真実! 清潔! 刷新!
 自然共生!

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街頭演説集「自然共生」創刊号

 

創刊号目次 

 *クリックしてください。ページが開きます。
第1回 呉市上下水道局の宮原浄水場管理棟建て替え
第2回 呉市議会議員正副委員長の報酬増額
第3回 呉市立中学校でのデリバリー給食実施
第4回 呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画
第5回 特別養護老人ホームへの入所問題
第6回 減塩政策の誤り
第7回 遠距離等通学費補助制度
第8回 子宮頸癌ワクチン予防接種
第9回 そごう呉店跡地活用問題
第10回 呉市新庁舎建設問題
第11回 政務活動費
第12回 公立小中学校における少人数学級推進の問題点
第13回 自然農法
第14回 教育委員会の組織の在り方
第15回 呉市議会における改革
第16回 乳幼児等医療費無料化
第17回 呉市立学校統合と通学区域の在り方
第18回 公共下水道と集落排水
第19回 自然共生の原点は福島原発事故
第20回 消防団報酬と民生委員報償金の実態
第21回 動物愛護施策
第22回 放課後児童会の抜本改革
第23回 呉市立中学校デリバリー給食の喫食率
第24回 交通局民営化と優待運賃助成制度改革
第25回 議会委員会のインターネット中継
第26回 呉市版ネウボラ
第27回 発達障害における療育機能強化
第28回 投票率向上策
第29回 政務活動費による発行機関紙
第30回 中央地区防災対策
第31回 戦艦「大和」潜水再調査
第32回 くれ絆ホールに係る問題点
第33回 呉市立中学校歴史教科書採択の疑惑
第34回 呉市過疎地域自立促進計画
第35回 呉市版CCRC構想
第36回 学生シェアハウス
第37回 JR新広駅駅舎改修
第38回 カープ公式戦誘致
第39回 特別養護老人ホームの入所基準改定
第40回 中央地区商店街の活性化策
第41回 保育所の民営化
第42回 家庭ごみ収集業務の民間委託化
第43回 地域協働の在り方
第44回 資源集団回収の改革
第45回 JR呉線複線化の幻想
第46回 野良猫対策
第47回 広電呉バス路線の経営
資料1

Facebook 2015.7.14

呉市議会議員として、定期街頭演説をスタート!!

本日朝8時、定期街頭演説を呉駅前でスタートしました。毎週月曜日の開催予定が、道路使用許可手数料の関係で、当面第2、第4月曜日と、毎月2回実施することに致しました。月曜日が祝日の場合は翌日に延期することにしており、勿論雨天決行です。
 ただ初日は、手続きが遅れたこともあり、昨日の月曜日に間に合わず、本日火曜日スタートとなりました。
 
 さて、この日のテーマは、呉市上下水道局の宮原浄水場管理棟建て替え問題です。老朽化して耐震基準を満たしていない現建物において、現状の24名体制を上下水道技術部門も合流するため、60名体制にすることで規模を大きくし、概算で12億円、今年度の実施設計費が7,500万円となっています。
 このことが、昨年10月より改定された水道料金の平均10.7%値上げの積算根拠に組み込まれていることを、去る3月定例会の予算委員会質疑で私が答弁を引き出しました。料金改定の条例改正の際、このことは議会には全く説明がなかった訳です。
ところで上下水道局の本体は、呉市役所新庁舎建て替えに伴い、つばき会館に移転致しますが、これまで通り技術部門を一緒に、当初案である福祉会館に移転させれば、宮原浄水場の規模を拡張した建て替えに係る12億円は縮減されることが明らかです。
 一方呉市は、今年度から資産経営課を創設し、公共施設等管理運営計画を策定することにしています。その際、新規のハコモノを建設する場合は、可能な限り適切な規模にするという大方針を立てています。このことに、スタート時点から大きく躓くこととなりました。

Facebook 2015.7.27

小雨の中、定期街頭演説2日目を決行!

 本日の朝は、2週間前スタートした定期街頭演説の2日目です。前回の初日は演説終了後に雨が降り出しましたが、この日は最初から小雨がぱらつく中で、約束通り実行に移しました。
 さて、今回のテーマは呉市議会議員正副委員長の報酬増額問題です。これは去る3月定例会に議会自らが報酬条例改正案を提案し、今年度より委員長は毎月1万円、副委員長は毎月5千円が報酬に加算され、それに呼応して期末手当(ボーナス)も増額となるものです。対象者は32名の定数中14名となります。
 私は、本案に唯一反対票を投じました。反対するということは、当然その理由を市民に説明する責務があり、私は本会議場での採決の直前、登壇して反対討論を行おうとしましたが、直前に開かれた議会運営委員会の総意で、それを拒否されました。民主主義は少数意見にも耳を傾けることが原則ですが、呉市議会は少数意見を事実上封じ込めた格好となり、議会運営規則に則った正当な行使だと主張されても、このことそのものが地方自治法や憲法に抵触する可能性が極めて高いと考えます。
 拒否理由としては、議会の報酬増額案を有識者で構成する報酬等審議会に議会が諮問し、適当であるとの答申を得たというのです。1年半前、財政難の本市において、諮問そのものを控えるべきと、自治会連合会が市長と議長に申し入れ、保留状態になっていました。
その後、市長選も終え、議会は近々選挙を控えていたので、それまでに決着を図ろうと再度議会内部で話が進められたものです。
 審議会に自治連代表として委員に就任された方は、意見を言えない中立的な立場である座長に就任されるという手法で、実質的な口封じと併せ、議論に波風が立たないように巧妙に仕組まれたと言われても致し方ないでしょう。
 私は、条例改正案の採決では反対討論を封じられましたが、議会費における今年度予算の採決直前、報酬増額を含む同予算に対し、明確に反対理由を述べ、討論することに成功致しました。
 例え一人であったとしても、市民目線に立って堂々と意見を述べる、議会の安易な妥協を許さないということが私の政治姿勢です。実際この度の案について、市民の動向としては、報酬増額に反対が大勢だと推察しております。私が自然共生党として、唯一一石を投じなければ、市民不在の議会や条例改正となっていたはずで、このような市民にとって関心の高い重要議案においては、少なくとも全会一致での議会談合的な即決だけは避けたいと考えています。
 尚、この模様は呉市議会インターネット中継で、いつでも動画視聴が可能です。
 http://www.kensakusystem.jp/kure-vod/index.html
議会の日程から選ぶ→平成27年→予算特別委員会→3月19日→3時3分~12分

Facebook 2015.8.8

呉市デリバリー給食は当事者民意を反映していなかった!

去る8月3日(月)は、呉駅頭での第3回定期街頭演説を通常より30分繰り上げ、7時半から行いました。本来なら8月10日(月)が定期の該当日なのですが、当日は公務出張不在のため、一週間前倒ししたものです。
 さて今回のテーマは、来る2学期からスタートする、旧市内の呉市立中学校16校でのデリバリー給食実施についてです。これは私一人が呉市議会で導入に反対し、小中共同調理場方式を代案として提唱していたものです。
 その理由は、小学校自校調理場も早晩建て替え時期が来るため、その時のことも考えて、小中共同調理場をこの機会に建設しておけば、近い将来複数のハコモノ建設が不要となり、調理員の集約化も図れるので、トータルで有利であるからです。
 共同調理場を建設した場合のイニシャルコストは23億3千万円。これに国庫補助金と、今なら有利な合併特例債を活用でき、そうなりますと、呉市の実質負担額は9億4千万円に縮小されます。このことは、教育委員会議や議会報告をする呉市議会常任委員会でも、情報が伏せられており、私が、昨年の予算総体質問で明らかに致しました。
 これに対しデリバリーの場合、運搬車購入や受け入れ施設構築等に係るイニシャルコストは1億8千万円かかり、これには国庫補助金は充当できないため、共同調理場との差は7億6千万円に縮小されます。
一方、共同調理場のランニングコストは年間3億6千万円ですが、デリバリーの場合は5億1千万円かかりますから、その差1億5千万円です。これが毎年ボディブローのようにのしかかって来ます。
 ということは、イニシャルコストの差額7億6千万円を、ランニングコストの逆差額1億5千万円で除すと、約5年間でペイできるという計算になる訳です。その後は共同調理場が有利なばかりか、新たな小学校自校調理場の建て替えが不要ですから、遙かに財政の負担軽減が図れることになります。
 もう一つ重大なことは、デリバリー給食は弁当持参との選択制のため、弁当の場合は、生徒の嫌いなおかずは入れない傾向がありますので、デリバリーを選択する生徒との乖離が如実に顕れ、栄養が偏り、とても食育にならないということです。
 それを教育委員会は、共同調理場とデリバリー方式では食育に差はないと強弁したのです。これは明らかに詭弁でしかありません。学校給食は学校教育法で特別活動に位置付けられており、食育の重要な実践の場です。それが生徒同士の食事内容が異なる訳で、食育になる道理がありません。
 実際、2学期へ向けて対象生徒に申し込んでもらったところ、デリバリー給食喫食率は僅か43%に止まりました。他の自治体の例を見る限り、大体6割程度の喫食率でしたから、これは極端に低い数字と言えます。
 これでは委託業者において、人員確保や調理場設備投資に対して極めて不効率となり、収益率もそれだけ落ちてしまいます。
 しかも、教員のデリバリー喫食率が生徒より低い僅か39%に止まりました。これでは教える側が手本を見せることは、全くできません。丁度この内容が、本日付けの中国新聞に掲載されました。
 尤も、中学校給食を導入するに当たり、事前の生徒や保護者へのアンケートでは、給食の実施を望む声は確かに多かったのですが、その中で、デリバリーでもよいとの声は僅かしかなく、大半が共同調理場方式を望んでいたのです。教育委員会はそれを無視した格好です。議会もそれを追認したことになります。
 教育委員会としては、これでは格好がつかず、申し込みを締め切った後も再度申し込みを促すことに致しました。
 ただ、申し込みが過半数を割ったということは、当事者である生徒やその保護者の意向が反映されたデリバリー給食ではなかったということになります。即ち望まれてないままに、強引に進めたことになると考えます。

Facebook 2015.8.24

呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画は疑問!

本日は第4回目の街頭演説。趣を若干変え、呉駅前広場に隣接する国道の歩道上で、しかも応援団が駆け付けての実施となりました。
 さて、この日のテーマは、呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画です。
 呉市では、特別教室である図書室、理科室、音楽室、視聴覚室等へは既に空調設備を設置済みです。勿論職員室や校長室にもあります。ただ普通教室には、合併した豊小学校を除いて未設置です。
 全国的に見ても、公立小中学校普通教室への空調設備設置率は32%にしか過ぎません。東京都23区は殆ど設置済みのようですが、交付税不交付団体と一緒にはできません。
 呉市は財政集中改革を終えた平成25年度以降も、財政支出を抑制する努力をしなければ毎年10億円ずつ財源不足が続きます。
 市長は「我慢できるものは我慢する。その上で、どうしても必要なもののみに投資する。」と豪語しながら、言っていることと行動が一致していません。何故なら、これまでの方針を急遽方向転換して、クーラー設置計画を合併建設計画に組み入れる議案を昨年12月定例会に提出したからです。議会でこれに意を唱えたのは、またもや私一人でした。
 私がクーラー設置に反対する第一の理由は、財政上の問題です。初年度は有利な起債である合併特例債を活用できるとしても、約15年毎に必ず取り替え時期が到来します。全680教室に公平に一斉設置することになりますので、その度毎に15億円の投資が必要となります。
 更に電気代が、新たに毎年8千万円もかかるのです。現在夏場をしのぐため、各校では授業時間は窓を開けて、扇風機2台で対応しています。山肌に近い所には網戸を設置して、ヤブ蚊から児童・生徒を守っています。これで我慢すれば年間200分の1の40万円で済むこととなります。
 第二は、教員には夏休みはありませんが、児童・生徒には最も暑い時期には夏休みが40日間も与えられているということです。何のために夏季休暇があるのか、原点に立ち返るべきなのです。最近は習熟度に遅れている児童・生徒を対象に、夏季休暇を利用して教員が特別授業を実施する場合もありますが、これは本来の正規授業とは異なること、自主参加であることを忘れてはなりません。
 第三は、実はここが最も大切なのですが、機械的に冷却した涼しさは児童・生徒にとって健康上よくないということです。体育の時間に教室からいきなり運動場に出ると、急激な体温変化により、自律神経に悪影響を及ぼす可能性を捨て切れません。扇風機で自然の風を送り自然と共生するべきなのです。
 一方所沢市では、最近この問題で市長が普通教室にクーラーは必要ないとの方針を打ち出したため、保護者等が中心となって住民投票に持ち込みました。勿論クーラー設置への賛成が反対の2倍になりはしましたが、投票率は5割を切ってしまったのです。これでは保護者等は大きな関心は当然ありますが、一般住民には縁遠かったということになります。 しかも同市には航空自衛隊基地があり、自衛隊機の騒音があって、授業中は窓を閉めざるを得ない事情があります。それでもこのような結果だったということは、基地はあっても騒音問題に縁遠い呉市ではなおさら疑問が残る訳です。
 呉市の教育には、「子どもは風の子、太陽の子」「自然と共生する」「元気な身体をつくる」とか、更には「辛抱する」「ハングリー精神」「根性を鍛える」といった理念はないのでしょうか?

Facebook 2015.8.31

特別養護老人ホームへの不明朗な入所打破へ!

本日から、隔週を毎週に変えての初めての呉駅頭街頭演説。トータルで5回目となりました。第1、3、5月曜日は朝7時半から、第2、第4月曜日は朝8時からです。
 さて、この日のテーマは呉市における特別養護老人ホームへの入所問題です。
 特別養護老人ホームへ申し込むと、待機者が500人程度いるとの話はよく聞きます。
ただこれは、介護認定を受けていない高齢者の申し込みや、複数の特養を申し込んでいる高齢者が多々いることで、実数とはかなり異なります。
 問題は、早く申し込んでおけばそれだけ早く入所順が回って来る、という市民の認識です。平成12年度に介護保険制度が開始して以降、厚労省は全国に通知を出し、特養入所の優先基準は、介護度と家族支援体制であるとしています。つまり待機順は無関係であるというのです。
 ところが、広島県は県社会福祉法人連合会と協定を交わし、待機順を判定基準に入れていることが判りました。実際昨年4月に開所した或る特養は、一斉入所にも関わらず、申し込みが2ヶ月遅れただけで、採点評価を20点満点から0点に査定していたことが、私の調査で判明致しました。このため、要介護5の寝たきり状態の方が入所できず、要介護1の軽い症状の方が多く入所するという、不条理な結果を招いたのです。
 加えて、以前から開所している特養も待機順によって、採点評価に差をつけています。これは厚労省の方針とは明らかに異なっています。
 一方、採点評価する審査会は、全て経営者に雇用されている方々で構成されていました。これでは、経営者の意向が反映されやすくなる道理です。国の基準では、半数は外部登用が望ましいとしています。
 更には、国の基準に反し、審査会の議事録を残していないところが殆どです。しかも、昨年度段階で、16箇所あった呉市内の特養の内、審査会そのものを開いていない施設が4箇所もあったのです。
 これでは経営者の心得一つで、空き部屋への次の入所者が決まってしまうと言われても致し方ありません。つまり、コネを使った方が他の待機者を飛び越えて優先入所するという不公平な構図が、厳然と横たわっている訳です。
 そこで私は、待機順を含めない呉市独自の統一した入所判定基準を策定し、外部登用の審査会の起ち上げ、議事録作成を、呉市内の特養に義務付けることを、昨年一般質問で提唱しました。これを呉市ホームページで公開して、入所基準をガラス張りにするのです。 それを受け呉市は、来年度に向けこの方向性で検討しているということです。

Facebook 2015.9.7

食塩から自然海塩への回帰を!誤った減塩政策を糺す

本日は朝7時半から6回目の呉駅頭街頭演説。テーマは、減塩政策の誤りについてです。
呉市は市政110周年の平成24年度から、日本高血圧学会の減塩委員を招いて、市民に対し、減塩の必要性を啓発して来ました。この結果、厚労省から表彰を受けたのです。 ところが、この減塩政策は根本が間違っていることを、私が2年前の一般質問で指摘致しました。塩には、「食塩」と通常呼んでいる食卓に並んでいる塩と、昔から海浜にある塩田から穫れる自然海塩とがあります。NHK朝ドラ「まれ」で塩田が紹介されていたでしょう。
 前者は工業用の塩に近く、純度が塩化ナトリウム99%以上です。つまり、人間にとって必要なナトリウム以外のミネラルが欠乏していることを知るべきです。栄養バランスが偏っているため、人間の身体によくないと言えましょう。
 ところが、蒲刈の藻塩や下蒲刈のヒメヒジキの塩等の自然海塩には、塩化ナトリウムは95%で残りは、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等、人間にとって必要不可欠な微少ミネラルが含まれているのです。この成分構成は、子宮内の羊水に似ていると言われており、人間が必要とするのも頷けます。このような塩であれば、多く摂取しても全く問題ありません。これこそが、私の訴えている「自然共生」です。
 問題は、厚労省が「減塩の狙いは、塩化ナトリウムの摂取削減だ」と説明していることです。一見正しいようですが、これだと塩化ナトリウムを95%含む「自然海塩も減らせ」ということになります。現に高血圧学会の減塩委員は、「食塩であれ藻塩であれ減らすべき」と、誤った認識を呉市民に焚きつけているのです。
 しかも厚労省が、日本人の1日平均の塩の摂取量を男性10g、女性8gと目標値を掲げているのに対し、呉市の減塩講演会で高血圧学会減塩委員は、これを6gに減らすのが理想であるとまで豪語致しました。
 これを信じる市民が、減塩食に拘りを見せていますが、弱い身体に自ら誘導しているようなものです。私は直接厚労省に、この誤りを指摘しましたが、担当の管理栄養士は、全く反論できなかったのです。
 一方、旧呉市内の学校給食では、食塩ではなく伯方の塩を使用しており、ベターではありますが、これは海外から安価で大量輸入した自然海塩を日本で再精製した塩で、やはりミネラル欠乏は殆ど変わりありません。
 唯一合併町にある蒲刈共同料理場のみ、給食における年間塩使用量の半分を藻塩使用しております。藻塩はキロ当たり4千円で、食塩のキロ当たり200円に比べ20倍も高価です。これを地元産で直接仕入れるため半額で納入しているのです。
 私は、食育と地産地消の観点から、児童への健康管理が最重要として、「例え給食費を上げてでも藻塩やヒメヒジキの塩を、年間を通じて全面的に導入すべき」と訴えました。
では、何故古来からある海洋国家にふさわしい、自然海塩が出回らなくなったのでしょか?それは、国策の誤りにあったのです。
 当時政府は、海外から安価に輸入される塩に対抗すべく、独自の化学的製法であるイオン交換膜製塩法を開発し、塩田で塩を穫ることを禁じたのです。昭和46年に制定された塩業近代化促進臨時措置法でした。これは平成8年に塩事業法が制定されるまで続き、日本たばこ産業による専売制度が廃止され、暫定期間を経た平成14年に、自然海塩の製法がようやく解禁、自由化されたのです。
 つまり、昭和46年から現在に至るまで、日本人は極度のミネラル欠乏症に陥ったことになります。
 しかもコンビニ弁当や外食産業の普及が、これに拍車をかけたのです。実際これらの食事を某食品衛生協会が検体検査したところ、厚労省のミネラル摂取基準値を遙かに下回っていることが判明しています。
 これを厚労省が、率先して明らかにし、国民啓発を推進しなければなりません。しかし業界の既得権益を守るための業界との癒着構造、霞ヶ関への業界からの裏献金がそれを阻害しています。更に、我が国における近年の塩政策が間違っていたことを、政府が認める訳がありません。政治は、誰も責任を取ろうとしていないのです。
 呉市行政も議会も、思考停止に陥っていると言われても仕方ないでしょう。私は既得権益に一切囚われることなく、今後も真実を訴えて参る覚悟です。

Facebook 2015.9.14

教育理念なき呉市遠距離通学費補助の愚策!

本日は、呉駅頭での第7回街頭演説。この日は8名の応援団登場に加え、お揃いジャンパーのお披露目ともなりました。着用ジャンパーは、イメージカラーに即した緑系色で、背中には、私のスローガンであり政策の中心でもある「自然共生」をアピールしています。
 さて、この日のテーマは呉市の遠距離等通学費補助制度です。国は小学校で片道4キロ、中学校で6キロを基準に、通学費を助成せよとしており、呉市も平成16年度までは、これを踏襲し、定期代の3割を補助してきました。
 これを、前市長が平成17年度に1キロ程度に甘くした上で、且つ定期代を全額補助する制度を創設し、現市長が継承して今日に至っています。補助基準である内規には、「通学は徒歩が原則」「同制度はバス通学を奨励するものではない」とわざわざ記述されているにも関わらず、運用面では、各学校長の裁量に任せ、教育委員会は責任逃れをしていると言われても仕方ありません。
 しかも同制度創設により、定期通学者が一気に増え、仕事の関係で車で送迎している保護者も公共交通定期を申請しているという実態があります。学校休日の時にも定期は活用が可能なので、あった方が有利だからに他なりません。
 この結果、中学校においては自転車通学も消滅してしまいました。
 児童・生徒は健康づくりが第一です。健全な精神は健全な肉体に宿るからです。これではオリンピック選手を輩出することは、最初から諦めたと同義となりかねません。呉市立小学校記録会でも、陸上競技における記録更新がなかなか成就しないとも聞いております。 或る県立高校生徒が片道3キロを毎日徒歩通学したことで、3年間で10キロも痩せました。これこそ、生徒自身のためにもなりましょう。
 制度導入時にも、「受益者負担がゼロはおかしい」と教育委員会事務局内部で激論が交わされたそうですが、当時の市長の鶴の一声で、決まった経緯があります。このような教育理念の根本にに関わる施策が、教育委員会議で議論されず、議会も簡単に通ってしまうようではいけません。
 これでは将来の行く末を担う若者の自主性、自立心を阻害してしまいます。過保護な教育は改めるべきです。今後子ども達が成人し、人生の荒波を乗り越えて行くためには、根性を鍛えておくことが重要です。それが呉市の教育に最も欠けている点です。
 一方、徒歩通学が可能にも関わらず、敢えて遠方の通学区に設定したり、統合したりすることが行われており、大人の論理の統合ではなく、児童・生徒の教育的観点に立脚した統合をするべきでしょう。
 具体的には、呉市の都合で統合した学校は当面同制度適用は維持しつつも、既存の通学区域は、適用範囲を絞った上で受益者負担を導入し、5割自己負担にするべきなのです。そうすれば、痛みを伴うことで、微妙な通学距離の児童・生徒は徒歩通学にシフトすることでしょう。
 明治維新では、国の在り方を根本的に見直しましたが、これと同じ事が呉市、特に教育において必要だと訴えている次第です。

Facebook 2015.9.24

子宮頸癌ワクチン予防接種は副反応の危険性高く薬害!!

本日は、呉駅頭での8回目の街頭演説。毎週月曜日を予定していますが、シルバーウィークが入ったため、木曜日まで繰り越しての実施となりました。
さて、この日のテーマは子宮頸癌ワクチン予防接種についてです。
 丁度去る9月18日に、「厚労省が接種による副反応で激しい痛みを訴えている小学6年生から高校1年生の6名の女子に対し、予防接種法に基づく医療費と医療手当の支給を、同接種が定期予防接種となってから初めて認めた」と、報じられたところでした。任意接種だった時代からの100名に対しても同様の措置を施すとのことです。
 私は、呉市における平成25年度以降の子宮頸癌ワクチンの定期予防接種に係る予算に反対して来ました。また、それ以前の任意接種だった時に、国が定期予防接種化を前提に1/2補助する際、呉市は補正予算を上程せず、議会を無視して予算流用で対応した経緯もあり、この問題点も指摘して参りました。
 何故なら、このワクチン接種により死亡事例もあり、激痛を訴える人が絶えなかったからです。つまり予防接種法の改正で、平成25年度から子宮頸癌ワクチンが定期予防接種に指定されたことは、本来間違っていたことになります。
 因みに、子宮頸癌ワクチンの予防接種には3回完結で5万円程度の費用がかかりますが、定期予防接種化されますと、全額呉市負担となる訳です。つまり定期予防接種に指定されますと、これを市町村が市民に対して勧奨することを意味します。
実際、定期予防接種化されて2ヶ月程たった、平成25年6月、厚労省は激痛症状と同ワクチン接種の因果関係を認め、「積極的な勧奨の中止」を全国自治体に通知したのです。それは現在も解除されていません。私が警告した通りになってしまったのでした。
 子宮頸癌はヒトパピローマウィルス、即ちHPVにより若い女性に発症すると言われていますが、HPVは180種類もあり、その内僅か15種類、その中でも特に3種類に限定されます。ところが、市販されているワクチンである、サーバリックスとガーダシルは、HPV16型と18型にしか効きません。しかも、日本人で16型に感染している女性は200人に一人、18型の場合は500人に一人の割合です。つまり、僅かの人しか感染しないウィルスに対して、リスクの高いワクチン接種を勧奨することになります。
 これだけではありません。これらワクチンでの副反応リスクは、サーバリックスの場合インフルエンザワクチンの38倍もあり、その内重篤反応は52倍です。ガーダシルの場合でもインフルエンザワクチンの26倍、その内重篤反応は24倍にも及ぶのです。
 更に、日本人女性の約5割は、HPVに感染すると言われていますが、その9割は自然排泄されることが判っています。残り1割も適切な治療を施すことで、ほぼ100%治癒するのです。これこそが自然治癒力を活かした「自然共生」に通じます。
 結局これら背景には、製薬会社の厚労省職員等へのヤミ献金を初めとする癒着構造があることを喝破しなければなりません。ここにも既得権益がとぐろを巻いていたのです。
 国は予防接種法を再改正して、少なくとも子宮頸癌ワクチン接種を定期接種から除外すべきですが、そうすると、これまでの施策が間違っていたことが明白となり、なかなか行動を起こしません。国会議員も法改正を与野党一致して通してしまった経緯があり、沈黙を守り続けています。
 同法改正直前の参院特別委員会の際、当時民主党のはたともこ議員が、委員外にも関わらず委員長の許可を得て、この問題点を指摘。厚労省ははた氏の指摘を全て認めました。それでもどの議員も耳を傾けることなく、粛々と委員会可決され、参院を通過して改正法が成立したのが3年前です。官僚は後へ引けず、国会議員も思考停止状態でした。衆参合わせて200時間以上も審議した安全保障法案の審議内容の比ではありません。殆ど国会で議論されることはなかったのです。
 呉市も、法律で決まったから粛々と予防接種費用を予算化するだけの、思考停止状態です。「おかしい」と国に反旗を振りかざす勇気を、市長は持ち合わせていません。議会でこのことを主張し且つ予算に反対したのは、またもや私一人でした。今後も既得権益と戦いながら、真実を訴え続けて参る所存です。

Facebook 2015.9.28

そごう呉店跡地活用で福山市の失敗を繰り返すな!!

