡大しようとしているのです。
 大阪市は、西成区の愛隣地区を抱えるだけあって、生活保護受給率は日本一、即ち人口の5.3%をも占めていますので、この対策は望まれるべくして出て来たものと推察されます。
 我が呉市も広島県内で2番目に受給率が高く、平成25年10月の実績ではありますが、1.8%でした。その後人口減が続いて来ましたから、2%の大台に乗ったかもしれません。この生活保護費における呉市の年間予算は73億円にも上り、教育費の70億円を上回っているのです。
 従いまして私は、呉市としても広島県警に働きかけ、この施策展開において県内筆頭に立つべきだと、今後訴えて参る所存です。生活保護は、国民にとって最後の砦ですので、真に生活に困っている人には、当然の如く行政として優しく手を差し伸べ、それを食い物にしている輩に対しては、強く望むべきというのが、私の考えなのです。 

Facebook 2017.1.20

学校ピアノ調律は、児童生徒への教育的視点を第一義に!

 去る1月16日は、稀に見る大雪の翌日とあって、凍てつくような冷たさの中、75回目の街頭演説に臨みました。テーマは、呉市立小中学校のピアノ調律についてです。
 ピアノの調律と言えば、大体1台当たり1万5千円から2万円程度費用がかかります。ところが、呉市立小中学校の場合、格安で発注していたのです。具体的には、市内62校が所有するピアノは144台。これを全て市内業者に発注するため、その力量に鑑み、三ブロックに区分しています。即ち、阿賀、広、郷原、川尻、安浦のAブロックで48台。中央、芸予(安芸灘4町)のBブロックで46台。昭和、天応・吉浦、音戸・倉橋のCブロックで50台です。
 そして、市内登録5者で見積もり合わせを行った結果、今年度の実績で、1ブロック平均約18万円。1台当たりの調律単価は約3,900円となっています。これは相場から大きく逸脱した単価です。因みに、各ピアノは年1回の調律です。
 では、絆ホールのピアノはと申しますと、昨年度契約したスタインウェイは、購入費に加え5年間の調律やメンテとセットでの契約ですから、ここでは除外致します。それ以外に、市民会館時代から引き継いだヤマハのグランドピアノ、アップライト各1台があります。グランドピアノは年2回、アップライトは年1回の調律を行います。つまり年3回分の本年度における契約は、市内ヤマハ特約店2者の見積もり合わせの結果、1台1回の平均単価が3万2千円となっています。但しこれは、メンテも含めた金額ですから、調律に限定すれば、2万円程度と推定するところです。
 しかも本年度契約したのは、小中学校ピアノの某ブロックで発注した業者と同一というから驚きです。同じ会社が調律するのに、方や3,900円、方や2万円程度と大きな格差がありました。
 実はピアノを調律すれば、1時間半から2時間かかるのが相場です。小中学校では、恐らくそれを僅かな時間で仕上げている可能性があります。何故なら、その調律の現場に、音楽教諭が立ち会っていないからです。当然最初と最後だけ立ち会います。最後の工事済み監査は、学校では教頭となっていますから、場合によっては音楽教諭抜きで、試し弾きなしで判をついている可能性すらあるのです。
 また、万一音楽教諭が試し弾きしたとしても、絶対音感をお持ちの方はごく僅かでしょうから、その僅かな狂いを見抜くことは不可能です。と申しますのも、全鍵盤を調律するのではなく、主に使う音の鍵盤だけを抽出して行う「ひらい調律」という巧妙な手法があるらしく、これなら短時間で済ませることが可能で、業者が近隣の学校にアポを取った上で、一日に効率よく多く調律に回れる訳なのです。
 では、発注者の仕様書はどうなっているかと調べてみますと、全鍵盤調律や時間設定、一般社団法人・日本ピアノ調律師協会会員資格を有すること等の条件が記載されていませんでした。
 ということは、調律の仕方に大きな幅ができますから、見積もり合わせの際、いつもまじめに1万円以上の見積もりを提出している業者は半永久的に仕事が回って来ないことになりかねません。実際、そのような現状が歴然としてあることが、この度判明致しました。
一方、呉市立高校のピアノはグランドピアノ2台、アップライト3台で、種類によって単価が異なっています。ここは、毎年特定1者随意契約としており、調律回数は年1回と、小中学校と同様です。そこで昨年度実績では、グランドピアノの調律単価は8,640円、アップライトの場合は6,480円です。同じ市立学校のピアノで単価が異なり、しかもそれを受注いしているのは、市内登録業者とは異なっていました。この点については追跡調査をして参ります。
 更に呉市立保育所と幼稚園のピアノについて調べてみました。これらは一括発注でやはり特定1者随意契約でした。保育所13箇所18台、幼稚園1箇所1台です。これらの平均単価は約4,800円でした。学校より9千円高くなっており、これも疑問符がつきます。
 結局、手抜き調律が横行しているのではないか、との疑念が強く残りました。もしそうであるなら、音の狂ったピアノで子ども達に教育していることになります。実際某学校の音楽教諭が、教育委員会が発注するピアノ調律では、子どもを教えられないとして、それを拒否し、きちっとした調律師と別途契約したということです。当然その経費はPTA会費を充てたことが容易に推察され、呉市の受注業者は1校分の2台程度の出張経費が浮いた計算です。
これはこれで別途問題があるも、私はこの音楽教諭の市教委に対する身体を張っての勇気ある行動を評価したいと思います。あくまで子ども達への教育ということを、基準に据えているからです。
 私は、現在まちづくりセンターのピアノ調律、それから呉市文化振興財団に管理を委託している文化ホールのピアノ調律についても実態を調査しており、その結果を待って、問題点を更に整理して参りたい所存です。 

Facebook 2017.1.24

特別支援教育充実に向け、
就学指導委員会の改革案を提唱!

昨日は、76回目の街頭演説。テーマは特別支援教育の在り方についてです。
 特別支援教育とは障害児を対象とした教育のことで、平成18年度の学校教育法改正により、特別支援学校制度の創設や小中学校における特別支援教育の推進が、明確に位置付けられました。
その中で発達障害児は、その割合が年々増え続ける中、現在7.8%と言われています。これには知的障害を伴わないアスペルガー症候群や高機能自閉症も含まれ、知的障害を伴うものから幅広く、総称して自閉症スペクトラムとも呼ばれています。つまり知的障害を伴わない場合は、障害そのものを親が認めたがらないケースも多々あり、通常学級がよいのか特別支援学級がよいのか、その線引きは簡単ではありません。
 また、特別支援学級に在籍したとしても、コミュニケーション能力の欠如と教諭の理解度不足や、保護者との連携不足もあって、不登校になるケースも多々あります。こうなりますと、更に専門的な特別支援学校への転校も、保護者としては選択肢に入って参ります。
 このように、通常学級から特別支援学級への転級、特別支援学級から特別支援学校への転校を検討する場として、各教育委員会の諮問機関として、就学指導委員会が設置されています。呉市においては、医療機関、こども家庭センター、特別支援学校、呉市関連部署、呉市立小中学校の代表校長・教頭で委員構成されています。
 呉市では、この決定過程が保護者にとって見え難いため、その結果に対し、十分納得できないケースがありました。しかも就学指導委員会での答申は、あくまで参考意見であって、最終的に決めるのは保護者になるということが、説明されないままになっていました。このため、対象児童の担任教諭からその答申の報告を受けた際、それがあたかも決定事項の様な錯覚を保護者に与えていたのです。
 しかも、その答申内容の通知文書はなく、委員でもない担任教諭から、結論を聴くしかありません。これでは保護者は不満を抱えたまま、それに従わざるを得ず、それが我が子への家庭教育にも少なからず影響を与えていたと推察されます。
 一方、平成19年度に施行された改正学校教育法施行令第18条の2では、障害児の就学を決定するに当たって、専門的知識を有する者の意見を聴くこととされ、併せて、日常生活の状況を最もよく知る保護者の意見を聴くことを義務付けました。
ところが呉市においては、対象児童の主治医から意見を聴くことを一切して来ませんでした。それどころか、保護者の意見も教育相談票に僅か記入する欄があるのみで、それも直接保護者が記入するのではなく、教育相談員である教育委員会指導主事がまとめるのみに止まっていたのです。
 更に、その決定過程や内容を知りたいと保護者が欲して、文書公開請求しようにも、指導委員会の会議録を採っていないのですからそれも叶わず、これが不透明の最大要因にもなっています。
そこで私は、就学指導委員会の答申が最終決定ではないことを、現場の教諭等に位置付けを徹底させ、保護者が答申に不服な場合は、学校、教育委員会、保護者の三者懇談を設定することを、明確にすることを当局に要望しました。そうすれば、適応性を確認するために、特別支援学級への体験通級や特別支援学校への体験通学の道も開けることとなり、保護者が納得し易い環境を整えることも可能となります。
 この伏線として、保護者と担任教諭の信頼基盤を確立することが、根本的に必要だとして、障害児への個別の指導計画を作成するに当たり、担任教諭と保護者の共同作業を再徹底することを再度要請しました。
 加えて、就学指導委員会の在り方については、①保護者の意見書の提出②対象児童の主治医の意見書の提出③会議録の作成④保護者への答申結果の文書通知化-を提唱しました。
 ところで改正学校教育法施行令第22条の3では、特別支援学校や特別支援学級の対象児童について明記されています。これによると、視聴覚障害、知的障害、肢体不自由の項目がそれぞれ示されています。特に特別支援学校で知的障害の場合は、他人との意思疎通が困難で、日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とすることが挙げられています。
 ということは、療育手帳の等級が最も低い、即ちB等級の場合は、先ず対象外となる訳です。そうは言いつつ高校への就学の場合は、B等級でも特別支援学級への入学が認められていまして、ここら辺り矛盾を感じずにはいれらません。
しかも障害の種類が多様化し、特に発達障害の場合は、一概に等級で決めつけ難い部分、即ち二次障害を誘発することもあるので、柔軟な考察で本人に適した判断を就学指導委員会が行うためにも、保護者や主治医の意見書はより重要になって来るものと考えています。 
 

Facebook 2017.2.3

政務活動費における一層の透明化と公平化を図れ!

 昨日は、行政視察と重なったため、木曜日に持ち越しての街頭演説。通算77回目となります。テーマは、最近特に注目を集めている政務活動費の使途改革についてです。
 
 昨年、富山市議会における11名もの集団辞職、3年前の野々村竜太郎兵庫県議による
空出張、どちらも議員の第2報酬と言われる政務活動費の不正受給でした。近場では熊本憲三広島市議会議員において、実在しない住所地の職員人件費の領収証が発覚し、政務活動費20万円を詐取したとして刑事告発されました。
この様に、議員たる者、政務活動費の使い方は、今一度襟を正す必要があるでしょう。 そもそも政務活動費とは、地方自治法を根拠に、議員の会派活動に対する調査研究費として位置付けられています。ただ、その使途や支給額は各議会ばらばらで、問題となった兵庫県では、議員一人当たり月額50万円、富山県は30万円、広島県は35万円となっており、全国一高額な東京都は60万円です。続いて富山市は15万円、広島市は34万円で、我が呉市は5万円となっています。
 一部の議会では、会派の事務所や人件費の一部、議員個人発行の機関紙制作費、機関紙頒布費が認められていますが、呉市では金額が少ないことと、透明性を確保する意味で、事務所費や職員人件費は一切認められておらず、議員発行機関紙の発行も不可となっており、極めて健全だと思っています。
 ところが、この度呉市が中核市に移行したことで、初の外部包括監査が導入され、議会費の政務活動費に初めて第三者の厳しい目が入りました。細部までチェックを受け、指摘を受ける中、近年における政務活動費への有権者不信を踏まえ、呉市議会ではこの度使途改革を行い、来年度から施行することになりました。その中身は5点あります。
 第1は、議員個人の自家用車のガソリン代と携帯電話通信費です。これまでは、過去の裁判判例を踏まえ、係った経費の1/3を後精算で政務活動費の交付を受けておりました。
これは、議員活動には公的な議会活動、議員の個人活動、後援会を初めとする私的活動の3種類に分類されることから、登録自家用車1台のガソリン代と登録携帯電話1台の通信費に限り、みなし率として1/3を支給していたものです。
 これでは明確に公的活動に係る部分を証明できず、市民への説明責任を果たせないとの理由から、これらへの交付自体を廃止することに決定致しました。
 第2は、広報紙発行についてです。これまでは会派発行にのみ機関紙制作費とその頒布に係る切手代やポスティング費用が認められていました。広報紙の掲載記事が、全て議会活動に終始していたとしても、それを広く市民に頒布すれば、その議員の知名度アップに繋がり、選挙運動に近い状況になることがその理由です。但し、会派発行の広報紙だけは、その制作費と頒布費用が認められていました。これは、政務活動費は会派に対して交付されるものだからです。
 ところが、この制度を拡大解釈して、会派発行新聞の裏面に会派所属議員の個人版が掲載されたことが何度かありました。これでは事実上、議員個人のPRになってしまいます。しかも、会派に所属しない議員には公費で広報紙を発行することすら認められていないため、著しい不公平が生じていました。
 因みに私は、会派に所属していないため、機関紙は後援会発行とし、私的な支出としており、私を含め同様の立場の議員からは、この不公平是正要求が出されていたのです。
 この点も、この度きっちり見直しされました。即ち、議員個人版として1頁割いていなくても、同一頁の中にかなりのスペースで特定の議員活動が紹介される場合も含まれるということです。
 第3として、切手代購入における枚数制限の導入です。この切手代は、あくまで会派発行広報紙等を頒布する手段として認められていました。従いまして、私の様な後援会機関紙の切手代は認められていなかったのです。
 過去、この切手を複数の会派が大量購入したことがあり、当時新聞社から取材を申し込まれたことがあります。兵庫県議会において、野々村議員の疑惑が発覚した際、疑惑追及を目的とした、地方自治法第100条に基づく調査委員会、いわゆる百条委員会を議会が設置しなかったことがありました。切手疑惑がその場で追求されて返り血を浴びたら元も子もなくなるという思惑があったと、噂されていたのです。どういうことかと申しますと、切手の大量購入は、それを換金することが可能であることから、使途流用をしたのではないかとの疑念を持たれても仕方ないということなのです。
 そこで呉市議会では、議員一人当たり、年に100枚を購入限度とすることに致しました。
 第4として、視察に係る内容です。
 具体的には、先ず、視察報告書は終了後7日以内に提出すること、これは研修報告も同様です。ただ、7日以内は短か過ぎるとの意見も出たため、その日数については、今後の検討課題となりました。この期限を切ることの意義は、この報告書を呉市議会ホームページにアップするため、できるだけスピーディーに行えるようにするためです。従って、報告書未提出議員には、新たな視察申請を認めないことと致しました。
 また過去、博物館等を見学しただけの視察が散見されたことから、視察先や施設の職員から説明を受けることを条件と致しました。単なる視察見学に終わってしまえば、物見遊山や観光との誤解を市民に対して与えかねないとの理由です。
 そして最後に、領収証の議会ホームページでの公開です。これまでは、情報公開条例に基づく公文書公開請求を経なくても、収支報告書とそれに係る領収証は、議会事務局で閲覧が無料でできました。但し、それらを複写するとなると、1枚につき10円が必要だったのです。
 そこで昨年7月より、収支報告書のみをホームページ上にアップすることにしておりましたが、この度はそれに領収証を加えることで、大きな進歩と言えましょう。つまり、それらの情報を自宅のパソコンからプリントアウトが可能になる訳です。
 私は、これらの改革は、大きな前進と捉えています。但し、今後より一層改革すべき課題点を2点挙げておきましょう。
 その第1は、視察や研修を複数の議員で行った場合、議員個人々々が自らの言葉で報告書を作成すべきだということです。これは、私が委員を務める議会運営委員会でも議論されましたが、見送られた経緯があります。貴重な市民の血税を使って視察や研修を受ける訳ですから、それなりの効果が求められます。誰かが代表で報告書を作成するのでは、視察においても研修においても、実が入らない道理です。近年は、この方式を導入する議会が増えつつあり、呉市議会は遅れをとっていると言えましょう。
 因みに、私が過去会派に所属していた時は、殆ど私が代表で報告書を執筆していたものでした。
 第2は、政務活動費と行政視察費の統合です。よく、政務活動費の金額を都市間で比較することがありますが、これでは不十分です。行政視察費もセットで比較する必要があるのです。
 と申しますのも呉市の場合は、別途行政視察費が、議員一人当たり年額18万円組まれています。ということは、政務活動費の年額60万円と併せると78万円となります。しかも、行政視察は政務活動費を使ってでも可能ですので、項目が重複していることになります。
 ですから私は、行政視察費を廃止して、政務活動費に統合すべきだと考えています。その際、統合後に年間60万円のみにするか、行政視察費を廃止する代わりに、政務活動費を月額6万円と1万円増額し、年間72万円にしても、トータルで既存制度より年額6万円の減額になる訳です。
 この行政視察費の存在そのものは、まだマスコミが有権者に伝え切れていない部分であり、指摘されるより先に、自ら身を切る改革をするのが、私達議員の市民に対する真摯な姿勢だと思うのです。 

Facebook 2017.2.10

呉市新イメキャラ戦略で観光客増にはずみ!!