本日は、9回目の呉駅頭での街頭演説。2回前から、テーマソングである「炎のランナー」をバックで流しての演説が板について来ました。
 さて、この日のテーマは、そごう呉店跡地活用問題です。そごうが撤退したのは、平成25年1月末日。あれから2年8ヶ月が過ぎようとしています。
よく市民の間で聞くのは、「豪華な新庁舎を現在地に建て替えるよりも、そごう建物を利用してそこに移転すればよかったのに」ということです。これは、そごう建物が呉市所有物だと勘違いしてのことだと推察されます。
 と申しますのも、そごう呉店が入っていた呉駅前西地区再開発ビルは、77%が㈱そごう・西武所有であって、呉市の所有分である地上権は19%、即ち6階と7階の半分にしか過ぎません。因みに残り4%は7名の民間所有です。
 但し敷地は、昔旧呉市交通局が所有していたことから、市の所有が8割、残り2割が㈱そごう・西武と民間1名の所有でした。となりますと、新庁舎として一括活用するには、土地の2割と建物の81%を呉市が購入しなければなりません。
 しかもこの再開発ビルは、平成2年の建築であり、市役所としての機能を発揮するには、部屋の区画割りを含めた大規模改修が必要となります。更に専用駐車場がなく、市営呉駅西駐車場だけでは不足しますから、新たに近隣の土地を購入して駐車場を整備する必要があり、多大な費用がかかる訳です。現実的には、近隣にそのような適地は見当たりませんので、市役所を訪問する市民に多大な迷惑をかけてしまうことが予想されます。
 加えて、これまで呉市に納入されていた借地・借家料毎年約1億円は、半永久的になくなりますし、呉市が建物を買い取れば固定資産税も入らなくなってしまい、長い目で見て大損失となるのは必定です。
 一方、新庁舎は防災拠点の機能を有しますが、大規模災害の際は、消防、警察、海上保安庁、自衛隊、交通・通信事業者、上下水道、医療機関、ボランティア団体等様々な関係者が出入りしますから、駅前は大混雑して、防災機能を発揮することができません。
 また、もしここに市庁舎が移転すれば、合築する市民ホールは移転ができませんので、別途建築することとなり、建築コストが余計にかかるのは明白です。更には中央地区商店街において、市役所職員や市役所を訪問する市民の利用が激減し、売り上げに大打撃を及ぼす可能性が大きいと考えます。
 ならば、呉市が責任を持って再開発ビルを買い取って、テナント貸しし、収益を上げればいいのではないか」という声もお聴き致します。
 ところがそうしますと、平成12年にそごう福山店が閉店した際、福山市がその敷地を寄付してもらった上で、建物を買い取り失敗したことの繰り返しになるリスクがあります。 具体的に、同市は建物を26億円で購入し、大規模改修費に7億円かけました。それで特別会計を組み、33億円の投資額を、天満屋の関連会社である丸田産業㈱ からの賃借料でペイしようと企てたのです。丸田産業㈱は大型複合施設である「福山ロッツ」と再テナント契約を締結し、平成15年にスタートさせました。
 ところが、同施設も経営が好転しなかったことで、結局丸田産業は契約満了の10年で、福山ロッツと共に退去することとなったのです。
 その後、福山市は代わりの入居者を捜しましたが、一括入居は困難で、部分貸ししかできなかったようです。空いた空間は、これまでの男女共同参画施設「イコール福山」に加えて、新たに公共施設の活用を考えざるを得ない状況に追い込まれました。公共施設は維持管理費に税金を投じますから、財政を圧迫するだけで、結局投資した33億円を完済する目処が立っておりません。
 つまり、資産運用を収益部門で行うことは民間に任せるべきであって、公共が担う分野ではないということなのです。建物を買い取って運用に失敗すれば、そのツケは結局市民に回って来ます。第三セクターとして、呉市が5億円出資した呉ポートピアランドもその悪しき例で、呉市は過去痛い目に遭っています。
 そこで呉市は、そごう呉店跡と呉市所有分を一括購入したりして、所有者が大規模改修をする場合は、その1/2を2億円を限度に補助する予算を今年度組んだのです。
 後は、主な所有者である㈱そごう・西武との民民契約に期待せざるを得ません。その場合は、呉市も喜んで地上権売却に同意することでしょう。
 また、呉駅西駐車場等の市営駐車場駐車券を1万枚以上の大口購入者に対して5割引で販売する施策は、そごう救済策として近年導入しました。呉市がそごう撤退後も、この施策を継続しているのは、大型商業施設に来て欲しいとのシグナルなのです。この二つの施策が、呉市としての目一杯の支援策であり、今後の朗報を待ちたいと切に願っています。

Facebook 2015.10.5

呉市新庁舎建設への批判的報道で市民が洗脳された!?

 本日は10回目の呉駅頭での街頭演説。テーマは呉市における新庁舎建設問題です。
 これは一昨年11月の呉市長選挙で、その建設の是非が争点となりました。現在建設工事も終盤に入り、その全貌が現庁舎の横に並んで出現するにつけ、その大きさ、豪華さに改めて批判の声も耳に致します。
 よく言われるのは、先に建設した東広島市の市庁舎です。これは呉市新庁舎と同じ、大阪市の大建設計が設計を受託致しました。にも関わらず、東広島市新庁舎は約50億円、呉市新庁舎は139億円です。東広島市の人口は19万人で、呉市より若干少ないものの、人口は呉市と違って増加傾向を辿っており、近い将来、人口が逆転すると言われています。 ここで押さえておかねばならないのは、呉市新庁舎は庁舎部分と市民ホール、駐車場棟との合築であるから、現庁舎と比べて余計大きく見えるということです。
 次に、東広島市は新庁舎完了後は、市民ホールを別途約80億円かけて建設中だということを知っておく必要があります。ということは合わせて130億円。呉市の新庁舎と市民ホールの合築とそんなに変わりません。
 しかも、東広島市は北館が比較的新しいということで、こちらは建て替え対象とはなっておらず、建設費がその分不要であることも、マスコミが報道しませんでした。
 更に当初の基本設計段階では東広島新庁舎は70億円程度だったと記憶しております。これを市長と議会が市長選のしこりで対立し、エコ対応だった新庁舎をエコ対応抜きとした上で実施設計した経緯があるようです。
 つまり、呉市新庁舎はエコ対応で、例えば窓ガラスが三重構造となっているため、夏は冷房費を、冬は暖房費を抑制できるのです。ですからイニシャルコストは高くついても、ランニングコストを低く抑え、その元は9年間で取り戻せます。その後は永続的に、安価になるという理屈です。しかも、環境に優しく地球温暖化防止にも貢献できます。
 つまり、ハコモノというのは、建設費と維持管理費をトータル比較しなければいけないということなのです。
 一方呉市は、東広島市と違って管理港湾を抱えており、海軍の影響で保健所政令市に指定されていますから、港湾と保健所職員を余計に雇用せねばなりません。ということは、その分職員が多くなる訳です。
 新庁舎には千人強の職員と委託事務員が配置され、実際他都市の新庁舎と比べても、職員一人当たりに締める床面積は平均値を下回っているのです。
 更に、すこやかセンターくれの福祉部門、つばき会館の教育委員会、港湾部署、産業部署を新庁舎に集約致しますので、それなりのスペース確保が必要となり、行政事務の集約を図ることで、市民への便益性も向上するという訳です。
 しかも、上下水道局の一部はつばき会館に、現上下水道局には消防局が、福祉会館には社会福祉協議会と福祉関連団体、市職員厚生会、選挙管理委員会が移転入居することで、行政の再配置を断行します。その中で、現消防局、社会福祉協議会が現在入居しているすこやかセンター別館、現在福祉関係団体が入居しているふれあい会館は解体して売却することが濃厚で、新庁舎建設で必要な費用を補填するために貢献させようとしています。
 すこやかセンターくれには保健所機能を残し、福祉部門が新庁舎へ移転することにより空くスペースには、医療関係団体に有償での入居を促す方針です。これも賃料として歳入となる訳です。
 ということで、歳出ばかりが目につきますが、歳入確保にも努力をしていることを知って欲しいのです。
 そして、何より重要なのは、当初は平成27年3月末までに工事を完了することで、解体費や設計費、建設費を全て含め概算150億円かかるのを、60億円で済むということだったのです。これは合併特例債を発行することで、その元利償還の7割を国が10年間かけて交付税措置することで大きな歳入となるのです。だから時間が限られているため、急いで検討を進めたことを是非知って頂きたいと思います。
 但し、その途中で合併特例法の改正があり、その有効期間が5年間延長となりました。それを見て一部保守系の議員5名が、白紙に戻し慎重に議論することを提案された経緯があります。しかしそうすれば、これまで積み上げて来たプロジェクトが水泡に帰し、人件費や調査費、設計費が数億円無駄になる訳で、これはもう突き進むよりなかった訳です。
 しかも平成25年9月に五洋建設と契約を締結しましたが、それがぎりぎりだったのです。と申しますのも、それを過ぎて契約すると、消費税増税分を支払い額に転嫁しなければならなかったのです。それを9月までに契約すれば消費増税法の特例規定により、中間払いや完成後の清算払い時に、例え消費税が8%や10%にアップしていたとしても、元の5%で済む訳です。
 私はこのことを議会での採決前に討論して指摘致しましたが、この重要な事実をマスコミは最後まで報道することはなかったのです。
 もし1ヶ月でも契約が遅れれば、当時の法律で平成27年10月から10%に増税となる予定でしたので、そうなりますと、4億円も支払い額が大きくなるところだったのです。ということで、善は急げとなった訳です。
 白紙に戻すことで数億円、契約が1ヶ月遅れることで4億円もの市民負担が増えた可能性がありました。ましてや合併後のこの期間を逃したら、市庁舎建設には国の補助金はありませんから、60億円の実質負担で済むところを150億円も負担するようになる可能性が隣り合わせだったのです。
 そもそも、何故建て替えが必要かと申しますと、現庁舎は築後51年経過しており、耐震基準を満たしてなく、震度6程度の地震で倒壊する恐れがあるのと耐震診断が出ていたのです。大規模災害から市民を守るのは行政の責務です。だから急ぐ必要があった訳です。
 市民の皆様におかれましては、先ずは様々な情報を知って頂き、総合的見地から冷静なご判断とご理解を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。 

Facebook 2015.10.16

国は「政務活動費」の使途統一基準を策定せよ!!

 本日は11回目の街頭演説。今週は公務出張が入ったため、遅れて金曜日での実施となりました。
 さて、この日のテーマは地方議員への第二の報酬と言われる「政務活動費」。
 この一部不正支出を広島地方裁判所が認定し、判決で議員に対し、36万円の返還命令を下しことが、昨日の新聞に記事掲載されました。それは、種清和夫広島市議会議員に係る当時の所属会派「自民党・保守クラブ」に交付した平成24年度政務調査費(当時、現在は政務活動費)が違法な公費支出に当たるとして、市民オンブズマンが起こした訴訟で、原告の主張の一部が認められた訳です。
 「政務活動費」と言えば、カラ出張を繰り返したとして、去る8月に在宅起訴された野々村竜太郎元兵庫県議の事件が記憶に生々しく、昨年、弁明の記者会見で泣きわめいた様がインターネットで全世界に流され、「号泣議員」と共に、その存在が一躍国民の関心の的となりました。
 今回の判決は、種清市議自身が代表取締役を務める会社の2棟の家賃と、それに附属する駐車場の地代分の合計年額108万円の内、36万円を違法支出として、その返還を求める内容です。建物2棟中1棟は倉庫での活用であることから、議員活動と無縁、残り1棟と駐車場は議員活動と密接に関係があるため、合法と判断したのです。
 私は、この判決は非常に甘いと考えます。と申しますのも、広島市議会の政務活動費交付条例に基づく規則をみても、議員の事務所は、議員活動の他に後援会活動という私的側面があるため、家賃は案分して1/2しか政務活動費としては支出しないとされているためです。それに従えば、事務所棟と駐車場の年額72万円の使用料の、少なくとも半分の36万円も合わせて返還すべきでしょう。
 そもそも呉市議会では、議員事務所の家賃や光熱費、職員人件費への政務活動費からの支出は一切認めていません。また通信費である携帯電話通話料やガソリン代は、みなしで1/3しか公費支出が認められていないのです。
 この1/3のみなし率というのは、議員活動には、政務活動という公的活動、陳情処理等の政治活動、後援会活動等の私的活動の3種類に分けられ、この内、政務活動のみに公的支出が認められるとの解釈で、過去の判例でも1/3が認められて来た経緯があるのです。その判例に基づけば、広島市の議員事務所への支出は、百歩譲っても1/2の公費支出ではなく、1/3に止めるべきなのです。
 一方、政務活動費は議員個人に交付されるものではなく、所属会派に交付されるものです。そして所属議員1人につき、自治体毎に交付額が異なります。
 この度判決が下された広島市議会は月額34万円。広島県議会は35万円、野々村竜太郎氏が在籍していた兵庫県議会は50万円です。因みに、全国トップは東京都議会の60万円です。これらに対し、呉市議会は5万円にしか過ぎません。しかも領収証は全て添付しています。私の主な使途は、定例会毎に一般質問をするための、先進都市視察旅費です。それでも十分足りています。
 では、政務活動費交付額の多い議会ではどのような使途が認められているのでしょうか?それは、広島市議会でも認められている議員事務所関係経費の他に、機関紙作成費とその配布経費、そして海外視察旅費があります。
 呉市では、後援会機関紙とその郵送料等配布経費は私的活動ですから勿論認められず、会派発行紙とその配布経費のみが認められています。海外視察旅費の支給は原則認めておりません。
 ところが、多くの議会、広島県議会もそうですが、議員発行として機関紙製作費と配布経費を全額認めているのです。つまり発行元を議員後援会ではなく議員本人にするだけで、内容は殆ど変わらなくとも、簡単にパスしてしまうのです。これは欺瞞のテクニックとも言えましょう。
 また広島市議会では、会派控え室で雇用する職員人件費は、政務活動費とは別途に支給されていることも見逃してはなりません。
 ということは、政務活動費の使途は各議会裁量で幅があるということなのです。これでは同じ支出であっても、不当支出になったりならなかったりすることになります。
 ところが、政務活動費は地方自治法で根拠付けられているのですから、使途が議会毎にまちまちであっては本来おかしいのであって、法を所掌する総務省が、使途の統一基準を明確に打ち出すべきなのです。違法支出が全国で多発する要因の一つに、総務省の怠慢があることは否定できません。
 私は、平成22年度に呉市監査委員を務めた際、この矛盾点を総務省官僚にぶつけて改善を要求しましたが、「各議会に任せている」との逃げの答弁に終始されました。これは、そうすることで全国の議会が反発し、惹いては与党への軋轢を心配してのことではないかと、疑心暗鬼にならざるを得ません。
 そこで、市民オンブズマンやマスコミが各自治体の情報公開条例に基づき、政務活動費に係る決算報告書を入手しておられますが、非常に重要な役割を担っていると考えています。

Facebook 2015.10.19

公立小中学校の少人数学級推進の背後に日教組の影!

本日は12回目の呉駅頭での街頭演説。先週は出張の関係で金曜日に実施したことで、僅か中2日での登板となりました。
 さて本日のテーマは、公立小中学校における少人数学級推進の問題点についてです。
 私達が子どもの頃は50人学級でしたが、昭和55年度から40人学級となり、4年前の民主党政権下で、小学校1年生のみ35人学級にする義務教育標準法の改正が行われました。学年定数40人を、例え一部でも35人に縮小するのは、実に31年ぶりのことでした。その際、民主党政権は、今後8年間で公立小中学校での学級編成を全て35人を基準とする「教職員定数改善計画案」を打ち出しましたが、その後自民党政権が復活し、白紙に戻されています。
 そもそも40人学級とは、1学年に40人での編成を限度とし、41人になると2学級に再編するというものです。つまり、最小20人でのクラスが出現することを意味しています。
 呉市議会では、民主党の意向を受けた会派が平成24年度から毎年度、国に少人数学級を求める意見書案を提案し、簡易な根回しを経て、本会議で可決して来ました。これに意を唱え、本会議場で反対討論を行ったのは、毎回私一人です。
去る9月定例会でも、同様の意見書案が呉市議会で可決されましたが、その主な内容は、30人以下学級の編成を求めるというものでした。
 30人以下学級とは、1学級の最大定員が30人ですから、31人になりますと、15人と16人の2学級に分割編成することになります。これでは、児童生徒の多様な個性や能力を引き出すことがより困難となります。
 具体的には15人学級の場合、男子が7名、女子が8名と仮定しますと、ソフトボールやサッカーのチーム編成すら不可能な訳です。少人数だとそれだけ能力に秀でた児童生徒の出現確率が減少しますし、互いに切磋琢磨して能力を向上させる刺激が減退し、マンネリ化傾向に繋がりかねません。
 呉市が平成17年度から小規模校を統合して来たのは、とりもなおさず、少人数では多様な個性や能力を引き出し難いことや、社会的コミュニケーションを図るための訓練も困難となるという理由からでした。つまり、少人数学級推進は小中学校統合計画とも矛盾する施策なのです。
一方、少子高齢化で医療や介護、年金等、高齢者福祉に係る費用が増え続ける中、児童生徒への予算を拡充することは、財政難の国としてはおかしい訳です。
 財務省は昨年10月、小学校1年生を35人学級にした平成24年度と25年度の文科省データを分析した結果、同学年においていじめや暴力件数は増加し、不登校は微減であったことから、少人数学級の効果が認められなかったと結論付けました。それを受け今年6月、財政制度等審議会は、小学校1年生を元の40人学級に戻すことで、全国4千人の教員が減員され、浮いた86億円を、効果が見込める別の施策へ回すことができる、と主張したのです。
また、一昨年慶応義塾大学が、全国学力・学習状況調査等での学校別平均データを基に分析を行ったところ、少なくとも調査対象の小学6年生と中学3年生の算数・数学において、少人数学級の効果を見出し得なかったということです。
 ここで、何故民主党の流れを汲む呉市議会の会派が、毎年度少人数学級推進の意見書を提案するかというと、民主党の選挙母体に日教組があることに気付く必要があります。日教組は少子化の波で教員の人数が減らされることを最も危惧しており、それを防ぐ手段として最も効果的なことが、少人数学級の推進なのです。
 広島県を初めとする全国の県において、実は小学校2年生も法的根拠なきまま、35人学級で教諭加配をしているのです。義務教育費国庫負担の割合は現在1/3ですが、小学校2年生に限り、40人学級から増加した教員の人件費は、国庫負担のなきまま県が予算化しているのです。公立小中学校教諭の人件費は原則県負担であるため、呉市立小学校の2年生も35人学級で編成されています。
 教育の向上は、教員人件費を含むハードに予算を傾注することよりも、教員の資質向上や道徳教育の教科化等、ソフトを優先すべきと私は考えます。選挙向け対策で政治が動けば、正に本末転倒と言えましょう。

Facebook 2015.10.27

自然農法の普及と生ごみリサイクル野菜での環境教育を!

本日は13回目の呉駅頭での街頭演説。相棒の事情から月曜日を繰り下げて火曜日の実施となりました。
 さて、テーマは自然農法についてです。
 TPP(環太平洋連携協定)加盟12ヶ国が先般合意決着したことを受けて、我が国の農業は攻めへの転換が求められています。
 世界で初めて無肥料無農薬でのリンゴ作りに成功した青森県の木村秋則氏のリンゴは契約直販で、常人には入手困難といいます。化学物質過敏症で苦しむ方も、このリンゴとの出会いで救われています。彼は全財産を注ぎ込み、周囲から変人扱いされつつも、17年もかけてようやくそのリンゴの開発に成功しました。その時のキーワードは、雑草は害ではなかったことの大発見です。
 農家講演者として高名な赤峰勝人氏も同じ事を説いておられます。現実は雑草が野菜の栄養分を奪い取ると思い、除草剤を撒いたりしています。雑草は枯れて、作物の栄養素となって土に帰ることを知るべきです。
 また、虫が食った葉野菜は市場が引き取ってくれないため、農家は一定基準内での農薬を散布致します。これは少なからず人体に影響を及ぼすはずです。だから一部の方は、無農薬無化学肥料で作った有機栽培作物を入手していますが、虫が食った後があっても甘受されています。寧ろ虫が食うのは無農薬の証しであると豪語されているのが現状です。
 ところが、この虫が食う野菜は、栄養素が中途半端であって、真に栄養価の高い野菜には虫がつかないことを発見したのが、長崎県環境アドバイザーの吉田俊道氏です。これは発想の転換とも言うべき、世紀の大発見と言えましょう。
 彼は、このことの実証実験を保育園児や小学生に実施させ、それで収穫した野菜を自園調理等に活用する、独自の栄養学を普及しておられます。具体的には家庭から排出される生ごみを細かく砕いた上で菜園の土に混ぜ合わせ、約1ヶ月かけて発酵させます。その微生物豊かな土壌で栽培した野菜は、市販野菜と比べてなかなか腐らないといいます。
 そしてもう一つのキーワードとして、その野菜には殆ど虫がつかないのです。つまり真に豊かな土壌で栽培した栄養価の高い野菜には虫(むし)が無視(むし)するという訳です。これはいずれ学会に発表される予定だそうです。
 この元気野菜を食べた園児らは風邪にかかり難くなったり、インフルエンザにかかってもすぐ回復するという実例もあります。
 私は3年前に、このことを呉市でモデル事業として取り組むべきと、呉市議会一般質問で訴えました。その結果、安浦中央保育所で現在も実践を続けています。一昨年は、呉第一保育園で市内私立保育園では初めて吉田俊道氏を迎えての体験会がありました。そして今年度にはいり、念願の呉市立小学校としては初となる広南小学校での総合的な学習で採用されました。これを更に拡げていくべきと訴え続けています。
 更に、2年前の一般質問では、生ごみをリサイクルせずに同様の効果を生む吉田式農法を、郷原にある呉市農業振興センターで実証実験をして、農家の栽培手法に寄与するよう提案致しました。但し、残念ながら市長は受け入れませんでした。
 今後も、自然農法の普及・啓発と保育・教育現場での生ごみリサイクル元気野菜作りの実践普及を訴え続けて参る所存です。

Facebook 2015.11.5

形骸化した教育委員会からの脱却こそが
教育改革の第一歩!

 本日は14回目の呉駅頭での街頭演説。クールビズを終え、ネクタイ着用での初登板となりました。
 さて、この日のテーマは教育委員会の組織の在り方についてです。
 自治体における教育行政は、地方教育行政法を根拠として教育委員会が担うこととしており、これは事務方を統括する5名の教育委員による合議体とされています。従いまして最高議決決定機関は5名の教育委員会議となり、毎月定例的に開催されています。
これは首長と一線を画した独立した行政機関として位置付けられ、政治勢力の介入を防ぐ意味があります。
 その5名の教育委員は首長が推薦し、それを議会が議決同意することにより選任されます。議会は、余程の理由がない限り不同意しませんので、首長の意向を汲んだ方しか実際は選任されません。ここがこの法律の趣旨と実態が乖離している部分です。
 同法によると、教育委員会議の意思決定は多数決としており、反賛が2名ずつで割れた場合は教育委員長(本年度施行の改正法では教育長)の評決で決するとされています。ところが過去呉市は、全て全会一致で波風を立てることなく議決しています。これは全国も同様の傾向と推察されます。
 即ち、教育長を中心とする事務方の案を全て教育委員会議が承認して来たことを意味し、教育長は首長の懐刀とも言えますので、市長の意向が教育委員会議の決定とイコールに事実上なって来た訳です。
 具体的には、平成17年度試行の遠距離等通学費助成制度の創設が挙げられます。これは当時市長のトップダウンと言われた施策です。近年では、校庭の芝生化、中学校デリバリー給食の導入、全普通教室への空調設備設置があります。校庭の芝生化はご承知の様に挫折致しました。
 これら重要な教育施策に係る種々の問題点が、会議において殆ど論戦されておりません。議事録を精査すれば明かです。また、中学や高校の教科書選定は議会が一切関与できる部分ではありませんが、問題になっている歴史教科書においても、あまり議論はされていませんでした。
 もし、会議の場で異なった意見を述べますと、任期満了後市長が再度推薦されないことは目に見えていますので、言えない空気があると言われても否定できないでしょう。つまり、これが地方教育行政法の大きな問題点なのです。
 しかも、本年度から施行された改正地方教育行政法では、教育の方針策定等は、首長が招集する総合教育会議において決定されることとなり、首長権限が拡大されました。これでは首長が代われば、教育方針が転換される恐れも出て来た訳です。
 一方私は、3年前の呉市議会一般質問で、この問題を採り上げました。その際、教育委員会ホームページに教育長挨拶が写真入りで掲載されていますが、法では教育委員長が教育委員会代表とされているのでおかしい、と指摘しました。これは、非常勤である教育委員長がお飾り的存在であって、実質は常勤の教育長が最高権限者であることを自ら露呈していることになります。しかし、教育委員会はこれを是正しようとはしませんでした。この問題点を、教育委員会議の場で議題に採り上げることも全くありませんでした。
 実際一般質問に対して、教育行政における最終的な責任ある答弁者は教育委員長ではなく教育長です。これは法の矛盾であった訳です。結局昨年6月の法改正で、教育委員長が廃止され、常勤の教育長が教育委員会の代表とされたことから、この矛盾は自然解消された格好です。
http://www.city.kure.hiroshima.jp/~gakukyou/02-aisatsu2709.html
 更に、法では教育委員会議は公開するとなっているにも関わらず、その場の傍聴案内が教育委員会ホームページではされていませんでした。つまり、事実上の密室会議であった訳です。それを私が糺したことにより、教育委員会議の傍聴案内がホームページに掲載されるようになりました。
 それから私は、会議の議事録をホームページ上で公開するべきとも訴えました。これについては検討するとの答弁はありましたが、改革はなされないままの状態が続いていたのです。
 そのような中で、本年度施行の改正地方教育行政法では、新設の首長が招集する総合教育会議と併せ、教育委員会議事録公開の努力義務規定が盛り込まれました。
 そこでようやく谷本提案が、去る7月の教育委員会議で結実し、今年4月に遡って、会議録がホームページ上で公開されるようになったのです。
http://www.city.kure.hiroshima.jp/~gakukyou/33kyouikukaigi2711.html
 議事録のホームページ上での公開は、委員間の議論を活性化させるという点において、議会会議録のホームページ掲載と同様、重要な意義を持っています。
 私は、真の教育改革は、首長と独立した機関である教育委員会において、委員間議論を戦わせることこそが最重要であり、その第一歩である、と今後も訴え続けて参る所存です。

Facebook 2015.11.9

もっと市民に開かれた呉市議会の実現を!!

 本日は15回目の定期街頭演説。テーマは呉市議会における改革です。
 私が20年前に呉市議会議員に初当選した当時の民生交通委員会において、焼山に建設中の労災ケアセンター「ケアプラザ呉」に関する行政報告がありました。工事車両に関し、南ハイツ内道路を通行させることが児童生徒の通学の安全を脅かし、騒音や粉塵の公害に繋がるとして、当時、地元住民による反対運動が巻き起こりました。その住民達が議会にお越しになられ、委員会を傍聴させて欲しい旨の申請が出され、委員長がその可否をその場で委員に問い採決をはかったところ、私と共産党の委員を除き、他の委員は傍聴に反対を表明しました。
 反対の理由は、「関係者が傍聴することによって、委員の発言が抑制される」というものでした。私は「議事録は公開されているので、傍聴は当然であって、発言抑制には繋がらない」と主張しましたが、通りませんでした。しかも、本会議は傍聴席を最初から確保しており、これとの矛盾も生じます。これが、当時の市民に閉ざされた議会の実態だったのです。
 現在は、委員会において原則傍聴は可能となっていますが、予算特別委員会は例外となって、傍聴は未だできません。これは議員全員で委員構成するため、委員会室が狭く、傍聴席が確保できないとの理由によりますが、どうせ傍聴する市民は少なく、例え数席であっても設置は可能というのが私の意見ですが、過去通りませんでした。
 但し、来年1月から呉市議会も新庁舎に移り、委員会室のスペースも十分確保されているので、予算委員会の傍聴も解禁される可能性は高まってはいます。
 一方、5年前に議会基本条例を議員自らの手で成立させました。この第2条「議会の活動原則」では第2項に「公正・透明・信頼の開かれた議会を目指す」、第4項には「市民の多様な意見を市政に反映」と記述されています。
 そこで、5年前から本会議と予算特別委員会、議会協議会という議員全員参加の会議のみインターネットでライブ中継と録画中継を実施するようになりました。これはスマートフォンでは議事録はアップされますが、動画はアップされてなく、パソコン上でなら視聴が可能です。
 私は導入当時、議員の一部で構成する常任委員会や特別委員会もインターネット中継すべきと訴えましたが、これも少数意見に止まりました。現在、私が委員を務める議会運営委員会では、これも検討テーマに上っていますが、まだ導入が決まっておりません。
 本会議は予め答弁調整が行われ、シナリオが決まっていて、傍聴者には面白くないかも知れませんが、委員会はどんな質問が飛び出すか分からず、聴く側にとっては面白いと思います。
 委員会のインターネット中継解禁こそが、IT情報化社会における「開かれた議会」と言えましょう。
 また、インターネットで視聴できない方には、市政だよりでの広報が重要です。現在3ヶ月に1度、市政便りで本会議一般質問の主な内容を質疑した議員毎に掲載されています。 ところが、これには質問議員の名前がなく、会派名のみに止まっています。これでは自分が一票を投じた議員がどのような発言をしているのか、確認することが困難で、これこそ、極めつきの「閉ざされた議会」と言われても仕方ないでしょう。他都市では発言者の氏名や顔写真まで掲載しているところが大勢となりつつあります。
更に呉市議会では、開かれた議会の一環として、5年前から議会自ら地域に出掛けて行って、市民との直接対話する「議会報告会」を実施して来ました。今年度も既に実施中ですが、4つの常任委員会毎に4箇所ずつ、計16箇所の地域を回っています。
 但し、自治会長を中心としてほんの一握りの市民しか参加されてなく、是非とも誘い合わせてご参加頂きたいものです。
 市民の皆様も、議会に更なるご関心をお持ち頂き、叱咤激励を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
 議会基本条例第28条には「議会改革」を謳っており、ここでも「市民に開かれた議会の実現のため継続して議会改革に取り組む」と記述されています。今年4月の市議会議員選挙で、新人議員が7名も当選され、新しい血で議会改革が進むことを期待しています。

Facebook 2015.11.19

安易な受診、抗生物質の使い過ぎが
自然治癒力減退の要因!!

本日は16回目の呉駅頭での定期街頭演説。テーマは乳幼児等医療費無料化についてです。
 昨日、NHK報道番組「クローズアップ現代」において、耐性菌の出現により、抗生物質が効かなくなるどころか、却って症状を悪化させている場合があると、警告していました。
 種々の病気の要因は、細菌で体内が侵されることが多いのですが、それに対抗する細菌、いわゆる抗生物質を体内に投与することで、退治して来ました。ところがこの度が過ぎると、人間が本来持っている自然治癒力の減退に繋がり、抵抗力も薄れ、病気にかかり易くなります。そうするとまた医者通いとなって、悪循環となる訳です。
 それに加え、抗生物質でも死滅しない菌が突然変異等で出現します。これが耐性菌と呼ばれる存在です。そうなりますと新たに抗生物質を開発する必要があり、薬剤としての認可取り消しも含み、自然界と医学の競争激化になる訳です。近年は抗生物質の決定版と言われるカルバペネムが使用されていますが、それが全く効かない耐性菌であるCREが出現し、これに感染すると、医療現場でも施しようがないということでした。
 結局、番組での結論として、抗生物質の使い過ぎが耐性菌を助長し、却ってCRE感染を招いた自業自得の可能性について触れられました。
これは西洋医学に頼る現代医学や、医師信仰である私達に対し、健康管理について大きな警鐘を鳴らしました。
 一方、子供が風邪をひくと親はすぐに医療機関で受診させます。風邪やインフルエンザは細菌(自己細胞を持つ微生物)によってかかるのではなく、ウイルス(自己細胞を持たない微生物)によって発症するため、本来抗生物質(狭義)の注射を打つのは勝手が違うそうです。
 ところが医療現場では、差し当たって熱を下げないと診療行為の信頼を得られないため、抗生物質を投与しているのが実情です。これでは自然治癒力を減退させ、身体の抵抗力が弱まり、風邪をひき易い体質に変質してしまうのです。ここが大きな問題です。
 私達の幼少時は風邪の場合、学校を休んだ上で、安静にして寝て自然治癒していました。熱が出たり、鼻水が出るのは、体内の自然治癒力が機能して、毒素を体外に放出している証拠なのです。つまり、毒素を排出することで、自然治癒する訳なのです。そこへ抗生物質を投与するという医療行為そのものを見直す必要があるのではないでしょうか?
 国は、医療保険制度で自己負担を押さえ医療を受けるシステムを確立しています。ところが、各県毎に独自の乳幼児等医療費助成制度を創設して、保険診療より安価で受診できるように誘導しており、その医療費の穴埋めは県と市町村が折半で税金により補填しています。但し所得制限はあります。
 広島県の場合、未就学児(0才~6才)を対象に入通院に対して助成。入院は一月に14日迄は1日500円の自己負担、それを超えると無料となります。通院は一月に4日までは、1回の受診で500円の自己負担。それを超えると無料となります。
 ところが呉市の場合、入院に限って小学生までを助成対象に拡大しており、その医療費の穴埋めは、呉市民の血税で全てを当てています。
 これを更に小学生の通院にも拡大して欲しいとの要望が、子育て真っ最中の母親からよく耳に致します。またある市長選では、候補者が中学生の入通院まで制度を拡大するとマニフェストに掲げ、これに子育て世代の支持が集まり、当選されたケースもあるようです。
 しかしこの制度が、逆に風邪のようなウイルス性で安易に受診すること、これを「コンビニ受診」と呼んだりしますが、増加する傾向になり、ひいては医療費の膨張にも一役買っているのです。医師も、風邪であれば抗生物質を投与せずに処方することも可能ですが、医療点数確保もあり、親も早く熱を下げて楽にさせてやりたい一心ですから、結局は注射を打つこととなります。
 従いまして、医師や私達も「コンビニ受診」についてよくよく考える必要があります。
 そこで、ウイルスや細菌での感染を抑制する手段として、適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事が挙げられています。しかし、意外にもこの様な健康管理が現代では医療に頼り過ぎるため、軽視されがちです。これがなされないと、免疫力が落ち、癌細胞を誘発する可能性が高まるとさえ言われているのです。
 ここから根本的に変革することが必要です。少子高齢化から脱却するため、子育て環境整備の一つとして乳幼児等医療費無料化を促進すべしという動きがありますが、木を見て森を見ない施策であると、私は訴え続けています。 

Facebook 2015.11.24

徒歩通学のチャンスを奪う学校統合は、
体力向上の教育的視点が欠落!!

 本日は、17回目の呉駅頭での街頭演説。テーマは呉市立学校統合と通学区域の在り方についてです。
 
 先日、呉市教育委員会の諮問機関である小中学校通学区域審議会が開催され、私も委員として出席し、辛口の意見を述べました。その議案は、去る9月の市議会定例会で小中学校設置条例改正案が議決され、3箇所において小学校統合が来年度からなされることを受けて、同校関連の通学区域見直し案が教育委員会事務局から諮問されたものです。
 議会での議決は最終決定ですから、統合成立を受けての通学区域見直しは出来レースになってしまいます。本来、先に通学区域の見直しを諮問機関で審議し、答申を教育委員会に提出、それを受けて教育委員会が条例改正案を作成した上で、議会に諮るのが筋と言えましょう。そうでないと、有識者での審議が拘束されて、選択肢が極端に狭まってしまうからです。
 さて、問題は小規模校である落走小学校を吉浦小学校に吸収統合させることです。
 当初、平成16年3月に策定された呉市立学校統合基本方針において、落走小学校は天応小学校に統合することになっていました。その時は議員全員参加の議会協議会において、承認された経緯があります。
 ところが平成18年2月に同方針改定の際、落走小学校は吉浦小学校に統合されることになり、その時に異議を唱えたのは私一人でした。
 基本方針は、小学校の場合1学年2学級以上を適正規模校と定義しています。つまり、それに満たない1学年1学級、若しくは複式学級は小規模校という訳です。小規模校では、児童の多様な個性を引き出し難く、学級間の切磋琢磨が働かないことで、統合対象に位置付けたのです。
 落走小学校と天応小学校は小規模校、吉浦小学校は適正規模校ですから、小規模校解消という本来目的に照らし合わせれば、落走小学校は天応小学校と統合するべきです。
 確かに基本方針には、「小学校同士の統合は、同じ中学校区内での統合を原則とする」とありますから、同じ吉浦中学校区内にある落走小学校と吉浦小学校を統合すべきという理屈は成り立ちはしますが、それはあくまで原則論であって、当初の基本方針策定時では、小規模校同士の統合を優先させた経緯があるのです。
 一方、落走小学校が吉浦小学校に吸収統合されれば、公共交通での通学となります。具体的には、クレアラインより山側の児童はスクールバスでクレアライン側道を通っての通学、海側の児童は路線バスで国道31号線を通って吉浦駅前で下車して学校まで歩くこととなります。
 遠距離等通学費補助制度は、町名単位で線引きをしていますので、恐らくクレアラインより海側でも同じ町名の場合、スクールバスになることも十分あり得る訳で、不公平感が吹き出し、混乱が予想されます。
 実は、落走小学校が天応小学校と統合し、天応小学校を活用校とすれば、徒歩通学となるのは必定です。呉市は遠距離等通学の場合で公共交通を利用すれば、その係る定期代を全額負担しています。しかもそれに関する内規には、「通学方法は徒歩が原則」、「体力向上の観点からは通学徒歩が望ましい。通学徒歩が可能な者にバス通学等を奨励するものではない」とまで明記されているのです。
 通学徒歩可能な統合対象校が隣接するにも関わらず、内規の趣旨を無視して、敢えてバス通学を必要とする隣接校との統合、且つ通学区域に変更は間違っています。合わせて無駄な税金支出にもなる訳です。
 呉市は去る8月、日本体育大学と健康増進とスポーツ振興を目指して、提携を締結しました。5年後の東京五輪を目指して、呉市から選手を輩出できればとの思いもありましょう。
 しかし体力向上を全く考えない通学審議会、教育委員会議、教育委員会執行部の背後には、市長の教育への甘い考え方がちらつき、甚だ浅はかだと言わざるを得ません。
 合併前の吉浦村と天応村、現在では吉浦行政区と天応行政区となっているから、その区割りでなければ、地域が子どもを育てられないというのは、あくまで大人の論理であって、子どもへの教育的視点が欠落しています。
 その結果、残念ながら天応小学校の小規模状態解消は置き去りにされてしまい、新たな課題として残されてしまったのです。今回の統合は天応小学校にとっても最後のチャンスでしたので、宿題を残さないためにも、落走小学校は天応小学校と統合すべきだったのです。これは必ずや、歴史が証明することになるでしょう。

Facebook 2015.11.30

公共下水道と集落排水事業は国の縦割り行政が弊害!

 本日は18回目の呉駅頭街頭演説。この日は呉市保健所のキャンペーン活動とぶつかりました。
 さてこの日テーマは、公共下水道と集落排水についてです。
 集落排水事業は国土交通省が所管する公共下水道事業と違って、農林水産省所管の補助事業です。農業集落や漁業集落という集落単位で生活汚水を終末処理施設に集約し、そこで浄化した上で海に流します。単位が集落というだけで、公共下水道と中身は全く変わりません。
 呉市音戸町は合併直前から公共下水道事業(特定環境保全公共下水道事業)の承認を受け、音戸北部区域と南部区域とに計画区域を分け、合併町の中では遅れて事業着手し、現在各地で管路の布設工事を進めています。
 具体的には、平成23年度に音戸町渡子の埋立地に音戸北部浄化センターを建設完成し、渡子を初めとする地域の汚水処理を行って来ました。
 一方、渡子地区の隣に位置する田原地区では、平成17年度に漁業集落排水事業の承認を受け、18年度から事業を進めましたが、終末処理施設建設用地の買収に失敗し、平成21年度に事業が頓挫したままの状態になっていました。
 私は以前から、田原から僅か2キロメートルの所に音戸北部浄化センターがあるのだから、集落排水事業に拘らず、公共下水道事業に組み入れ一本化すべき、と主張して来た経緯があります。その方が終末処理施設を新設する必要がなく、施設建設費に加え、人件費を含めたその管理コストが節約できるためです。
 ところが、それができない理由として、渡子地区と田原地区は別々の事業計画だったため、既に渡子では管路をかなり布設していますが、その管路に田原地区からのも受け入れると容量をオーバーするというのです。よって新たにもう一本幹線管路を布設し、且つ途中でポンプ所を複数箇所設置する必要があります。私は例えそうであったとしても、長い目で見れば浄化センターの運営費が省略できるため財政的にも有利なはず、と訴えて来ました。
 ところが先般の呉市議会での行政報告で、公共下水道への切り替えに難色を示して来た真の理由が判明したのです。
 実は、田原地区漁業集落排水事業は、既に1億7,700万円の資本投下をしていたのです。この内容を私が糺すと、同地区内の一部に対し、既に枝線管路を布設したということです。
 これは、終末処理施設用地の確保が未確定のまま、勇み足で枝線管路を建設したことになります。推察するに、用地交渉はそれまで順調だったこと、農水省の事業補助枠に余裕があったこと等が考えられます。
 しかし、その後用地(ようち)交渉は決裂致しました。交渉決着の契約書に判をついて、初めて管路布設を着手するべきで、この考えは甚だ幼稚(ようち)と言わざるを得ません。
つまり、集落排水事業を公共下水道事業に計画転換することは可能だったとしても、それでは6,700万円の国庫補助金を、補助金適正化法に基づき返還しなければなりません。このことを当局は議会に明らかにして来なかった訳です。
 結局このような事態に至ったのは、呉市の勇み足もさることながら、国の縦割り行政の弊害があった訳です。公共下水道は国土交通省の補助率1/2、集落排水事業は農林水産省の補助率1/2で一見同じようですが、前者は幹線管路のみが補助対象に比べ、後者は枝線管路(但し2軒以上が連単している区間)も補助対象であるため、管路布設では漁業集落排水事業が有利になることも、私の質問で判明致しました。
そういう中で平成25年度に、国交省と農水省が連携して、二つの事業における汚水処理施設の集約化と効率化が図れる方針を立てました。環境省を含めての3省合意が成されたのです。このことで、田原地区の漁業集落排水事業の終末処理施設を建設せず、隣接する渡子にある音戸北部浄化センターに管路を接続することが可能になったのです。
 しかも、建設時期が大幅ずれ込んだことで、その間田原地区の人口激減や田原小学校廃校により、計画水量が当初計画から640人減り770人となります。このことにより、田原地区から音戸北部浄化センターへ向けて、1.3キロメートルまでは幹線管路を布設する必要がありますが、その後は既設の渡子地区の公共下水道の幹線管路を代用できることになります。加えて、汚水の自然流下を促す途中の汲み上げポンプ所は9箇所から3箇所に減らすことができるそうです。
 呉市は現在、ハコモノを集約し、新たにハコモノはできるだけ建設しない大方針を掲げて公共施設再配置計画を推進しています。結果的にその方針にも合致することになりました。
 ただ、国が縦割り行政のまま、省庁間の施策を各々勝手に進めていた場合、呉市としては大変困った状況に陥る可能性を秘めていたのは確かです。そのことで田原地区住民に迷惑がかかってしまうことになり、その悪影響を最小限に抑えることができたのは、不幸中の幸いでした。
 因みに、今後のスケジュールは今年度新事業計画の承認を受け、28年度実施設計、29年度管路布設工事再開となります。そうなりますと、34年度一部供用開始、35年度整備工事完了、36年度田原全域での供用開始と予想されています。

Facebook 2015.12.7

「自然共生」の原点は福島原発事故!!

昨日は19回目の呉駅頭街頭演説。この日は「自然共生」と書かれた幟を2基立て掛け、私自身が「自然共生」と書かれた幟を身につけ、大々的にPRするお披露目となりました。
 そこでこの日は、私が「自然共生」を政治スローガンに掲げるようになったいきさつや趣旨について説明しました。
 私は呉市議会議員に立つ前は、自民党国会議員の秘書を務めておりましたので、20年前の初当選後は保守系会派に所属しておりました。従いまして、国策である原発は推進派でした。ところが平成23年3月11日の東日本大震災を受けた福島第一原発の被災を見るにつけ、それが間違っていたことに気付いたのです。
 先ずこの事故は1986年のチェルノブイリ原発事故と同じレベル7と位置付けられました。ですから、当然首都圏一円も放射能をまき散らし人が住めないようになる可能性を秘めていました。ところが、不幸中の幸いでそこまでに至らなかったのは、偏西風のお陰で放射能が太平洋へ逃げたことが最大要因です。つまり、一歩間違えば国の首都機能壊滅と隣り合わせだったことになります。
 小泉元首相も原発廃止に方向転換されたのは、原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分地が存在しないことが最大要因と言われています。社民党がよく例えに使われる「トイレのマンション」と同じことです。
 それをどこの自治体も候補地として名乗りを挙げないため、政府主導で適地を捜すことに方針を変えましたが、地元自治体の反発が予想され、決まらないと思います。何せ世界全体を見回しても、先日スウェーデンは世界初の処分地候補を決定したばかりで、未だ存在していないのが実情です。
 ましてや半減期が30万年となりますと、幾ら地中深く埋めてのその間地殻変動が起こって、地表に出現しないとも限りません。それは誰も保証できないのです。つまり、現政治家は誰も責任を持とうとしていないのです。
 勿論、燃焼後のプルトニウムは核爆弾製造が可能ですから、核無き社会建設にも水を指すことになります。核燃料サイクルである、プルトニウム再利用のプルサーマル発電も僅かしか進んでおらず、ましてや六ヶ所村の再処理工場は未だ可動しておりません。加えて、高速増殖炉もんじゅも、以前ナトリウム漏れ事故を起こし、管理がずさんなことが判明し、稼働停止状態が続いたままです。
 一方、地球温暖化を阻止するには、二酸化炭素を排出しない原発が適切であるとの議論があります。太陽光発電は天候の関係で安定した電源になりませんし、蓄電が困難なことが上げられます。
 ところが原発は非常にエネルギー効率が悪く、蓄電機能を持たせるために揚水発電とセットになっています。これは化石燃料で発電し稼働させているといいます。ということは、原発においても二酸化炭素を排出していることになり、これを政府は隠しています。
 おまけに、原発から排出されるのは80度の高温水です。これをどこも海中に排出している問題が表面化することも報道で抑制されている向きがあります。海水温度が極端に上昇するのですから、海中の生態系を破壊し、これも温暖化に一役買っている可能性も否定できません。
 しかも原発はコストが安価であると言われますが、揚水発電に係るコストや原発事故後の対応費用は、他のエネルギーとのコスト比較で含めていないのです。
 また、省エネをしないといけないと政府は宣伝しております。福島第一原発事故後は当時54基あった全国の原発を全てストップさせました。その上で、各電力会社にその年の夏を乗り切る期間、即ち7月から9月までの2ヶ月間に省エネ目標を立てさせました。
 ところが、原発稼働ゼロで、夏場の電力が足りたのなると、原発不要論が台頭するため、その年は、無理矢理大飯原発を再稼働させたのです。結局各電力会社による融通が可能なこともあって、原発ゼロでも電気が足りたことがその後の検証で判明しました。それを政府は積極的公表をしなかったばかりか、寧ろそれを隠蔽しているのです。
 更に、一般人よりも企業の電力消費量が7~8割と圧倒的に多いことから、省エネは企業に向けるべきなのです。実は電気が蓄電できないことから、年間を通じて最も国民が電力を使用する需要に合わせて供給電力を設定しています。ところが、夏場の平日の昼間僅か2時間、それも僅か10日間だけが突出して電力需要が高いのです。それを平坦にすれば、原発は他の他の電力会社からの融通を待つまでも即不要となります。
 家庭への電気代は使用料が増すと電気単価が高く設定されています。企業はその逆なのです。ですから、その企業活動が活発な夏場の僅かな期間だけ、企業に不利な電気代システムを導入すれば、企業はワークシェアリングを実施して企業活動の分散を図ることになりますので、省エネは一気に進むという訳なのです。
 原発は地震大国である我が国だけの問題ではありません。一旦大事故になると、放射能を全世界に放出するからです。その大事故を経験した我が国の首相が、原発建設に絡む企業を引き連れて、原発の技術輸出を売り込みに海外セールスに訪問することは、正にエコノミックアニマルです。
 未だ仮設住宅で苦しんでおられる方々がおられ、口では「早期の復旧に努めるのが私の使命だ」と豪語されながら、方や原発の売り込み。これでは二枚舌を巧みに駆使していると言われても仕方ありません。
 私は4年近く前に、会派を飛び出し、呉市議会内で「自然共生党」を旗揚げしました。2年前は、議会に提出された伊方原発再稼働反対請願に賛成票を投じました。原発反対は左翼の専権事項と言われた時代はもう過ぎ去りました。彼らもそれなりの使命を帯びて活動して来られましたし、それには敬意を表さなければなりません。それが福島第一原発事故で証明されたのです。
 私は、右でもなく左でもない、右と左のよき部分を発展昇華させた思想、即ち「自然共生」を掲げて、今後も世の中の改革を目指し奮闘して参る決意です。

Facebook 2015.12.15

消防団員報酬や民生委員報償費は個人毎に支払うべき!

 昨日は20回目の呉駅頭街頭演説。テーマは、消防団員報酬や民生委員報償費の在り方についてです。
NHK朝ドラ「あさが来た」において、北九州の炭坑での出来事。坑夫への給金支払いを納屋頭が取りまとめてピンハネしている実態があり、皆それに甘んじていました。それを直接経営者から坑夫へ支払うと共に、石炭を掘り出す実績に応じて、報酬加算をする改革をあさが提案します。当然既得権益を享受していた納屋頭は大反発。坑夫は内心歓迎しつつも、納屋頭に盾突くことができない状態が続きます。古い慣習を打破するには、勇気と大きなエネルギーが必要とされたのです。
 これに似ているのが、消防団員報酬の呉市消防局からの支払い方法です。消防団員は特別職地方公務員ですから、通常は報酬支払いは直接行うことになっていますが、労働基準法による労働とはみなされないため、直接支払わなくても違法とはなりません。
 呉市の場合は、消防局から消防分団長の口座に団員全ての報酬をまとめて振り込んでいます。この方は振り込みに係る事務が簡易で済み、消防局としては助かる訳です。各消防分団によって多少やり方は異なりますが、分団長から分団員に団員毎の報酬を分配しているところはあまりありません。寧ろ、全分団員の報酬を一括管理しているところが殆どです。
 分団内での打ち上げ懇親会や親睦旅行に使われたりしています。これでは親睦旅行に行けない団員や、お酒を飲めない団員にとって、極めて不利になるのは自明の理です。
 また、消防団報酬は二重構造になっています。即ち、階級に応じた固定報酬部分と、火事や訓練での出動旅費(費用弁償)の流動報酬部分です。サラリーマンの団員ではおのずと出動回数は少なくなりますから、出動旅費はその分少なくなります。しかし、これら全てが自身の報酬に跳ね返って来ませんので、出動回数の多い団員から見れば不公平となります。
 このような支払い方法に対し、一応各分団員に同意を取り付け判をついてもらってはいますが、個人情報に関しては同意書がありませんでした。階級によって異なる固定報酬は問題ないかもしれませんが、出動回数によって異なる出動旅費は、明らかに個人情報に該当致します。分団長宛の支払い明細書には、当然団員毎の階級報酬に加え、出場回数が記載されているからです。つまり、呉市個人情報保護条例に違反する可能性を秘めています。 これは私が、去る9月の決算委員会で指摘したところです。今後善処することになろうかと思います。
 ところで、広島県内を調査したところ、分団員個人口座に報酬を振り込んでいる自治体消防局は4団体ありました。即ち広島市、廿日市市、三次市、海田町です。「消防団員はボランティア意識で加入しているのだから、個人毎に報酬を振り込む必要はない。寧ろ団員の結束を図ることが大事である」との声もありましょうが、団員活動が家計を支える糧になる場合もあり得る訳ですから、個々の本音と全体の建て前は違って来るはずです。
 しかし、現場の坑夫と同様、そのような改革を口にしようものなら、仲間外れにされることは往々にしてあり得ます。つまり全体の空気を読んで、それを言える団員は稀少だと思いますし、この手法が気に入らないなら、当初から団員志望しない訳です。
 ただ、勇気を出して改革を進言し、出動旅費だけは各団員に分配することを勝ち取られた分団もあるそうです。
 一方、民生委員の報償費も全く同様の構図となっています。
 民生委員は消防団員とは異なり、民生委員法でボランティアと位置付けられています。従って報酬ではなく、活動に係る経費を補償する実費弁償的な性格の報償費が支払われることになります。報酬ではありませんから、源泉徴収はされません。
 具体的には委員1人当たり年額79,800円です。ところが、市内28地区毎に設立されている地区民生委員児童委員連絡協議会(地区民児協)毎の口座に一括して振り込まれます。これも各地区民児協で多少やり方は異なるにしても、一括管理しています。
 加えて呉市民児協には、要介護3以上や重度心身障害者を対象に、地域を巡回する要介護者等見守り支援事業を呉市が委託しており、この委託料も28地区に分割して地区民児協に振り込まれます。地域で巡回訪問されるのは末端の民生委員でして、委託料はその費用弁償的性格が濃い訳ですが、これも民生委員の手元には支払われていません。もし支払われれば、1人当たり年間18,000円となります。
 それら一括管理された報償費や委託料は、呉市社会福祉協議会等福祉関係団体への寄附、研修費用、呉市職員歓送迎会の費用に活用されます。大体呉市社会福祉協議会へは各自治会からの上納会費や団体・個人からの寄附、そして呉市からの補助金、委託料があり、民生委員の報償費を原資に、それが寄附に回るのは本来の姿とは決して言えません。
 これらの活用方法の結果、年度末残高を配当のような格好で、民生委員に分配している地区民児協もあり、その額は地区によって差があります。
 「民生委員のなり手がいない」と地区民児協の間で嘆かれ、75才定年を越えても、引き続き活動されている方もおられます。市内で空白地区は11地区もあり、それらは隣接地区を担当する民生委員でカバーしておられ、益々負担が増大しています。
 福祉保健部署を定年退職した呉市職員が、率先して民生委員を引き受けて下さればいいのですが、地域協働に力を入れている呉市にも関わらず、敬遠される方が多いのが現実の姿です。民生委員の大変さを最もよく知っておられるからでしょう。これも各委員に報償金や委託料の分配分の大半が手元に残るような仕組み作りができれば、民生委員の引き受け手も増えるかも知れません。
 よく「民生委員はボランティアだからお金を目当てにして就任する人などいない」との声が聞かれます。実はこれも末端の民生委員に確かめたところ、「そんなことは決してない」との声が多々帰って来ました。やはり消防団員と同様、本音と建て前を使い分けているのが実態の様です。
 呉市は、消防団員の報酬支払い方法にしても、民生委員の報償費支払い方法にしても、「各分団や地区民児協に任せていて、介入できない」との一点張りです。その背景には、事務量を増やしたくないとの思惑がちらついています。
 あさちゃんの様に末端で働かれる坑夫のためになる抜本改革を、今後とも進言して参る所存です。

 Facebook 2015.12.22

くれアニマルパークも犬猫殺処分ゼロを目指せ!!