去る2月7日は、78回目の街頭演説。テーマは呉市新キャラクターについてです。
 
呉市は2月1日に新キャラクター発表会を開催。併せて新テーマソングのプロモーション動画を公開しました。これまで、私達議員にもそのデザインを内密にして伏せ、2月1日に一挙公開することで大きなインパクトを与える戦略だったのです。
 誰もが度肝を抜かれたと思います。地方自治体間でゆるキャラブームが展開される中、例えば「クレぽん」のようなありふれたキャラでは、インパクトに欠けると踏み、そのものずばり「呉」とデザインされた「呉氏」。そればかりでなく、同時にテーマソングと振り付けダンスをセットにしたプロモーション動画まで制作したのです。
 それは、平成7年に日本レコード大賞を受賞したTRFによる当時の大ヒット曲「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌「呉ー市ーGONNA呉ー市ー」でした。歌詞は呉市の魅力と観光地を紹介したもの、それに伴うロケ動画です。TRFと言えば、小室哲哉の曲で日本初のポップスダンスグループですので、キャラクター「呉氏」を含めた5人のダンサーが同様にキレのあるダンスを踊るのですから、若者に人気が出るのは間違いないでしょう。
 既に昨日の段階で、動画投稿サイトにおけるダウンロード数は30万件を突破しました。
https://www.youtube.com/watch?v=6MNJTAcvfMg&index=2&list=PLlmnCB8t3JTKmYmn7QH8CVf0r57XI2UFI
呉市ホームページでは、歌詞の内容の聖地まで紹介しており、「呉氏聖地巡り」の今後企画される可能性を秘めていますし、商店街でのイベントや学校行事でのキャラクター活用や合唱とダンス等、呉市主催行事に止まることなく、様々な活動展開が望めます。勿論これにより、呉市を訪れる観光客が激増し、宿泊増に繋がることが大いに期待されます。
 ゆるキャラでは船橋市の「ふなっしー」や熊本県の「くまモン」が有名ですが、それらを凌駕するインパクト十分な存在です。歌と踊り、しかもヒットソングの替え歌と動画、インターネットでどんどん拡散することで、「呉市」をこれでもかと脳裏に刻み、人々の心を掴むことができるのです。
 想えばゆるキャラと言えば、重い縫いぐるみを被って愛くるしく動くというイメージがありますが、「呉氏」の様に、手足が露出したゆるキャラは見たことがありません。それもそのはず、縫いぐるみを被ったキャラクター自身がキレのあるダンスを踊るためなのです。ですからゆるキャラの枠を越えた度肝を抜く、強い印象を与えるキャラに仕上がったと言えます。
 ところで、以前私が大阪市に出張した際、ある博物館の若い女性従業員に名刺を差し出し、「管理職員に合わせて欲しい」と告げたところ、「この市は何と読むのですか?」と聞かれ、愕然としたことがありました。確かに学校では「呉」は「ご」と習ったと思います。中国の三國志では魏、呉、蜀が出て参りますし、「呉服」は「ごふく」と読みます。私達は当たり前のように「くれ市」と呼んでいますが、他の地方へ行けば「ご市」と誤って読まれているかも知れず、正に「呉市」は「誤市」なのです。
 つまり、キャラクターのロゴデザインが「呉」の文字であること、テーマソングも「クレージー」をもじった「呉ー市ー」であることから、「呉」即ち「クレ」として、全国の人々に市名を覚えてもらい、イメージアップを図れるのです。
それでは、これだけの企画を一体誰が行ったのでしょうか?実は、昨年6月かシティプロモーションの企画提案を公募し、6者が応募した結果、断トツ最高点を獲得した㈱電通西日本だったのです。さすが広告のプロです。考える視点が全く違います。公務員や素人ではさすがにここまでは思いつきません。
 キャラクターデザインなら、通常は一般公募すれば費用があまりかかりませんが、この度はイメージキャラクターのデザインに止まらず、それを中心に据えたプロモーション動画やポスターの作成、音楽著作権料を含めた広告宣伝戦略全てを委託したのです。今年度予算3,200万円の内、3,000万円を最高価格に設定し、その範囲内で企画を募ったのでした。しかも応募条件としては、人口20万人以上の自治体において、全国規模の広告宣伝を手がけた実績が5年以上あるとの条件付きです。
 7人の審査員が一人100点満点で採点し、その内、価格評価は僅か5点に止め、企画内容を重視したのです。その結果、700点満点の内、㈱電通西日本が530点と、次点の㈱ティー・ワイ・オーの485点に大差を付けたのでした。因みに電通西日本とは、昨年7月15日に2,997万8千円で契約を締結致しました。
 実はこのキャラクターは、7月に行われた選定審査会でのプレゼンテーションで既に内々に披露されていたのです。これで審査員の心を一気にたぐり寄せたと言えましょう。この時点で「呉氏」は実質決まったと言えましょう。その時のプレゼンテーションの様子も呉市ホームページで紹介されており、これも電通西日本の広告宣伝の一環に違いありません。凄い徹底ぶりです。
  ところで、呉市のゆるキャラといえば、「てつぞー」がいました。これは呉青年会議所の事業として、全国公募し、平成22年に誕生しました。造船のとタンカーをイメージしたロゴデザインとなっており、これまでも呉市関係行事に登場しています。ということは、早くもインターネットで、「てつぞー」引退の記事が踊っているように、今後は「呉氏」一本になることでしょう。
 呉市は来年度予算に、踊りの踊れるグループへの「呉氏」の委託費を計上することになるでしょうが、果たして縫いぐるみを被る人物は誰になるか、興味の尽きぬところです。何故なら現在の「呉氏」を被っている人物やダンサーは、電通西日本との契約の中で雇用しているでしょうから、今後は違うメンバーが引き継ぐことになるからです。
惜しむらくは、この度シティプロモーション事業予算の財源が全て呉市の一般財源であることです。もう少しアクションが早ければ、昨年度の国の地方創生加速化交付金を活用できた可能性を否定できません。そうなれば、全て国家予算で充当できたはずだからです。 とは言え、今後は呉市のイメージキャラクター戦略を模倣する自治体が続出することは火を見るよりも明らかです。呉市はその先駆者として、確固たる実績を積み、真の観光立市として、大和ミュージアムに続く飛躍的成長を遂げて欲しいと念願しております。 

Facebook 2017.2.16

呉駅前地区再整備計画策定の真意を探れ!

 去る2月13日は79回目の街頭演説。テーマは呉駅前地区再整備についてです。
これは昨年12月定例会での一般質問に答弁する形で、唐突に出て来たものです。但し、呉市長期総合計画・後期基本計画には、「呉駅及び周辺施設の整備」と記述されていますから、強いて言えば、これに該当することになります。
 確かにこの呉駅前広場は昭和56年に整備してから35年が経過しており、ロータリーが狭く、一般車両の乗降場所が狭小で、しかもそれが市道の一部分になっているなど便さに加え、交通安全上危険な状態です。広場内の歩道スペースを縮小してロータリーを広くすることで、対応が可能だと考えます。
 ただ、これをいつ実行に移すかという問題があります。そこで、呉駅前広場に隣接するそごう呉店跡地の再活用とセットに行う構想が急遽持ち上がりました。当初そごう呉店はその77%を所有している㈱そごう・西武が売却、呉市の持ち分である19%の権利床は賃貸で話を進めて来ましたが、引き合いの中で、大規模改修するくらいなら、買い取って建て替える選択肢が出て来たことがあったものと推察しております。それは昨年12月の一般質問答弁で、当局が大規模改修の1/2補助制度以外にも、建て替えの際の補助制度を創設する意欲を示したことからも窺えます。それに至る過去の答弁でも、呉市はこれまでの方針を転換し、権利床を売却も視野に広げる方針転換をしていたのです。
 つまり、建て替えをする時期に合わせての呉駅前広場の再整備が急浮上した訳です。実際に新年度予算には、呉駅前地区再整備の検討として基本計画の策定費1千万円を計上致しました。全て一般財源を使います。そして主要事業の概要には、その意義として、民間活力によるそごう呉店跡地の再生を掲げているのです。つまり、呉駅前地区再整備は、あくまでそごう呉店跡地の再整備とセットになっている訳です。
 
 ところが新年度予算には、大型商業施設建て替えに係る補助金が計上されていないのです。そればかりか、今年度予算に計上されていた、大型商業施設再生促進事業費補助金2億円も新年度は欠落しています。これまで大規模改修に係る2億円を上限とする1/2補助金を予算計上していたのは、そごう呉店を買い取る事業者を誘致するための呉市の決意を示す意味合いがありました。民間業者からみれば担保になり得るものです。それが新年度予算に計上されないということは、二つの見方があります。
 その一つは、ネガティブな見解で、そごう呉店前再開発において、民間権利者の合意が得られず、進捗が暗礁に乗り上げており、現段階では先行きが読めないということです。それに予算を計上しますと、他の優先施策に予算を回し難くなります。もしそうであるなら、呉駅前地区再整備基本計画の策定は計上するべきではない、というのが私の考えです。
 もう一つは、ポジティブな見解で、呉駅前地区再整備基本計画の策定費を計上するのは、そごう呉店跡地に係る呉駅前西再開発ビル管理組合で合意が取れ、且つそれを購入する業者がほぼ固まったというものです。そうしますと、建て替えに係る補助金と大規模改修に係る補助金を同時に計上することは無駄になるので、より高額な建て替えに係る補助金一本に絞って計上することになります。ところが、土地と建物セットで購入する交渉がほぼまとまったことで、建て替えに期間を要することから、補助金支出は建て替え終了後になるため、新年度予算に計上しないというものです。
 このどちらかだと確信しており、明日から招集される3月定例会の予算総体質問で、このことを質疑して参る所存です。
 一方、広駅前地区再整備基本計画の策定費が1千万円というのも、非常に気になるところです。何故なら、過去の基本計画策定のコンサル費用は殆どが500万円の予算計上だったからです。計画策定段階で1千万円と高額になるのは、そごう呉店跡地再開発に係る何らかの経費が含まれているのか、この点も糺して参ります。 

Facebook 2017.2.26

主権者教育は小学生から保護者を巻き込んで!

 去る2月21日は、凍てつくような冷たい風の中で、80回目の街頭演説。途中、幟が何度も強風で倒されるという初の事態に陥りました。テーマは、主権者教育についてです。
 
 呉市議会議員選挙の投票率は、私が初当選した平成7年では63%、それから年を追う毎に低下し、2年前の平成27年選挙では、50%まで下がりました。これは危険信号です。何故なら、呉市議会全体が、実に半分の有権者にしか支持を受けていないこととなり、次回選挙でこの投票率を更に割ることになりますと、呉市議会の存立意義そのものに疑義が突きつけられることになるからです。
 そこで、呉市議会・総務委員会では、他都市の事例も研究した上で、先の3月定例会初日に議員・市長選挙公報条例案を提出し、全会一致で可決成立したところです。
 今秋に実施される呉市長選挙からの適用となります。この条例に基づき、2年後の呉市議会議員選挙において、全立候補者のプロフィールに加え、マニフェストが広報紙で紹介され、有権者の投票行動の手助けをすることになります。因みに、地元新聞に加え五大全国紙全てに新聞折り込みをし、市役所や各市民センターでも無償配布されます。
 但し 、平成15年度の公職選挙法改正で、告示翌日から期日前投票ができるようになりましたが、これは選挙運動期間で有権者が候補者の政策を吟味することの趣旨から逸脱しているため、編集の関係から告示後4日目での新聞折り込みでは、その効果も半減します。ましてや、投票所を大学等に加え、スーパーマーケット等に拡大するのは、大いに問題ありです。しかも、一部投票所統合のあおりを受けた地域に限定して、投票所までのバス送迎は、投票権という趣旨から本末転倒であり、反対です。
 また、有権者が候補者の政策を吟味する手段として、複数の候補者を一堂に集めて公共団体が主催する立会演説会が以前はありました。ところが、他陣営の聴衆ヤジ等の諸問題から、昭和58年の公職選挙法改正により禁止されました。従って、現在は専ら個人演説会を各陣営が実施するに止まっています。これでは、有権者が何度も演説会場に足を運ばなければ、候補者の政策を比べられないこととなります。
 実際個人演説会の主流は、前座を務める複数の応援弁士による演説があり、最後に行われる候補者本人の演説は10分からせいぜい15分程度が多く、これでは決意を述べることはあっても、政策を述べることにはなり切っていない傾向があります。
 そこで、この度の選挙公報の登場となった訳です。これはこれで大きな進歩ではありましょう。ただ、実現もできないことを公約に掲げて、それで得点を稼ごうとする向きもあるでしょうから、その公約は選挙後も呉市議会ホームページに掲載して、それを有権者が検証できるようになりそうです。
一方昨年11月7日、両城小学校が呉市立小学校として初めて模擬議会を実施し、6年生児童全員が呉市議会を訪れました。実際に秋休み条例案を市長役児童が登壇した上で説明し、それに対して、複数の議員役児童が質問席に出て議案質疑、それを受け教育長役児童が答弁するという凝ったものです。更には、複数の議員役児童が登壇して各々反賛の立場から討論まで行いました。そして極めつけは、議長役児童による採決要請があり、議員役児童全員が電子採決により賛否を表明しました。その結果、反対多数で秋休み条例は否決されました。
 その後、第2部として、児童から自由闊達な質問が議会運営委員会の所属議員に対してなされ、それを私達議員が答弁しました。積極的な挙手がなかなか止まなかったのは、凄い成果でした。
 これに続き去る1月20日には、荘山田小学校6年生全員による模擬議会第2弾が実施され、同様のやり方で大成功を収めました。
 これこそ、正に主権者教育の実地体験という決定版でしょう。この児童が18才になれば、ほぼ高い率で投票に行ってもらえるだろうと確信した次第です。私はこれを、土日祝日に実施し、授業参観と兼ねればよいと思いました。そうすれば若い保護者がより政治に関心を持って下さることが大いに期待できるからです。学校数が多いことで、議会対応が困難かもしれませんが、それは同じ日に時間帯を分けたり、対応を議会運営委員会に限定せず、全議員が対応するよう振り分ければよい訳です。
 近年は、呉市立中学校の選抜生徒による模擬議会が実施されており、呉市議会が主催する昨年11月の議会報告会には、市立呉高校生との対話を組んだりして、主権者教育が進んでおります。私が委員を務める民生委員会による蒲刈地区議会報告会では、蒲刈中学校3年生が総合学習の一環として主体的に参加しました。
 また、私の母校である県立呉三津田高校が議員との意見交換会を去る1月19日にくれ絆ホールで初実施。3年生選抜生徒によるグループ研究発表、全校生徒がそれに聴き入りました。そしてテーマ別のグループ研究が終わる毎に、参加した議員から生徒への逆質問があり、それに発表生徒が答弁するという趣向もあって、これも大成功を収めました。
 要は投票率の向上は、有権者が政治に関心を持つこと、いわゆる主権者教育にかかっているということなのです。勿論それには、開かれた議会を目指し、議員も行政のチェックを怠らず、普段から真摯な勉強と質疑姿勢を示すことこそが、市民の議会政治への信頼を回復する重要な鍵を握っているのです。 

Facebook 2017.2.28

青山クラブ解体に待った!戦艦大和大型試験機展示を!