 本日は21回目の呉駅頭街頭演説。今年7月にスタートして以来、昨日月曜日は初めて雨天に遭遇したことで、1日順延となりました。
さて、本日のテーマは動物愛護施策についてです。
 呉市は平成16年度から、現在のくれアニマルパークを郷原でスタートさせました。ここは、捨て犬や捨て猫を飼い主が見つかるまで一時預かる施設ですが、期限を過ぎると本郷町にある広島県動物愛護センターに移送し、安楽死させられます。
 呉市における犬の譲渡率は、平成22年度から横ばいで、約60%です。猫のそれは概ね20%強が続いています。しかし問題は、実際の殺処分数で、昨年度まで犬猫共に60頭程です。この殺処分数は、スタート当初からは減少傾向にあるものの、動物愛護の視点からは、更なる改善が求められています。
 呉市は来年度から中核市に移行することで、犬猫の取り引きの権限が県から移譲され、先の12月定例会で犬猫引取り条例を制定しました。その際飼い主からの引き取りに係る手数料を手数料条例から、犬猫引取り条例に組み込みました。金額は変わらず、具体的には成犬・成猫が2千円、子犬・子猫が400円です。
 ところで、動物愛護管理法が一昨年9月に改正施行され、第35条に、自治体による飼い主からの引き取りを拒否できることが追加されました。これは、勝手な事情で飼えなくなった犬猫や、避妊手術を怠ったことで生まれた子犬猫を飼養放棄しようとする飼い主から安易に引き取らず、自身で飼い主を捜す等努力を促すものです。
 そのような中で、犬猫を暫定的に引き取って飼い主を捜す愛護団体が出現し出しました。
つまり、行政が譲渡先を捜すのを手こずりそうな犬猫、例えば野生化した犬猫や成犬や成猫を愛護センターから引き取り、行政に成り代わって譲渡先を捜すのです。どうしても飼い主が決まらない場合は、引き受けた団体が終生飼養するという条件です。
 愛護団体としても、飼い主になりたい市民に対して、厳格な態度で臨み、安易な姿勢で飼うのをいさめるといいます。具体的には、その方が転勤族の場合や持ち家でない場合など、飼うことに不安定要素を抱えていれば、決して譲渡はしないそうです。団体ではなく個人対応される方もおられるようです。
 私は、本来行政が成すべきことを民間がしてくれているのだから、餌代や手術費用を助成する等の施策を講ずべきと訴えました。団体から譲渡を受ける際には、手術が済んでいれば、飼い主になろうとする引き受け手がその費用を支払うことになり、これが譲渡を難しくする要因の一つとなっています。
 一方、くれアニマルパーク自身がホームページを起ち上げ、譲渡犬猫情報をリアルタイムで発信する必要があります。同パークのメールアドレスも非公開では話にならない訳です。その上で団体に暫定譲渡した犬猫をリンク紹介したり、団体や個人に委託するという方法もあります。即ち、呉市の本気度が試されています。
 市民の中には、アニマルパークの存在そのものを知らない方、或いはそこへ行けば犬猫を無償譲渡してもらえることすら知らない方が多いのです。ですから、先ず市民広報を徹底して行うべきであって、保健所のホームページからその奥底にあるアニマルパークの犬猫譲渡情報を探すことができる訳がありません。
 因みに曲がりなりにも、保健所ホームページに飼い主捜しの犬猫情報を掲載するよう進言したのは私です。平成23年6月定例会の一般質問での提案が実現したものです。
 実は、幸いにも今年8月以降、譲渡困難な猫においては、愛護団体が全て受け入れて下さることとなりました。ということは、今後は猫の譲渡率は100%、実質殺処分数はゼロとになります。待望の数字です。後は犬をどうするかです。結局は愛護団体や個人の力を借りねば、行政だけでは無理と言わざるを得ません。広島市も呉市同様、犬猫みなしご救援隊による動物暫定受け入れが実現し、昨年度から殺処分室を自ら閉鎖し、犬猫殺処分ゼロ政策に大きく転換したのでした。呉市もそれに続くべきです。
 さて、呉市が委嘱している動物愛護推進員は、私が一般質問した平成23年度の7名から、現在3名に減っています。これこそ行政が手をこまねいている証拠であって、積極的に公募し、研修実習を行って増員すべきです。
 その上で、動物愛護管理法第39条に定めのある動物愛護推進協議会を呉市で起ち上げるのです。これはできる規定ではありますが、法では中核市以上としており、呉市が中核市に格上げされるため、絶好機です。
 と申しますのも、これまでは県動物愛護推進協議会に呉市が参画するものでしかありませんでした。これでは地域の細かい施策展開ができません。呉市版協議会においては、行政、動物愛護団体、動物愛護推進員、獣医師、ペットショップ、飼い主代表らで構成すれば、きめの細かい施策を立案することも可能ですし、情報交換、横の連携も図ることが可能となります。当然協議会の最終目標は、「犬猫殺処分ゼロ」の実現に他なりません。
 ところで不思議なことがあるものです。この日、偶然にも動物愛護ボランティアの男性が、私の演説に聴き入っておられました。これは、大きな前進が図れる前兆ではないでしょうか?
 

Facebook 2015.12.28

応能負担と延長保育導入で放課後児童会の抜本改革を!

本日は、今年最後の街頭演説。一番の冷え込みで堪えました。テーマは、学童保育の改革についてです。
 
 呉市では、両親共稼ぎで家庭を留守にする場合、学校放課後を預かる学童保育として、放課後児童会を開設しています。改正児童福祉法により、これまで対象学年が小学3年生までだったのを、今年度から6年生までに拡大することが自治体裁量で可能となりました。 子ども子育て支援法では、学童保育施設の設置基準を国の基準に準じて条例で定めることとしており、呉市も放課後児童健全育成事業基準条例を昨年制定しました。国の施設設置基準では児童1人当たり面積が1.65㎡以上を確保することになっておりますが、同条例は暫定措置を設け、当分の間は基準に満たなくてもよいことにしました。他都市ではこれを5年間と明確にしている所もあり、呉市では非常に曖昧となっています。ということは、放課後児童会のクラスは40人を基準としていますが、マンモス校におけるそれは、基準面積を満たさない状態が当分続くことになります。
 そこで呉市は、今年度から中央、昭和、広地区において民間学童保育施設を公募し、直営施設の不足分を補い、補助金支出をすることに決めました。その結果、現在1施設が補助金を受けることになり、利用料が月額1万数千円だったのが、1万円そこそこに減額されました。
 ところが、呉市直営施設では、月曜日から金曜日まで利用される場合は月額3,500円、土曜日を含めての利用は5,000円となっています。つまり、民間学童施設で不足分を補うにしても、委託事業ではないため、相変わらず利用料における官民格差が顕著な訳です。これでは保護者から見れば施設の不足分を補っているとは到底言えず、利用料負担が大幅に増えることで、民間学童保育への入所を躊躇せざるを得なくなります。。
一方、保育所における保育料は、国が定める利用料徴収基準額を運営費の1/2としており、呉市はそれを更に75%に減額した上で、差額を血税で上乗せ補填しています。つまり、運営費全体の37.5%が利用者負担率となっています。
 これに対し、学童保育の利用料は、国の基準は設定されていませんが、運営費における利用者負担率は僅か25%に止まっています。因みに、残り75%を国、県、呉市が1/3ずつを負担する仕組みですが、保育料と比べ、税金からの持ち出しが大きくなっており、同じ鍵っ子対策でも不公平が生じています。
 そこで、放課後児童会の利用料を値上げし、せめて保育料と同率の37.5%を保護者負担にする必要があります。そうしますと、特に所得に低いご家庭に負担感が増大しますので、それを抑制するため、所得に応じて負担額に段階的に差をつける応能負担制度を導入すべきと考えます。
 現に呉市保育所では、所得に応じて18段階に分けていますが、放課後児童会では生活保護と市民税非課税世帯を除き、全て同額負担、即ち応益負担となっています。因みに国立市では、利用料値上げの際、市民税非課税世帯を含め5段階の応能負担制度に変更致しました。
 また、呉市では夏休み等の長期休暇期間でも月額利用料は同額となっています。授業がある時は放課後から18時まで、夏休み等は8時半から17時半まで、6時までの延長可となっていますが、延長料金は課せられていません。時間が延長になれば、嘱託やパート指導員の勤務時間が増える道理ですので、長期休暇期間での利用料設定を人件費増に基づき嵩上げし、延長料金設定も検討すべきでしょう。
泉佐野市では、利用者負担率を30%への引き上げに併せ、18時から1時間延長を新設し、サービス増を図る代わりに、延長利用料を設定しておられました。
 さて、呉市では改正児童福祉法に基づき、今年度から暫定的に4年生まで対象を拡大致しました。来年度から5年生まで、再来年度からは6年生までに拡大する予定です。その上でモデル事業として両城小学校のみ、今年度から一気に6年生まで対象を拡大致しました。
 ところが、4年生になると登録児童が半減し、5年生と6年生は当初実績でゼロでした。これが実態なのです。保護者からみれば、大きくなった児童をわざわざ施設に入れて余計な保育料をかけたくないのが本音です。
 私達の幼少時は、放課後児童会などなく、親が留守をしていても、近所仲間で野や山に駆け回っていました。室内の遊びにしても、漫画を書いたり自分達で創出したものです。
そうです。ある程度の発育段階になると、自主性が芽生え自立心や自尊心も確立して来ます。過保護になれば、その子どもの発育を却って抑制してしまうことになりかねません。つまり、子どもの個性や能力を摘み取る可能性だってある訳です。
 もし、学習や能力開発を含めて、高学年になっても児童会に入れたければ、それなりの利用料を支払い、それを売りにしている民間学童クラブに入所させたらよいと考えます。これは、塾と学童保育の中間的な位置付けであって、ニーズがあれば、民間が事業を展開することでしょう。
 行政の役割とすれば、せいぜい4年生までに止めておけばよく、利用料が改定されれば、益々4年生の利用率も減少し、施設設置基準も満たすことが容易になると考えています。
 私はこのことを、去る12月定例会で提言致しました。呉市としては改革の心意気は殆ど感じられず、取り敢えず私の提案を研究して行くとの答弁に終始したのは、残念でなりません。
 

Facebook 2016.1.5

中学校デリバリー給食の喫食率低迷における問題点を指摘!

 昨日は新年における初の街頭演説。先週の演説は凍り付くような冷たさだったので、白手袋を初めてはめました。しかし暖かい早朝を迎えたところです。
 さて、新春トップを飾る演説テーマは、中学校デリバリー給食の喫食率についてです。 呉市は旧市内を中心とした19中学校において、昨年2学期より初めて給食を導入。その内、警固屋、宮原中学校は音戸共同調理場を活用、下蒲刈中学校は蒲刈共同調理場を活用しました。よって、残る16校が民間業者による配達給食、いわゆるデリバリー給食となりました。
 全部で約5千食を対象とするため、旧市内を昭和・天応地区、中央地区、東地区と3地区に分けて6者指名競争入札を実施した結果、全て広島市内業者が落札しました。具体的には、昭和・天応地区はハーベスト、中央地区はランチセンター、東地区はサンシャインランチです。
 因みに、呉市内業者は1者しか参入意思を示さなかったばかりか、入札で負けてしまいました。
 実は入札は年間委託料ではなく、給食1食毎の単価入札だったのです。これは毎月、生徒からデリバリー喫食の予約を受け付けるため、その注文数量が流動的なことによります。それは、デリバリーと自宅弁当持参との選択制にしたからです。
 また、何故市内業者が参入意欲を示さなかったかと申しますと、仕様書に弁当製造ラインを他の既存ラインとは別個に創設すること、契約期間が2年半なので、運搬車を新たに購入したり運転手確保に難があったため、小規模業者では設備投資のリスクに対応できないと踏んだものと、容易に推察されます。
 そこで呉市は、デリバリー給食における喫食率を70%と仮定した上で、予定単価を290円に設定しました。これは食材費は含まれてなく、あくまでも調理と運搬に係る経費や人件費です。
その結果、ハーベストは1食206円、ランチセンターは246円、サンシャインランチは216円となりました。これらの業者は既に広島市立学校給食におけるデリバリーで実績があるため、同市と同程度の喫食率50%程度で、単価を積算したものと推察されます。
 と申しますのは、発注者と同様喫食率70%で積算しますと、実際にそれより喫食率が低かった場合、忽ち経営が圧迫されるからに他なりません。喫食率が高いということは、給食弁当の注文数が多いとイコールであって、それに係る調理や運搬に係るコストは、喫食率の高低に関わりなく必要となるからです。
 ところが、昨年8月時点で9月分の予約申し込みを終了した段階での喫食率は、予想より低い43.3%だったのです。これは生徒と教員を含めた総合的数値で、因みに教員のみでは更に低い39.7%に止まってしまったのです。
 これでは、受託業者にしわ寄せが来てしまいかねません。業者としては、人件費や調理経費を抑制するか、それでも賄いきれない場合は、呉市教育委員会と協議して単価を上げる再契約をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性が出て参ります。そうなってしまっては、そもそもデリバリー給食導入が適切だったのかという疑問が生じるため、市教委としては何としても避けたい訳けです。
 そこで市教委が教員を説得し、月毎の喫食率アップに努めた結果、昨年12月は教員に限り42.9%まで向上しました。ところが生徒を含めた全体では、45.3%に止まっており、昨年9月からはほぼ横ばい状態です。
 しかも、調理場での食缶方式とは違い、弁当箱方式ですから、カレーのルーが汁物容器に入り切らない理由で、何とレトルトカレーとなってしまいました。つまり小学校の食缶方式によるカレーライスを味わって来た児童が、中学に上がったとたんレトルトカレーになり、おいしさが半減するばかりか、ミネラルが不足する状況に陥ってしまったのです。レトルトカレーは栄養分、特にミネラルが乏しいと言われています。
 それだけでなく、他のメニューにおける野菜もまずいという声が生徒間で漏れ出しており、これが伝播すると、喫食率が低下する恐れが出て参ります。これこそ市教委が最も恐れる事態に他なりません。
 そこで市教委は、来年度中学校に入学する小学6年生の保護者との懇談会で、担任教諭を通じて、中学ではデリバリーしか選択肢がないような説明を要請。現役の中学1・2年生に対しては、1月と2月にかけての進路指導面談時にわざわざ市教委が乗り込み、デリバリー給食の選択を説いて回る異常事態に追い込まれました。小学校の様に担任に任せておけないのは、教員自体が自宅弁当持参が多いため、説得する立場に立脚できない弱みがあるからです。
 この様な恣意的工作による喫食率向上は、決して望ましい姿ではありません。では、何故最初から自宅弁当持参の選択肢をなくさなかったのでしょうか?そうすれば、給食費を支払ってまでデリバリー給食を受けさせたくない保護者の反発を招くからだと推察しております。
 実際、デリバリーにおける、保護者が学校給食協会に納入する給食費は、1食当たり300円で、旧市内の小学校のそれと比べて50円高く設定されています。因みに給食費は、食材購入費に全額充てられます。この様な事情から、反対の声を封殺する意図があったのではないでしょうか?
私は当初から、デリバリー給食では、同じ教室で自宅弁当と多様となるため、給食時間での食育指導が十分出来ないし、自宅弁当は親が子どもの嫌いなおかずを入れないので、栄養バランスも崩れるとして反対して参りました。
 当初市教委は、「デリバリーであっても自校調理であっても共同調理であっても、調理することには変わりない」と、議会答弁した経緯があります。ところが弁当箱方式を入札時の仕様書に入れた訳ですから、そのことが実際レトルトカレーに象徴される様な大きな相違点が出ており、答弁と矛盾することが暴露された格好です。
 私は、今からでも共同調理場方式に方針転換をすることを訴えて参る所存です。
 

Facebook 2016.1.12

交通局民営化後の第二弾は、優待運賃助成の制度改革!

 本日は新年2回目の街頭演説。テーマは交通事業民営化と優待運賃助成の関係についてです。
呉市交通局が広電に経営移譲されて、早くも後少しで丸4年が経過致します。私は初当選した20年前から交通局民営化を訴えて参りました。
 ここで先ず、何故民営化したのかを振り返ってみましょう。
 何と言ってもその第一は、交通局の赤字経営です。高齢者と心身障害者に対する運賃助成を含め、年間約13億円を税金で補填して来ました。民営化することで、これを8億円以内に圧縮することが大きな目的だったのです。
 と申しますのも、公務員運転手は民間運転手の給与より約4割高額だったことが挙げられます。このことが年間5億円を圧縮できる大きな要因です。
 但し、優待運賃助成として、年間7億5千万円程度は税金で補填していましたが、このことは交通局を助ける手段だったことが、意外と知られていません。
 交通局は昭和48年に法再建団体、即ち民間企業での倒産をしておりました。以後15年間自治省の管轄下におかれていましたが、この間この窮地を脱する手段として、同じ時期に優待運賃助成制度がスタートしたのです。当時は68才以上の市内高齢者が市営バスに乗車する際は、運賃が無料でした。
 この収入源を税金で補填していたのですが、その補填額の積算根拠は乗車率を調査して、その固定された率に基づき、補填額を算出していたのです。つまりどんぶり勘定だった訳です。
 ところが平成24年度から民営化する際、広電の意向もあって、当面優待制度を存続することになりました。今度は安易な税金を民間事業者に支出することは許されませんから、パスピーを通じて、きちっとした70才以上の高齢者が乗車した区間を基に積算したのです。すると、敬老優待分だけで、年間6億5千万円程支出していたのが、26年度決算では3億1千万円と、半分以下になったのです。つまり、これまで優待制度の名の下に、不当な税金を安易に交通局に支出して、同局の再建を手助けして来たことが証明されたのです。交通局は同じ呉市の組織だとは言っても、地方公営企業法によって位置付けられた公務員が経営する企業ですから、独立採算性が大原則となっているからです。
 従いまして、広電に移譲してからは、優待運賃助成分の呉市からの負担金は、本来の妥当な金額になっています。
 但しそれでも広電が黒字化する訳ではなく、同社に対して経営支援補助金を毎年度支出しており、26年度は3億4千万円でした。優待運賃助成負担金を合わせますと、トータルで7億1千万円です。何とか8億円の枠をキープした格好です。
 実は民営化後2年間は、運賃体系や路線は交通局時代のものを踏襲するとの条件が付せられたため、広電としても経営努力に限界がありました。それでも、当初交通局のバスを売却する予定だった呉市ですが、足下を見られて、無償譲渡させられました。更に広電は、車庫の一部移転で無駄なガソリン代を抑制し、営業努力によって全面ラッピングによる広告収入増で、営業外収益も確保されました。
 しかも、路線の赤字や黒字を相殺しての赤字に対する経営支援補助ではなく、黒字路線での黒字分は全て広電の収入となり、赤字路線の赤字分を呉市が補填するという条件も呑まされたことにより、優待運賃助成負担金収入が交通局時代に比べ激減したのをカバーしたのです。
 そうは言っても、モータリゼーションの進む中で、毎年度数千万円から1億円の運賃収入減が続きます。手をこまねいていては、いずれは8億円の枠を超えることが予想されます。実際25年度の呉市からの経営支援補助金4億2千万円、優待運賃助成負担金を合わせますと7億9千万円になり、正にぎりぎりの所まで追い詰められたのです。
 そこで26年度において広電は、市内循環線の統合で100円バスを廃止し、路線を見直し、特に10月からは、経常収支率が50%を切る赤字路線を広電から切り離しました。 即ち4路線6系統を呉市は、タクシー会社に委託したのです。具体的には白石白岳交叉点循環、広横路循環、昭和循環の3系統、音戸さざなみ線です。これらに対して、その赤い補填分を呉市は半年間で4,300万円支出しています。路線バスたる広電に任せるより生活バス化した方が、呉市としても支出を減らすことができるのです。
 広電からすれば、このアキレス腱を切り離すことで当面経営が身軽になり、呉市から26年度の経営支援補助金を約8千万円減額できたのです。
 一方、優待運賃助成負担金は、今後高齢化の一層の進展により額が膨らんで来ますから、呉市支出限度の8億円は、早晩超過することが予想されます。
 そこで、最後に残された砦が優待制度改革なのです。私は交通局民営化から2年後を目途に新しい制度設計をすべきだと訴えて参りましたが、4年が経過しようとしている現段階においても、市はプロジェクトチームを起ち上げておりません。優待制度そのものはは福祉保健部の所管であっても、交通政策を所管する都市部や、財政を所管する財務部、全体の調整立案を図る企画部等が共同作業チームを組まねばなりません。それだけ改革の大きな目玉なのです。
 ところが市長は新庁舎建設の際は、早々とプロジェクトチームを起ち上げましたが、優待制度改革については、未だに重い腰を上げようとしておりません。函館市の優待制度改革は、市長の鶴の一声で、僅か半年間で制度設計に漕ぎ着けました。要は市長のやる気なのです。
 とは言っても、優待制度を一気に廃止するのは、市民反発も予想され、政治的に困難を極めます。
 そこで私は、以前無料からワンコインの100円負担したように、暫定的な制度導入を訴えています。即ち高齢者の乗車運賃を子ども料金、つまり半額にする案です。具体的には千円乗車した場合は500円の負担、1区間160円乗車した場合は、半額ではなく、最低の100円の負担というようにです。
 合併前の呉市において、高齢者1人当たりの平均乗車運賃は230円程度ということですから、半額負担となれば、平均120円となります。僅か20円の負担増にしかなりません。これに合併町の遠距離組を加えても、平均乗車運賃は300円程度と見込まれますので、子ども料金制度は、コンピュータの大きなシステム変更も不要ですし、受け入れられ易い案だと考えます。
 この案をベースに、対象年齢を後期高齢者の75才に引き上げるとか、所得制限を設定するとか、複数の施策を組み合わせれば、更なる呉市負担の軽減に繋がる訳です。
 私は今後の経営支援の在り方を見据え、早急な改革を断行する必要があると、今後も訴え続けて参る所存です。
 

Facebook 2016.1.18

呉市新庁舎スタートに伴い、
議会委員会のインターネット中継を!

本日は、新年3度目の街頭演説。来る2月8日から呉市新庁舎の全機能がスタートするのに併せ、議会も新しい議事堂に移転致します。
 そこで本日のテーマは、議会改革の懸案だった、常任委員会と特別委員会へのインターネット中継導入についてです。
呉市議会は既に平成22年度末から、議会のインターネット中継を実施して来ました。但し、議員全員で構成する本会議、議会協議会、予算委員会のみです。一部の議員が専門的に議論する常任委員会や特別委員会への適用は未だなされてなく、これまで何度も議会運営委員会で議論して来ましたが、賛否両論が交錯する中で、現在も保留状態が続いています。
 そもそも何故、これら委員会での中継が先送りされて来たのかと申しますと、議会基本条例を平成22年6月に成立させたことで、その第8条に、「議会は議会情報を市民へ積極的に公開する」と定めれたため、インターネット中継を阻む理由がなくなったことが先ず挙げられます。但し委員会だけは、せめてもの抵抗で、中継を多数派工作により認めなかった訳です。
 この背景には、そもそも市民に積極的に公開したくないとの思惑が透けて見える訳です。即ち議会では、積極的に質問する議員と、余りしない議員とで真っ二つに別れており、質問しない議員から見れば、その情景を市民に見られたら困るからということだと容易に推察されます。実際積極的に質問する議員の方がマイナー的存在となっています。
 私は以前から、情報公開に積極的でしたが、当時会派に所属していたため、この意見が握り潰されて来ました。二つの大きな保守系会派が、委員会中継に後ろ向きだったのです。 
 実際委員会には、市長提案の議案が付託され、議論することになりますが、殆ど質疑がされないことも結構あります。委員間で質疑が尽くされた後、委員外議員の発言が委員長より許可されますが、そちらの質疑が的をついていたりすることも少なくなく、近年では委員長判断で、議員外議員の質問時間を制約する動きも出て参りました。
 つまり、委員で質疑が余り出ず、委員外議員で積極的に質疑する場面が、市民の目に触れたら困るというのが本音でありましょう。委員外議員の立場から言えば、委員間で質疑が余り出ないから、後から質疑を行わざるを得なくなる訳で、十分に質疑が行われていれば、質問すらなくなることだってあり得ます。議員による質疑は、市民を代表しての質疑となることを忘れてはなりません。
 私は、委員会をインターネット中継してライブや録画でパソコンから視聴できるようにすれば、議員も質疑をするために、前もって十分勉強するようになり、中身がグレードアップすると考えています。
 ましてや現在の呉市議会は、市長提案を全て呑んでしまっており、是々非々で議論する姿勢に欠けている向きがあります。実際ここ半世紀の間、市長提案を否決したことは一度もありません。このことは以前、地元新聞が皮肉混じりに記事にしたことがあります。
 これでは議会の存在価値すら疑問符がつき、議員を削減すべきとの世論が出て来るのは致し方ないことと思います。
 しかし現在は、この施策転換に後ろ向きなのは1会派だけの様なので、懸案事項の実現には、新庁舎でのスタートを前に、正に絶好機と言えましょう。新人議員も真面目な方が多いからです。
 ところで、その後ろ向きな会派による表向き理由として、議員による不穏当発言があるので中継は市民に対し恥さらしとなり、先ずは先にそちらを糺すべきと主張されています。ただ、不穏当発言は議員個人によるものであって、委員会インターネット中継は議会という機関に対するものであるから、議論の掃き違いと言えなくもありません。つまり、それとこれとは別問題だという訳です。
 一方、議員への第二の報酬と言われる政務活動費の使途の内、県外視察に係る旅費を支出することが多々あります。私も定例会毎に休まず一般質問をしているため、その前には先進事例を調査する目的で、必ず視察に出掛けます。即ち公務出張です。
 私は会派に属してはいませんが、会派では所属議員が同一テーマの下、同じ都市を一緒に視察することが往々にしてあります。市民の目は厳しく、視察が観光旅行的な赴きになっているとの疑いもかけられたりしますし、現に他都市では、そのような実例がありました。
 そこで私は、議長に提出している視察報告書を、議会ホームページで公開するべきと主張しています。しかし、これも一筋縄では行きそうにありません。真に呉市や市民のために県外で勉強して来たなら、その内容は喜んで市民に公開すべきでありましょう。
 市民の血税が決して無駄に使われていないことを、議員自ら証明することは、議会や議員としての責務ではないでしょうか? 

 
Facebook 2016.1.25

妊娠から出産、子育て、呉市版ネウボラを提唱!!

 本日は、初雪を伴う今年一番の寒気に見舞われた中、朝の呉駅頭に立ちました。コートを着ての演説も初めてのことです。
 さて本日のテーマは、妊娠から、出産、就学前までの子育てを一貫して支援する、いわゆる呉市版ネウボラについてです。ネウボラはフィンランドが先進国で、我が国としても本年度から施行された子ども・子育て支援法に基づき、市町村単位で、相談業務を含む地域子ども・子育て支援事業の実施を促しています。
 それに呼応して呉市では、フィンランドの様に妊娠、出産にまで相談業務を拡大する母子保健型の子育て世代包括支援センターの設置を検討中です。
 一方昨日、新庁舎落成記念式典が挙行されましたが、一見して現庁舎と比べ規模が大きいので、無駄ではないかと思われている市民も多いことでしょう。但しこれは、現庁舎に隣接して建っていた市民会館と合築されていることを忘れてはなりません。つまり少なくとも、市民会館と現庁舎を一緒にして比較する必要があります。
 併せてすこやかセンターくれから福祉保健部が新庁舎に移転しますし、つばき会館からは教育委員会、文化スポーツ部、産業部、監査事務局が新庁舎に合流、更には福祉会館からは人権センターが移って来ます。つまり、これら3つの建物の一部も合築すると考えた方がよいでしょう。
 逆にすこやかセンターくれで空いたスペースには、医療関係団体がテナント入居しますし、つばき会館には上下水道局の大半が移転して来ます。福祉会館には、ふれあい会館に入居している一部団体と社会福祉協議会が移転して来ます。
 その上で、空いた上下水道局には消防局と西消防署が移転しますので、現消防局は売却することが予想されます。ふれあい会館は解体して売却する方針が既に示されています。そして、社会福祉協議会が入居していたすこやかセンター別館は、今後売却を含めた活用策を検討することとなります。
 ということは、新庁舎のみを捉えるのではなく、新庁舎に機能集約することで、消防局とふれあい会館は売却、すこやかセンター別館は売却若しくは賃貸という風に、新庁舎が膨らんだ分は、他でペイする考え方があるのです。つまり、新庁舎建設に伴う公共施設の再配置がこれから本格化することを知って欲しいのです。
 そこで、すこやか子育て協会と「くれくれ・ば」が入居する呉市すこやか子育て支援センターについて考察してみましょう。
 子育て協会は公共的な民間団体ですが、入居している呉駅南のレクレビル4階では、その家賃と共益費、光熱費の全額を呉市が負担しています。家賃は年間1,320万円、共益費は年間330万円で合計1,650万円です。
 公共施設再配置の基本は、既存の公共施設は最大限無駄なく活用することですから、この機会にすこやか子育て支援センターは、福祉保健部の抜けたすこやかセンターくれに移転すれば、先ずは家賃が節約できる訳です。併せて光熱費も同センターで一括負担ですから、これも節減できます。
 同センターでは、これまで子育てに関し、児童虐待やDVも含み相談業務を行っており、中でもくれくればでは、子ども同士の遊戯や、子育て真っ最中の親同士の交流が図られて来ました。因みに相談員は、呉市による正規と嘱託雇用者を配置しています。つまり、子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業は、既に実施して来たと言えましょう。
 それに加えて、妊娠から出産も相談業務に加え、これには助産師を雇用して、その機能は保健所があるすこやかセンターくれに置きます。これが子ども包括支援センターです。 ということは、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない一環した相談業務を行うのであれば、この機会にすこやか子育て支援センターも同じ保健所内に移転することこそが重要です。そうすれば、保健所には正規職員たる保健師や、非常勤職員たる保育士や心理療法士もおられますので、手厚い相談体制が確立できます。
 しかも保健所では、出産後の母子健康手帳交付手続きや、乳幼児健診も行われますので、その都度、保護者からの相談に対応できる仕組みが既に備わっているのです。つまり、保健所機能と子育て福祉機能を併せ持った、呉市版ネウボラを実現するには持って来いの場所になる訳です。
 更に、レクレビルへの来場者は、駐車料金は民間駐車場を利用し有料です。すこやかセンターであれば、無料の常設駐車場がありますので、保護者にとっても負担軽減になります。児童福祉や保育所の担当部署は新庁舎に移りますが、それでもレクレビルからは近い訳です。
 私は、一昨年9月定例会での一般質問でこのことを提唱しましたが、当局からは移転は考えていないとの後ろ向き答弁でした。その後諸般の事情が変わって来ていることもあって、是非実現するよう、今後も精力的に働きかけて参ります。
 そしていずれ将来、発達障害児への療育相談機能をすこやかセンターくれに持って来れば、佐世保方式の如く、子育てと療育とを一体的に扱うことも可能となります。子育てに悩んでおられる保護者の中には、子どもの発達障害に起因することが多くなっているからに他なりません。
 
 

Facebook 2016.2.6

発達障害における療育機能の強化を!! 

 毎週1度必ず行っている呉駅頭での定期街頭演説。今週は公務出張や相棒の都合で、最終日である本日土曜日となってしまいました。
 さてテーマは、発達障害児者に対する療育についてです。
 近年は、小学校在籍児童の6%が発達障害を有し、教諭の発達障害における理解度不足から、学校内でのいじめや不登校など、様々な問題が生じています。かく言う私も、自閉症と診断された子どもを持つ親として、同様の立場で生活を強いられている保護者の立場に立脚して、これまでも施策を訴えて参りました。
 発達障害、即ちアスペルガー症候群を含めた自閉症スペクトラム障害は、見た目では判別がつき難いことや、その子どもによって症状が様々であったり、知能の遅れがない場合もあり、早期診断が遅れがちとなります。
 また診断されたとしても、現代医学では、先天的な脳の機能障害という分野から踏み込んだ原因究明はなされてなく、従って治療方法も確立していません。薬剤も興奮を抑制する目的で、精神病に係るものを便宜上投与しているに過ぎません。従って、少なくとも現段階では一生涯治癒しないと、保護者は信じ込んでいるのが通例です。
 呉市は、現市長が初当選の際、厚労省が通知した「心身障害児総合通園センター」、いわゆる「療育センター」設置をマニフェストに掲げられました。しかし、これは都道府県や中核市で設置ができる規定となっており、中核市でさえ、現在同施設を有しているのは数える程しかありません。呉市同様の施行時特例市での設置は、僅か佐世保市のみです。
 「こども発達センター」と銘打つ公共施設は結構あっても、よく調べますと、療育相談機能は有していても、医療法に基づく診療行為を伴っていない所が多いのです。これは医師の確保が困難であること、投資と運営経費が莫大かかり、税金投与が財政を圧迫する要因になるからに他なりません。
 そこで呉市は、療育センターの代替機能として、平成19年度から広市民センター内に「児童療育・相談センター」を設置致しました。
 但し実際は相談窓口だけで、そこから相談業務委託先の焼山にある福祉型児童発達支援センター「呉本庄つくし園」に行くよう促されます。そこでの発達検査の結果によっては、初めて児童療育・相談センターを紹介されます。しかもそこは、医師の確保事情により、毎週金曜日の終日と、月1度の半日しか開設されていません。私は委託先に同センターへ来てもらって、ワンストップサービス化を訴えています。
また医師と言っても、その場所は医療法に基づく診療施設ではないため、医療設備がなく、当然医療行為を行うことはご法度です。口頭で診断らしきものを受けているのが実態です。
 そこで本格的な治療先を紹介してもらうにしても、呉市内では初診での発達障害児者の診療が行える診療機関は、僅か1機関しかありません。そこで公的な療育センターである、広島市こども療育センターや東広島市にある県立障害者療育支援センター「わかば療育園」へ保護者が子どもを連れて診察を受けることになりますが、初診の場合半年先でないとアポイントが取れません。再診でも4ヶ月先となります。
 
 これらの諸事情を踏まえ私は、当面の施策として2点を訴えて参りました。
 第一は、平成20年度から県が予算化した、障害児等療育支援事業の内の「医師・コメディカル養成事業」の拡大です。これは「わかば療育園」に委託して、平日に陪席研修、即ち臨床体験で無料実施する、医師を対象とした研修です。
 しかし、小児科医等の診療所医師は休日ではないため、時間を割けず、呉市からは呉共済病院や中国労災病院の勤務医しか参加していない状況です。しかも発達障害の特徴等を学ぶ座学がありません。これを土日の休日に座学中心に行う研修を実施すべきと、直接県に要望致しました。
 それを受け、県では今年度145万円を初めて予算化し、座学研修である「障害児者診療医養成研修」をスタートさせました。3回受講一セットで研修カリキュラムを組み、県内から診療医師だけで約30名が参加されたということです。因みにこの研修は、これも東広島市にある広島県発達障害者支援センターに委託しました。
 奇しくも国が新年度予算案に、同様の施策である「かかりつけ医等発達障害対応力向上研修」を計上したことが、先日新聞報道されました。これは実施主体を県または政令指定都市とし、事業費の半額を国が補助するものです。広島県としても、新年度にその事業を活用するべく、前向きに検討しているということでした。
 この種の事業を継続して、発達障害診療機関を呉市内に増やして欲しいものです。
 第二として、療育センター設置の代替機能の一部として、平成24年に誘致した、社会福祉法人による当時「重症心身障害児者入所・通所施設」と呼んでいた、医療型障害児入所施設「ときわ呉」の活用です。
 この施設は医療法に基づく施設として県の設置許可を受けており、同法に基づく医療圏域の観点から入所者以外に診療を行わないことになっています。しかし実態は、通園者も診療対象としています。
 私はこれを、一般外来も受けられるようすべきだと訴えました。当然相手がいることですから、医療法に基づく施設改修も必要ですし、医師の拡充も必要ですので、ハードルは高いですが、これが実現すれば、保護者が子どもを連れて広島市や東広島市まで通院することが軽減されます。つまり、焼山の療育相談業務を広の児童療育・相談センターに移設し、ときわ呉の診療行為の外来受け入れ実施により、これらを合わせることで療育センターの機能を果たそうという構想なのです。
 私は外来と言っても、発達障害の診療行為は該当医師が殆どいない実情で、他の医療機関の営業圧迫にはならないからできるのではないかと、許可権者である県に迫りました。県は厚労省に問い合わせた上で、可能であるとの結論を出したのです。
 今後も、この施策提案の実現可能性を探って参る所存です。
 

Facebook 2016.2.9

政治家の資質改善と主権者教育が投票率向上の鍵!

本日の街頭演説は、風が強く、幟が倒れそうになることしばしばでしたが、最後までやり遂げました。
 
 さてテーマは、投票率向上策についてです。
私が初当選した平成7年時の呉市議選の投票率は 62.92%でした。その後4年に一度の改選毎に低落傾向を辿り、昨27年には50.04%と、近年における最低を記録しました。次回は有権者年齢が18才に引き下げられたことも伴って、5割を切るのではないかと危惧されています。過半数に満たないということは、呉市議会そのものが市民の付託を受けたとは言い難い状況を意味します。
 これは呉市に始まったものではなく、全国的に見ても投票率の低下に歯止めがかならない情勢にあるのではないでしょうか?特に都市圏では投票率の50%割れは、珍しくありません。
 そこで国は、平成15年に公職選挙法を改正し、それまでの不在者投票に加え、期日前投票の条項を新たに追加しました。
 これまでは、告示日に立候補を届け出て、各候補が政策等を訴え、この選挙運動期間を経た後に、投票日に投票して議員を選択するというのが、本来の投票の意義です。例外的に、投票日当日、出張や旅行等で住所地にいないことが明白な場合に限って不在者投票が例外的に許されていたのです。ですから理由付けも文章で書いた上で、密封してから投票終了後に開票していました。
 ところが、期日前投票は形は例外としながらも、これまでの不在者投票と違って、理由付けは○で選択する簡易なもので、そのまま投票箱に投じる手法です。この方法を国は推奨しているのですから、事実上は投票行為の例外ではなくなって来ています。近年は、期日前投票が浸透しつつあり、投票数の2割を超えたりして来て、投票の例外ではなく、一形態になった感があるのです。
 これでは選挙運動期間は一体何のためにあるのかという、根本に疑問が生じて参ります。呉市議選では1週間かけて選挙区を巡り、投票依頼をするのですが、告示の翌日から投票して構わない訳ですから、複数の候補の政策を聞き分けて投票行動を決めるという、政策本位とは無関係になって、単に投票所へ足を運べばよいとう、安易な考え方に陥っているのです。つまり、改正公職選挙法の追加条項である第48条の2そのものが矛盾した内容であることを政府は認め、原点に立ち返る必要があります。
 一方呉市では、合併後投票区の範囲が合併町と旧市内とで格差があるとして、これを是正しました。例えば郷原町では大積を含めた広い区間に1箇所した投票所がないことに対し、倉橋町等では小字や字毎に投票所が設置されていました。投票に係る行動距離に大きな差があり、不公平であった訳です。それを2kmを一つの基準として、複数の集落で投票区を統合したりしました。その結果、合併後の市内127箇所の投票区を97箇所に統合したのです。
 そうなりますと、投票所が遠くなった所に不満が出ます。実際この投票区体制での初選挙は平成23年の統一地方選挙でした。確かに投票率は下がりました。
 そこで呉市は投票率向上のため、昨年の統一地方選挙から、統合して遠くなった区域に限定して、送迎バスを投票日に2往復出すことを予算化したのです。具体的には朝10時と午後3時の2回です。その結果、このバスに乗車して投票した有権者はそんなに多くはありませんでした。そこで今後の選挙においては、広報を周知徹底するとしていますが、問題をはき違えています。
 そもそも投票所へ足を運んで頂くために有権者にこびへつらうような施策に疑問を感じますし、これでは不公平を無くす目的で統合したのが、統合した地域に限定しての送迎バスということは、郷原は当然対象外となりますから、新たな不公平が生じるということなのです。
 南アフリカ共和国で近年アパルトヘイト政策が終焉を遂げ、黒人に投票権が解禁されました。その初選挙では、投票所に黒人が長蛇の列を築いたといいます。それまで投票権を与えられていなかった彼らにとって、自らの一票が政治を動かす原動力になることは感無量だったに違いありません。
 結局投票率向上策は、先ず政治家が変わらなければならないのです。
 例えば呉市では、戦後一度も市長提案を否決したことがありません。これでは議会の存在意義が薄れてしまい、議員はいらないとか、誰が当選してもどうせ政治は変わらないから投票に行っても無駄だ、という市民意識に繋がって行くのです。
 広島市議会が近年安佐市民病院の移転を巡って、市長提案を否決したことがあります。そうすればマスコミは面白いように報道しますし、市民もそれだけ関心を持ちます。このようなことが時々起こらなければ、市民の政治への関心を呼び込むことは困難でしょう。
 もう一つは、教育です。義務教育の学習指導要領には主権者教育が明確に謳われていません。ところが次回の参院選から有権者年齢が18才になることで、文科省の指示で、高校では主権者教育に乗り出しました。このような教育は遅きに失したと言えましょう。
 私は、小手先の施策で有権者にこびへつらう手段ではなく、議会での議論の深化と併せ、主権者教育や、世のために生きるという道徳教育を充実することでしか、投票率向上は果たせないと考えています。
 

Facebook 2016.2.17

政務活動費による議員広報紙発行の透明化を図れ!

昨日は、相棒の都合で、7時半の予定を30分遅らせての街頭演説となりました。
 さて、テーマはまたもや全国民の注目を集めている政務活動費についてです。
 それは、昨年9月に堺市民が、美しすぎる小林由佳(よしか)堺市議に対する政務活動費の不正使用疑惑を住民監査請求したことことから始まりました。同費は第2の議員報酬と言われ、議員個人に対してではなく会派に対して支給されるもので、この種の疑惑は、昨年の野々村竜太郎当時兵庫県議会議員の疑惑に係る号泣記者会見で、大きくクローズアップされました。その彼も県議を辞し、収監され、裁判の身に立たされています。
 今回は、平成23年度から26年度迄4年間の全1,051万円の受給が不適切というもので、全額返還せよとの監査結果となりました。これを受け、小林市議は約400万円を返還しましたが、残りは意義申し立てを行いました。
 それに対して、竹山修身堺市長は堺市議会の問責決議の意向を受けて、同市議を去る2月8日に詐欺容疑等で告訴したのです。市長が議員を刑事告訴するとは、正に前代未聞の出来事です。
 その中で特に注目を集めているのが、平成25年度に支出した247万円の広報紙「よしか通信」の印刷費とポスティング費用。彼女によると、選挙区内全世帯に7万部を複数回、ポスティング会社に委託して配付したと主張していました。ところがマスコミの調査では、彼女の地盤地域200人に聞いたところ、そのチラシを見たことがあると回答した人は皆無だったのです。
 そこで弁明し切れなくなった小林市議は、弁護士の調査による結果として、ポスティング会社社長が精神疾患だったため、配付していなかったと、一転答弁を翻しました。では印刷はどこの会社が行ったのか、これが当時同市議の秘書を務め、会社社長だった、黒瀬大現堺市議だというのですから驚きです。
 その黒瀬市議は、当時ポスティング会社に印刷も丸投げしたと言っていましたから、印刷もされていなかったことが判明致しました。それでは、肝心の政務活動費はどこに消えたのか?これが最も関心の的になっているのです。しかもポスティング費用と印刷費の領収証の住所には、そのような会社は存在せず、電話番号も使われていなかったことが判っています。更に、その2枚の領収証の筆跡が同じらしいというのです。
 また小林市議は、「配付されなかったことに驚いている。ポスティング会社を告訴した。」と、自分がさも被害者であるかのように装っているのですから驚きを隠せません。実は、警察はこの告訴は受理していないのです。小林市議からみれば、受理しないのは想定内であって、逆に受理してもらったら困るということでしょう。つまり、告訴は単なるポーズということなのです。
 そこで、小林市議や黒瀬市議を証人尋問する、地方自治法第100条に基づく調査特別委員会が議会内に設置されました。彼らを証人尋問することに対し、何と同じ会派「大阪維新の会」の議員は反対をしました。身内に甘いですね。その反対理由は、「小林市議はポスティング会社を告訴したから。」と言います。
 それに輪をかけて身内に甘いのが、同会派の大元であるおおさか維新の会です。橋下徹顧問を筆頭として調査委員会を素早く設置したものの、その調査結果報告での記者会見で橋下顧問は、「極めて不可解。政治家としての説明責任は到底果たしていない。」と糾弾しつつも、核心部分の小林、黒瀬両市議や受託会社がぐるであったのではないかという疑念に対し、一切調査していませんでした。しかも下した裁断は、黒瀬市議は党除名という重いものでしたが、小林市議はたった3ヶ月の党員資格停止処分でお茶を濁しました。
 そう言えば、以前維新の党は、若い美人女性を多く公認しており、例えば「浪速のエリカ様」の異名を取る上西小百合衆議院議員が病気欠勤を衆院本会議に届け出た同じ日に、男性秘書と旅行をしていた事実が判明しました。また伊藤良夏(よしか)大阪市議は、トヨタ車「レクサス」購入費の割賦支払いをリース料と偽って、政務活動費から不正支出し、80万円の返還請求に応じています。 
 この様に特におおさか維新の会は、美人の公募落下傘議員の不祥事が絶えないですね。人気取りで議席を獲得するため、議員の資質を見抜く力が弱まっていると言われても仕方ないでしょう。
 さて、去る2月12日の百条委員会で、ついに小林市議の証人尋問が実現しました。但し、弁護士を付き添っての登場です。ここでは偽証は許されません。傍聴席が満杯になり、報道陣の取材やインターネット中継がなされる中、疑惑の核心部分については、全て「訴追される恐れがあるため、証言を控えさせて頂きます。」「記憶が曖昧です。」という逃げの一手に終始したのです。これでは全く市民への説明責任を果たしたとは到底言えず、益々疑惑が深まっただけだと言えましょう。
http://www.kensakusystem.jp/sakai-vod/committee/cgi-bin4/ResultFrame.exe?Code=spw2l6pbw1qfb5e949
 一方、堺市議会の政務活動費は、議員一人当たり月額30万円なのに対し、呉市議会は5万円です。小林市議の様に全世帯に年2~5回もチラシ配布するだけの支給はないと言えます。
 しかも、広島県議会や堺市議会の様に、議員個人の議会活動広報紙に係る印刷費や配付費への支出は呉市議会では認めておりません。
 ですから私は、谷本市議会議員発行機関紙を作成しても公費支出が一切ないことで、谷本誠一後援会機関紙を私費で印刷・配付しているのです。しかも全世帯とは行きませんが、支援者に対し手配りです。後援会活動は議員の私的活動に該当するため、当然政務活動費からの支出は認められていません。ただ、私の後援会機関紙の記載内容は、全て議会活動である一般質問や委員会での質疑ですから、議員個人発行にしても、内容は全く変わらない訳です。
 呉市議会は以前からの申し合わせにより、議員個人をピーアールする機関紙の発行を認めて来ず、会派発行紙に限って認めて来たのです。因みに会派の定義は、呉市議会の場合、3人以上の議員同志グループを指しています。
 この様に、議会によって、議員個人による活動紙発行の公費支出を認めたり、認めなかったりまちまちとなっているのです。
 ところが、呉市議会の某会派において近年、チラシの表は会派活動、裏面は所属する議員個人の活動を掲載する会派機関紙を政務活動費で印刷・配付致しました。会派所属議員は5名ですから、一つの会派活動紙でも5種類印刷したことになります。議員個人の活動を事実上ピーアールしているため、会派に属さない議員と比べ、甚だ不公平となります。これは巧妙な手口であって、申し合わせ当初では想定していなかった訳です。これを会派幹事長が認めたことが問題でした。
 今回の小林由佳堺市議の政務活動費不正支出疑惑を契機として、我が呉市議会においても、広報紙を含めた政務活動費における使途基準を今一度精査する必要があると考えています。
 私が委員を務める議会運営委員会では、去る2月5日、新年度から政務活動費の会派別支出明細を呉市議会ホームページにアップすることを決定致しました。併せて、政務活動費等による議員の行政視察報告書もアップ致します。この様に、政務活動費の使途は、ようやくガラス張りに近づいて来たと言えましょう。
 
 

Facebook 2016.2.23

新庁舎建設と中央公園改修は、
防災拠点化の役割を担っていた!

 本日は早くも節目に当たる30回目の街頭演説。テーマは中央地区防災対策です。
 新庁舎をそごう跡地へ持って行くべきだったという意見が、未だにくすぶっておりますが、今日は、新庁舎の防災機能の視点から、中央地区防災対策を考察してみます。
 台風到来が満潮時と重なった際の浸水被害や大雨による洪水といった、水害の問題が特に呉市中央地区で課題となっていました。
 実際、呉市体育館の東側を流れる内神川は、流域面積が狭く、よく溢れ、近隣のマンション1階駐車場の車両に被害が及んだりしています。呉湾の満潮時に台風等の大雨が重なると堺川が溢水し、れんがどおりが浸水します。
 これらの対策は、県河川ということもあって、地元要望を受けて呉市が県に要望して参りましたが、多額の費用がかかるということで、長らく見送られて参りました。
 それが新庁舎建設に絡めて、県が対策をまとめ、ようやく方向性が固まり、一昨年5月に、県の河川改修計画が国の承認を受けた訳です。当初は内神川対策のみでしたが、私が呉市を通じて県に働きかけ、堺川対策とセットで計画をまとめたのです。
 先ず、中央公園の南側土地の一部を県が呉市から買収し、人工河川を掘り、内神川と直角に堺川に連結致します。原則開渠ですが、新庁舎南側には市民駐輪場と公用車駐車場棟へのアクセススペースがありますので、この部分から、藏本通りと藏本公園を横断する部分を暗渠と致します。
 この人工河川により、内神川から堺側に雨水が流入しますと中通地区が困りますので、その対策として、藏本公園を削り堺川を拡幅し、流量を更に増やすため、一部河床を掘り下げます。
 ただそうなりますと、公園面積が狭まりますので、都市公園法により、代替の同等面積を公園として新たに確保する必要性が出て参ります。そこで、堺川駐車場跡地を公園に繰り入れることで、その公園面積を確保することに致しました。
 一方、市役所北側の市道への溢水対策として、旧市役所庁舎を解体する際、その地下を埋設せず活用し、5,300㎥の雨水貯留槽を整備することとなりました。解体とセットで発注し、平成30年度初頭に完成する予定で、総事業費は約9億円です。その内6億円を、有利な起債である合併特例債を発行できることになりました。これは発行額の7割を国が元利を含めて国が交付税増額により償還の肩代わりをしてくれる制度で、新庁舎建設にもこの債権を発行しました。
 この貯留槽に溜まった雨水は、体育館東側の内神川に、大雨が引けた時にポンプアップで排出する計画なのです。
 そして貯留槽が完成したら、旧庁舎跡地は市民専用の市役所駐車場として整備し、現在の市役所来庁者用暫定駐車場は、元の公園に戻すことになります。そして中央公園を新たに平面として防災機能を持たせるため、防災公園として整備致します。
 そこには、災害時における飲料水や生活用水を供給するための耐震性貯水槽、災害へリポートの緊急着陸スペースも設けます。大規模災害時には、救援物資置き場やテント用地、緊急車両スペースも設けることが可能にします。そのため、新年度600万円の基本計画策定費を計上し、平成32年度までの総事業費が6億4千万円と見積もっています。
 隣接する呉市体育館は本年度耐震補強設計を終えますが、防災備蓄機能を拡充した準拠点避難所として位置付けます。そのため新年度は老朽改修設計を実施し、29年度から30年度にかけて耐震補強と老朽改修をセットで行い、大規模地震に備えます。総事業費は7億円程度を見込んでいます。
 また、現庁舎はエントランスそのものを50cm嵩上げしており、旧庁舎解体後の平面駐車場を整備した際に、そのラインに合わせ盛り土することとなります。これも浸水に備えた措置です。しかも旧庁舎の様な地下室は設けず、主要機械設備は屋上に持って行きました。
 更に新庁舎に合築した「くれ絆ホール」ですが、可動席にしたことで、それを床下等に収納しフラット化して、ダンス等多目的使用が可能です。これは災害ボランティアの拠点施設としての活用も視野に入れています。またフラット化することで、シビックモールとダイレクトに連絡して、災害等緊急時に市民等が楽に移動できるようにも致します。
 加えて、消防局にあった危機管理室を今年度から総務部に移し、新庁舎にその機能拠点を移します。災害対策の会議室も新庁舎内に設けました。
 この様に、災害に強い体制を構築するために、現地での市庁舎建て替えと中央公園の防災公園としての機能強化が、市民の安心安全を守るために、大いに力を発揮することとなるでしょう。
 

Facebook 2016.3.1

戦艦「大和」潜水再調査は、
艦体引き揚げを前提としたものではない!!