 昨日は81回目の街頭演説。テーマは自衛隊集会所、即ち旧青山クラブの再活用策についてです。
 呉市は昨年12月に国から旧青山クラブを購入して、新たな観光資源として活用すると発表しました。アニメ映画「この世界の片隅に」が大ヒットし、その中に当時の海軍下士官兵集会所が登場します。つまりこの青山クラブは、全国的にも有名になりました。
 ところが青山クラブに隣接する別館たる桜松館は改修して、そこに特産品販売や喫茶店を誘致し、本館たる青山クラブを解体して駐車場として活用するというのです。加えて、それに至る導線として、旧鉄道引き込み線を民間から購入し、そこを遊歩道として新たに整備するとしました。
 私は、去る2月24日の呉市議会本会議における予算総体質問で、この構想に疑義をぶつけました。
 先ず、昨年3月に国庫補助率100%の地方創生加速化交付金を活用して呉市が宝町~幸町エリア整備構想策定費500万円が組まれました。青山クラブ取得は、この構想の目玉となるべき位置付けだったのです。ところが、この構想策定業務は公益社団法人・日本観光振興協会に随意発注し、まだ完成していないのです。
 この構想を受けてから、初めて青山クラブ購入費を予算化するのが本筋ですが、先に用地取得費として3億3千万円、それに係る土地鑑定評価等の事務費に600万円、桜松館改修と中心部回遊性向上機能整備に係る基本計画策定費として800万円と、合計3億4,400万円が新年度予算に計上されたのです。
 因みに、本館部分は解体するので建て付け減価補正をした上での価格積算としておりますが、桜松館は、青山クラブと同様昭和4年の建築にも関わらず耐震改修して残すため、減価補正されないということで、若干疑問が残りました。
 手順が逆になった主要因は、呉市に対して、昨年11月に国から青山クラブの購入打診があり、公共随意契約を締結するために急いで予算化する必要があったのです。だから構想策定前の予算計上となった訳です。
 次に、青山クラブを解体する理由として、12月の行政報告では、国が先に実施した耐久審査によると、本館は最低指数で耐震改修は不可能であるが、別館の桜松館はそれが可能であるとのことでした。ところがこの度の答弁では、本館も現在の高度な技術を持ってすれば耐震・老朽改修は可能ではあるが、建物の広さや構造上の問題から、数10億円の費用がかかると、言い回しが変わったのです。
 呉市体育館の耐震・老朽改修でも9億1千万円しかかからないのに、この数10億円というのは、新築よりも高額となり納得がいきません。私は、それでも百歩譲って、これだけかかるとするならモニュメントでお茶を濁すのではなく、丸みを帯びた特長ある角や正面玄関等を含む外観を残し、耐震補強すればよいのではないかと提案しました。そうすれば、「この世界の片隅に」の整地巡りとして、或いは日本遺産として、重要な目玉施設となり得ます。
 呉市としては、今後議員を対象とした現地見学会を実施した上で、世論も参考にしながら、青山クラブの活用策を再検討するということになりました。
 さて、青山クラブと桜松館だけ整備しても、観光客誘致としては不十分です。隣接する入船山記念館は国の重要文化財であるにも関わらず、大和ミュージアムやてつ鉄のくじら館のオープン以降、来館者が激減しているからです。
 そこで私は第2弾として、戦艦大和大型試験機を青山クラブ中庭に展示することを提唱しました。その際安置用の簡易な箱物を建設するのです。
 この大型試験機は長さ28m、高さ5mもあり、平成23年度の補正予算で、移転費を3、400万円組んで、広島大学から無償譲渡を受けた経緯があります。ところが大き過ぎて展示場所が特定できないことから、その後5年以上に亘って、アレイからすこじま駐車場の奥にシート包装した上で保管されたままとなっているのです。つまり、宝の持ち腐れと言っても過言ではありません。
 これに対して当局は、過去何度も「展示計画策定に向け努力して行く」との同じ答弁を繰り返して来たいきさつがあり、この度も一旦は同様の答弁となりました。私は、「展示計画を策定すると言っても集客性と歴史的意義のある、広いスペースがなければ不可能だ。今回の青山クラブ中庭は、これら全てを満たす場所で、正にビックチャンス。いつやるか、今でしょ!!」と訴えたのです。
 それを受けて、当局としてはその提案も踏まえてしっかりと検討すると、答弁を修正しました。要は市長の決断一つにかかっているのです。
 もし、大型試験機の展示が実現しますと、当初予定していた青山クラブを解体して駐車場にする、そのスペースがなくなります。そこで私は、道路向かいにある入船山西観光バス駐車場の活用策を提案しました。現在ここは、主に大和ミュージアム等を来館した大型バスの暫定駐車場として活用されていますが、それをアレイからすこじま駐車場に変更するのです。青山クラブや入船山記念館を直接訪れる観光バスの駐車スペースも若干確保はしておくべきでしょう。
 一方、これだけの目玉を持ってしても、ここに訪れる観光客は徒歩ではなく、自家用車か観光バスが殆どです。従いまして私は、旧鉄道引き込み線を購入して遊歩道に整備するのは投資効果に欠けると訴えました。
 実際新年度には、この購入予算は計上されていません。ビューポートくれ前のガス灯通りを活かして、そちらに誘客すれば、中央地区商店街へのルートや、眼鏡橋袂で昨年開店したショップも更に日の目を見ることになるでしょう。
 呉市としては、この問題もじっくりと再検討するため、この度の予算計上を見送ったと答弁するのがやっとでした。
 この度の予算は、合併特例債を活用して市民の血税である一般財源の活用を抑制してはいますが、私の提案が今後どの程度反映されるのか、今後注視して参りたいと思っています。 

Facebook 2017.3.7

阿賀マリノポリスへの税金投入計画の明確化を!

 昨日は82回目の街頭演説。テーマは阿賀マリノポリスについてです。
 この広大な埋立造成地は46.4ha。港湾施設、マリーナ関連施設、物流業誘致を目的に、平成18年度に竣功しました。投資額は578億円で、その内国費が、防波堤や岸壁整備である国直轄事業、及び緑地造成等への補助で90億円投じられています。
 この中で港湾施設は埠頭用地に種別され、着岸料、荷さばき施設使用料、ターミナル施設入所料等の収入で、投資分を回収して行く港湾整備事業特別会計で賄って行きます。
マリーナ関連用地は、民間のマリーナ事業者やレストラン、海洋関連商業施設を誘致しする交流厚生施設、残りは運輸業、倉庫業等物流企業を誘致する港湾関連用地です。これらと道路用地等を合わせた35.2ha、297億円の投資額を、土地を分譲することで回収して行くのが、臨海土地造成事業特別会計という訳です。とは言っても、事業費は起債ですから、それに利息77億円を加えますと374億円を回収する必要があります。
 この分譲予定地の内、港湾関連用地は14ha。都市計画法による用途は準工業地域に設定しています。平成19年度における呉市議会への行政報告では、この分譲予想単価は土地の近隣相場である平均・坪20万円に対して、造成単価は坪35万円であることが説明されました。つまり、全ての土地を売却しても投資分の回収は不可能ということになります。因みに、過去宝町や川原石南地区の埋め立て造成事業では、黒字となっていましたが、阿賀マリノポリスは地価相場が安価な地区のために、逆ざやが生じてしまうことが判明したのです。
但し、その回収必要額374億円に対し、同じ特別会計である宝町の埋立造成での利益57億円を相殺すると、売却収入必要額は317億円に縮小されます。そうしますと、分譲単価はそれでも坪30万円が必要となります。しかし実際は地価相場より高額では企業が土地を購入しませんので、差額の坪5万円分は、税金を投じざるを得なくなった訳です。 整理しますと、先ず民間売却が困難な交流厚生用地18haの一部マリーナ用地5haと護岸・道路用地7.3haを造成単価・坪35万円、即ち132億円を税金で取得。残りの港湾関連用地22.9haは民間に坪20万円で売却し、137億円の収入。これらを合わせますと269億円の収入となります。
 ところが宝町での収益を相殺した売却収入必要額317億円には尚48億円不足が生じます。更に期限内に起債償還できないことから、借換債手続きを行いその利息が33億円必要となりますから、合計81億円の穴を埋める必要があります。これを税金で平成20年度から35年度までの16年間の割賦払いで毎年度5億円ずつ、合計80億円の税金を投入する方針を発表したのです。
 一方、現在開会中の3月定例会において、港湾関連用地の内8.9haを工業用地として売却する議案が提案され、本日可決されました。因みに港湾関連用地から工業用地に埋立免許の変更許可を受けたのが平成21年度、土地計画法の用途地域である準工業用地から工業用地に変更したのが平成24年です。工業用地に変更されると、物流業に止まらず、工場を立地する製造業の参入が可能となり、雇用や法人市民税も著しく増えるメリットがあります。
 ところが、この度の分譲案件は、一括分譲したとして27億2,323万円。坪単価を計算したところ、約10万496円となります。これでは当初資金計画を提示した、坪 20万円の約半額にしか及びません。
 しかも既に売却した港湾関連用地A・B各ブロックでの坪単価は18万1,500円です。これとて、20万円から減額となっていますが、これは地価が下落したことが要因と解釈しております。また昨年12月定例会では、交流厚生用地一部を港湾関連用地に変更し、Dブロックして処分する議案が可決されました。この場合の坪単価は、14万3,800円でした。これは、メイン道路に面してはいるものの、不整形な土地だから価値が下がったものと理解しておりました。ただ、20万円から比べて大きな開きがあるのは事実です。
 因みに港湾関連用地Aブロックは、呉運輸機構㈱が2区画、徳沢運輸㈱、竹中モーターズ㈱、㈱奈良運送が各1区画、Bブロックをコカ・コーラウエスト㈱が1区画を購入済みとなっています。
 その様な中、今回の財産処分議案は、それどころか大幅に安価で分譲するという内容です。そこで私が本会議でこのことを議案質疑したところ、最低分譲面積が港湾関連用地の千㎡に比べ、30倍の3haであること、準工業用地と違って工業用地は、住宅を建設できないとか、危険物を取り扱う工場の建設が可能で、そのための規制が厳しいとの理由で、鑑定評価が低いと、当局は答弁しました。
 それなら、19年度に発表した資金計画に対し、工業用地に変更したのは平成24年ですから、少なくともその時点で売却単価が大幅に減少することが当局は解っていたはずで、計画見直しを含め、議会に説明する責任が執行部にあったはずです。
 その時点で、平成35年度までに80億円を一般会計である税金から注ぎ込む計画は瓦解していたと言えましょう。それを議会に一言も報告がなかったのです。私は、議案質疑でこのことを追求しましたが、当局からはその責任を果たさなかったことへの反省の弁は一切なく、穴埋め財源については、今後検討して行くとの極めて消極的答弁に止まったのでした。
 やはり、特別会計で独立採算が謳われていても、それを安易に一般会計から補えばよいとの思いが、当局から滲み出ていると感じざるを得ませんでした。危機感が欠如していると言わざるを得ません。私としては、この問題を今後も採り上げて参る所存です。 

Facebook 2017.3.17

住民主体による介護予防や生活支援の在り方を模索!

 去る3月13日は、83回目の街頭演説。そして、国会議員と3度目の遭遇となりました。テーマは介護予防と生活支援についてです。
 平成26年に改正された介護保険法に基づき、呉市も新年度から新しい介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)がスタート致します。この総合事業に係る改正のポイントは主に二つあります。その一つは、要支援1、2を対象とした訪問介護(ホームヘルプ)と通所介護(デイサービス)を、国の給付である介護予防給付から市町村独自の給付である地域支援事業に変更することです。もう一つは、住民主体の家事援助等の生活支援サービス事業が新たに加わったことです。
 基本理念としては、高齢者を水際で介護重症化を防ぐ予防事業を、市町村の特性に応じて柔軟なサービスが提供できることと、高齢者が住み慣れた地域で、地域住民の互助により暮らして行けることを目指しています。これまでの公助、共助、自助に加え、共助の次に互助を加えた訳です。この背景には、少子高齢化の大幅な進展により、国民において介護保険料の負担が増え続けていることで、それを抑制することがあります。施設介護から在宅介護、そして介護予防の充実、そしていよいよ住民主体のサービスの導入に至った訳です。
 さて総合事業の内、介護予防・生活支援サービス事業において、住民主体によるサービスは訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービスの3類型あります。要支援1、2を対象とする訪問介護や通所介護は、これまで通り事業者が行いますので、法改正前と比べサービスが低下することはありません。しかも呉市では、国の給付である公定価格と同じ価格を設定しますから、事業者や利用者にとって不利になることはないでしょう。
ただ問題は、総合事業における対象者は、要支援の内訪問介護、通所介護のみの利用者に加え、リスト登録されている介護予防必要者の内、ケアマネジメントやサービスが必要な者に限定されるということです。呉市においては、前者は1,500人、後者は300人と、合計1,800人が対象ということになります。
 また住民主体とは、例えば老人クラブ、自治会、地区社会福祉協議会、女性会の様な地域に密着した公共的団体から、業種に絞った呉市全域を網羅する団体と様々です。例えば通所型サービスですと、掃除、洗濯、買い物、草刈り等の家事援助、外出支援から話し相手までが考えられ、通所型サービスですと交流サロンがあり、生活支援ですと見守りや配食サービスがあります。第2地区の見守り隊は、対象を限定すれば、総合事業の内の生活支援サービスに組み入れることも可能です。
 勿論それ以外でもありで、団体の特性に応じて様々なサービスが考えられます。例えば訪問型サービスの中で、鍼灸師の団体が鍼灸施術を活用して体調管理することも一案です。これらは有償ボランティアとなりますが、サービスに応じて利用者から訪問者に対し、謝金になり代わる利用料を徴収することができます。そして団体の事業経費の一部を呉市が補助する仕組みとなります。
 これらの対象者は、先に述べた呉市内で約1,800人おられますが、それらを利用判定するのは、市内8箇所ある地域包括支援センターで、これは4類型目の介護予防支援事業(ケアマネジメント)に該当し、利用料は無料です。
 一方、総合事業には一般介護予防事業が別途あります。これは生活支援サービスは含まれない代わりに、対象が限定されないメリットがあり、即ち65才以上の全ての第1号被保険者となります。
 例えば、既存のふれあいいきいきサロンや地域サロンは、要支援者に止まらず、幅広く高齢者が集っていますが、そうである限り呉市において、こちらに組み入れることと致しました。以前から私が提案しておりました、広島県事業で、県社会福祉協議会を通じて補助されて来た地域支え合い体制づくり事業を、この一般介護予防事業に組み入れることになりました。具体的には、川原石地区の「和みの家」、宮原地区の「きらく亭」などがその候補となります。これらへの補助は3年限りでしたので、今後継続して呉市から補助が受けられることとなります。
そして、呉市が事業者等に委託する介護予防教室を卒業した高齢者がグループを結成して、独自に講師を招聘し、引き続き介護予防に自主的に取り組む自主サークル活動を支援する枠組みが私の提案で実現致します。丁度一般介護予防事業において国が例示した、地域リハビリテーション活動支援事業をアレンジした格好です。
 この自主サークルという仕組みは、過去公民館定期講座を修了した方々で起ち上げ、公民館貸し室を有料ではありますが優先的に提供する既存制度があります。それも私が提案したもので、この度はそれを介護予防に応用した訳です。但し、まちづくりセンター等公共施設の使用料を免除してサークル活動を活発化する案を今後行政と詰めて行くこととしております。
最後の課題は、私が以前から提唱して来た、すこやかサポート事業の介護保険の地域支援事業化です。これは要介護3以上の高齢者を対象に家庭ごみ出しを市の職員が成り代わって行う事業ですが、利用料が無料で、介護保険の制度とは別個の呉市独自の制度です。この背景には、家庭ごみ収集担当職員(環境業務課)の退職者不補充による収集業務民営化を遅らせ、既得権益を守る意図が隠されています。
 これを総合事業の訪問型サービスに組み入れようとした場合、対象が要支援の一部と介護予防必要者の一部に限定されるため、要介護者が対象外となってしまいます。また、総合事業の一般介護予防事業は対象が限定されないのですが、ごみ出しは生活支援サービスの範疇であって、残念ながら介護予防には該当しません。
 そこで私は、地域支援事業の中の任意事業に充てはめることができないか、研究しています。この中には、国が例示する家族介護支援事業等がありますが、既存の配食サービスは対象者をあまり限定していないことから、新年度以降も引き続き任意事業で実施する予定としているからです。
 因みに任意事業の場合、呉市一般会計からの負担が、総合事業の12.5%に対し19.5%と、若干血税を投入する割合が高くなります。
 
 いずれに致しましても、総合事業はこの4月からスタートする予定ですが、正に暗中模索の部分が非常に多いのです。特に厚労省が机上設計した、住民主体の介護予防・生活支援サービスの受け入れ団体が、市内全域にまんべんなく育つか大いに疑問が残ります。
 と申しますのも、今年度からモデル地区に、天応・吉浦、宮原・警固屋、音戸・倉橋地区が選定されていますが、まだサービス主体団体は起ち上がっていないからです。これらは呉市から補助金を交付されますので、当然会計帳簿を付けて、年度毎に呉市に対し会計報告をしなければなりません。これら団体には高齢者が多いため、会計事務が新たな負担としてのしかかって来ることも難点となっています。
従いまして、今後試行錯誤を繰り返しながら、現実に即した制度を構築して行くことが肝要だと考えています。 

Facebook 2017.3.22

広電バス経営支援補助金は市民の血税であり、慎重に!

 去る3月22日は84回目の街頭演説。今秋に予定される市長選も主役が出揃う中、呉市新年度予算に係る広島電鉄㈱への経営支援補助金について考察してみました。
先ず、新年度予算における経営支援補助金は3億5千万円で、今年度当初予算に比べ4千万円の増額となっています。市営バスを民営化したのは平成24年度からですが、赤字分は税金で補填するというのが、この経営支援補助金です。民営化しなければ、当時の呉市交通局への補助金が、官民人件費の差により、大体5億円程余計にかかることを先ず押さえておく必要があります。
 民営化の際、当局から議会への説明では、広電に民間移譲後は、独自に内部留保できる独立採算性の呉バスカンパニーを設立し、その経営支援として補助金を交付するということでした。当初私は、赤字路線と黒字路線をトータルしての赤字分に利潤幅2%を上乗せすると理解してておりましたが、その後私が2年前の一般質問で確認したところ、路線の黒字分はそっくりインセンティブとして広電の内部留保になるということでした。そうしなければ、広電にとって呉市内のバス事業に乗り出すメリットが小さいということなのです。
 その時の説明では、その内部留保は、呉市内の待合室・上屋等整備やバス車両購入費に充てられ、市内交通事業における市民へのサービス向上策として地元に還元されるとのことでした。
 ところが、そうではないことが、この度の28年度補正予算が経営支援補助金の追加分として、8千万円組まれたことに対する私の質疑で判明致しました。
 8千万円の内訳は4,300万円が人件費増への対応、残り3,700万円は、築地にあった、旧交通局中央工場の敷地を広電が購入したことによる、既存の設備の除却費用だというのです。これは資本的支出だから、以前交通局が警固屋営業所敷地を民間売却した際、建物を解体撤去するのに内部留保である建設引当金を充てたように、広電も24年度からの内部留保を充てるべきではないのか?そこで私は、民営化後5年間の内部留保は2億5千万円との答弁を引き出しました。
 しかし、昨年6月に中央工場敷地を呉市から取得する際の2億7,500万円で、内部留保はそっくり消えていたのです。ですから、新たに除却費用を経営支援補助金として追加しようとしたことが判りました。因みに、バス上屋の除却費用は既に、敷地の鑑定評価から建て付け減価しておりましたので、設備除却はあくまで広電による新工場建設事情ということになります。
 しかも、旧施設を除却後、現在新たに工場を建設していますが、これは減価償却費を今後、全11路線に係る必要経費として案分計上され、結局償却期間が切れるまで、毎年度経営支援補助金に上乗せされる訳です。これは、民営化に係る当初説明では、全くなされていませんでした。この上乗せ分は、新年度の経営支援補助金が4千万円増額することの大きな要因になっている訳です。
 
 一方呉市は、民営化に係る基本協定を平成22年12月に、広電と締結しています。当時の交渉時は、交通局所有バス車両を広電に購入してもらい、交通局の入居していた同局所有の呉駅西共同ビルを有料使用してもらう考えで臨みました。
 ところが足下を見られ、バス車両は全て無償譲渡、呉駅西共同ビルの1~2階部分や、隣接の呉駅西駐車場1階のバス車庫を初めとする全ての建物や土地は5年間無償貸与することになったのです。加えて、交通局が経営健全化を進めるために、東営業所と警固屋営業所を統合して、新たに広島ガスの敷地内に整備して間もなかった阿賀南営業所は、広電は使用しないと表明しました。そのため、建物の20年間の契約を締結していた三井リースに違約金を5億円支払う羽目に陥ったのです。
 そればかりか、新たにバス購入費補助金を10台分1/2補助として、毎年度1億円を限度に5年間交付することになりました。当然6年目からはこの補助はなくなると踏んでいたところ、何の説明もなく、5年目に当たる28年度予算から3台分1/2補助として3千万円の予算が計上されていたのです。当然29年度にも計上されています。
 当時の議事録を読みますと、5年経過した以降の対応は、広電や議会にも相談して決めるとの答弁がありましたが、全く議会への相談や行政報告はなく、予算説明もないままでした。このことを私がこの度の予算委員会で追及したところ、当局は議会への説明不足を認め、謝罪した格好です。
 では、補助金1/2の残り1/2はどうやって広電が捻出しているかといいますと、それは減価償却費として毎年度予算化される経営支援補助金に含まれていることが、この度判明致しました。バス購入は内部留保を活用する旨の過去の答弁とは、完全に矛盾致します。結局全て税金だった訳で、このような不利な協定内容を、議会に一切説明して来なかった当局の説明責任は、厳しく問われなければなりません。
 また、土地や建物の無償貸与は、中央工場敷地を5年目に購入したこともあって、5年間で切れると思っていましたが、行政財産の目的外使用が5年間を限度にしているので、それ以降の5年間は無償貸与を継続更新することが、私の質疑で判明致しました。つまり、呉駅西共同ビルには、バス経営の拠点である広電宝町営業センター(広電呉輸送営業部)が入居していますが、これらを含め全て、無償貸与を新年度から更新することが判ったのです。
 更に、民営化時に説明のあった、呉市内バス事業を独自経理するという呉バスカンパニーは、民営化初年度である24年度決算から独自決算を行わず、26年1月に正式に廃止していたことが、私の質問で明らかになったのです。つまり内部留保は全て広電本社に吸い上げられ、それはこの度の中央工場敷地購入の様に、財産取得の際にだけ使い、その他の建物やバス停上屋整備等は、全て減価償却費として、経営支援補助金、即ち血税が充てられるという仕組みに、変わってしまっていたのです。呉バスカンパニーの解散は、議会に対し、これまで明確な説明はありませんでした。
 加えて人件費増や購入建物除却費用など、新たに発生した経費は、補正予算で追加すればよいということになります。
 私は、22年前に呉市議会議員に初当選した際、マニフェストに市営バス民営化を掲げました。当選後初の一般質問でも、このテーマを採り上げました。当時は市長を初め交通局管理者から、「民営化は考えていない」と一笑に付されましたが、現市長が就任されて、民営化に舵を切り、実現した経緯があります。
 バスの民営化は5年前に実現はしましたが、それで終わりではなく、経営支援補助金に纏わる様々な諸問題が山積していることがこの度解りました。今後も路線バス政策においては、相手のいいなりにならないよう、目を光らせて参る所存です。 

Facebook 2017.3.27

グリーンピア指定管理の破綻は、
呉市の情報隠蔽体質にあり!!