昨日はうるう年の2月29日。小雨がちらつく中、途中傘をかざして頂いての街頭演説となりました。テーマは、戦艦「大和」潜水再調査です。
去る2月22日招集された呉市議会3月定例会に提出された、平成27年度補正予算案の内、戦艦「大和」潜水調査費が話題となっています。これは、総合基本調査事業費1億円の内の8千万円で、先に成立した国の今年度補正予算の地方創生加速化交付金で事業費の8割が交付されます。つまり、呉市にとって棚からぼた餅の財源を行使できる訳です。
「大和」の潜水調査と言えば、平成9年にテレビ朝日が海底撮影に成功し、その時遺留品を引き揚げ、それらは海底に分断されて沈んだままの大和の模型と共に、大和ミュージアムで展示されています。
 それを再度行うのは、当時はアナログ画像であって、この度は最新式のデジタル機器を搭載した無人偵察機を海底に沈め、遠隔操作により撮影するということです。そのデータを詳細に分析した上で、大和ミュージアムの新たな展示資料として活用し、且つ研究を深めようとするものです。その結果、同館へのリピーターを含めた観光客誘致を継続させ、ひいては地域の経済発展に寄与することになります。
 問題は、以前呉商工会議所の当時会頭が表明した、戦艦「大和」引き揚げに繋がるのではないかという、懸念がくすぶっていることです。近年は地元広島県の国会議員が議員連盟を結成して、引き揚げを実現しようとする動きがあります。但し、商工会議所が引き揚げげを表明した当時、大和のご遺族らが、引き上げに反対した経緯があります。
 また、もし財界が寄附を募り引き揚げたとしても、その保管に係る維持管理費用や展示費用において、呉市として大きな財政負担になります。平成23年度に広島大学工学部から譲渡された大和の大型試験機でさえ、展示方法が確定しておらず、現在アレイからすこじま駐車場に保管されたままとなっているからです。因みにこれは移送費に3千万円かけました。
さて呉市の答弁では、「(現段階では)大和の引き揚げは考えていない。」ということで、ホッとしたところです。ただそれは、今後の展開を予想できていない証拠であって、もし将来引き揚げという話が行政として持ち上がった場合は、私としては承伏致しかねません。実際、答弁でもその当たり曖昧にされ、引き揚げは絶対にないとは言い切っておられません。
 一方、総合基本調査事業の中には、ほかに大和ミュージアム魅力向上構想、宝町~幸町エリア整備構想の策定費が挙げられており、これらが残り2千万円の内どの程度かかるのか、明らかにされておりません。
 昨日の答弁では、宝町~幸町エリアとは、大和ミュージアムから入船山記念館至る地域のことで、観光客が大和ミュージアムに止まっているのを、入船山記念館、海上自衛隊総監部、歴史の見える丘、大和のふるさと(旧IHI、ジャパン マリンユナイテッド)アレイからすこじまという歴史的観光資源を物語で転結する構想だということです。但しこれは民間コンサル会社に委託するのではなく、有識者や若者代表の意見を聴取した上で、あくまで庁内で検討するということでした。
 移動手段としては、既に呉探訪ループバスがそれらを巡っており、観光ボランティアも同乗して下さっています。また、これらを徒歩で巡るヒストリーコースも設定されており、大和ミュージアムにはレンタサイクルまで整備されており、これ以上妙策があるのか疑問を感じております。
 これらのことは、大和ミュージアム魅力向上策のコンセプトを含め、来る予算特別委員会で質疑を行って参る所存です。
 ところで私は、大和ミュージアムを訪れる年間約90万人の観光客等に対し、おもてなしの心で迎えなければならないと思っています。
 そのため、大和ミュージアム開館以降、私の提案で、中央桟橋ターミナルと大和ミュージアムを連結する歩道を布設し、両施設間のバリケードを撤去させました。また、大和ミュージアムの正面、呉港へ訪れる観光客から見える裏面、自家用車で広島方面から31号線でお越しになる観光客のために、横面と、計3方向に「大和ミュージアム」の表示銘板を付けさせました。
 課題としては、民間ビル内に設置している大和ミュージアム駐車場のバス駐車場へのアクセスが、隣接する県道の歩車道分離帯で、大型バスの出入りが困難になっている点も、6年前から指摘しています。これは原因者負担の原則で、県は工事費を出しませんので、呉市、大和ミュージアム指定管理者、民間駐車場所有者の3者が案分して費用負担するべきと、訴え続けています。
いずれに致しましても、呉市発展のキーワードは何と言っても、「旧軍港市」です。そこで大和ミュージアムを格とした観光客誘致を通じてのまちおこしは、呉市創生において重要な鍵を握っていると、確信している次第です。
 

Facebook 2016.3.7

くれ絆ホールのピアノ購入費に、試し弾き予算が未計上!

 本日は、テーマバックミュージックである「炎のランナー」が復活する中、春爛漫の街頭演説となりました。
 テーマは、一昨日オープンしたばかりの呉市新庁舎に併設された「くれ絆ホール」に係る問題点です。
 くれ絆ホールは市民会館の代替施設であって、市民ホールの愛称です。昨年9月定例会で可決された、呉市民ホール条例での貸し館使用料について考察してみましょう。この種の市民への貸しホールや貸し室には、主催使用者から負担金としての使用料を徴収する規定となっています。
 通常は、基本使用料設定には、施設に係る建設コストを反映させて算出されます。平成25年度からは施設使用料は呉市全域で全面的に見直され、値上げや値下げを交え、公平な使用料と致しました。
 さて、絆ホールは可動席となっていますが、これは固定席と比べ通常より建設費が2割程度余計にかかっているのです。
 ところが、固定席ホールと比較して逆に安価に設定されています。具体的には平戸間式使用料を1時間当たり3,300円に設定し、1・2階部分の可動席加算として8千円が設定されました。つまり、可動席として1日12時間使用すれば47,600円となって、固定席ホール相場の8万円と比較すると随分安価なのです。しかも可動席を全自動で収納して平戸間にするには、余計な電気代がかかりますし、その操縦は専門業者への委託ですから、その人件費が上乗せされるのです。
 ところで、呉市における集客貸し館は、基本使用料は入場料徴収しない場合に設定し、入場料を徴収する場合は、基本使用料の1.5倍、商業目的で使用する場合は、3倍に設定しています。きんろうプラザ、旧福祉会館、生涯学習センター(つばき会館)の各室、体育館の会議室、まちづくりセンターの各室や多目的ホールがそうです。
 絆ホールは、入場料徴収の場合は基本使用料の1.5倍ではないのです。具体的には3段階に分かれておりまして、入場料300円以下の場合は2.5倍ですが、301円以上1,000円以下の場合は丁度3倍、1,001円以上の場合は3.5倍に設定されています。これは商業目的の3倍規定に加えて、入場料の高低でより多く使用料を徴収できるように設定したものです。
 しかしこのため、商業目的でなくても入場料を301円以上徴収するだけで3倍、若しくはそれ以上になるのです。これでは市民団体の生涯学習を阻害する要因となってしまいます。例えば、遠方から講師を呼んで文化・芸術目的や啓発講演会を開催する際、当然講師謝金や旅費が発生しますし、会場費や広報宣伝費等で運営費を賄うには、有名な講師であればそれだけ入場料に転嫁する必要があります。それでも商業活動なみの3倍以上も使用料負担をしなければならないのです。
 実は同様の規定は、文化ホールを筆頭に、広、音戸、川尻、安浦、豊各まちづくりセンターホールがありました。大ホールは興行、即ち営利目的が殆どですから、商業活動の3倍規定に加えて、入場料を3段階に分けての使用料設定だったのです。
 私は、これらの矛盾を指摘していますが、今後もこの改訂に力を注ぐ所存です。
 一方絆ホールには、ドイツ・ハンブルグ工場製のフルコンサートピアの「スタインウェイ」が納品されました。これも昨年9月定例会で、物品取得契約として議決されました。財源は民間人からの寄附です。機種選定は、有識者で構成する選定委員会が行いました。
 問題は、発注仕様書を見ますと、購入条件に、3台以上の本社保証書付き同種ピアノを試し弾きして確定する、となっていることです。当然試し弾きするには、ピアニストに東京にあるスタインウェイ・ジャパン社を訪れてもらわねばならず、旅費が同伴の呉市職員と共にかかります。勿論著名人であれば、それだけ多くの謝金も必要です。
 ところが、予算には試し弾きに係る費用が計上されていなかったのです。絆ホールは既にオープンしましたので、ピアノは既に購入されましたが、補正予算は議会に提案されませんでした。他の予算を流用するか、予算と落札額の差額で埋めるしかありませんが、恐らく後者だったと思われます。
 また過去文化ホールの際は、広島音楽大学助教授が試し弾きをされましたが、当局が豪語するように、ピアニストが試し弾きしたことで、グレードアップに繋がったという話は市民からは全く聞いたことがありません。
 ましてや、選任されたピアニストの個性や嗜好によって、選定するピアノが異なって参りますが、どのピアノが選定されても保証書付きですから優劣とは無縁な訳です。しかも、川尻町や安浦町の大ホールへ納入されたピアノでは試し弾きはありませんでした。
 そもそも試し弾きの必要性から議論すべきなのを、過去の悪しき慣例に倣って、予算未計上で試し弾きありきで発注すること自体が、議会軽視の何物でもありません。余計な血税投入は避けるのが本来の姿です。行政は安易に慣例に囚われることなく、心してかかるべきだったのです。
 

Facebook 2016.3.16

呉市立中学校歴史教科書採択の疑惑、払拭されず!!

 昨日の街頭演説は旬をテーマに、歴史教科書選定問題を採り上げました。丁度前日、呉市議会予算委員会で教育長が冒頭謝罪し、そのことが新聞報道もされましたし、質疑も行われたことによります。
それは、昨年7月に中学校教科用図書選定において、2期連続して育鵬社の歴史的分野と公民的分野の教科書が呉市教育委員会議で採択されたことに端を発しました。
https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/3549.pdf
それに疑義を唱える左派系市民団体がその採択過程を調査するべく、判断材料となる教科用図書選定委員会が作成した総合所見を文書公開請求致しました。すると複数の誤りが見つかったことを指摘された教育委員会は、選定委員会に伝達すると同時に、この二つの教科書に限って精査したところ、合計1,054箇所もの間違いが発見されたのです。
 育鵬社の教科書に関しては、アンケートでやらせがあった疑いで大阪市議会が真相究明を求める陳情を先月採択したほか、馳文相も不適切と苦言を呈しています。
 また右に偏った編集であるとする指摘もあるほか、呉市で5年前に初めて同社の歴史及び公民教科書が採択された際、或る調査・研究委員の社会科教諭が右派系団体と繋がりが深いことも判明しています。しかも当時の教育長も右派系と言われており、意向が働いたとの疑念は未だに払拭できていません。
 教科用図書の採択権は教育委員会にあり、これは5名の教育委員の合議となります。5年前初採択された際の議事録を読んでも、議論を戦わした形跡は全くありません。
 先ず、各分野において専門教科の複数の教諭が教育委員会から調査・研究委員に任命され、各社の教科書を精査読破致します。それをまとめたのを基に、今後は有識者1名と保護者代表1名、そして複数の校長と教育委員会主事で構成される選定委員会で精査し、総合所見を作成した上で、教科書候補を選定します。最後に教育委員会議で最終決定するという仕組みです。事実上は、この選定委員会が決定し、教育委員会議は形づくりという印象は拭えません。
 1,054箇所も間違いがあれば、5年前もそうだったのではないかと疑いたくなります。ただ教育長の説明では、教科書に記述されている漢字をかなに転記したり、誤字脱字を含めて1,054箇所ということで、根本的な誤りは少ないということです。ならばそれらの比率を公表すべきですが、それはありませんでした。去る3月3日の教育委員会議では、採択は妥当との結論を出し、白紙に戻して一から選定し直すことはなかったのです。 また、細かな誤りがそんなにあるなら、他の教科書もそうであるはずです。ところが教育委員会は、市民団体から指摘された歴史と公民教科書しか精査しませんでした。私は他の教科書も精査するべきだったと考えます。
 というのは、これだけの間違いが日常茶飯にあるとは到底思えないからです。もし他の教科書を精査したとして、殆ど誤りがなかったとしたら、それこそ歴史と公民教科書に限って恣意的な操作がされたのではないかという疑惑が深まる訳です。だから敢えて他の教科書を精査しなかったと言われても仕方ないでしょう。
 しかも、昨日の予算委員会冒頭での謝辞は決して積極的なものではなく、議会からの要請にしぶしぶ応えたものでした。臨時教育委員会議が開かれ、採択が覆らなかった翌3月4日に呉市議会文教企業委員会が開かれたにも関わらず、教育委員会がこの問題に一切触れなかったのです。経過報告も皆無でした。
 責任の所在にしても、教育委員でもある教育長は、「他の4名の教育委員は総合所見が正しいものとして審査しているので瑕疵はなく、責任はない」というものでした。「責任は教育委員会事務局である」としたのは、完全に視点が間違っています。何故なら事務局は教育委員会議の管轄下にあるからにほかなりません。教育委員こそが責任ある立場ですし、教科書の最終採択権は教育委員会議にあるのです。
 加えて、3月3日の臨時教育委員会議は開催時刻に1秒でも遅れた市民は傍聴を拒否されたのです。これでは、開かれた行政とはとても言えません。積極的に市民に公開したくないのだ、と言われても仕方ないでしょう。呉市の他の諮問機関や議会では、一般傍聴は大歓迎で、このような閉鎖された会議は他に類を見ません。
 実際呉市教育委員会ホームページでは、過去議事録を公開して来ませんでした。それを私が一般質問で採り上げ、追跡したことが実って、ようやく今年度当初に遡っての公開が決まったのは昨年7月のことだったのです。
一方、教科書会社が校長を招聘して検定中の教科書を閲覧させる会合を開催し、その際旅費や謝礼を支払ったことが全国規模で発覚し、問題となっています。
 この度、文科省の要請を受け広島県教委が調査した結果、呉市では今年度の採択に関して該当する校長等はいませんでした。しかし平成22年度の教科書採択時には、金品を受け取った者が2名、交通費を収受したものが2名いたことが、丁度昨日判明したところです。
 ところで、臨時教育委員会議で収束を図った直後の3月8日に、教育長が今月末日付けで教育委員を辞任することが判明したのです。同教育長は前任の教育長が任期中に死去したことに伴い2年前に就任しておられ、任期は来年3月まであったのです。表向きは一身上の都合ということですが、市長の意向が働き、この度の問題で引責辞任に追い込まれ、幕引きを図ろうとしたと言われても文句は言えないでしょう。
私は右がいい、左がいいというのではなく、あくまでも公正中立な立場です。教科用図書選定においては、恣意的な意図が水面下で働いてはいけませんし、その採択過程も透明であるべきだと考えます。
 

Facebook 2016.3.23

安易な過疎地域自立促進計画に警鐘を鳴らす!!

 昨日は34回目の街頭演説。テーマは、先般閉会した呉市議会3月定例会で議案提出された、過疎地域自立促進計画変更の問題点についてです。
 
 呉市過疎地域自立促進計画というのは、時限立法である過疎地域自立促進法が5年間延長されたことに伴って、平成28年度から32年度までの5ヶ年で17事業を追加し、110億円の事業規模とするものです。過疎地域に指定された地域に限定して、有利な財源を活用できるのが強みです。呉市では安芸灘4島と倉橋町が対象地域に該当します。
 殆どが合併建設計画に盛り込まれていたものを、過疎計画に取り込んだ格好で、合併特例債が起債充率(対象事業に対し借金できる割合)95%なのに対し、過疎対策事業債は100%であることから、より有利な財源と言われています。因みに両地方債共に債務の70%が、利子を含めて交付税で帰って来ます。
私は先の本会議討論において、この中で3箇所の追加事業の問題点を指摘しました。
 第一は、下蒲刈町における5千万円の観光施設整備事業です。同町の蘭島文化施設が林立する三之瀬地区には既に、学校跡の建物を活用してNPO法人・海駅三之関が物産販売店を経営しており、これ以上ハコモノを整備するのは重複することになります。合併建設計画に計上しているといっても、不効率事業は見直すべきです。
 第二は、下蒲刈中学校を5億9,500万円かけて建て替えるものです。これは平成31年度までの耐震化建て替え計画を受けてのものですが、合併建設計画には盛り込まれていません。一方で対岸の蒲刈町向地区にある蒲刈小学校は、1億2,500万円かけて老朽改修する計画が上がりました。これは合併建設計画に盛り込まれていました。
 実は、蒲刈小学校は蒲刈中学校と同一敷地内にあることから、私は以前から一体的小中一貫教育校を早く創立すべきと訴えて来ました。そこで、下蒲刈中学校を建て替えることを見送って、下蒲刈中学校と下蒲刈小学校を蒲刈小中学校に同時移転して、併せて一体型小中一環教育校を創立すべきなのです。児童・生徒数の激減を受けて、それだけのキャパは蒲刈小中学校にはありますし、そうすることにより複式学級をも解消できるのです。
 豊町と豊浜町では、旧町堺を超えて小中学校の統合を果たしましたし、倉橋町では小中学校の統合を機に、旧豊高校を活用して、一気に一体型小中一貫教育校である倉橋学園を創立した実績があるのです。
 第三は、廃校となった豊島小学校校舎改修に、5,700万円かけることです。これは、豊浜町に市外から漁業就業者を複数迎え入れ、2階をアパートメント住居に、1階を島民との交流広場に活用しようとするものです。
 先ず、同町は空き家が沢山あり、島外住民を受け入れようと本気で考えるなら、地元で物件化する努力をするべきです。公共が公営住宅以外で住居を提供するのは間違っています。しかも同町には、合併前に建設したコミュニティ施設が7つもあり、あり余っているのです。地区自治会連合会単位で、まちづくりセンターが2箇所もあるのは同町だけです。島民との交流を図るなら、公共施設はいくらでもあるのです。
 呉市は公共施設再配置計画で、それらの利活用を探っているのですから、新たにハコモノを整備する必然性は全くなく、却って維持管理費が未来永劫に亘ってボディブローのように財政を圧迫して来るのは火を見るより明かです。
 しかも、今年度は300万円のコンサル委託調査費を繰り越し計上し、新年度は更に追加の200万円の調査費をつけるというのですから、二重投資もいいところです。
因みに、過疎対策事業債の財源枠は合併特例債と違って設定されてなく、可能な限り計画に盛り込んでおけば財源確保策の選択肢が広がる、との行政の考えは解らぬでもありません。しかし、計画の遡上に載せることで、却って事業採択断念の足を引っ張ることになりかねず、判断を狂わせるというのが私の主張です。
 

Facebook 2016.3.29

呉市版CCRCに軽々しく飛びつくのは危険!!

 昨日は35回目の街頭演説。テーマは、呉市新年度予算に計上された、呉市版CCRC構想策定についてで、これには500万円のコンサル委託調査費が付きました。
 先ずCCRCとは、元気な高齢者の共同体のことで、アメリカがその本場ですが、共同体を集合住宅の場と捉え、自治会活動や生涯学習、在宅福祉などを、住宅内で完結します。 そこで現政権が、地方創生や一億総活躍社会を掲げる中で、日本版CCRC構想を急遽有識者会議で検討させてまとめました。アメリカ版との違いは、共同体を集合住宅ではなく、地域社会に置き換えたことです。正に地域社会への奉仕活動を基本とし、公民館等へ出掛けての生涯学習、そして将来介護が必要になったら、地域に住みながら在宅福祉や地域医療を受けるとの考え方です。これは、住み慣れた地域で生涯在宅福祉や医療を受ける、地域包括ケアシステム構築と連動致します。
 呉市は、まち・ひと・しごと総合戦略をもうすぐ策定しますが、それに基づき平成29年度以降の地方創生交付金をあてにして、この日本版CCRCにいち早く飛びついたと言えます。
またこの背景には、日本創生会議が昨年6月、「東京圏高齢者危機回避戦略」として提言をまとめたことがあります。これは、団塊の世代が後期高齢者になる10年後に、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県において、介護施設が13万人分不足するとして、地方拠点都市への転居を促す内容です。
 その移転先候補に呉市は入ってはいませんが、来る4月1日より中核市の仲間入りをすることで、呉市を核とした連携中枢都市圏形成を視野に入れていることから、東京圏の元気な高齢者を呉市に移転して頂き、地域社会で活躍してもらおうという構想なのです。
 ただ、いいことづくめではありません。先ず、若者の流入と違って高齢者が呉市に転入して来られても、市税増収の影響は少なく、将来介護保険や医療保険財政を圧迫することになります。国は拠点住宅のモデルとしてサービス付き高齢者向け住宅を例示しており、これだと介護保険の住所地特例が使え、介護給付は転入元自治体の介護保険財政からされることとなりますが、介護を受けるようになるのは将来のことですから、住所地特例がいつまでも使えるかの保証がありません。
 また、サービス付き高齢者向け住宅には既に居住者がおり、国交省補助金を活用して新たなサービス付き高齢者向け住宅を民間会社等が建設したとしても、東京圏からの転入者を限定することは先ずできません。呉市の答弁では民間空き家を活用することも視野に入れているとのことですが、これとて、東京圏高齢者を限定することは、それなりの特典を与えないと空き室が埋まらず、施主からすれば投資額を回収できません。
 そこで、施主や居住者に恩典を与える必要がありますが、高齢者優良賃貸住宅を国交省が推奨した際、呉市もそれに乗っかりました。施主に対して建築費助成を行い、入居者には10年間家賃を半額程度に抑制し、その穴埋めに税金を投じたのです。ところが、10年経てば家賃が倍になるので、それに呼応して入居者の転居が相次ぎ、空き室が増え、施主において投資額回収が難しくなっているのが現状です。
 また、地域社会に貢献するのをどうやって担保するというのでしょう。入居者の行動は自由ですから、奉仕活動を入居条件にするなど、非現実的です。それらをサポートするコンシェルジュの派遣を考えているとの答弁がありましたが、その人件費を住宅の施主が持つはずはありませんし、それを全額公費でみるというのでしょうか?入居者からみても、東京圏から転入して来る60才以上の非要介護認定者を条件とするなら、家賃補助等の特典がないと、コンシェルジュ派遣だけでは難しいでしょう。
 結局呉市は、東京圏の高齢者以外にも、市内高齢者の住み替えも対象に考えていると答弁せざるを得ませんでした。そうなりますと、一人暮らしの高齢者が、寂しさを紛らわすため多人数交流を望み拠点集合住宅に転居したとして、却って空き家を増やすことになりかねません。これでは呉市の空き家対策の足を引っ張ることになりかねず、支離滅裂です。 しかも、これらの特典に係る財源保証は、国においてまだ何も決まっていません。つまり、有識者会議の提言は、政権がにわか仕込みでまとめさせたもので、穴だらけなのです。検討が全く足りません。即ちこれには、有権者の支持を得ようとする政治的裏があるのです。それにすぐ飛びつく呉市も呉市です。
 この様に、方向性が殆ど定まっていない段階でコンサルに発注しても、実を伴う構想や計画がまとまる道理はありません。私は、これらの問題点を先の予算委員会で指摘しましたが、それも含めてコンサル会社に考えてもらうとの答弁に終始しました。そのような無責任なコンサル発注では、受託会社も困ろうというものです。
 このCCRCは、拠点住宅は民間施工であり、この建築費補助、コンシェルジュ人件費補助、入居者への家賃補助といった、様々な税金のばらまきを含んでおり、大問題です。しかも、東京圏から元気な高齢者を市民の血税を投じて迎え入れようというのも納得が行きませんし、更にその高齢者が地域活動にボランティアを含めて積極的に参加するのは夢物語にしか過ぎません。
 そして何よりも、将来生じる医療や介護給付により、医療保険や介護保険財政圧迫要因にもなります。それは引いては、市民の保険料負担増に繋がることを知っておくべきです。
 
 

Facebook 2016.4.7

斜面市街地空き家を活用した学生シェアハウスは
机上の空論!?

 一昨日は36回目の街頭演説。呉市新年度予算における空き家を利活用しての定住促進策がテーマです。
呉市は、昨年度500万円かけて行った空き家調査の結果を基に、4つの空き家利活用策を、新規に今年度に向け予算化致しました。
 その第一は、子育て世帯定住支援です。これは、出産予定を含み中学生以下の子どもがいる世帯が戸建て中古住宅を購入する際に、購入費の1/2を30万円を限度に助成する制度です。これに親世帯と直線距離で1km以内居住の場合は、10万円が近居加算されます。最大40万円で50件を見込み、2千万円を計上しました。
 第二は、移住希望者住宅取得支援です。これは、市外からの移住希望者が戸建て中古住宅を購入して移住する場合、購入費の1/2を50万円を限度に助成するものです。建物のみを購入して、土地は賃貸にする場合も、子育て世帯定住支援と併せて可能です。更に子育て世帯の場合は30万円が、親世帯と近居の場合は10万円が、島嶼部居住の場合は10万円が各々加算され、最大100万円の助成となります。これを20件と想定して、2千万円を計上しました。
 第三は、空き家家財道具等処分支援です。家主が、空き家を物件化する際に足枷となっている既存の家財道具を処分する場合、10万円を限度に全額助成される制度です。50件分の500万円を予算計上致しました。呉市空き家バンクへの登録、若しくは宅地建物取引業者との売買・賃貸仲介契約締結が条件となります。既に賃貸入居されている方が亡くなって、引き取り手がない場合の活用はできません。
 この3つの施策は、呉市空き家適正管理条例やその後に制定された空き家対策推進特別措置法を援護する意味合いもあり、空き家の物件化や解消に向けて、ある程度有効だと考えます。
 さて問題は、第四の学生シェアハウス支援です。これは斜面市街地における空き家の活用策を知恵を絞って検討する中で、捻り出した施策です。即ち、市内の大学等(呉高専を含む)に通学する学生が複数名、シェアハウス形態で賃貸居住し、地域の自治会活動に参加したり、近隣高齢者のごみ出し等生活支援を行うことを条件に、家主、居住学生双方を支援するものです。
 具体的には、家主がリフォームする際、工事費の1/2を100万円を限度に助成します。学生自らがDIYリフォーム(日曜大工)する場合は、原材料費等を50万円を限度に全額助成します。加えて入居学生1名に対して、月額5千円の家賃助成を行います。平成30年度までのモデル事業として、リフォーム物件3件300万円を、リフォーム後の8ヶ月間の家賃助成として1件当たり3名居住するとして、36万円を新年度予算計上しました。
呉市が、提携する大学の協力を得て学生アンケートを取ったところ、グループ居住やボランティア活動に興味を持っていると回答した学生が一定程度に達したため、ニーズがあると判断したという当局側の答弁でした。しかし、希望を述べるアンケート回答と現実は大きなギャップがあるということを知っておかねばなりません。現代の学生は昔と違って、親の仕送りを頼りに、ワンルームマンションを好みプライバシー重視です。しかも車を所有しますから、車庫付きや住居までの参入が容易な場所を好みます。斜面市街地の複数入居にニーズがあるとは、非常に考え難い訳です。
 しかもモデル事業とあって、今のところ平成30年度限りの家賃助成となっており、成功すれば助成継続も十分考えられますが、その時点でまだ在学中の入居学生にとっては、入居の際に非常に不安です。
 家主から見ても同様で、3年後に家賃助成が切れて、学生が退去することになったり、学生が卒業して、その後家賃助成が見込めないため、新たに学生が入居しないケースが考えられます。そうなりますと、リホームに投資した費用を回収するために、学生以外でも誰でも入居してもらうことは避けられず、制度そのものの意義がかすれてしまいます。
 そして、学生の地域活動に対する担保が取れるのか、甚だ疑問です。これは、先週演説したCCRCにおける高齢者の複数入居の際の地域活動条件に担保が取れないのと、全く同じ図式です。
 自治会活動の基本は何と言っても、自治会加入です。自治会加入を条件とするのかと私が当局を質したところ、学生に対してその条件を課すと、入居者が激減することを恐れて、それはできないとの答弁でした。また、入居当初ボランティア活動をしますと、学生が言ったとしても、その宣誓書の証文をしたためることはありませんので、言動に行動が伴わないことは火をみるよりも明かです。しかも地域活動の捉え方は個人差があり、個人の主観によるところが大きいため、学生本人が「私は地域活動を行っている」と弁明すれば、それ以上の追求は極めて困難です。そもそも、学生の場合は親元に住民票を置いている場合が殆どですから、地域に溶け込むのは限界がある訳です。
 そこで推奨大学において、入居学生の地域ボランティア活動を卒業単位に加えることに踏み切ることは一手段です。しかし、僅か3名程度の学生のみを対象にボランティア活動を単位にすることはできませんので、全体でのボランティア活動を視野に入れることになりますが、親元から通学している学生も地域活動に協力している場合があり、その学生も地域以外のボランティアを別途行っていたりして、現実的ではありません。
 私は、リフォームに踏み切る家主がそもそも出現するのか疑問を持っています。またもしリフォームしたとしても、いずれは学生入居ではなくなり、高齢者や生活保護受給者を対象とした入居物件になり下がってしまうのではないか、学生シェアハウスの意義はなくなってしまうのではないかと、懸念しています。即ち、学生のための物件化は初期段階に止まり、リホーム補助のアリバイ作りだった言われるのが落ちで、机上の空論になる可能性が高いと考えます。
 

Facebook 2016.4.12

JR新広駅有人化の背後に隠された市民血税投入の矛盾!