 本日は、85回目の街頭活動。スタート時点では雨が小降りでしたが、途中で激しくなり、後半は傘を差しての雨天演説となりました。テーマはグリーンピアせとうちの指定管理についてで、負の報道が続く中、差し詰め涙雨の様相を呈しました。
 さて呉市は、公共施設「グリーンピアせとうち」の指定管理者である㈱ゆーとぴあセトウチから、この度立て続けに3度に亘って訴訟を起こされました。
 第一次訴訟は、昨年10月31日に提訴され、昨年8月18日に冷温水発生装置が故障したことで、冷房がストップしたため、食事代を含む宿泊料金全額を無料にしたことによる2千万円の損害賠償請求です。呉市が大規模修繕を怠ったことが原因との原告主張です。
 第二次訴訟は、今年1月6日に提訴。安浦町が呉市に編入合併した際、水道料金の徴収制度が異なるため、過剰な水道料金を呉市上下水道局に収めさせられたことによる被害額1,649万円の損害賠償請求です。年金資金運用基金がグリーンピア安浦を所有していた時、海島博の水道需要増を見込んで量水器を70mmから150mmに増径したのですが、安浦町の水道料金は従量制のみだったのが、呉市上下水道局は基本料金と従量制の併用システムだったため、75mmまでではなく、150mmまでの基本料金を課せられたという主張です。因みに呉市上下水道局は、ゆうとぴあセトウチの要請を受け、平成28年2月に量水器を75mmに減径した経緯があります。
 第三次訴訟は、1月31日に提訴。呉市が所有者責任としての修繕を怠ったと主張し、5億795万円の損害賠償請求がなされました。その内訳は、指定管理者が過去10年半で呉市に収めた指定管理者負担金の総額3億3,600万円の払い戻しに加え、指定管理者による車の維持費を含めた修繕費支出3億4,391万円の半額1億7,195万円としています。
 結局3つの訴訟における損害賠償請求額を合計すると、5億4,444万円となります。これらは、今後司法の場で争うことになりますので、双方の主張が真っ向から対立する部分が多く含まれていることもあって、ここではその核心部分の詳細には、敢えて触れずにおこうと思います。
 そもそもグリーンピアは、国民が収めた厚生年金保険料を原資として財政投融資を受け、資産運用することが目的でした。当時の年金福祉事業団が、大型保養施設として全国13基地を次々に建設し、その運営に努めて来ましたが、失敗して総合的に逆ざやとなったため、当時の小泉政権が売却を閣議決定致しました。
 これを受け呉市は、県が土地代分の2億2,400万円の資金援助するとの条件で、事業団を継承した年金資金運用基金から4億250万円で購入した訳です。県補助金を除くと、呉市の実質的な負担は1億7,850万円でした。
 ただ、安価な買い物をしても、その後の経営は大きなボディブローの如く利いて来るので、私は当時この購入に難色を示しました。そもそも公共が収益事業に手を出すことは、第三セクターの呉ポートピアランドで手痛い目に遭っていたからです。
 そこで当時の市長は、購入ありきではないことを示すために、諮問機関を組織し答申を得る手法に変更しました。ところが、そのグリーンピア安浦検討委員会の構成メンバーたるや、広島県、呉市、安浦町の当事者ばかりの管理職員だったのです。これでは、外部の目が入らず、最初から出来レースだったことは明白です。推察するに、このグリーンピアの買い物は、安浦町による呉市への編入合併に絡む密接な政治案件だった訳です。先ず、この時点からボタンの掛け違いがあったと指摘しておきましょう。当時から呉市が手を上げずに、民間事業者に公募売却すべきだったということなのです。
 次にグリーンピアを購入して、経営は民間に任せることになりました。いわゆる公設民営で、具体的には指定管理者制度の適用です。当時の呉市議会広域行政対策特別委員会で議論され、指定管理者からは固定資産税相当額である3,200万円を毎年呉市に納付させることで、それを基金として積み立て、呉市による大規模修繕に活用すると、当局が答弁しました。
 ところがその後呉市は、議会の意向を無視し、指定管理者負担金を基金に積まず、一般会計に入れて支出していたのです。この度の議会審査でも明らかになりましたが、当局は計画修繕を行わず、その都度指定管理者と相談して、必要とあらば、予算に計上する事後修繕であったのです。
 しかも、呉市と指定管理者の大規模修繕と小規模修繕の棲み分けに係る線引きは、平成17年10月からの5年半に亘る第1期指定管理期間においては、曖昧にされたままだったことが、去る予算委委員会での私の質疑で明らかになりました。
 平成23年度から27年度までの第2期指定管理期間の5年間において、初めて協議の上、100万円以上の修繕は呉市、100万円未満の修繕は指定管理者と、線引きを明確にしたのです。
 因みに他の観光施設である大和ミュージアム、県民の浜市有施設、桂浜温泉館、野呂高原ロッジ等は、全て50万円となっており、グリーンピア指定管理者にとっては不利な状況になっています。呉市は、指施設規模に照らし合わせて指定管理者と協議して決めたということですが、不公平感は現実として歴然であり、若干の疑問は残ります。
 結局呉市は、平成27年度までに、バーベキュー施設建設の3,200万円の投資を含め、合計2億6,800万円を修繕に充てています。
 新年度予算には、グリーンピア修繕費として5千万円を計上しましたが、これには冷温水発生装置の取り替え費用は入っておりません。昨年夏故障した際修繕済みとの答弁でしたが、そもそもホテルには冷温水発生装置は予備機を含め2基あります。片方が故障しても、予備機を稼働させれば、冷房停止は起こりようがありません。耐用年数が来ているのですから、2千万円程かかっても取り替えるべきでしょう。
いずれにしても、指定管理者から負担金を収受しておきながら、基金を積まなかったことは、当時の議会への答弁との整合性も問われ、大きな問題だった訳です。因みに大和ミュージアムの場合は、指定管理計画を超えた収益分があった際は、その半額を呉市に納付する協定を結んでおり、これは基金に積んだ上で、大和ミュージアムの修繕や資料収集に活用しているのです。
 私は先の予算委員会で、指定管理者を含む公共施設の修繕計画を策定し、これを公共施設等総合管理計画の個別計画に盛り込み、且つ修繕に係る基金を創設するよう提唱したところです。
 また、県が建設したこどもの国の施設は老朽化により、呉市は一切修繕や改修を行って来ませんでした。当時13施設中、2施設を休止、1施設を廃止しています。具体的には、平成19年度にスカイサイクルを休止、20年度にトリムコースを廃止・撤去、26年度にチャイルドコースターを休止しています。これらは修繕計画を作って来なかった結果であって、その投資効果を検証することや議会にも相談がありませんでした。これでは家族連れの客足が遠のき、収益が減少に転じたのも頷けます。
 第三の問題点は、議会への説明責任を当局が果たして来なかったということです。
 例えば、当初の指定管理者には6者が応募し、北海道や東北を中心にホテル再建の実績がある㈱アルファー・ビラが選定されました。その後契約締結時は、その子会社である㈱ゆうとぴあセトウチになったのです。
 ところが第2期指定管理者公募の際は、同社1者しか応募がなく、しかもアルファー・ビラとの親子関係は切れていたのです。おまけにいつの間にか、アルファー・ビラはホテル業から撤退し、現在はペーパーカンパニーしか存在していないことが、私の質疑で判明したのです。
 つまり、第1期指定管理期間は、年金資金運用基金時代から引き続き黒字経営だったのが、その最終年度に赤字に転落した訳です。そして第2期からはいつの間にか、アルファー・ビラは資本提携から撤退していたことが、私の昨年12月一般質問で明らかになりました。黒字の時は、親会社が内部留保をそっくり持って行き、赤字に転落したとなると、連結決算を免れるため、梯子を外したとの構図が浮かび上がって来た訳です。このことは、第2期指定管理議案提出の際、当局は議会に一切説明しておりません。
 また第3期指定管理議案提出の際は、赤字経営なので、指定管理者負担金を免除するのと合わせ、駐車場料金も無料にして、人件費を削減して経営努力をするから、暫定2年間は非公募で指定管理をゆうとぴあセトウチに担わせたいと説明がありました。平成27年12月議会には、指定管理者選定委員会を省略して議案提出しています。
 ところが、この平成27年時に指定管理者負担金が遅延納付になっていたこと、水道料金も滞納状況が継続していたことを当局は隠していたのです。これらは昨年12月の私の一般質問においても伏せられており、この度の予算委員会等の質疑で、初めて明らかになったのです。訴訟が起こされたことで、議会の追求が厳しくなったことによります。
 因みに、平成27年度までの指定管理者負担金での未納部分は1,770万円であり、訴状の3億3,600万円をゆうとぴあセトウチが10年半で納付したというのは間違いで、実際は、3億1,830万円が正しいということです。
 ならば、これらのことを伏せて指定管理議案を提出して、議決を取ろうとした当局の姿勢は大問題です。これでは議会として、指定管理議案へ同意するか否かの判断材料が不足してしまうからです。議会軽視の何物でもありません。
 しかも、昨年夏の冷温水発生装置の故障、昨年12月のお湯とぴあの壁剥落等、計画修繕の怠りが要因と思われる事故についても、一切当局から報告はありませんでした。
 そして給料や委託業者、取引業者への支払いの遅滞、買掛金の存在です。これも私が一般質問で明らかにするまで、当局はそれを認めて来ませんでした。水道料金のミスマッチにしてもそうです。訴訟が起こされるまでは、議会に報告がなされないのです。
更に、ゆうとぴあセトウチがいよいよ電気代を支払うことができなくなり、中国電力から電気供給と止められようとされました。そこで、やむなく呉市がこの3月1日付けから、契約の相手方を呉市に変更したのです。今後かかった電気料金は、あくまで呉市が立て替えたものだから、弁済を指定管理者に請求するとしていますが、訴訟関係が継続し、完全に不信感が渦巻いている現状にあって、返って来る可能性はゼロに近いでしょう。このことも議会に報告なく、当局が単独で決定しました。
 加えて年間3,400万円程度かかる電気料金は、新年度予算に計上されていません。
これこそ議会を愚弄しています。急遽のことだから、予算計上に間に合わなかったことは解りますが、そのために議会に丁寧に説明すべきです。私は、年度当初までは予算を流用するにしても、来る6月定例会で、これに係る補正予算を計上するよう、強く要請致しました。加えて、上下水道局と契約している水道料金にしても、同様の措置を講じるべきと考えます。
 この様に、指定管理に係る問題は、議決案件ですから非常に重いものがあります。当局の隠蔽体質が積み重なって、この度の取り返しのつかない訴訟に発展した可能性が大きいと考えます。
一方、指定管理契約は平成29年度一杯、即ち30年3月末日までとなっていますが、呉市としては、グリーンピアにおける新たな活用策を早急に固めるべきです。私は民間公募一括売却を提唱しており、指定管理期間が切れる前から並行して公募作業を進めなければ、それだけ、指定管理期間終了後の休業期間が長引くのは必定です。
 呉市としては、これまでの甘い考えから脱却し、思い切った抜本改革に向け舵を切るべきでしょう。 

 Facebook 2017.4.8

教育効果に逆行する、特定の子どもへのばらまき予算!

 去る4月4日は、新年度スタートに合わせ、脱着用コートでの街頭演説。さしずめ衣替えととなり、通算86回目を数えました。テーマは子どもまちづくり事業等についてです。
 
 呉市は新年度予算に、子どもまちづくり事業として300万円を計上致しました。これは、小学生から大学生までを対象に、子ども自ら企画立案したまちづくり事業に対し、1件当たり10万円を限度に事業費を助成するものです。
 但し、次世代を担う子どもを支援するというのは聞こえはよいですが、子どもが主体となって行うまちづくり事業が存在するのかということです。高校生以上ならともかく、小中学生では至難の業でしょう。
 と申しますのも、例えば子ども会という組織がありますが、私達の子ども時代は、夏休みの海水浴や勉強会等、確かに子どもが主体となって企画し、それを親たちがサポートしていました。ところが、現在の子ども会は親が主体となり、行事を企画していることが多いのではないでしょうか?
 次に、公募や選定方法をどうするのかといいますと、各まちづくり委員会に推薦してもらった企画を地域協働課が選定することになります。確かにまちづくり委員会(協議会)は市内に自治会連合会単位に28地区ありますから、それで30団体分の予算を組んだ訳です。これはまちづくり委員会に新たな仕事を押しつけた格好となります。
 過去、様々な活動を縦割り行政毎に表彰する際、まちづくり委員会に推薦を上げさせることが多かったのですが、ある意味枠があるから、仕方なく推薦をしていた感があります。
ましてや、各まちづくり委員会がプレゼンテーションを審査して、それが本当に子どもが主体となって企画したのか、子どもが本当にプレゼンテーションを行うのか、地域差が出るでしょうし、甚だ疑問です。
 しかも、まちづくり委員会から推薦の上がった候補を、地域協働課としては、そのままそれを受け入れざるを得ないのは目に見えています。少なくとも、市全体で公募しプレゼンテーションを行い、それを市長の諮問機関である市民協働推進委員会が審査するのでなければ、地域差で不公平が出たり、子ども主体は表向きで、実際は親達が立案した企画であったとしても見破ることはできないと思います。
 実は、これと類似する事業が、昨年度初めて予算計上されているのです。それはふるさと子ども夢実現事業と言って、呉市立中学校選抜生徒による「ふれあい夢議会」での最優秀事業提案に対して、事業費30万円を助成する内容です。これは、呉市議会議場を使って、生徒に模擬議会体験をさせるもので、私も過去何度か傍聴したことがあります。
 確かに、斬新なアイデアを生徒が提案するのはよいですが、それを実際に事業化するのは、投資効果や事業の継続性という専門家の視点が欠かせない訳で、安易にそれに市民の血税を充てるのは大いに疑問です。模擬議会の意義は、生徒にまちづくりや議会を体験させることで、ふるさとへの愛着を醸成し、主権者教育に寄与することにある訳で、その事業を提案するために生徒自らで調査したり、成案を得るというプロセスに教育効果があるのです。
 しかも、提案が採用されたグループと不採用のグループとで差別感が渦巻き、教育的には逆効果と考えます。
 一方、新年度の新規事業として、やはり子どもを対象とした、文化・スポーツ応援事業が計上されました。これは、中学生と高校生を対象として、文化・スポーツ両分野において、全国優勝等の優れた成績を収めた生徒及び団体に対して、報奨金を交付するものです。 具体的には中学生の場合、個人5万円、団体は上限20万円(5万円×構成人数)、高校生では、個人10万円、団体は上限30万円(10万円×構成人数)で、個人の対象人数を各々5人に設定することで、合計325万円の予算となっています。
 先ず、小学生を対象外としたのは、中学、高校では部活を通じて、中体連や高体連という組織的な全国大会があるのに対して、小学校の場合は、そのような大会が少なく、ユースでの活躍となりがちで、学校生活と離れるという理由でした。ということは、バトミントンの高松ペアが各々小学生の時全国優勝をしましたが、それらは対象外ということになります。これもおかしな話です。
 しかも、既存事業としてオーク賞制度が呉市にはあるのです。これは小学生から大人にかけて、どの世代でも全国優勝すれば表彰されるのです。これは記念のメダルと表彰状を授与するのであって、その栄誉を称える趣旨です。私はこれで十分だと考えます。
 当然オーク賞を受賞した中高生には、文化・スポーツ応援事業での報奨金の対象となりますから、方や栄誉を称えられ、方やお金を貰えるということになります。準優勝や入賞者との差別化を図るのに金銭というのは、健全育成とかけ離れるような気がしてなりません。
そして、極めつきの疑問点は、対象中高生が呉市民でなければならないことです。例えば県立高校は県内全体が校区ですから、呉市外から通っている生徒も多い訳です。同じ呉市内の高校に在学していても、呉市民は報奨金の対象になっても、呉市民では対象外というのも不公平です。
 しかも団体となると、それが顕著になります。例えば3人の団体戦で全国優勝したとして、3人中2人が市外通学者であれば、団体に対し10万円しか報奨金が交付されません。3人とも呉市民でなければ、報奨金は交付されないことになります。
 また市立呉高校において、野球推薦枠で入学する生徒は県外から中村監督を慕って甲子園を目指しますが、彼らは呉市民でない場合が多く、寮生活を送っています。この様なことを考えますと、矛盾した制度であり、教育的にも逆効果となる可能性を秘めているのです。
 そもそもこれら事業は、お金で激励するという考えが根底に流れており、教育の在り方とかみ合いません。
 そして、財政が毎年度赤字になると予想されている本市において市長は、「我慢するものは我慢する。どうしても必要なものにだけ、予算を講じる」とかねてから豪語していた訳ですが、この趣旨にも全くそぐいません。選挙目的の得点稼ぎと言われても仕方ないでしょう。
しかも一旦予算化したら最後、これを廃止する勇気は選挙で選出される政治家にはないでしょうから、いきいきパス制度の様に半永久的に財政負担を強いることになるのは、火を見るよりも明らかです。緊縮財政の原点に立ち返るのが本然の姿だと考えます。 

Facebook 2017.4.14

まちづくりに係る交付金一本化で、
公平な新制度の設計を急げ!

 去る4月10日は87回目の街頭演説。テーマはゆめづくり地域交付金と合併町地域振興事業補助金についてです。
 先ず、ゆめづくり地域交付金について説明致します。これは平成16年度から20年度までの第1次市民協働推進計画における地域の推進母体として、地区自治会連合会単位にまちづくり委員会を発足させ、それに対しての計画実施に係る財源として呉市が予算化したものです。
 現在は地区単位に基礎額を50万円として、それに人口割が加わります。因みに私が副会長を務める第四地区まちづくり委員会には、人口割150万円を含めて200万円が毎年度交付されています。年度末に精算しますから、使い切らねば呉市へ還付することになりますが、どのまちづくり委員会もきちっと使い切っておられるようです。
 一方、呉市が周辺町と合併する際に、合併特例法に基づき、合併特例債を活用した地域振興基金を新設しました。これは基金の果実を合併町独自のまちづくり事業に充てるもので、平成16年度に先行合併した下蒲刈町と川尻町がスタート。翌17年度からは残りの6町においてスタートしました。
 当時の説明ではこの事業は合併後10年間継続するというものでした。ところが今年度は下蒲刈、川尻両町では14年目、残り6町では13年目となります。これは、東日本大震災の復興対策として途中で合併特例法の改正があり、合併特例債の活用期限が10年から15年に延長されたことによります。
 因みにこの基金は、38億円の合併特例債を発行し、2億円の一般財源を加えた40億円となっており、当初見込みは金利を0.6%とみて年間2,400万円の果実を生み、各町均等に300万円ずつ交付するという見立てだったのです。
 しかし、その後低金利時代に突入し、例えば平成25年度の果実は578万円しかなく、不足分の1,822万円は一般財源、即ち税金で補填しています。つまり金利に関係なく、合併町には毎年300万円の地域振興補助金が、その受け皿となっている各まちづくり協議会に交付されて来たのです。このことは、私が平成27年3月定例会で予算総体質問するまで、当局からの説明は全くありませんでした。
問題は、旧呉市内のまちづくり協議会にはこの地域まちづくり振興事業補助金はなく、合併8町だけが、ゆめづくり地域交付金と合わせて地域まちづくり振興事業補助金があるという不公平です。このことを知っている市民は殆どおられないでしょう。それは市当局がこれまで積極的に説明を敢えて行って来なかったからにほかなりません。
 例えばある合併町では、ゆめづくり地域交付金100万円に加えてまちづくり振興事業補助金300万円と合計400万円で、毎年まちづくり事業を展開しておられます。人口の格段に多い旧市内中央部、例えば第四地区の200万円の倍となっています。これでは一票の重みを公平にしなければならない憲法の趣旨と比べても、問題があります。
 更に、ゆめづくり地域交付金は地域協働課が予算化していて、合併町地域まちづくり振興事業補助金は企画課ですので、現場では一体的に運用しているにも関わらず、便宜上それぞれの課に対して別々に決算報告を上げていることが、私の質問で判明致しました。
しかも、その決算報告に係る事務作業は市民センター職員が担っているのです。市民センターのない旧市内中央部においては、市民が直接行っており、これも目に見えない不公平です。いわんや市がお金を交付して、その決算を市職員が行っているのは正に自作自演であり、住民の技量が育たないことにも繋がり、住民主体を掲げる地域協働の趣旨に逆行致します。
このような不公平を是正し、且つ本来の自主的なまちづくりに移行させるため、私は2年前の予算総体質問で、合併町地域まちづくり振興事業補助金を各合併町において、15年間で廃止し、ゆめづくり地域交付金に統合させ、新たな制度の構築を提唱致しました。その方向性を早期に打ち出すことで、合併町における心構えを備えさせ、その後の対策も併せて検討するよう促した訳です。
 その際、併せて市民センター職員の事務作業も撤退させ、相談業務に止めることにし、市役所退職職員等有能な市民を各まちづくり協議会や委員会の事務局員として嘱託雇用すればその人件費を補助する、いわゆるアウトソーシング方式を提唱しました。ところが当局は、合併町独自の地域おこしに必要であるとして、当面まちづくり振興事業補助金の交付を継続したいとの極めて後ろ向きの答弁に終始したのです。
 その様な中、呉市が昨年度中核市に移行したことで、初めて包括外部監査を導入しました。その監査報告書が年度末に上がってきましたが、その中に、正に私が訴えていたことと同じ内容での監査意見が付されたのです。即ち、ゆめづくり地域交付金と合併町地域まちづくり振興事業補助金について、中身が同じで二重投資になっており、且つ合併町と旧市内とで不公平があるため、是正せよとの内容だったのです。既存の内部監査ではあり得ない厳しい意見です。さすがにこれを受け市長としても、これまでの様にただ指を加えて何もしない訳にはいかなくなったのです。
 ところで、もし平成31年度末を以て合併町地域まちづくり振興補助金を廃止した場合、その40億円という地域振興基金をどうするかという新たな課題が残ります。これを取り崩すと一般会計に紛れ込み、ばらまき予算に流用され、僅か1年間で消化されることは目に見えています。
 そこでその基金を残し、その果実を新たな制度において、まちづくり事業の中身を精査した上での加算金に充てることが望ましいと考えます。これは合併町に限ってのことではなく、呉市全体のまちづくり委員会に適用させます。特に合併町は歴史と伝統ある地域興し行事を行っているところが多く、そのような意味では旧市内中央地域とは、行事の規模や回数が異なるためです。その特色溢れる独自事業加算を設け、合併町への救済措置に充てるという構想です。
 いずれに致しましても、廃止直前に発表するのでは時既に遅く、できたら今年度中に制度設計をするのがよいと考えています。 

Facebook 2017.4.20

乳幼児等医療費助成の拡大による功罪

一昨日は88回目の街頭演説。テーマは乳幼児等医療費助成の拡大についてです。
 呉市は、議会の圧力に屈して、新年度に乳幼児等医療費助成の対象年齢を拡大する8,800万円の新規予算を計上しました。これは今年度10月から実施されるため、半年分の予算です。ということは今後毎年度1億7,600万円程度が市民の血税から投入されることになる訳です。
 では、この乳幼児等医療費助成とはどのような制度でしょうか?我が国には公的医療保険制度が確立しており、70歳未満に関し、非公務員においては、中小企業が主に加入する健康保険協会健康保険(協会健保)、自営業者が主に加入する国民健康保険(国保)等、公務員においては公務員共済組合健康保険がありますが、受診した際の自己負担は原則3割(未就学児は2割)となっています。
乳幼児等が受診した際に、その2~3割負担を更に軽減する制度は国においてはないため、各都道府県が独自にその軽減制度を構築し、その傘下にある市町村がその制度を活用しているのが実情です。
具体的には広島県の場合、本人負担は、入院の場合1日の入院費が500円(食費等は全額自己負担)で月14日まで、15日目以降は無料になります。通院の場合は、1回受診が500円で月4回まで、5回目以降は無料です。3割負担額との差額は県と呉市が折半して健康保険組合等に支払う仕組みです。つまりこの部分は血税となります。
 但し所得制限があり、所得に応じてその制限額は6段階に分かれています。例えば対象児童を2人育てている世帯の場合、608万円を超える世帯所得があった場合は、助成制度の対象外となります。
 そこで呉市は平成18年度から、入院に限り小学6年生まで対象を拡大しました。これは県制度の枠外で呉市独自制度ですから、この自己負担額との差額は全額呉市が支払うことになります。この結果、呉市の乳幼児等医療費助成の予算は、平成28年度で2億8,600万円にまで膨れて来ました。その内県の負担は1億3,700万円、呉市負担は1億4,800万円だったのです。
 ところが、子育て支援に力を入れ、転入を含めた若い世代の人口獲得競争が全国の自治体間で激化する中、呉市は議会の圧力に屈する格好で、今年10月から入院助成を中学3年生まで、通院助成を小学6年生に拡大したという訳です。
 それにより必要となる追加経費が、年間1億7,600万円となる訳です。つまり呉市において、これまで税金からの負担は、年1億4,800万円だったのが、今後は3億2,400万円と倍以上となり、県負担分を加えた国保会計全体では、4億6,200万円に膨れ上がります。
 しかも、一旦飴玉政策を打ち出すと、半永久的にそれを継続することになるのは火を見るよりも明らかで、敬老優待助成制度がそれを如実に物語っています。人口減に歯止めがかからない中で、税収は目減りするのは必定にも関わらず、今後制度を縮小して経費を抑制することは極めて困難で、寧ろ対象を更に拡大する圧力が強まることが容易に予想されます。  
加えて、呉市の国民健康保険における国の減額調整というのがあり、独自施策によって、医療費が増えた場合、その波及分を国の呉市への負担金から控除することになっています。この制度により、呉市は毎年度32%に該当する国庫負担金が約1,500万円減額されているのです。29年度においては、この減額幅は更に膨らむのは当然です。
 但し、30年度からは全国自治体の要望により、子育て支援に関わる減額調整を廃止することになりはしましたが、これとて未就学児分のみです。ということは、小学生から中学生まで対象を拡大した独自制度には好影響がないこととなります。ただ30年度からは、国保は保険者が市町村から各都道府県に移行しますから、不透明な部分が多々あります。
一方この問題は、財源確保に止まらず、実は根が深いのです。それは、医療費が安価になれば、安易に医療機関に頼ってしまい、ちょっとしたことでも子どもを医療機関に連れて行く、いわゆるコンビニ受診が増えるということです。これは医療費増にも直結するだけではなく、そのことで子どもの抵抗力を奪い、弱い体質にしてしまいかねません。
 例えば、子どもが風邪を引いて熱や鼻水を出し、汗を大量にかくとします。これは自然治癒力が働いて、毒素を自らの力で体外に放出している現象です。この様な場合は、大抵自宅で安静にしていれば自然治癒します。
 子どもを診療所に連れて行き、悪性のインフルエンザでないと診断されても、親は子どもを早く楽にさせて欲しいあまりに注射を所望します。実はこれが問題なのです。風邪はウイルスにより発症しますが、注射は細菌である抗生物質を打ちますので、ミスマッチとなり身体によくないとされています。これを繰り返すと、ちょっとしたことでも風邪にかかり易い体質となり、また診療所通いを繰り返すことになります。
 中には、これは注射を打つ必要はないと診断して、ちょっとした薬を処方するだけの善意的な医者もおられますが、ほんの一握りでしょう。注射を打った方が早く楽になることは事実なので、ついつい親の要望に沿って注射を打つ場合が多いのです。そうしないと患者が逃げてしまうという危機感も医者について回るからです。
 注射に安易に頼り、薬漬けになることがしょっちゅうあると、将来高齢者になった時、介護保険のお世話になる確率が高まるでしょう。元気な高齢者が減少するのは、食の問題に加え、このコンビニ受診に一部原因があると言っても過言ではありません。
この様に、乳幼児等医療費助成の拡大は、子育て世代を中心とした有権者には聞こえがよいため、正面切って反対する議員は皆無の状況で、予想通り私一人でした。私は、この愚策が回り回って忍耐や辛抱といった教育の根本が軽んじられ、将来高齢者になった時に顕在化する確率が高まるので、財政上は勿論のこと、健康上もよくないと考えるものです。
 特に国がこの制度を構築していないのは、医療費増に拍車をかけ、これが国民負担率を上げ、自らの首を絞めることになることを知っているからだと思っています。私は、このデメリットに加え、健康にマイナスになる点を特に重視しているのです。 

Facebook 2017.4.28

くれ協働事業を廃止せず、市民ゆめ創造事業との統合を!

 去る4月24日は89回目の街頭演説。テーマはくれ協働事業提案制度についてです。
 これは5名以上で構成する市内の市民団体が、呉市のまちづくり事業を企画実施し、これに関連部署とコラボレーションすることを条件に、審査を経て事業費の一部を呉市が助成する制度で、平成22年度からスタートしました。
 助成額は、1件につき50万円を上限に、最高3年間助成を継続することが可能です。
因みに平成27年度と28年度予算は、共に新規と継続を合わせて6件分の300万円。28年度はこの内、新規が2件、継続が2件で200万円の予算執行に止まりました。
 この財源としては、市民のまちづくりへの寄付金を積み立てた市民公益活動支援基金を充てることとし、不足分は宝くじを原資とした広島県市町村振興協会助成金を活用することにしておりました。具体的には、22~24年度は事業費の1/2、25年度は1/5を基金から、残りを助成金を活用、26~28年度は、全額助成金を活用しました。
 尚、平成28年度末現在の基金残高は1,633万円となっています。本庁舎内に設置している飲料自販機の収益は、この基金に積まれているのです。
 ところが、くれ協働事業提案制度に係る29年度予算は、継続事業3件の150万円のみに止まっており、30年度の継続2事業の助成終了を以て、同制度を廃止することがこの度判明しました。
 廃止理由として、コラボレーションする担当部署が偏重して、本来の業務に支障を来していること、新規事業については、同じ人が別団体を組織して申請しており、全くの新規が見られないことの2点です。しかも、本事業を廃止する代替措置として、新年度新規事業である子どもまちづくり事業300万円を予算化したことも判りました。
 問題は、これらの内容が予算説明で一切なされなかったことです。新規事業、即ちビルドについては説明があっても、廃止、即ちスクラップについては説明しないという、行政による議会軽視の姿勢が見て取れます。
この新規提案が先細りになっていて、同じ人間が関与しているのは確かに問題ではありますが、これは当局の広報不足があると考えます。
 新年度に入った4月に募集を行い、5月連休明けまでの期間で締め切るため、市民団体による企画時間に余裕がないのと、募集案内は、専ら呉市ホームページに頼り、締切の関係で市政だよりに載せられなかったからです。この辺りは工夫の余地があるでしょう。市民公益活動団体の会合で事業紹介したり、くれボランティア情報誌を郵送する際、募集要項を添付することも案です。
 次に、担当部署とコラボする際に団体と担当課との役割分担を決めますが、その際担当課としては、広報や公的機関の連絡調整に加え、事務局を引き受けたことが当初多々ありました。特に観光振興課と福祉部門とのコラボが多く、市職員の事務負担が増える訳です。
 私は、平成24年9月定例会でこの問題を採り上げ、担当課が事務局を引き受けるべきではないと主張しました。その理由は、事務局というのは団体としての事務の根幹を成す部署であり、それを公務員が担ってしまっては、地域協働からかけ離れること、市民人材が育たないからです。私の要請を受け、事務局から一部撤退はしましたが、まだ残っていて、現在に至る部署があります。
 そこで事業提案採用の際、呉市は広報や調整は担当しても、事務局は一切担わないことにすればよいと考えます。
 一方、平成25年度からスタートした市民ゆめ創造事業交付金があります。これは、まちづくり委員会や協議会を交付対象に、ゆめづくり地域交付金の別途加算制度です。
 この中には4種類の交付枠があって、複数のまちづくり委員会が合同主催する場合の地域間連携枠がその一つ。これは最低3年間継続が可能です。そのほか単年度に限る交付枠として、パソコンや空調設備等のハードを拠点施設に設置する場合の拠点機能整備枠、先進事例を調査研究する際の旅費等に充当する地域人材育成枠、それ以外の特殊事業を展開する際の事業推進枠があります。
この最後の枠は、平成26年度に安浦町の安登駐輪場活用事業が採用されたのみで、新年度から廃止されました。因み新年度は、地域間連携枠に150万円、拠点機能整備枠に300万円、地域人材育成枠に150万円で合計600万円と、対前年比150万円減となりました。
 私は、市民ゆめ創造事業をくれ協働事業提案制度に吸収統合させ、同制度を存続することが地域協働の芽を摘まない、賢明な策と考えます。併せて近い将来、合併町地域まちづくり振興事業補助金を吸収統合したゆめづくり地域交付金とも連携させるのです。
 と申しますのも、くれ協働事業提案は5人以上で構成する市民団体の他に、まちづくり委員会や協議会も提案資格が与えられているからです。ですからそれらの団体に対してPRに務めることで提案も増えて来ますし、合併町において地域振興事業補助金が今後廃止されたとしても、それを補うことが可能になり、ひいては合併町の歴史と伝統ある事業を継続することにも寄与できると考えます。
 いずれにしても、似通った事業が多過ぎますので、税金の二重投資を防ぎつつ、より住民が主体となった事業を支援する制度を再編構築する必要があるのです。 

Facebook 2017.5.6

グリーンピア指定管理取り消しと暫定指定を読み解く!