 昨日の呉駅頭街頭演説では、初めて地元代議士とかち合いました。私は、一足先に演説していた先方が終えた直後から演説を開始。テーマは呉市新年度に計上された新広駅駅舎改修についてです。
これは昨年度予算に計上された1,100万円の設計を行わず、JR西日本の都合に合わせて今年度予算に計上し直し、改修工事をセットにした1億7,400万円を注ぎ込むものです。新広駅は平成14年に開業し、まだ13年しか経っていないにも関わらず何故、改修するのかという疑問に対し、呉市は昨年度予算計上の際、説明をしていませんでした。
 そこで、この度の予算審議で私が質したところ、無人駅を有人化するため、緑の窓口を設置し、駅員の駐在室を整備するとの答弁を引き出したのです。つまり、広市民センターの機能充実と広古新開区画整理事業が終了したことにより乗降客が増えたため、キセル防止を目的の一つとして、駅員室を整備する際、全額市民の血税を使おうとうするものです。 しかも、平成19年に電子マネーたるイコカカードを同駅で導入した際、JRはそれに対応するため、簡易自動改札機を設置しました。ところがこれは、乗り越し清算はできないばかりか、切符を通過させることができないため、この度切符対応も可能な自動改札機を9,100万円で購入・設置しますが、これも全額呉市が補助することが判明致しました。
 これらは、私が追求しない限り、全く解らないままに予算が通っていたことになります。呉市当局による、オール与党化した議会軽視の何ものでもありません。
 更に、これまで障害者団体に切符販売を委託していましたが、イコカの導入によりその手数料収入が激減しました。実は切符販売業務を元々この付近に入居していた障害者団体に委託して収益事業をさせ、駅舎内にその作業所を無償提供して来た経緯があります。簡易な切符販売は障害者で業務が可能ですが、遠方への切符販売は、障害者団体が、JRを退職された健常者を雇用して対応して来ました。
 ところが、イコカ導入による販売収益が激減したため、その人件費を平成26年度から毎年95万円程度呉市が補助して来たのです。これも全く議会に説明がなかったのです。
 因みに、この緑の窓口たる駅員駐在室が完成すると、1月初旬から有人駅のスタートとなりますが、その時点でJR・OBへの人件費補助はなくなります。併せて切符販売業務も駅員が行うこととなり、障害者団体の仕事が奪われます。
 元々本駅はJRが好んで設置したものではなく、呉市が住民要望を踏まえJRに請願して、呉市が全額を投じて駅舎を整備した経緯があります。つまり、駅舎のように見えますが、正式名称は「新広駅前社会福祉施設」であって、呉市福祉保健課の普通財産なのです。底地も呉市所有です。有人駅化した時点で、呉市交通政策課に所管替えする予定です。
 一方JRとの協議で、JRの役割分担として、ホームの拡幅と屋根設置が決まりました。これは当然とは言え、全額JRが負担致します。但し、ホームの拡幅用地は呉市温水プールの駐車場用地を提供し、JR所有地との等価交換になります。その対象土地はまだ未定ということでした。
JRとしては、新駅設置当初は駅員配置は経費がかかるとして受け入れませんでしたが、利用客が増え、キセルも防がないとその分収益が伸びないことがあって、ようやく有人化を決断した言えましょう。それにしても、駅員室と自動改札機を市民の血税を全額活用して、自らの収益事業に充てようというのですから、虫がよ過ぎます。呉市も独占企業に対して極めて弱腰姿勢で、ホームの拡幅と屋根設置をバーター取り引きして実現させるのが精一杯の対応でした。
 しかも、駅室整備は公共事業であるにも関わらず、入札が行われません。JRに随意契約で事業委託することになっており、JRのグループ会社に言い値で請け負わせることになります。つまり、競争原理が働かないため、入札よりも高額な税金注入が必要になる訳です。
 これは、呉駅の二つの自由通路や呉ポートピア駅建設、阿賀駅建て替え、安浦駅自由通路の時もそうでしたが、いつものJRグループが儲ける手法に他なりません。これもJRの言いなりで、承伏しがたいものがあります。
 市当局はこの度の交渉決裂を恐れて、議会に敢えて行政報告をしなかったということは明白です。予算議決を得て早速去る4月1日付けで、呉市とJR西日本広島支社とが新広駅整備事業に係る協定を締結しました。もし、議会が勇気を持って本予算を修正するか否決しておれば、この交渉は決裂するか、JRが妥協することもあり得た訳です。それくらい議会は権能を発揮すべきなのです。勿論私は本予算に反対を致しました。
 私は、交渉の妥協点として、例えばこの度の予算を認める代わりに、改修後はその駅舎を、障害者団体の居室は除外した上で、呉ポートピア駅の様にJRに寄附することを提案致しました。そうしなければ、駅舎は呉市所有ですから、半永久的にその維持管理費には市民の血税を投じなければならないからです。つまり駅員室整備後は、そこに係る光熱費はさすがにJR負担となりますが、室使用料、即ち家賃は免除であることもその理由です。寄附を受けないのであれば、せいぜい使用料を徴収するべきでしょう。また、自動改札機を全額補助するのはもってのほかです。
 これらのことも一切交渉材料にしなかった、呉市の安易な姿勢が問われているのです。議会は決して市長のイエスマンになってはいけません。市長へのチェック機能を果たさなければなりません。戦後一度も市長提案を否決したことがない呉市議会ですから、これでは議会不要論が渦巻くのは当然と言えましょう。
 

Facebook 2016.4.19

カープ公式戦誘致の手法に議会軽視の姿勢が!

 昨日は38回目の街頭演説。テーマはカープ公式戦誘致についてです。
 丁度、先週4月12日(火)に呉市二河球場において、カープ対ドラゴンズ戦があり、3:1でカープが勝ち、1万5千人の観衆と共に、呉市全体が大いに盛り上がったところです。カープ戦誘致について、反対する市民は先ずいないでしょう。
 さてそうは言っても、昨年は呉市でカープ戦は行われませんでした。何故毎年開催しないのかとの疑問を、市民の皆様はお持ちと思います。
 実はカープ公式試合の内、セントラルリーグにおいて、当然地元主催試合の割り当てがあります。その中で集客力が最もあり、興行収益が最大なのは、ホームグランドのマツダスタジアムというのは、言うまでもありません。従ってカープ球団の方針としては、広島県内開催数は、マツダスタジアムを除き、年間僅か2試合しかないのです。その2試合を、我が呉市と尾道市、三次市が手を挙げ、分け合っているのが実情です。そのローテーションの谷間が昨年度に当たり、呉市で試合が行われなかったという訳なのです。因みに、今年度は、尾道市で開催が見送られました。
 そこで呉市としては、カープ球団に対し、粘り強く毎年度試合開催を要望しております。また市議会からも、カープ戦の誘致がかなわない年度に、カープ2軍戦を誘致したらどうかとの提案が出され、併せて要望するということです。
 一方、カープ戦の主催者は、呉市プロ野球公式戦開催実行委員会と広島東洋カープの共催で、実行委員長を呉市長が、副委員長を呉商工会議所会頭と呉市議会議長が務め、後はスポーツ団体や自治会連合会等60団体の代表で委員を構成しております。事務局は呉市と商工会議所が務め、この2団体が毎年度50万円ずつを負担しています。11月には翌年度の公式試合日程が確定し、呉市で行われる年は、年が明けて1月に一度だけ総会を開き、誘致試合の予算、前回開催の決算を承認する段取りです。
 さてこの度は、1万枚が実行委員会としての販売割り当てとなり、その内1,200枚の指定席券、500枚の自由席券を市役所8階に設置したチケット販売所で3月7日から販売開始しました。初日は200人の列が並び、指定席券は残り70枚しかなく、翌日完売となりました。カープは前田健太、「マエケン」が今年から不在なのにも関わらず、あっという間に前売り券、即ち「マエケン」完売とは、黒田・新井効果もあって凄い人気です。因みに、残り8,300枚は、中国新聞販売店やスポーツ店に振り分けられます。
 実は、この販売開始日である3月7日が問題です。当然ポスターやチケット印刷、販売員雇用に係る費用は、商工会議所と呉市からの負担金が原資となるはずですが、その時点では、まだ呉市で予算が可決されていないのです。つまり、「議会はどうせ本予算に反対はしないだろう、実行副委員長は議会の代表者であるし・・・」と、甘い見方が行政執行部内にあると言われても仕方ないでしょう。つまり、議会軽視のなにものでもありません。
 そう言えば、以前カープ戦誘致は呉市ではなく、民間地元企業を中心とした後援会が行っており、呉市の支援策は、二河球場使用料の免除と当時五番町小学校や片山小学校を臨時駐車場として無償提供することでした。ところが、それでも負担が大きいとの理由で、後援会として誘致を断念し、しばらくカープ公式戦が呉市内で休止状態が続いていたのです。
 その後現市長体制になった際、商工会議所と手を組んで、誘致を復活させました。平成19年のことです。その時まだ議会に対し、予算計上もしていない段階で、市長がいきなり記者発表した経緯があり、復活当初からいわく付きのカープ戦誘致なのです。カープ戦誘致を表明した後に、実行委員会への負担金が議会に対し、市長から予算計上されたのです。つまり、その時も議会の存在は完全に無視されました。
 この手法に対し物申したのは、今回もそうですが、私だけだったのです。予算は議会が認めないと行政は執行できません。それが行政と議会が馴れ合いになれば、議会は市長のイエスマンと化し、それは行政に対し、市民のチェック機能が果たせないことと同義です。 私はこの度の新年度予算案採決直前の討論で、はっきりこの問題点を指摘致しました。その後担当部署に対し、カープ戦誘致においては、11月に決まるのだから、12月に議会に補正予算案を提出し、その議決を待って1月に総会を開き、実行委員会としての予算を可決すべきと要請しました。その際呉市予算は翌年度に繰り越しますから、繰越明許費として設定すればよい訳です。当局としては検討することを約束しました
 

Facebook 2016.4.26

特別養護老人ホーム入所基準改定の影に施設の圧力が!

 昨日は39回目の街頭演説。テーマは特別養護老人ホームの入所基準改定についてです。
 これは私が呉市議会において、平成26年6月定例会一般質問で指摘したこともあって、改善に向け大きく前進したのです。
 特別養護老人ホームの入所決定に当たっては、民民契約ですので各施設裁量となっておりますが、国が平成14年に通知を出し、その指針を示していました。即ち要介護度、家族介護者の状況を最優先し、加えて在宅福祉サービス利用が考えられるというものでした。 ところがこれに背き、広島県の入所指針には住居や地域状況があり、更に待機期間が含まれていたのです。これは厚労省の指針を明らかに逸脱するもので、広島県老人福祉施設連盟の圧力に屈したと言われても過言ではありません。
 実際、県内特養には入所統一基準がなかったため、施設毎にばらばらでした。一例を挙げますと某特養では、要介護度20点満点、介護者状況30点満点、在宅サービス利用率10点満点と、要介護度の重要性が低く設定されていました。加えて待機期間を20満点、特記事項を20点満点として、合計100点満点で、点数の高い者を優先入所させることにしています。
 つまり、要介護状況ではなくても早くから申し込んで入れば、いずれ要介護状態になった時に、待機期間が長いので有利になる訳で、介護施設対象外の高齢者が多数申し込んでいるのはこのことが要因の一つです。しかも特記事項では、施設経営者の自由裁量幅を設定したものと言われても仕方ありません。
 この結果、平成26年度新設の某特養では、要介護1が17%の入所シェアを占めたにも関わらず、要介護5という重度者は10%に止まりました。しかも、要介護5の採用率は、申し込みに対し僅か38%にしか過ぎなかったのです。更に、より重度な人が、例えば老人保健施設に入所していると、在宅サービスを受けていないことで、その分野が0点にしか評価されず、重軽度の逆転減少さえ生じており、私はこの矛盾も指摘して来ました。
 その後改正介護保険法が平成27年度から施行されたことで、入所対象者が要介護3以上に限定されたのを受け、厚労省が入所に係る新指針を発令。これを受け、広島県はようやく重い腰を上げ指針を改定し、且つ県内統一基準を策定したのです。即ち、要介護度30点満点、介護者状況30点満点、在宅サービス利用率20点満点、老健・病院利用率20点満点で、合計100点満点となります。これにより、待機期間の長さは明確に無意味となりましたし、不明朗な自由裁量枠である特記事項も消えました。加えて老健等入所も点数評価がなされることで、重軽度逆転現象もなくなります。
 ここまではよかったのですが、問題が残りました。それは、入所判定を行う入所検討委員会の委員構成です。厚労省令では、「外部委員を入れることが望ましい」とされており、これは平成14年通知と全く変わっていません。実は少なくとも呉市内の特養で検討委員会に一部外部人材を活用している所は皆無なのです。これは、公平な審査が担保できないことを意味しています。何故なら、委員は全て施設に雇用されている者ですので、経営者のドンが天の声を発すれば、委員はその意向に従わざるを得ないということになるのは明白です。これまでも軽度者が重度者の順番を飛び越えて、入所している事例が多々見受けられたのは、このことがあるからです。つまりコネを使った入所が横行して来ました。
 ところがこの度の広島県指針を見ますと、「外部委員を入れることができる」と、大幅にトーンダウンしているではありませんか!これは、またもや県老人福祉施設連盟との妥協の産物と言えます。施設にとって、コネを活用した裁量権を残しておきたいが故、と言われても反論できないでしょう。これでは相変わらず不公平、不透明な入所があり得ることになります。
 一方、呉市は今年度から中核市に昇格しましたので、社会福祉施設の指導権限に加え、監査権限も取得致しました。ですから私は、呉市独自の指針を作るべきと当局に要請しました。当局としては波風を立てたくないため、県の指針を活用するが、現場サイドでは、外部委員登用を指導して行くとのことです。
 また、入所検討委員会の審査においては、議事録を作成し、それを2年間保存した上で、行政からの要請に応じてこれを提出することになっています。これも平成14年の厚労省通知より変わっていません。ところが、呉市内18施設中、議事録さえ作成していなかった所が4施設もあったのです。つまり、経営ドンの鶴の一声で、入所者が決定していたと同義です。呉市はこれまで議事録の提出を施設に求めたことは皆無でした。これは行政と福祉施設の馴れ合いの何物でもありません。
 今後私は、外部委員登用度のチェックに加え、議事録作成の有無もチェックして参る所存です。透明且つ公正な入所、より施設介護を必要とされている方が優先入所できる当然とも言える体制を構築して行くことが、市民からの信頼を回復する重大な鍵を握っています。
 

Facebook 2016.5.3

中央商店街活性化は行政主導から民間主導への転換を!

 昨日は、ゴールデンウィーク中日で平日に当たったため街頭演説を実施。通算40回目を迎えました。テーマは、中央商店街の活性化策についてです。
 さて、呉市の顔となる、れんがどおりを中心とする中央地区商店街において、呉市として過去様々な支援策を講じて来ました。
 先ず、中心市街地活性化法に基づく計画を策定し、ハード整備の柱としてサン劇跡地と銀座デパート跡地活用を図り、公的資金の投入も準備しました。しかし地権者の負担に係る同意が一部得られなかったことで、頓挫した経緯があります。
 その後、新法である地域商店街活性化法に基づき、地元主体でソフトにシフトした計画策定を支援し、公的補助を獲得しました。これがアーケード改修であり、ペアーレれんがどおりやヤマトギャラリーゼロ開設を柱としたソフト事業展開です。
 また、タウンマネジメントを注入するTMO設立を国が先導し、平成17年にNPOを設立し、タウンマネージャーとしての中小企業診断士を迎え入れました。しかし、これは国の外郭団体を通じての人件費補助が2年間で潰えたため、平成19年から26年度までの8年間、呉市が委託する中心市街地活性化促進ソフト事業を起ち上げ、毎年約300万円を支出して来ました。
 しかし、これは新たに赴任されたタウンマネージャーの人件費を賄うのが真の目的だったのです。実際平成25年度決算では、308万円の委託費の内、約6割の185万円が人件費に消えました。実際の事業費はその差額となります。
 しかも、平成25年度から県の緊急雇用対策基金を活用した「くれ丸ごと物産館」を起ち上げTMOにその運営を委託したのですが、これもコーディネート役を担ったタウンマネージャーの人件費として、重複支出されたのです。具体的には25年度決算によると、売り子パートの人件費とすべき県の補助金1,350万円の内、319万円が振り向けられたことが判明したのです。
 結局金の切れ目が運の切れ目で、物産館も県の補助金が2年間で切れたため、26年度末で廃業に追い込まれ、タウンマネージャーも退任され、これに吊られるようにTMOも解散を余儀なくされました。つまり、行政主導ではなかなかうまくいかないことを証明したのです。
 ところで、呉市は25年度に、3年間休止状態だった「来てくれ店舗公募事業」を復活させ、「もっと来てくれ店舗公募事業」として優秀店舗を従来の1店舗100万円から、2店舗200万円に予算を倍増しました。更に27年度は、国の地方創生先行型交付金を100%活用して、2千万円と10倍に増額させ、28年度は半額を交付金に頼りつつ、同額予算を組んだのです。
 この事業は既存店舗は対象外なので、その不公平感もさることながら、個人収益事業主の資産形成に税金を投じることになって、地方自治法の趣旨に背くものです。しかも昨年度から予算を乱発したことで、優秀店舗のハードルが大幅に下がったことも問題です。そのため、早くも報奨金を受け取りながら、廃業に追い込まれる事業者も出て来る始末です。
 一方呉市は、れんがどおりを中心とする都市計画街路「中通線」の改修整備に昨年度かかりました。中通4丁目からスタートし、今年度はアーケードの架かっていない中通2丁目まで施工し、完成致します。
 ハードが整備されたら、今度はソフトの充実ということで、まちづくり会社設立に係る調査費を昨年度と今年度に、200万円ずつ予算計上致しました。但し、これも行政主導で、NPOに丸投げ委託しており、問題を含んでいます。まちづくり会社設立は、複数の事業主が出資をしなければいけないので、自主的な動機でスタートを切らないとボタンの掛け違いに終わってしまう危険が伴います。
 そこで私は、地元商店街振興組合が既に定期的に実施している音戸まちづくり協議会による青空市、道の駅からの物産展誘致等、路面活用を恒常化する企画を通じて、既存組織を活用しつつ進める現実路線を訴えています。
 これには、今年度末で切れるハード中心の呉市都市再生整備5ヶ年計画を新たに更新立案し、その中に道路占用特例を盛り込むのも一手法です。道路占用は道路管理者の許可が必要で占用料の支払いが生じ、道路交通法で警察の道路使用許可も併せて必要です。その際、出店一区画使用に対して1日2,400円かかります。これらが重くのしかかっており、占用特例の重要性が叫ばれているのです。
 但し、私が警察と交渉した内容では、例えば土曜夜市を開催する際、縦筋・横筋と複数の商店街振興組合が実行委員会を起ち上げ、組織運営すれば、道路使用料を一括して2,400円のみで済ます方法があることが判明しました。
 当然地元商店街としても、このような運営を自主的に検討しておられますし、そのことを行政は大切にするべきなのです。そして呉市商店街振興条例に基づく、にぎわい集客事業における半額補助ですが、これは通常活性化イベントに支出されて来ました。しかし私は、青空市等を企画立案するまちづくり組織に対し、コーディネート部分への助成適用も視野に制度見直しを訴えています。
つまり、自主的に行動を起こそうとしておられる地元商店街に手を差し伸べ、行政主導の予算を、地元主導に対する支援予算へシフトすることで、新たな展開を期待したいと念じております。
 
 

Fecebook 2016.5.11

保育所民営化加速で退職者不補充の継続を!

昨日は41回目の街頭演説。初夏に突入したことで、この日よりクールビズ・ノーネクタイとなりました。
 さて、テーマは呉市立保育所の民営化です。
 呉市は今年度から平成32年度までの公立保育所・幼稚園再配置計画を策定しました。
過去、平成18年度から22年度まで5ヶ年の保育所統合民営化計画が第1次とすれば、23年度から昨年度までの5ヶ年の同計画が第2次で、この度の再配置計画は第3次と位置付けられます。
 これまで過去10年間で、郷原保育所を皮切りに指定管理(民間委託)を進め、その後保育士の継続性の観点から、民間移譲に方針転換致しました。その結果、郷原保育所のほか、天応、吉浦、坪内、原、川原石、延崎(大冠を吸収統合)、川尻各保育所を民営化して来ました。加えて合併町では公立保育所の統廃合を進めて来ました。
 これは、3年連続して入所数が20人を切る施設を統合対象と位置付け、官民格差を是正すると共に、民活での質の高い保育サービスを提供しようとするものです。実際、第1次計画では、1施設を民営化することで、年間維持管理費が1,500万円から2千万円程度節約効果があると謳っていました。
 それに対しこの度の5ヶ年計画は、全14保育所の内、中新開、波多見、安浦中央の3施設の民営化に止めるものです。そして市内西部と東部とに分け、それぞれ拠点保育所を指定し、それは公設公営を維持致します。具体的には、西部では山の手と中央乳児を将来統合した上で公設を維持し、東部では三坂地保育所を公設のまま残すというものです。  一部を拠点化して公立保育所を維持する理由ですが、障害児保育等で民間では対応が難しい場合、公設の使命としての受け皿が挙げられます。そして質の高い保育の研究機関としても位置付けるものです。
3番目の特長としては、今年度から休止された豊島幼稚園があった豊浜町や、保育所と幼稚園が併設され、且つ児童数の少ない豊町における、保育所や幼稚園の在り方の検討です。具体的には、昨年度から施行された子ども子育て支援法における、地域型保育の導入が挙げられます。即ち小規模保育や家庭的保育(保育ママ)を、ニーズに応じて導入しようとするものです。
 ところが問題なのは、民営化を促進するため、平成9年度から退職者不補充施策を継続して来た方針を大転換するとことです。これは旧交通局、家庭ごみ収集部門である環境業務課、学校給食調理員等現業部門においても、民営化へ向けて、この施策を継続して来たのです。
 当局によるその理由付けは、5年後には公務員保育士が、定年退職に伴う自然減で53名となりますが、その時の必要保育士数は95名だというのです。そして保育士が高年齢化しており、若い保育士が必要とされているというのがもう一つです。
 しかし裏を返せば、5年後までに民営化を3施設に絞り込むから95名必要となるのであって、民営化施設数を増やすことで、足りるということなのです。しかも民営化すれば、当然若い保育士を雇用するでしょうから、この問題も自然に解消される訳です。
 私は民営化を更に加速させ、退職者不補充を継続するべきと主張しています。かつて交通局も、赤字続きだった20年近く前、運転士を10名新規採用したことで、民営化が難しくなった経緯があります。この教訓を活かさねばなりません。幸いにも呉市には待機児童はゼロです。「保育園落ちた日本死ね」というのは、都会の話にしか過ぎないのです。
一方、私が26年9月定例会で指摘していた、当時未着手だった公立保育所の耐震化も、今年度中に単独保育施設においては、完了する見通しが立ちました。
 但し、市営住宅と併設されている山の手、中央乳児、中新開、皆実の4保育施設が立ち遅れています。これは、第3次公共施設再配置計画で市営住宅の在り方の方向性、即ち存続か廃止か統合かの結論を平成29年度までに出すこととしています。その際存続であれば、耐震改修計画を盛り込むことになり、併設保育所の耐震化に係る方向性が固まることとなります。
 

Facebook 2016.5.19

家庭ごみ収集業務の既得権益を打破し、
民間委託化を加速せよ!

 去る17日(火)は42回目の街頭演説。テーマは、家庭ごみ収集業務における民間委託化です。
 この問題は交通局民営化と併せて、特に私が改革を訴え続けて来たテーマです。そのこともあって呉市は、平成11年度から定年退職後の補充職員の採用を行わない、いわゆる退職者不補充を続けて来ました。その結果、平成25年度から一部において民間委託がスタートしたのです。
 具体的には25年度から27年度までの3ヶ年で回収量の15%を民間委託、そして今年度から30年度までの3ヶ年で回収量の30%を民間委託しています。
 この施策推進において、忘れてはならないのは、収集車両における3名収集体制の2名化です。これは私が強く主張しており、平成22年度から不燃ごみにおいて一部2名体制に、23年度からは可燃ごみにおいても一部2名体制を試行しました。その結果、26年度から一部狭隘道路コースを除き、原則2名体制が実現したのです。即ち16台の収集車両の内、2台、日によっては3台のみが3名体制を継続しているだけになっています。
 私は、民間委託化を更に進めるために、すこやかサポート事業を介護保険の地域支援事業へ移行することを訴えています。この事業は、無料で家庭まで市職員がごみを収集に巡回する制度で、民営化を遅らせるために、起ち上げた事業と言われても仕方ありません。
 では、何故民間委託すべきなのかと言いますと、交通局もそうでしたが、人件費の官民格差が大きいということです。各班で収集ルートを設定していますが、早い班で午後1時過ぎ、遅い班でも午後3時には回収作業を終えて事務所に帰還します。公務員の勤務時間は5時15分までなので、その後は一部運転手は車両整備もありますが、風呂に入浴して身を清めるのも、公務として堂々位置付けられているのです。 
 同じ収集でも、委託した民間会社ではそのようなことはあり得ません。先ず、きっちり夕方まで回収するためのルートを設定します。入浴は帰宅後となるのは常識です。
 しかも、清掃等職員手当なるものが存在し、汚い仕事に手を染めるために、給料とは別途日毎に支給されているのです。これは収集作業においては1日1,550円でした。私はこれを廃止するよう当局に要請しておりました。実際施行時特例市40市中、この主の清掃手当がないのは、民間委託も含めて19市もあったのです。
 この訴えが実り、労働組合との妥協の産物として、27年度からこれを650円に引き下げることに成功したのです。元々現業職として採用しているのですから、別途手当を支給するのはおかしいのです。勿論民間委託化したその会社で、清掃手当なるものは一切存在しません。
 更には一般職公務員には通常の俸給体制と、現業職に対し、それより低めに設定している俸給体制とがあります。後者を「行政職俸給表2」、略して「行2」と呼んでいますが、呉市は行2が存在しません。これは他の給食調理員等の現業職においても同様です。
 交通局時代もそうだったので、赤字を圧縮するために途中から行2を適用しました。その結果、民間同種企業たるバス会社との賃金格差が4割高だったのを3割8分高に減じた訳です。
 そして、定年退職後の再任用の問題があります。交通局の場合、定年退職後は嘱託採用でした。呉市では、厚生年金支給が61才からになった昨年度からは、その空白期間を埋めるために1年間のみ再任用、その後は嘱託となります。ところが収集業務の担当職員においては、定年退職後は即再任用、そしてそれが65才まで保証されているのです。これは以前から継続中であって、正に特待扱いです。
 再任用とは、特殊技術を持っている職員に対して採用する、と当局は答弁しました。その実例が消防局吏員です。ところが第2種運転免許資格者である交通局運転士でさえも再任用しなかったのですから、ましてや第1種運転免許でよい、ごみ収集車の運転士が特殊技術であるとは到底言えません。
 嘱託員は特別職公務員で、通勤手当も賞与もありませんが、再任用は一般職公務員であって、通勤手当を初めとする様々な特殊勤務手当、賞与もついて参ります。それが給与格差を更に拡大しているのです。
 つまり、特殊技術を有しているから再任用との当局答弁は、まやかしであることは明白です。私は今後も、これらの既得権益を打破しつつ、1日も早い完全民間委託化の成就に向け、粉骨砕身の努力を傾注して参る所存です。 

Facebook 2016.5.24

行政の紐付き公共的団体の統合で、真の地域協働を実現!