 ゴールデンウィークの狭間に当たる5月1日は90回目の街頭演説。テーマはグリーンピアせとうちの指定管理取り消しについてです。
 これは4月26日の呉市議会産業建設委員会で当局が報告したのですが、それより数日前、情報がマスコミにリークされ、新聞報道されてしまいました。
 さて呉市は、来る6月8日付けを以て、グリーンピアせとうちの指定管理者である㈱ゆーとぴあセトウチとの委託契約を解除する、と正式発表。これは当然で、同社は昨年秋から立て続けに呉市と呉市上下水道局を相手取り、総額5億4,444万円の損害賠償を請求する3回の訴訟を起こしており、同社による取引業者や従業員に対する未払いや遅配があることを考えますと、やむを得ぬ措置と言えます。
 直接的には、同社が中国電力との電気供給契約を去る2月末を以て解除され、呉市が3月1日より代替契約を急遽締結せざるを得なかったことが要因です。つまり先の聴聞会で、同社が再度配電契約を締結する意思も能力もない、と呉市が判断したことが、それを決定付けました。
 そこで今後の方向性としては、6月8日から最短3ヶ月弱の休園措置を執り、その間非公募で暫定的な指定管理者を指定しようとするものです。6月8日までとしたのは、6月3日と7日に、修学旅行2団体の予約が既に入っており、影響を最小限に止めるためにほかなりません。具体的には来る9月1日から来年8月末まで1年間を別の事業者に暫定管理してもらい、その間に抜本対策をできるだけ早い時期に発表し、来年9月以降に本格的な立て直しを図ろうとしています。
 併せて、この3ヶ月弱の休園期間を活用して、今年度予算計上した5千万円でグリーンピアに係る修繕点検を詳細に実施し、再暫定指定管理に備えるとしています。
 実は、経営が赤字に転落した㈱ゆーとぴあセトウチに対し、呉市は平成28年度から2年間の暫定期間で、非公募によりグリーンピアせとうちの指定管理者として再指定しました。それは、新しい経営の在り方を根底から検討するためです。本来ならそれを受けて今年6月定例会時に、その新方針を発表する予定でした。
 そこで私は委員会で、「今回の様に再暫定での指定管理となった場合、その終了が来年3月末から8月末までと5ヶ月間伸びることになるが、それでも今年6月方針策定に変わりはないか」と質問しました。新方針とは、①指定管理方式での公設民営継続②賃貸借方式での公設民営③民間公募売却-と大きく3つに分かれます。特に③では、更に一括売却と部分売却とに分かれます。私は昨年12月定例会で、ホテル経営を条件として公募一括売却を提唱しており、そうなった場合、取得企業による大規模改修や建て替えも考えられ、その場合は更なる休園期間が避けて通れないこともあり得るため、新方針策定は早いに超したことはないという考えです。呉市としては、その時の再休園はできるだけ避けたい、予定通り来る6月定例会時に方針発表するとの答弁をせざるを得ませんでした。
私は、条件付き公募売却をするにしても、ある程度の呉市助成は必要なのではないかと踏んでおり、そごう跡地の建物・土地一括売却の際、大規模改修や建て替えに補助する方針を呉市が既に発表していることから、大型商業施設への補助として、グリーンピアにも提供可能な制度を探るよう、当局に申し入れたところです。
また、この度の委員会質疑では、一部議員から、「再暫定の指定管理は不要であって、時間はかかっても新方針に則って事を進めるべき」とか、「再暫定指定管理が非公募であるのは、行政として公平性に欠いており疑問だ」との声が出されました。これには当局として、「現在の従業員をできるだけ再雇用して経営を継続していくために、公募だと時間がかかり休園期間が延び、地元経済にも悪影響を及ぼすため適切ではない」と答弁。私もその方が現実に即していると考えています。
 別の議員からは、「再暫定の指定管理期間を1年ではなく、当初の予定通り現指定管理期間の残期間である来年3月末までとすべきではないのか」という意見が出されました。それに的確な答弁を欠いていた当局を私が援護。即ち、「今年9月から来年3月までの5ヶ月間では、繁忙期であるゴールデンウィークや夏休みが入らないため、収益が激減する。これでは指定管理者負担金ゼロ、指定管理者による修繕は100万円未満物件という現指定管理と同一条件での経営は困難で、逆に呉市が指定管理料を支払わないと指定管理を受けてくれない。従って同一条件での最短指定管理期間は1年間にせざるを得ないのではないか?」と、再暫定指定管理期間の妥当性を指摘しました。
 一方この度の質疑で、呉市は平成27年12月定例会で、㈱ゆうとぴあセトウチの平成28~29年度の指定管理議案が議決された直後に、その経営診断業務を民間コンサル会社に委託発注していいたことが判明しました。
 しかしこれは、平成27年度予算には計上されていなかったことが、私のその後の調査で判明したのです。委託期間は平成27年12月から28年3月まで。しかも、企画費の総合基本調査費の内200万円を流用したといいます。本来ならば平成27年12月定例会で補正予算を計上すべきだったにも関わらず、議会軽視も甚だしい。これは議会にこれまで知らされていなったため、昨年9月定例会での平成27年度決算審査でも議論に上ることはありませんでした。
 議会が認めていない予算を他費目から勝手に流用することは、地方自治の根幹に関わる大問題です。特に、この度の業務発注はグリーンピアの今後にも関わることですので、今後も追求して参る所存です。 

Facebook 2017.5.14

呉市発注契約の統一ルール確立と透明化を図れ!

 去る5月9日は91回目の街頭演説。雨天でこの日に順延したことで、奇しくも警察署による麻薬撲滅キャンペーンに遭遇しました。これには例の人気者「呉氏」も参加していました。
 さて、テーマは特殊契約の在り方についてです。
 呉市は本年度から、家庭ごみ用指定袋と指定シールの3ヶ年契約を広島県薬業㈱呉連絡所と交わしました。昨年12月定例会での契約案が提出されたのですが、予定価格約
4億7千万円に対し、4億4千万円の落札額でした。
 問題は、平成20年度から3年間毎の入札発注に対し、この度を含め4回全てにおいて同一会社が落札したことです。これには付託された民生委員会の委員から、異口同音に疑問の声が出たところです。
 私は委員として、入札に当たっての予定価格の算定方法について糺しました。建設業と違って、委託業務や製造請負には、事業内容が様々で、且つそれを算定する能力が市役所にないことから、予定価格を算定する際は、基本的に市の登録業者から見積もりを取ります。
 この度のケースでは、2者から見積もりを取り、他市の実例を加味した上で予定価格を算出したということです。その2者の内、1者が落札業者です。因みにこの度の応札は2者でしたが、もう1者は見積もり会社とは別でした。
 確かに委託業務では、入札の際予定価格を予め公表しますから、まだいいようなものの、これを下回ると失格となる最低制限価格の基準率は、建設業と違って非公表となっています。因みに最低制限価格は、この基準率を基に、入札時にコンピュータによるランダム係数を掛けて算出します。
 ということは、やはり見積もりに応じた会社が、入札において有利になることには違いありません。しかもこの度のケースでは2者の見積もりでしたから、やはり、それに参画できた現状実績のある広島県薬業㈱が有利になっていたことは否定できません。
 そこで私は、予定価格算出に係る事前見積もりは最低3者、可能であれば5者から取るよう要請しました。契約課からは、今後前向きに検討するとの答弁を引き出しました。
次に、新年度新たに予算化された或る印刷物について、同様の問題が発生しました。
 初めての印刷物になるため、予定価格算出において、最も実績のある特定1者から事前見積もりと発注仕様の意見を取り、それを反映させたのです。そこで入札した結果は、その会社が落札しました。
 ここで問題なのは、印刷業務は製造請負に当たるため、予定価格は非公表だということです。一旦公表すると、今後の同種印刷において、応札業者側に有利になるというのがその理由です。先の指定袋の委託業務と異なり、予定価格が非公表であれば、それに参画して見積もりを出した会社が断然有利となります。予想通り、見積もりを取った会社が落札したのです。見積もりを取った相手が1者だけだったこともあって、出来レースであったと言われても仕方がありません。
 つまり、入札に関しては契約課が一元管理はしているものの、予定価格算出においては各発注担当課任せになっていることが問題なのです。私は契約課が庁内統一ルールを策定して指導するべきと訴えました。
 一方、呉市における提案型公募、即ちプロポーザルによる随意契約においても、問題が種々あります。
 昨年7月に実施された民営放課後児童会におけるプロポーザルにおいては、2者が応募し、525点満点の368点を獲得した㈲エピックを事業者に選定致しました。オークアリーナ駐車場内に建っていたローソン撤退に伴い、呉市がその2階建ての建物の無償譲渡を受けたもので、ここを民営放課後児童会に活用しようとしたのです。
 民営放課後児童会実施事業者審査会の5名の審査員による評価点数を合計した結果であって、呉市ホームページに、合計点数だけでなく、評価大項目5項目の内訳点数が公表されました。勿論落選事業者の名は伏せられました。
ところが、通常のプロポーザルにおいては、公募要領において、評価項目と対応点数が明記されるところですが、この時はありませんでした。これでは応募事業者において、何を評価されるか、どこに力点をおけばよいか判らず、極めて不透明です。私がこの点を指摘したところ、担当の子育て支援課はその不備を認め、次回からそのようにならないように検討することになりました。
 しかも選定結果が出た後は、他部署では正副委員長を含めた審査委員名を公表していますが、子育て支援課は非公開ということでした。これもおかしいと指摘しました。因みにこの度は、5名の審査委員の内、3名が民間外部委員、2名が行政管理職でした。
 但し、他部署と違ってよい点は、審査委員に対し応募者の名称を非公開としたことです。これは以前から私が要望して来たことで、通常は応募者名を審査委員に対して公開して来ました。これでは、知名度に左右されて公平な審査ができない可能性があるというのが、私が指摘して来た理由です。
 ところで、プロポーザルとう選定方法は、地方自治法施行令における入札を原則とするとの趣旨からは例外扱いです。即ち事業者に提案を行ってもらい、優秀提案者と随意契約を締結するという手法です。
 入札は価格競争ですので、最低価格を投じた業者が落札する道理であって、透明性が確保されます。ところが随意契約ですと、それなりの理由付けがなければなりません。それが審査会における、点数評価となります。ですから、透明性を確保するためには、項目毎の評価点数、審査委員名簿を事後公開する必要性があります。
 ところが呉市に於いては、入札は契約課を通すことになっていて、どの部署が発注しても、やり方は統一されていますが、随意契約においては、各部署に任せられているため、その手法がまちまちです。
 例えばやはり昨年7月、シティプロモーション業務委託業者の選定において、「呉氏」のイメージキャラクターを提案した㈱電通西日本が決定しましたが、審査委員名は事後公開しました。但し、評価点数は非公開でした。つまり、やり方がばらばらなのです。
 私は、プロポーザルの場合は、透明性を担保する必要があることから、事前の評価項目と対応点数、事後の評価点数結果、審査会の委員名称を公表することが望ましいと考えています。加えて応募者も審査委員において非公開がベストでしょう。そのため、契約課にプロポーザル手法の統一化を要望しました。 

Facebook 2017.5.23

呉市議会報が、矛盾を内包しながらもついに創刊!

 去る5月15日は92回目の街頭演説。この日は朝7時半からの早出日だったため、衆院議員の演説と重ならずに済みました。テーマは、議会だよりの創刊についてです。
 いよいよ5月10日に発刊された呉市議会だより「チーム議会」。創刊号だけに20ページの分量となりました。これは、新年度予算として900万円組まれ、定例会の開催に合わせて年4回、市政だよりと一緒に全戸配布されます。
これまで、市民間において市政だよりも余り読まれない中で、議会だよりはもっと読まれないことが予想されており、その投資効果が十分見込めないとの意見があって、過去何度も議会内で検討しましたが、発行を見送って来た経緯があります。議会の内容を詳細に知りたければ、呉市議会ホームページを充実しているので、それで足りているとも言われて来ました。
 実際昨年度より、スマホやタブレットからでも本会議や委員会の動画が視聴できるよう予算化しています。
 ところが中核市の議会の中で、議会報を発行していない都市は呉市を含め僅かしかないことが判明。議長の要請もあって、私が委員を務める議会運営委員会でその可否を議論し、ようやく発行にこぎ着けたのでした。
 
 一方、これまで市政だよりにおいても、3ヶ月に一度、本会議一般質問でのやりとりが掲載されていました。ところがこれには質問議員の名前が記載されていなかったのです。以前は所属会派名も記載されてなかった時代もあり、会派名に限って掲載するに至った経緯があります。これでは議会基本条例が目指すところの開かれた議会とは、大きくかけ離れています。ましてや他都市の議会では質問議員の顔写真まで掲載しているところが多いのです。
 しかも、私の様に会派に所属していない議員の場合、同じ一般質問でも個人質問と呼ばれますが、掲載されて来なかったのです。3月定例会時で年一度の予算総体質問の時だけしか、私の質問はこれまで掲載されて来ませんでした。毎回質問しているにも関わらずです。
 当然この度の議会報発行においても、編集・発行のために組織した広報委員会で同様なことになりかけました。そこで私は、個人質問を掲載しなかったり、質問者の氏名をこれまで通り載せないのであれば、議会報を発行する意味がないので、関連予算そのものに反対すると主張したのです。
非会派の議員の殆どは私に同調しましたが、数が劣勢ですので、それでも予算は通ってしまいます。ただ、私が本会議上で反対理由を述べることは目に見えていますので、このことがマスコミに取材されたら、議会の恥になりかねません。
 そこで、水面下で妥協策が検討されました。その内容は、①会派代表質問、個人質問に関わらず一般質問は掲載する②発言議員の氏名を会派名と共に掲載する③発言議員の顔写真は掲載しない④代表質問は二段組み、個人質問はその半分のスペースである一段組みにする-の4点です。因みにこの度の創刊号は、3月定例会での予算総体質問だったため、会派・非会派に関わりなく質問時間が同じ60分と同じで、掲載スペースも二段組みとなり、公平になったものです。但し、次号は掲載枠が差別化されることとなります。
 私としては、これでは不満は残りはしますが、氏名さえ掲載されれば大きな前進です。後は市民が、スペースの不公平感に気付かれ、それを指摘されるのを待つしかないでしょう。ただ、私を含め非会派議員の殆どが定例会毎に質問しますので、毎号質問が掲載されることになります。ということで私は、本予算案には賛成に回り、その結果全会一致となりました。
ところが、初めて手にした議会だよりですが、何と、発言内容記事よりも発言者の氏名の方が文字が小さいとは・・・!氏名を本心では載せたくない多数派によるせめてもの抵抗と、とれなくもありません。
いずれにせよ、議会報が発刊されたのは、大きな収穫であって、市民の議会に対する関心が高まるのを期待してやみません。またそうなりますと、あまり質問されない議員は、記事掲載が殆どないことから、代表質問ではなくとも個人質問を行うようになり、議会活性化や議員スキルの向上が図られ、市民意見の反映が拡大されるものと考えます。
 これを機に、議会の透明化や議会力が一層アップしますことを、切に念じてやみません。 

Facebook 2017.5.28

飲料水自販機が新庁舎になって消えた!?