 昨日は43回目の街頭演説。テーマは地域協働の在り方についてです。
 近年、自治会長の後継が見つからず、解散の憂き目に遭う自治会が散見されつつあります。この要因の一つに、自治会長の負担が大きいことが挙げられます。
 呉市は市民協働推進条例に基づき、平成26年度から30年度までの第3次市民協働推進基本計画を策定しており、同条例では、市民の努力義務として自治会活動への参加を謳っています。しかしながら、居住地域の自治会そのものが消滅したのでは、それも不可能となってしまいます。
 実は、一旦自治会長を引き受けると、各種公共的団体の充て職を請け負わねばならない事情があります。具体的には、交通安全推進協議会や公衆衛生推進協議会、青少年補導員連絡協議会、防犯連合会が挙げられます。これらには警察や保健所も絡んでおり、住民自治とも密接に関係することから、28地区に分かれた自治会連合会が基礎活動の母体となっています。
 そして前者2団体は呉市地域協働課が所管し、補助金を支出。青少年補導員連絡協議会は呉市文化振興課が所管し、補助金を支出。防犯連合会は公安委員会が所管しつつも、補助金は呉市地域協働課が支出しています。即ち、紐付き補助金が縦割り行政の弊害として重複して支出されており、それら全ての会計事務を自治会連合会役員が引き受けています。これらは自治会連合会に統合すべきと私は主張しています。そうすれば、会計事務も統合され、無駄な補助金支出は抑制でき、充て職も減ります。
 同様に、各地区単位にまちづくり委員会があります。これは新たに地域協働の推進母体と位置付け、行政主導で設立された経緯があり、やはり自治会連合会を母体としています。つまり自治会、女性会、赤十字奉仕団、民生児童委員連絡協議会、分区保護司会、老人クラブ、子ども会、PTA、地区社会福祉協議会、それに地区によっては農業協同組合、漁業協同組合、消防団、NPO、ボランティア団体が加わります。
 但し、合併町を除く旧呉市内の地区まちづくり委員会は、地区社会福祉協議会の構成とほぼ同一です。何故なら地区社会福祉協議会そのものが、自治会、女性会、赤十字奉仕団、民生委員、保護司、老人クラブ、子ども会、PTAの集合体だからです。
 更に、人権教育啓発推進連絡協議会が法務省の肝いりで組織化されており、これも地区自治連を母体として、各種団体が加盟しています。同様に人権センターから補助金が交付されており、その決算承認は地区毎に総会で行っています。
 そして、新たに保健所の要請を受け組織化した、運動普及推進協議会が、地区単位で地域に根ざした健康づくり事業を展開しています。これへの補助金は、健康増進課が地区自治連へ交付しているのが実情です。歩こう会やグランドゴルフ大会等を地区毎に行っていますが、これらの主催が地区運動普及推進協議会であるにも関わらず、おかしな構図となっています。
 しかも、地区社会福祉協議会の活動資金源について、自治会費を社会福祉法人・呉社会福祉協議会に上納し、その半額が還付される構図です。つまり自治会員は地区社会福祉協議会の自覚なき会員と位置付けられているのです。
 結局自治連の会計担当者が、これら類似の各種公共的団体の会計事務を行っているケースが多々あり、一例として、一人で7つの通帳を管理しているという話もありました。加えてそれら決算に対し、2名ずつ監査役を付けねばなりませんが、充て職自治会長が持ち回りで、団体毎に交差するように監査を行っています。
 そこで私は、人権教育啓発推進連絡協議会と運動普及推進協議会、地区社会福祉協議会をまちづくり委員会(合併町では協議会)に吸収統合するべきと提唱しています。
 ところで、中央地区の第2地区から川原石地区までの自治会連合会では、この様に事務負担が大きいのですが、他の地区、即ち市民センターを抱えている所は、市職員が会計処理からまちづくり計画策定から全て事務を行っているので、このような不満が聞こえて来ないことを押さえておく必要があります。つまり、同じ市民による地域協働でありながら、大きな不公平が存在することを知って欲しいのです。
 このようなことから、組織統合と併せ、これら公共的団体の事務局から市職員を撤退させる必要があります。伊勢市や愛知県南知多町では、事務局員はまちづくり委員会が雇用しています。自治体職員は助言や相談に乗る程度です。
 そこで私は、市職員による事務局からの撤退の代替策として、まちづくり委員会の事務局員人件費を呉市が支出すれば、地域の呉市を退職された有能な方が事務に当たる体制になり、真の独立したまちづくり、地域協働を推進できると考えています。実際今年度から、昭和まちづくり委員会がNPO法人化した上で、昭和まちづくりセンターと昭和東まちづくりセンターの指定管理者になられました。これはこの提案に対するよき見本になると思います。
 一方、くれ協働提案制度というのがありまして、これは公共的団体が呉市の担当課とタッグを組んで行う採用事業に対して補助金を交付するものです。
 その際、呉市の役割分担として、事務や広報を担当するとしていますが、皮肉なことに、過去採用された一部3団体の事務局を担当課が担うことになり、新たに市の業務を増やしたことで、地域協働の趣旨にそぐわない状況になっています。
 具体的には、安芸灘とびしか海道連携推進協議会の事務局を蒲刈市民センターが引き受け、瀬戸内観光ガイドサミット実行委員会と、頑張る高齢者呉の観光振興推進事業実行委員会の事務局を観光振興課が引き受けてしまいました。
 事務局から市職員が撤退することこそが、市民の人材を育成し、独立した地域協働、即ち真に呉市とパートナーを組む団体に成長するはずにも関わらず、これらは逆行している訳です。
 この様に、地域住民の積極的且つ主体的な構想を具現化し、できるだけ重複した住民における人材登用は避けて個々の負担を減じること、呉市のサポートは必要最小限に留めること、これこそが真の地域協働を実現する鍵を握っていると確信しています。 

Facebook 2016.5.30

資源回収の既得権益を打破し、行政集団回収への転換を!

 本日5月30日は「ごみゼロの日」。44回目の街頭演説は、奇しくもそれに因んだ格好で、資源回収がテーマとなりました。
先ず、呉市における家庭から排出される資源物の回収は、昭和54年度からの資源集団回収に始まります。これは、PTAや子ども会、自治会、老人クラブ等の団体が資源物を回収し、呉資源集団回収組合に所属する事業者にそれを買い取ってもらい、尚且つ呉市から回収量に対応した報償金を受給するシステムです。
 この組合所属事業者でないと報償金の対象とならないのがミソで、これが長い間継続して来た、組合の既得権益となっています。しかも、その買い取り価格は平成26年度まで固定化され、kg当たりで、牛乳パックは3円、アルミ缶20円、古繊維2円、生き瓶2円、ビール瓶3円となっていました。そしてここが肝心ですが、回収量が最も多い古紙が無料となっていたのです。
 更に、古紙価格が暴落した平成6年度からは、資源集団回収組合員への価格補償のため、従量制で呉市が補助金を支出。併せて固定制として組合へ、組合報償金を30万円支出して来ました。古紙相場が回復した平成20年度をもって従量制補助はなくなりましたが、組合報償金は、組合の強い意向でその後継続したのです。しかも呉市は、それを協力謝礼金との位置付けから、組合決算書の提出は敢えて求めて来ませんでした。
 ところが、組合員たる回収業者が安価に買い取り、それを卸問屋に買い取ってもらうと、10数倍の値がついていたのです。実際の古紙相場がkg当たり4円程度のところを無償で引き取る訳ですから当然のことです。
では誰がその買い取り価格を決定したかというと、自治会等公共的関係団体で構成する呉市資源回収推進協議会でした。ところがこの要綱は存在せず、代表者も不明確のまま、平成9年度頃以降、開催されていないようで、価格もそのまま固定されたままとなっています。その中には組合代表も入っていましたので、結局は組合提示額の言い値になっていたことは想像に堅くありません。
 つまり、誰が最も得をしていたかは、火を見るよりも明らかでしょう。
 
 一方、資源集団回収団体に交付される団体報償金は、kg当たり1円でスタートしましたが、その後徐々に引き上げられ、平成9年度に8円となりました。これは回収業者の買取価格を低額に抑制することで、その反動として逆にアップしたものと推察されます。全国平均は4~5円ですから、高額と言えましょう。
 因みに平成25年度では、4,500万円を予算化していました。
 ところが、呉市は平成10年度から、市内全域で資源物を回収するいわゆる資源行政回収をスタートさせたのです。この委託先として、呉市衛生事業組合と呉資源集団回収組合が選ばれたのです。この委託料が年間2億2,800万円。この内呉資源集団回収組合には9千万円強が支出されています。
 つまり、既存の資源集団回収に加え、新たに資源行政回収委託費が加わり、更に呉資源集団回収組合が潤うことになります。
 即ち、この二つの資源回収が混在するようになってから、税金の二重投資が今日まで継続しているのです。
 例えば一部の自治会では、自治会内に設置した資源物ステーションには資源物を持ち込まず、その分を集団回収に回しています。この方が自治会の収益になるからに他なりません。その自治会のステーションには僅かしか資源物が出されないのです。それでも回収のための人件費やガソリン代は同じくかかりますから、丁度市営バスが空気を運んでも経費は同様かかったのと同じ現象となって、ここに税金の無駄使いが生じることになります。 従いまして、平成10年度からは、少なくとも自治会による資源集団回収は再考するべきだったのです。
 私はこれらのことを平成25年12月定例会一般質問で訴え、その結果27年度より、次の2点が改善されました。
 一つは集団回収において、別の新たな業者がグループを結成した場合、そこにも回収権を付与するというものです。回収業者の登録制度の初導入です。全国自治体を調べたところ、回収業者を組合に限定している自治体は呉市のみでしたので、ようやく改革の一歩を踏み出すことができました。
 そうなりますと、現在集団回収で回収品目の対象外となっているスチール缶、ペットボトル、廃油も回収の可能性が出て参ります。現在の組合に卸問屋も加入していますが、これら品目を取り扱っていないので、中途半端な回収になっていたことはいなめません。
もう一つは、買い取り価格の値上げです。具体的には新聞・段ボールがkg当たり0円から2円に、雑誌が0円から1円に、アルミ缶が20円から30円となりました。
 そのことで、逆に回収団体への報償金がkg当たり8円から6円に引き下げられました。それでも買い取り価格が上がったことで、回収団体への収入にはあまり影響がないように致しました。
 
 後残された課題は、集団回収と行政回収の二重投資をどう防ぐかです。そこで私は東京都荒川区の方式を提唱しています。
 これまで自治会が行っていた集団回収は、公園等に資源物を集積するため、住民に負担が大きくかかっていました。私の住む自治会はその負担感故に、集団回収を断念せざるを得なかったのです。
 ところが荒川方式では、自治会員はこれまでと同様最寄りの資源物ステーションに出すだけで済み、負担感は変わりません。そして行政が事業者に委託するのではなく、事業者が回収した分は、事業者所有とし、それを売却した収入と回収経費との差額を行政が事業者に支払うようにするのです。即ち、行政回収を集団回収に統合・一本化することで、行政、自治会、事業者が三位一体となって、回収を行うのです。
 これにより自治会にも報償金が確実に入りますから、自治会としての協力体制もできましょうし、何よりコミュニケーションが深まる訳で、正に地域協働そのものです。
 その際、PTAや障害者団体等が実施していた個別資源集団回収は、貴重な収入源ですから廃止せず、その活動は継続してもらいます。自治会等、地域に根ざした縁故団体のみ行政資源集団回収として、明確に区別するのです。そうすることで、税金の二重投資をかなりりなくし、併せて呉市の歳出も抑制できるという訳です。
 

Facebook 2016.6.7

夢を追う「JR呉線複線化」の幻想から目を覚ませ!

 昨日は、45回目の街頭演説。テーマは、今年度中に策定予定の呉市都市計画マスタープランについてです。
 同プランは、20年後を見据えた都市機能の形成について計画を立てるものです。呉市の行政計画では最も長期的なものではありますが、平成22年度策定した10年スパンの第4次呉市長期総合計画基本構想に基づく基本計画の下位計画との位置付けです。
 ところが、策定中の都市計画マスタープラン全体構想案には、「JR呉駅周辺連続立体交差事業」と「JR呉線複線化」が記述されました。前者は長期総合計画には「検討」という表現ながらも記述されていますが、後者は全く記述がありません。つまり、上位計画との整合性がない訳です。しかもJR複線化は、来年度予算要望のための広島県への呉市提案書にも記述されました。逆に連続立体交差事業は、県提案では落とされています。この様に同じ呉市でありながら、支離滅裂状態となっているのです。
 先ず連続立体交差事業は、県と呉市、JRの協力なくして実現は不可能ですが、頼みの広島県は海田駅を中心とした東部連続立体交差事業においても、財源確保が難しいため、事業規模を縮小することに変更しました。こちらの事業完了の目処が立っていない段階で、呉市が県に提案するのは笑われてしまいます。ましてや、例え県が重い腰を上げたとしても、肝心のJRが負担を渋るのは、過去のJR駅周辺整備事業を見ましても明らかです。 従いまして呉市としては、夢を捨てず、あくまでも遠い将来を見据えた上での、マスタープランへの記述ということになりましょう。長期総合計画においても、連続立体交差事業の推進ではなく、あくまで「検討」と、かなり遠慮した表現となっているからです。
 そこで問題は、長期総合計画にも位置付けられてもいないJR複線化をマスタープランや県提案に記述したことです。特にマスタープランでは、議会の産業建設委員会においても、「絵に描いた餅にならないように」と釘を刺されているからです。
 実はJR複線化は、前市長時代に検討を行った結果、全体予算が260億円もかかり、現実的でないとして、3箇所の行き違い新駅を設置するという部分複線化事業を平成9~10年に実施することで、一件落着した経緯があります。それに基づき平成11年2月には、水尻駅、かるが浜駅、移転後の川原石駅の3駅において、ホームを跨ぐ形で、新設の行き違い線路を使っての営業開始となりました。
 これにより呉~広島駅間の所要時間が、快速を走らせることにより、最短で29分に短縮されたのです。つまり、3箇所の部分複線化により、完全複線化に近い効果を得ることができ、事業費も僅か22億円に縮小することができたのでした。
ところが、前市長を破って初当選された現市長が、マニフェストに「JR呉線複線化」を掲げられたことで、状況は一変。具体的には複線化検討調査費を2ヶ年に亘って1千万円ずつ予算化したのです。私はこれに真っ向から反対の意を唱えました。
 当時市長の命を受けた担当部署の職員がこう不満を漏らしています。「僕らも疑問を持ちながら(業務を)やっている。」この言葉が全てを表しています。
 この調査費を活用して新たにコンサルに業務委託し、昭和63年に結成された関係市町で構成する「JR複線化期成同盟会」とは別の検討組織を起ち上げたのです。即ち関係機関の代表を一堂に会し、審議を重ねました。関係市町からは負担金をもらわず、呉市丸抱えの検討組織にほかならず、他の市町はお付き合いでお客さんの立場で参加したようなものです。
 結果は、この2千万円の血税はどぶに捨てたものと同然になりました。最初からこうなること見えていました。しかし市民の付託を受けて当選された市長ですから、公約を果たそうと、無理矢理予算化し、私の予想通り失敗に帰したのです。
 私は、この度の都市計画マスタープラン検討会議を傍聴しました。その席で市民を代表する一人の委員が、「JR複線化は実現性がないので、マスタープランから削除すべきだ」と正論を述べられました。私は心の中で拍手致しました。
 ところが学識者である座長は、他の委員に意見を求めることを全くせず、素案を作成した事務局、即ち呉市担当課に答弁を求めました。これが呉市の審議会の実態です。あくまで市長のイエスマンを委員に任命し、それと異なる意見が出たら、事務局に答弁させ、火消しにやっきになるのです。この様に審議会は、呉市におけるアリバイ作りと化しているのです。今に始まったことではありません。
 そしてこのプランは、パブリックコメント(市民意見)も公募しました。それを経てこの度案ができ上がったのです。
 実のところパブリックコメントは、市民から多数の反対意見が出そうなもの、或いは市民にとって直接痛みを伴うものに対しては行いません。過去の例で申しますと、市営バスの民営化や上下水道料の値上げ、新庁舎建設などです。
 ということで、夢物語を都市計画マスタープランで描いてしまいました。私は、このことで無駄な労力や血税を投入することになりはしないか、と懸念しています。 

 Facebook 2016.6.13

地域猫から飼い主捜しへの転換で、野良猫繁殖抑止へ!

本日は46回目の街頭演説。テーマは野良猫対策です。私は、来る6月16日には動物愛護の充実策での一般質問を致しますが、その一部分となります。
 さて呉市は、昨年8月からくれアニマルパークで預かった猫の殺処分ゼロを実現しました。それは人になつなかくて譲渡困難な成猫を、動物愛護団体である「犬猫みなしご救援隊」が引き取ってくれることになったからです。つまり、見かけ上の猫殺処分ゼロなのです。ただそれに甘えていては、いずれ限界が来ますので、市の独自施策によって、殺処分ゼロを実現する必要があります。
 一方、野良猫に餌をやる市民の存在故に、繁殖が後を絶たず、地域の環境が悪化して困っている事例や相談が絶えません。実際昨年の福岡地裁では、被害住民の訴えを受け入れ、野良猫に餌をやり続けた隣家の女性に対し、慰謝料55万円の支払いを命じた判決が出ています。
そこで呉市は、昨年度地域猫対策を初めて某自治会で試行しました。「地域猫」とは、自治会単位で野良猫を捕獲し、有志獣医師の無償不妊・去勢手術を施し、地域に返し、その猫に限って餌やりとトイレの世話をする制度です。地域猫以外には餌を絶対与えないことと、地域住民の理解と協力が不可欠となるため、現実的には非常にハードルが高いと言えます。案の定、今年度に至ってその対策はその自治会において途絶えたと窺いました。 しかし呉市は、獣医師会の協力を得て、指定医に市場相場より安価な1匹1万円で手術をしてもらう、本格的な地域猫対策を今年度スタートさせ、30匹分、30万円の予算を組みました。
 ところで、平成23年度から5年間連続して猫の殺処分ゼロを実現した東京都千代田区では、地域猫に固執する施策展開はしておりません。平成12年度から飼い主のいない猫への不妊・去勢手術助成をスタートさせ、捕獲して手術した猫を、世話人がいるいないに関わらず地域に返していました。
 それが23年度からは地域に返さずに、動物病院にそのまま入院させ、ストックした段階で年に3~4回、ボランティア団体が譲渡会を開催するのです。そこで飼い主が見つからなければ、次回の譲渡会に回します。全く人になつく見込みがなく野生化した猫だけを地域に戻すという手法です。病院に入院させる費用も公費負担です。何故なら同区では動物愛護施設を有していないためです。
 しかも、その譲渡率たるや8割を超えているのです。地域猫として一生を終えるよりも、飼い主が見つかって人間の愛情を受けて一生を終える方がよいに決まっています。
 そこで呉市としても、必ずしもハードルの高い地域猫に固執するのではなく、地域に返すことよりも、手術後の段階で飼い主捜しを優先させるべきなのです。何故なら呉市は、動物愛護施設である「くれアニマルパーク」を有しているため、その入院費用がかからないからです。
 そして、どうしても譲渡会にすら出せない野生化した猫に限って最後の受け皿、セーフティネットとして、犬猫みなしご救援隊の協力を願うのです。現在でもその方針だということですが、地域の野良猫さえも譲渡会に回すという手法は、地域の野良猫対策にも直結するという点が大きく異なります。
 もし予算が足りないというなら、飼い猫や飼い犬への不妊・去勢手術助成のない千代田区を見習うべきです。因みに呉市の不妊手術助成は、犬が1頭4,500円、猫が1匹3,500円で、去勢手術助成は、犬が3,500円、猫が2,500円となっています。飼い主の責務として手術費を全額負担するのは当然で、飼い主のいない猫こそ手術費を公費負担して、野良猫をなくそうという同区の考えには感心させられました。
 つまり、呉市は引き取った猫のみ受動的対策を講じているのに対し、千代田区は野良猫そのものをなくしていこうという、能動的施策なのです。
 猫を捕獲(トラップ)し、手術(ニューター)、地域に返す(リターン)と言われるTNR活動ですが、飼い主を捜してのリターン、これこそが、猫との共生の姿ではないでしょうか?
その上で、野良猫への餌やり禁止を条例で定めるのです。これは荒川区が先陣を切って条例化しましたが、地域猫の餌やりは勿論例外です。地域猫は手術段階で耳を刻むため、その判別が視覚的に可能です。
 法律では、野良猫への餌やりを規制するものがないため、その糞尿の匂いや鳴き声で住環境に悪影響を及ぼすことに対して歯止め策がないのです。行政として指導・助言、勧告、命令ができるようにし、罰則規定も盛り込むのです。
 これは、一見動物愛護施策とは矛盾するようですが、決してそうではありません。猫に愛着をお持ちの市民であれば、無責任に餌やりをして地域に繁殖させるのではなく、ご自身で責任を持って飼うべきなのです。これこそが真の動物愛護であると言えましょう。動物愛護には責任が伴うことを知って欲しいと思いますし、動物愛護管理法でも飼い主の責務として終生飼養が謳われているからにほかなりません。 

Facebook 2016.6.20

市営バス民営化後の経営支援補助金と生活バスへの移行

 本日は47回目の街頭演説。テーマは広電呉バス路線の経営についてです。先日丁度、昨年度の経営状況が、呉市議会総合交通特別委員会へも報告されたところです。
 平成24年度に呉市交通局から移管された広電バスも、赤字路線に対しては、その赤字分に適正利潤を加えた金額を血税から補填しております。これを経営支援補助金と呼んでいます。黒字路線に対しては、全てがインセンティブとして留保される仕組みです。
民営化後2年間は、路線、ダイヤ、運賃を全て交通局のそれを維持する契約で、市民サービスにおいて激変緩和措置を講じて来ました。
 しかし3年目の26年度からは、先ず運賃を値上げしました。具体的には、初乗り運賃を150円から160円にしました。これは広島市内を走る同社路線は、以前から160円を導入した訳で、大赤字の呉市交通局が値上げを躊躇して来たことがそもそも間違いでした。
 続いてダイヤの大幅な見直しを、乗車実態に合わせて行いました。具体的には平日路線と土日祝日路線を分けて、後者における減便を致しました。
 そして最大の改革は、大幅な赤字路線、即ち経常収支率50%を切ったところを、26年10月から生活バスに移行させたことです。勿論これは呉市も大いに協力致しました。具体的には、呉倉橋島線の中の音戸さざなみ線、横路交叉点循環線、白石白岳交叉点循環線、昭和循環線です。
 これにより、半年間で8千万円もの経営支援補助金を削減し、代わりに呉市としては、委託したタクシー会社に4,300万円を補填することになり、差し引き3,700万円、年間ベースで7,400万円の支出減となりました。
 このことにより、平成25年度の経営支援補助金が4億2千万円だったのが、26年度のそれは3億4千万円で済ませることができたのです。この調子で行くと、27年度は年間ベースとなりますから、1億6千万円の経営支援補助金が浮く計算になり、予算額としては、2億8千万円で済むことになりますが、実際は乗客の自然減がありますので、予算額としては3億2千万円と致しました。
 その結果、経営支援補助金は3億3千万円を要求されましたが、広電が同年度に築地の中央工場に給油所を設置した経費が上澄みされていたことから、それを差し引いた上で、話し合いで予算額一杯の3億2千万円で済ませたということでした。
 ここで私は、たまたま27年度は給油所設置という別の支出があったから、予算額で収まったものの、今後予算を超過する経営支援補助金を要求された場合は、それを呑むのかと尋ねました。答えはその可能性はありで、その都度話し合って決めるということでした。つまり、明確なルールは確立していないことになります。予算を超過した際には補正予算を組むのか、他の予算流用で済ませるのか定かではありません。
 また27年10月からは、赤字だった天応川尻線を2分割しました。これまで天応から川尻までノンストップだったのを、天応から呉駅、若しくは東畑までの吉浦天応線と、呉駅から川尻までの仁方川尻線としました。これも、広電の経営努力による不効率路線の再編とも言えましょう。この結果、自然減による赤字幅を縮小させることに成功しました。
 結局27年度末現在、11路線中、黒字路線は宮原線、辰川線、長の木長迫線の3路線のみが黒字となりました。赤字幅の最も大きい、即ち生活バスへの移行基準となる経常収支率50%を切っているのは、現在37.5%の三条二河宝町循環線のみです。これはこれまで市内100円循環線だったのと、その外側を回る長迫循環線等を統合した結果であって、今後対応策を検討するということでした。
 一方、民営化に伴って、呉市交通局が既に使用していた事務所や車庫を広電に賃貸したり、バスを広電に購入してもらうもくろみは全て外れました。
 交通局所有だったバスは広電へ無償譲渡を余儀なくされ、しかもノンステップバス購入費用として、5年間を限度に毎年10台分1億円を経営支援補助金とは別に支払うことになったのです。
 おまけに、車庫や営業所は5年間を限度に無償貸借となりました。現在広電呉バスカンパニーが入居している呉駅西共同ビルや築地にある中央工場等がそれです。この内、5年目に入った先日、給油所を自ら設置された中央工場は、広電に対し、2億7千万円で売却に成功したところです。
 但し問題はバス購入補助金です。これは民営化1年前から準備として、1億円補助をスタートさせたため、昨年度で約束の5年間が切れました。ところが、本年度の予算書の補助金項目には、ちゃっかりと3千万円が計上されていたのです。つまり方針転換となりますが、このことの議会への説明は皆無でした。議会として気付かないだろうとたかを括っていた伏が見受けられます。方針転換するのなら、それはきちっと議会への説明責任を果たすべきなのです。
 実は、赤字・黒字路線を相殺した上でのトータルの赤字への経営支援補助ではなく、あくまで赤字路線の赤字分に限定しての経営支援補助金だったことも、当時きちっと説明されませんでした。つまり、市にとって不利な情報は、隠す傾向があるのです。これでは、議会が踊らされていると言いますか、どうせ市長のイエスマンだからと舐められていると、市民から言われても仕方ないでしょう。
 黙っていても、毎年度数千万円から1億円の運賃収入減になる状況下で、広電の涙ぐましい努力は解らぬでもありません。ただ、呉市当局が本音の部分や交渉過程をきちっと議会に開示しない姿勢が問われているのです。正確な情報提供がないと、議会としても正しい判断をしかねるからです。
私は、交通局民営化を初当選以降、唯一人訴え続けて来て、且つそれが実現したこともあり、今後も経営支援補助金の在り方を探りつつ、行方を注意深く見守って参る所存です。