 去る5月22日は93回目の街頭演説。テーマは新庁舎におけるフロアサービスについてです。
 シビックモールは、蔵本通りから中央公園に抜ける構造となっており、市民が普段自由に活用できる空間です。特に中央公園側の西側エントランスから入りますと、くつろげるテーブルが置かれています。
 ところが、飲料水自動販売機がシビックモールにないことに気付かれましたでしょうか?旧庁舎時代はロビーに職員厚生会が2基設置しており、その売り上げの一部が設置者である職員厚生会に入り、そっくり市民公益活動支援基金に寄付されていたのです。 それが新庁舎になってから、2基の内1基は守衛室がある南側エントランスから入ったところに移されました。いわゆる裏口で受け付けもないため、殆どの市民はここを通りません。そればかりか、通過する廊下ではなく、更に奥のへこんだスペースに収納されており、市の職員ですらその存在を知らないことが多いのです。つまり倉庫に設置しているようなものです。因みにもう1基は4階の議場前にある休憩スペーズに設置されています。ここは本会議や委員会を傍聴する方しか訪れることはありませんので、これまた売り上げに貢献できていません。
 しかも新庁舎に移転してからは、売り上げの4割が職員厚生会を通して市民公益活動支援基金に寄付されることになりましたから、殆ど寄付がない状況が続いています。ということは、この基金を使って、くれ協働提案制度の報奨金への活用や協働センターのパソコン、プリンター等の購入に充てられていたのですが、それも滞っていることが容易に推察されます。 
 加えて旧庁舎時代は、「自販機に売り上げの一部が市民公益活動支援基金に寄付されます」の文言標示があったのですが、それもなくなっています。
 そこで、何故自販機が市民サービスとは無縁の蚊帳の外に置かれたのか、調査してみました。すると私が予想した通り、シビックモール西側エントランスそばにある喫茶店の営業を助けると言う構図が浮き上がって来たのです。
 実は、旧庁舎時代は8階のスペースを職員厚生会に無償貸与し、同会が呉市飲食組合と随意契約を締結していました。そこで新庁舎においては、職員厚生会に無償貸与する方式を改め、呉市が直接プロポーザルによって、業者を選定したのです。その際選ばれたのが広島駅弁当㈱でした。因みに現在の契約先は同社の新設子会社である広島ヘルスケアサービス㈱に変更となっています。
 このプロポーザルの仕様書では、収益率のよい9階の食堂に止まらず、同階の売店、1階の喫茶店をセットで運営することにしました。旧庁舎では2階の喫茶店が収益が芳しくなく閉店し、その後入り手がなかった苦い経験を踏まえたものです。そして、委託業者が設置できる自販機は9階に可能性を残し、1階に呉市が自販機を設置しないことは明記されていませんでした。つまり、応募業者は1階のカフェ近くに呉市が自販機を設置しようが文句を言える立場にはない訳です。寧ろそのことも想定して食堂・売店・喫茶店経営を提案したことになります。
 これらを踏まえて私は、市民による公益活動を支援すること、来聴者への便宜を図るためにも、少なくとも南側エントランスの陰に設置してある自販機をシビックモールの中央、くれ絆ホールの入り口に移転するよう要請致しました。ここは、くれ協働センターの前でもあるし、近くにはテーブルもあるので、絶好の位置なのです。
 一方、1階のフロアマネージャーの体制には問題があります。旧庁舎時代のフロアマネージャーは不在でした。それを新庁舎建設を踏まえ旧庁舎時代の最後に試験的に導入し、今日に至っています。これは郵便業務とレジ入力業務とセットで外注しているもので、現行のフロアマネージャー2名体制はサービス過剰でしょう。1名いれば十分です。そこで私は、同業務が昨年度から3年契約のため、31年度からの2名体制を要望しました。
 それに加えて受付体制の問題です。旧庁舎時代は1名でしたが、新庁舎になって2名に増員しました。これは市役所代表電話の交換業務とセットで外注しているもので、受付はフロアマネージャーとの連携もあるため1名で十分と考えます。
 ところが、電話交換手は1名のため、その電話が塞がっている時にもう一本別の電話が入ると繋がりません。これが結構長時間呼び出し音が鳴りっぱなし状態になるのです。市に電話して繋がらないのは役所サービスとしては致命的欠陥です。そこでこの問題を改善するため2点の提案をし、採用されました。先ず、鳴りっぱなし状態を防ぐため、「回線が混み合っているためしばらくお待ち下さい。」のメッセージを入れました。そして、何度か呼び出し音が鳴った時点で1階受付に転送されるようにしたのです。これなら受付の2名体制が生きる訳で、電話交換業務1.5人役、受付業務1.5人役、合計3人役となり、現行の委託料の範囲で市民サービスを向上させることができました。
受付やフロアマネージャーに関し、市民への窓口アンケートで、サービスに十分満足しているとの意見が多く寄せられるようになったことは確かです。但しこれらの財源は貴重な血税ですから、十分投資効果を見極める必要があると考えています。 

Facebook 2017.6.1

食の食べ歩きにぎわいエリア構想は、
中央地区商店街の活性化に逆行!!

 昨日は94回目の街頭演説。先週末から喉が腫れていたので大事を取り、回復を待ってから実施したため、2日遅れとなりました。テーマは宝町~幸町エリア整備構想についてです。
 去る5月29日、呉市が議会総務委員会の場で、宝町~幸町エリア整備構想を発表しました。これは地方創生加速化交付金を活用しての500万円の平成27年度末補正予算を使ってコンサル会社にリサーチさせていたのを受けて、当局がまとめたものです。
呉市においては、大和ミュージアムとてつのくじら館がメインの観光資源ですが、宿泊型ではなく、通過型観光となっています。これを宿泊型への転換を図るため、両施設を訪れた観光客が更に市内中心部を回遊して頂くための計画を策定する前段が、本構想です。
この構想の目玉は、何と言っても海上自衛隊集会所を国から取得した上で、新たな観光拠点施設に模様替えする内容です。これは戦時中まで下士官兵集会所と呼ばれており、この度大ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅に」でも何度か登場しており、聖地巡りの中心的位置付けとなり得るものです。ところが、この本館施設である「青山クラブ」を解体して、中庭を含めて駐車場に転換し、別館である「桜松館」を耐震・老朽改修した上で、特産品売り場、喫茶店等を誘致しての資料展示を考えています。
 青山クラブを解体せず現存保存をすると仮定しまと、耐震・老朽改修に数十億円を要するとの答弁が既になされています。この日の委員会では、市民や議会の意向を踏まえ、全部残した場合、一部を残した場合、擁壁を残した場合、全て解体してモニュメントを設置した場合に分けて、それに係る経費を今後議会に提示していくとの原質を取りました。と申しますのも、今年12月に公共限定入札で国から取得するための予算として3億3,600万円を組んでいますが、解体する場合はその費用を土地代から控除することになり、全て残す場合はその控除が認められません。つまり、どの程度解体するかで土地の評価額が変わって来ることもあって、それまでに議会に提示し、方針を確定する必要があるためです。
 私は、青山クラブは最低限外壁を残した上で、中庭には目玉商品とするため、戦艦大和大型試験機を展示するための施設を建設することを提唱しています。この日は当局から、その提案も含めて今後検討していていくことになる、との答弁を引き出しすことに成功しました。この大型試験機は全長28m、高さ5mもある代物で、平成23年度に広大から無償譲渡を受けたものの、その後6年間もアレイからすこじま駐車場の奥にシートを被せて安置し宝の持ち腐れになっており、この絶好機を捉えて活用することがベストの選択だと考えます。またそうでもしなければ、大和ミュージアム来館者が、こちらまで多く訪れないでしょう。
 
 一方、本構想は、回遊性を高めると同時に中央地区商店街への誘導も視野に入っております。具体的には、本通・中通への案内板表示、堺川周辺のイルミネーション活用やカフェ設置、休憩所の設置、スマホアプリとの連携によるまちなか誘導が上げられました。更にアレイからすこじまから中心市街地まで全体をWiFi整備地区に設定します。更に歴史の見える丘に懸案だった駐車場を整備し、呉探訪ループバスのシャトルバス運行への転換を図ります。
ところが、これら一連の方向性が示される中、「にぎわいエリア」の整備が提案されたのは大いに疑問です。これは新たな土地に呉の食が一堂に味わえる店舗群を誘致・集積するというものです。確かに観光のキーワードは「食」ですし、呉市は「海自カレー」で大成功しましたので解るのですが、問題はどこにそのエリアを持って来るかということです。 配付資料の地図上では、JR線の南側、即ち堺川から青山クラブまでの導線にそのイメージ図が描かれています。これは、呉市が昨年12月発表した、旧鉄道引き込み線を民間から取得して、そこに遊歩道を整備する内容と一致しているではありませんか!私は青山クラブに訪れる観光客はマイカーが殆どであるから、わざわざ新たな土地を取得して整備するには投資効果が希薄であるため、反対の意思を表明して来ました。実際この度の構想策定に係る調査でも、観光客の約6割がマイカーで訪れていることが判っています。私が強く主張した結果、今年度予算ではその取得費計上を見送った経緯があります。
 当局は、その場所はまだ決まった訳ではないと苦しい答弁に終始しましたが、構想ではあくまでも食の店舗集積を図ることから、まとまった土地を取得する必要が出て来る訳で、これには多大な用地取得と整備費がかかるのは目に見えています。しかも、店舗群を誘致するとなりますと、それ相当の補助金を支出しなければ困難ですので、これにも経費がかかる訳です。
 そればかりではありません。旧鉄道引き込み線を遊歩道化し、その両脇か片脇に店舗群を集積しますと、そこが観光客や市民の食べ歩き天国になりますので、中央地区商店街への人通りが激減することは必定です。これは同商店街の方々にとっては死活問題です。観光客が桜松館を訪れた後、食を求めて中央地区商店街へ繰り出すルートを整備することが回遊性向上になる訳ですから、これではコンセプトに逆行すると言われてもしかたありません。つまり愚策にほかなりません。
 私は本委員会でこのことを指摘した上で、中央地区商店街の空き店舗に限定して、呉市らしい食店舗を誘致することこそが、中心部の賑わいづくりに寄与する、そのためにその誘致策としての補助制度構築を検討すべきと訴えました。
 今後、この構想と本委員会で出された意見を基に、今年12月までには市中心部にぎわい創出計画を策定することになります。私はにぎわいエリア整備の在り方について、間違った方向性を当局が出さないように、厳重に注視して参る所存です。 

Facebook 2017.6.7

グリーンピアせとうちは公募一括売却で!

去る6月5日は、95回目の街頭演説。テーマは、グリーンピアせとうちの公募売却についてです。
先般の呉市議会産業建設委員会で、約束通り当局が、グリーンピアせとうちの改革案を打ち出しました。それは提案型公募を行った上での売却策です。これは私が昨年12月定例会一般質問で提唱した、一括売却案に近いものですが、若干の違いがあります。
 先ず、当局がこの提案を固めるに至った経緯を説明致しましょう。
 それは、平成27年9月に遡ります。グリーンピアの経営状況が思わしくないとして、28年度から29年度までの暫定2年間の指定管理を、非公募でこれまで契約をして来た㈱ゆうとぴあセトウチと継続契約をする方針を立てました。その際経営を助けるために、指定管理者負担金である年額3,200万円を免除する内容でした。
 27年12月に指定管理議案たる同社との再契約案を議決した後、すぐさま当局は企画費の総合基本調査費を使い、232万円で㈱休暇村サービスに経営診断をコンサル契約しました。その経営分析が平成28年3月末に出ており、それを踏まえ、1年2ヶ月かけて、当局がグリーンピアの在り方について結論を出した訳です。
 その経営診断は、①宿泊棟の劣化、清掃不備等による利用者数減少②屋外施設のメンテナンス不良や広告宣伝不足による魅力低下③販売促進関連費用や運営費が高いことによる低営業利益率④人手不足でのサービス低下による満足度低下-を上げています。
 その結果、27年度の延べ利用者数は、宿泊3万6千人、入浴2万2千人、売店1万8千人、飲食8万3千人、プール3万5千人、その他2万9千人と、合計22万6千人となっています。その結果、収入4億4,700万円に対し、支出が4億8,400万円と、3,700万円の赤字となりました。
 そこで、改革案としては4案を提示しています。
 第1案は、公設民営の枠組みを今後も踏襲し、子どもの国を撤去、テニスコートは規模縮小、イベントエリアは現状使用、宿泊棟は一部改修、プールは全面改修するというものです。その上で今後は、これまで通り指定管理か賃貸借を行うとして、安定運営のための改修費を21億2千万見込んでいます。
 第2案はイベントエリアは廃止、テニスコートは規模縮小した上で、子どもの国を売却するというものです。宿泊棟は一部改修、プールは全面改修しますので、改修費に19億8千万円を見込みました。結局子どもの国以外は、これまで通り指定管理か賃貸借ということになります。
 第3案は、子どもの国、テニスコート、プール、イベントエリア全てを売却し、宿泊棟を全面改修且つ高級化を図り、その部分を指定管理か賃貸借を行う案です。ホテルを高級化することから改修費は22億3千万円かかります。
 第4案は、最小限の修繕を行い、全てを売却するものです。この修繕費については、既に今年度5千万円を予算化しています。その範囲内で明日6月8日に休園した後、新たな暫定1年間の指定管理がスタートする9月までの3ヶ月弱の期間を利用して、全ての点検と最小限の修繕を行うこととなります。
 
 ところが呉市が示した案は、この第4案とも微妙に異なっていました。即ち、ホテル事業エリアは事業継続を条件に売却。但し、子どもの国、テニスコート、グランドゴルフ場、オートキャンプ場等のスポーツ・アミューズメント事業エリアと、プール・海水浴事業エリア、そしてホール、会議室等のイベント事業エリアに関しては、応募者の提案に期待するというものです。
私はこの問題点について、委員会で指摘しました。4事業エリアの内3事業エリアを自由提案とするなら、収益性の高い美味しい部分は購入するけれども、後は購入しないという事業者ばかり出る可能性があります。また、3事業エリアは購入しないけれども、賃貸借や指定管理でお茶を濁す提案が出る可能性も否定できません。
 そうなりますと、賃貸借にしても指定管理にしても有期契約となりますから、それが切れた段階で、新たにその経営者を呉市が募集せざるを得ないことになりかねません。しかも収益性が低い3事業エリアでは、賃貸借料は無料、若しくは補助金なり、指定管理料を呉市が支出せざるを得ない場面に遭遇することは避けて通れません。
 しかも、この様に分業となった場合、4事業エリアを一体的に活用して、大型保養地としてのスケールメリットを活用する経営手法は使えませんし、そのための設備投資も、購入したホテル事業エリアを除いて行われないことになるのは明白です。
 そこで私は、コンサル案の第4案の如く、一括売却を提唱しました。そうなりますと、収益性の低い部分が足を引っ張りますので、応募者が出て来ない可能性があります。
 確かに、兵庫県が所有していたグリーンピア三木は全面売却で公募し成功しましたが、北海道森町が所有していたグリーンピア大沼は、5千万円で一括売却したものの、同町に負担がかかりました。それは全面改修費に7億5千万かかると見積もり、これを収益の内部留保で年間2千万円積み立てたとして、10年間で2億円しかなりません。その改修費との差額5億5千万円を町が購入者に補助しつつ、10年間は固定資産税を免除するものです。
 ということは、グリーンピアせとうちにおいても、安定した経営を継続するための大規模改修費が約20億円かかるのですから、全く補助金なしでは応募者は皆無になる可能性があります。そこで、私は固定資産税の免除や、改修費に係る補助金の割賦支出を含めて、応募者に提案させ、競争したらよいと考えます。そうすれば応募者が増え、競争原理が働きますので、よき提案を選択することも可能となり、補助金もその結果減じられることでしょう。
 例えば、グリーンピアを呉市が平成17年に4億250万円で購入しました。但しこれは価値の1/2だった訳です。ということは、建物の老朽化を考慮に入れると、現在の資産価値を7億円と仮定しましょう。それを予定価格とすれば、後は競争でどれほど買値が吊り上がるかです。また20億円の大規模改修費の内、1/2の10億円を呉市が毎年1億円ずつ補助し、その10年間は固定資産税を減免するというような提案を出させればいいのです。そのような提案を競争させ、審査して売却先を選択すればよいと考えます。後はどのような利活用を図るのか、それらを含めて総合評価するのです。
 
 一方、新たな指定管理者は、この度コンサル委託した㈱休暇村サービスが、非公募で6月定例会に提案される予定です。その期間は今年9月から来年8月末までです。ということは、来年9月1日付けで、新たな事業者に売却・引き渡しとなります。但し、その事業者も大規模改修したり、或いは建て替えたりすることで、そこから更に休園状態になることも十分考えられます。
 まだ、引き渡し時期まで1年3ヶ月ありますが、公募が順調に進むとは限りません。つまり不調に終わって、応募を断念した事業者からの意見を聴きつつ再度仕切り直すことも
十分あり得ます。そこで私は、この様なケースも踏まえ、できるだけ早急に仕様をまとめ、公募を行うよう釘を刺しました。